柏崎刈羽原発で9度目の火災
「柏崎刈羽原発で9度目の火災」(世田谷通信)
東京電力の柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市)で、11日、午前10時30分ころ、昨年11月、12月、今年3月に続いて、通算9度目の火災が起こった。今回の火災は予備品倉庫内の空調装置のモーターから発火した模様で、火災報知機の発報で消防隊が駆けつけた時には、室内に煙が充満していたが火は消えていたという。しかし前回までの火災がずさんな管理体制による人災だったのに対して、今回の火災はモーターの加熱による自然発火だったため、「安全性はおおむね確保された」として早期の運転再開を目指している東電にとっては、安全性そのものを問われる結果となった。柏崎刈羽原発では、これらの度重なる火災事故のほかにも、昨年12月には漏れた大量の放射性廃棄物が14年間も放置されていたことが発覚したばかりである。柏崎刈羽原発に反対する地元の3団体と、中越沖地震後に設立された「柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会」は、柏崎市役所で合同の記者会見を開き、「7号機の運転再開容認は時期尚早で、再開への手続きより真相の解明を優先すべきだ」と改めて強く訴えた。「柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会」のメンバーで元原子炉設計技術者の田中三彦氏は、7号機原子炉圧力容器の底部にある再循環ポンプのモーター容器について「冷却水漏れにつながる重要な機器なのに、基準地震動に対する余裕が小さい。東電は目視点検だけで安全と主張し、国や県技術委でも突っ込んだ議論がない。いま起動試験を認めるには問題がある」と主張した。(2009年4月12日)
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