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2009.04.21

右も左もセバスチャン

こんな大感動が、こんなにも早く訪れちゃうとは、あたしは、夜中に1人で両手を突き上げて、何度も何度もガッツポーズをしながら、号泣し続けた。そう、ゆうべのF1の第3戦、中国GPの決勝戦だ‥‥ってなワケで、まだ録画を観てない人は、今すぐにこのページを閉じてちゃぶだい。

で、コーフン醒めやらぬまま書かせてもらうけど、まさか、開幕からわずか3戦目で、レッドブルの2台の「RB5」がワンツーフィニッシュを決めちゃうなんて!‥‥って言うか、前回のマレーシアGPは、レースのことよりも金儲けを優先した主催者側のオッパッピーが、東南アジアで一番スコールの多い時間帯なんかに走らせるから、土砂降りでレースが中断しちゃって、入賞者にはポイントが半分しか与えられないっていう情けない結果に終わっちゃった。だから、ちゃんと最後まで走れたレースとしては、まだ開幕2戦目ってワケで、それで早くもレッドブルのワンツー、それも、ベッテルが優勝だなんて、こんなに嬉しいことはない。

レース後のインタビューで、優勝したベッテルは、コーフンした様子で「信じられないほど最高に幸せだよ!」って言って、嬉しさで声をつまらせてから、「僕にとっての2勝目だ! それも、1回目はトロロッソで、2回目はレッドブルで優勝できたなんて、こんなに幸せなことはないよ!」ってコメントした。そして、感謝の言葉を続けた。


「今日の優勝は本当に嬉しいよ! これもチームの全員が最高に素晴らしい仕事をしてくれたおかげさ! チームの全員に心から感謝してるよ! 僕はこのチームで走れることをとても誇りに思ってる! オーストラリア(レッドブルチームの国籍)に向けてお祝いを言いたい!」


ああ、なんて感動的なんだろう。ベッテルが開口一番に言ったように、何よりも感動的だったのは、1回目はレッドブルのジュニアチーム、トロロッソで最年少優勝をして、それが認められて今シーズンからレッドブルへステップアップさせてもらって、それで2回目の優勝を決めたってことな今日この頃、皆さん、感動しましたか?


‥‥そんなワケで、あたしは、去年の9月16日の日記、「23年目の表彰台」に詳しく書いてるけど、去年のイタリアGPで、非力なトロロッソのマシンに乗ってたベッテルが、フェラーリやマクラーレンを始めとしたワークスやセミワークスの強豪を相手に、マシンの性能の差が縮まる雨を利用して、自分の腕で優勝したことに感動した。そして、トロロッソの前身のミナルディーから数えると、23年間もF1に参戦して来て、初めての優勝だったってことに、ホントに感動した。つまり、去年21才だったベッテルにとっては、自分が生まれる前から、一度も優勝したことのなかったチームの血を受け継いだマシンで、初めて表彰台の一番上に立ったのだ。

そして、今回の中国GPでは、またまた得意の雨を利用して、レッドブルでの初優勝を果たした。こないだの日記、「レギュレーションと戦う男たち」で、あたしは、今シーズンから最低最悪にカッコ悪くなっちゃった各チームのマシンの中でも、唯一、何とか見られるのが、レッドブルの「RB5」だってことを書いた。そして、このマシンをデザインしたのは、セナが事故死した時に乗ってたマシン、ウイリアムズの「FW16」を作ったエイドリアン・ニューウェイだってことも書いた。

もっと細かいことを言うと、エイドリアン・ニューウェイってのは、レッドブル・レーシングのデザイナーじゃなくて、レッドブル・レーシングにマシンを提供してる「レッドブル・テクノロジー」って会社のデザイナーだ。そして、この「レッドブル・テクノロジー」ってのは、レッドブル・レーシングだけじゃなくて、トロロッソにもマシンを提供してる。レッドブル・レーシングとトロロッソは兄弟チームで、これも前に書いたけど、トロロッソってのは、イタリア語で「赤い牡牛」って意味で、ようするに「レッドブル」って意味なのだ。

だから、空力の天才であるエイドリアン・ニューウェイは、レッドブルのマシンだけじゃなくて、トロロッソのマシンも手掛けてる。去年のイタリアGPで、ベッテルが初優勝した時のマシン、「STR3」も、もちろん、ニューウェイの作品だ。だから、今回、ベッテルが、「1回目はトロロッソで、2回目はレッドブルで優勝できたなんて、こんなに幸せなことはないよ!」ってコメントしたけど、両方のマシンを手掛けたニューウェイにとっても、きっとおんなじ気持ちだったと思う。

‥‥そんなワケで、2005年に、ミナルディーがF1からの撤退を発表した時に、そのチームを買い取り、トロロッソと名づけ、若いドライバーを育てるためのジュニアチームと位置づけたレッドブルは、わずか3年でルーキーのベッテルに初優勝させたってワケだ。そして、そのベッテルをトロロッソからレッドブルへと昇格させた今シーズン、早くも3戦目でワンツーフィニッシュっていう金字塔を打ち立てたってワケだ。

ちなみに、去年、ベッテルがトロロッソにいた時のチームメイトは、ボーデだった。つまり、セバスチャン・ベッテルとセバスチャン・ボーデがチームメイトだったワケだ。そして、今年、ベッテルがレッドブルへと栄転したから、これでトロロッソのドライバーの名前がおんなじじゃなくなって、紛らわしくなくなると思ったのもトコノマ、ベッテルのいなくなったシートをつかんだのは、これまたおんなじ名前のセバスチャン・ブエミだったってワケだ。それも、ベッテルはドイツ人、ボーデはフランス人、ブエミはスイス人てワケで、国籍が違うのに、偶然におんなじ名前なのだ。

ちょっと前に話題になってたけど、宮城県栗原市の市議選で、定数30人のとこに43人が立候補したんだけど、そのうちの11人が「佐藤さん」だったって話があった。これは、単なる偶然じゃなくて、栗原市って町が、「佐藤さん」が多い町だそうだ。商店街を見ても、「佐藤電気」「佐藤食品」「定食さとう」なんてお店が並んでて、住宅街の表札を見ても、5軒に1軒は「佐藤さん」だそうだ。だから、43人のうち11人が「佐藤さん」てのも、いろんな名字の人が平均的に立候補した結果なんだと思う。

だけど、こうした特殊な地域の話じゃなくて、ドイツから1人、フランスから1人、スイスから1人ってふうに集まったF1ドライバーが、3人とも「セバスチャン」で、それがおんなじチームに入るなんて、宝クジで1等が当たるよりも確率が低いミラクルだと思う。そして、これが、偶然じゃなかったとしたら、もしかすると、トロロッソは、なるべく「セバスチャン」て名前のドライバーを優先的に採用してるってことも考えられる。アホみたいな推測だけど、こんな偶然はアリエナイザーだから、ニポンにも「ゲンをかつぐ」ってことがあるように、トロロッソは「セバスチャン」て名前を「幸運の名前」ってことにしてる可能性もある。

で、あたしのこの推測が当たってれば、シートを失ったままになってる佐藤琢磨にも、ヒトスジの光が見えて来る。そう、佐藤琢磨は、すぐに「佐藤セバスチャン」て名前に改名して、それでトロロッソのテストを受けに行けばいいってワケだ。だって、F1ドライバーとして多くの経験を積んでる佐藤琢磨と、テストドライバーの経験しかなかったブエミとが同時にトロロッソのテストを受けたのに、佐藤琢磨が落ちてブエミが合格したってことは、やっぱり、「セバスチャン」ていうトロロッソにとっての「幸運の名前」をブエミが持ってたからって考えるのが妥当だろう。

ま、チームとしてはフェラーリを応援しつつ、ドライバーとしてはバリチェロを応援しつつ、レッドブルにも注目してたあたしとしては、フェラーリだけはパッとしないけど、全体的には楽しい結果が続いてる。まだ3戦目だから、今から騒いでもジンジャエールなことは分かってるけど、現時点でのドライバーズポイントは、バトンが1位、バリチェロが2位、ベッテルが3位ってワケで、こんな位置にバリチェロがいること自体が、去年までならミラクルだった。その上、チームメイトのバトンが1位なのは、恋人の道端ジェシカがレースを観に来てるからハリキリまくってるだけの話で、それがなければバリチェロが1位なのだ!

‥‥そんなワケで、ブラウンがワンツーを決めた開幕戦でも、バリチェロは2位にあまんじてたし、今回の中国GPだって、バリチェロは4位にあまんじてるけど、キッチリとファステストラップを叩き出してる。何よりも、今シーズンみたいに大幅なレギュレーションの変更があった年は、現役ドライバーの中で最高のセットアップ能力を持ってるバリチェロがいるからこそ、バトンも勝ててるワケだ。つまり、真の意味での1位は、やっぱりバリチェロなのだ。そして、バリチェロが、もしも「ルーベンス・バリチェロ」から「セバスチャン・バリチェロ」に改名したら、ワールドチャンプも夢じゃないと思う。でも、そんなことにでもなったら、セバスチャン・ライコネンとか、セバスチャン・アロンソとか、セバスチャン・ハミルトンとか、みんな「セバスチャン」に改名しちゃって、まるで宮城県栗原市の市議選みたいなレースになっちゃいそうな気がする今日この頃なのだ(笑)


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