新政権ヲザワゲリヲン新劇場版 : 波
西暦2006年、国民の格差拡大による世界的危機、「コイズミインパクト」から復興しつつあった現代に、突如、第3使徒アベが襲来する。アベは、その知能も学習能力も不明だが、オチョボグチから飛び出すさまざまな増税、年金問題、教育法改悪、憲法改悪、非核三原則の無視などで国民に戦いを挑んできたことから、政権与党である自民党からの刺客と推測された。この謎の敵、使徒に国民が対抗する唯一の手段が 「汎用人型決戦兵器ヲザワゲリヲン」である。反政府特務機関「ヤトー」は、3人の少年少女を操縦者に抜擢し、これまでに第1使徒モリ、第2使徒コイズミ、第3使徒アベ、第4使徒フクダを殲滅してきた。しかし、次々と使徒を殲滅された自民党は、新東京第3地検特捜部と手を組み、「ヤトー」を内部分裂させるための国策捜査に乗り出してきた。さらにはカルト教団ナンミョーとの癒着や現金のバラ撒きなど、なりふりかまわぬ選挙対策を炸裂させてきた。卑劣極まりない自民党の攻撃に、百年に一度のミゾウユウの危機を迎えた国民は、このまま2年後の大増税を余儀なくされてしまうのか? このまま滅びるまで搾取され続けてしまうのか?今、国民の命運を懸けた新たなる戦いの火蓋が切って落とされる。果たして使徒の正体とは? 少年たちの、そして国民の運命は?
主題歌 「残酷な自民のセージ」
残酷な~自民のセージ~国民よ~奴隷にな~れ~♪
チャンチャンチャチャチャ~ チャチャチャチャチャチャ~チャ♪
チャンチャンチャチャチャ~ チャチャチャチャチャ~チャ~♪
向かい~風が今~支持率を下げても~♪
国策~捜査で~相手を潰す~♪
選挙~対策~バラ撒くことに夢中で~♪
国民~まだ知らない~2年後の増税~♪
だけどいつか~気づくでしょう~その背中には~♪
お台場に~そびえ建つ~マンガの殿堂~♪
次から次に~福祉切り捨て~浮かせた金で~箱モノ造れ~♪
次から次に~弱者切り捨て~浮かせた金で~官僚豪遊~♪
やることすべて~選挙対策~目先の金で~国民騙せ~♪
やることすべて~官僚の指示~口先だけで~国民騙せ~♪
「新政権ヲザワゲリヲン新劇場版 : 波」
3機のヲザワゲリヲンを出動させ、何とか第4使徒フクダを殲滅することに成功した反政府特務機関「ヤトー」だったが、碇シンジの初号機は、戦闘中にフクダの最終攻撃である「アナタトハチガウンDEATH」を受け、大破してしまった。そのため、「ヤトー」の小沢イチロー総司令は、次なる使徒に備えるため、急きょ、サードチルドレンである真希波・マリ・イラストリアスを呼び寄せ、ヲザワゲリヲン参号機とのシンクロテストを開始していた。
小沢イチロー 「マリ、聞こえるか?」
真希波・マリ・イラストリアス 「はい」
イチロー 「これより、参号機の再起動実験を行なう。第一次接続開始」
福島ミズホ 「主電源、コンタクト!」
山口タカ 「自民党に対する国民の不満、臨界点を突破!」
ミズホ 「了解!フォーマットをフェーズ2へ移行!」
オペレータ 「パイロット、参号機と接続開始、回線開きます」
オペレータ 「政策及びマニフェスト正常、シンクロ支持率、問題なし」
オペレータ 「地方遊説、終了。中枢神経素子に異常無し」
オペレータ 「世論調査、誤差修正無し」
タカ 「チェック、ニーゴーキューマルまでリストクリア!」
ミズホ 「過半数議席獲得まで、あと2.5‥‥1.7‥‥1.2‥‥1.0‥‥0.8‥‥0.6‥‥0.5‥‥0.4‥‥0.3‥‥0.2‥‥0.1‥‥突破! ボーダーライン、クリア!」
タカ 「参号機、起動しました!」
マリ 「了解!引き続き連動試験に入ります!」
鳩山ユキオ 「小沢、未確認飛行物体が接近中だ!」
イチロー 「なに?」
ユキオ 「おそらく、モリ、コイズミ、アベ、フクダに続く第5の使徒だな」
イチロー 「第5使徒アソウか!」
ユキオ 「おそらく」
イチロー 「テスト中断!総員第一種警戒態勢!」
ユキオ 「参号機はこのまま使わないのか?」
イチロー 「まだ戦闘には耐えられん。零号機と弐号機は?」
ミズホ 「380秒で準備できます!」
イチロー 「出撃だ」
ミズホ 「はい!」
イチロー 「マリ、再起動は成功した。戻れ」
マリ 「‥‥はい」
タカ 「目標は塔の沢上空を通過!」
ミズホ 「零号機、弐号機、発進準備に入ります」
イチロー 「第1ロックボルトを外せ!」
綾波レイ 「解除確認‥‥」
式波・アスカ・ラングレー 「解除確認!」
イチロー 「了解!第2拘束具、外せ!」
オペレータ 「了解」
タカ 「目標は芦ノ湖上空へ侵入!」
オペレータ 「ヲザワゲリヲン零号機、弐号機、発進準備完了」
ミズホ 「発進!」
その時である。地上数十メートルを浮遊していた第5使徒アソウの紫色の巨大な体が、胴体部を縦にして静かに着地した。そして、両腕と思われる光るムチ状の触手のようなものを伸ばし始めた。それまでの飛行形態から戦闘形態へと変化したのだった。
一方、出撃した2機のヲザワゲリヲンは、レイが山かげで総司令からの指示を待っていたのに対して、いつものことながら、アスカは指示を待たずに自己判断で突進してしまった。
アスカ 「あんなやつ、あたし1人でチョチョイのチョイよ!」
レイ 「‥‥」
タカ 「目標内部に高エネルギー反応を確認!」
ミズホ 「何ですって!」
タカ 「目標は異常に退化したアメーバ並みの思考回路で漢字の誤読を繰り返し、それをエネルギーに変換しています!」
ミズホ 「まずいわ!」
タカ 「円周部を加速、収束して行きます!」
イチロー 「まさか!」
ミズホ 「だめ!アスカ、避けて!」
キュルキュルキュルキュル‥‥シュパーン!シュパーン!
アスカ 「うああっ!」
アソウの触手が弐号機の体に巻きつき、高エネルギーを放出した。
アスカ 「キャーーー!!」
ミズホ 「アスカ!」
イチロー 「アスカは生きているか?」
タカ 「生きていますが、脳波が乱れています!心音微弱!」
ミズホ 「生命維持システム最大、心臓マッサージを!」
タカ 「はい!」
イチロー 「レイ、大丈夫か?」
レイ 「はい、私は大丈夫です‥‥」
イチロー 「よし!一か八かでテスト段階の参号機を援護に向かわせる。それまで目標と距離を取りながらパレットガンでアスカを護れ」
レイ 「はい」
しかし、零号機のパレットガンはまったく歯が立たず、アソウはまた飛行形態に変化し、浮遊し始めた。弐号機は完全に沈黙し、零号機も動けない状況の中、ようやくグリーンのボディの参号機が零号機の背後に到着した。
ミズホ 「アスカの状況を考えると、もう時間がないわね。目標の弱点は?」
タカ 「これまでに採取したデータによりますと、目標は一定距離内の外敵を触手によって自動排除するものと推測されます」
ミズホ 「アスカは、その一定距離内に入ってしまったというわけね」
タカ 「ええ、ヲザワによる近接戦闘は危険過ぎますね」
ミズホ 「参ったわね‥‥で、問題のシールドは?」
タカ 「現在、目標は我々の直上、第3新東京市ゼロエリアに侵攻、直径17.5メートルの巨大シールドがジオフロント内、ヤトー本部に向かい穿孔中です」
イチロー 「敵はここ、ヤトー本部へ直接、攻撃を仕掛けるつもりだな」
ミズホ 「しゃらくさい!‥‥で、到達予想時刻は?」
タカ 「明朝午前0時06分54秒、その時刻には22層すべての装甲防御を貫通して、ヤトー本部へ到達するものと思われます」
イチロー 「あと10時間か‥‥」
ミズホ 「状況は芳しくないわね」
前原セイジ 「ふふふふふ‥‥白旗でも揚げますか?」
イチロー 「裏切り者は黙っていろ!」
ミズホ 「総司令、ちょっち、やってみたいことがあるんです!」
イチロー 「あれか?」
ミズホ 「はい!総司令もそのつもりでテスト段階の参号機を発進させたのでは?」
イチロー 「まあな‥‥よし、ミズホ君、あとは君に任せる。思うぞんぶんやりたまえ」
ミズホ 「はい!今こそ政権交代の時、国民を苦しめ続ける自民党に引導を渡す時です!」
そのころ、アスカは、生命維持システムによって30%ほど回復し、弐号機も何とか歩行だけはできるようになっていた。
ミズホ 「アスカ、聞こえる!」
アスカ 「‥‥は、はい」
ミズホ 「どう?動ける?」
アスカ 「何とか移動はできると思うけど、まだ戦えるほどの力はないわ‥‥」
ミズホ 「動けりゃ大丈夫よ!とにかく、こっちまで戻って来て!」
アスカ 「はい」
ミズホ 「レイ、マリ、あなたたちも戻って来て!そして目標を囲むように、3機で正三角形を作るのよ!」
レイ、マリ 「はい!」
無傷の零号機と参号機は、いち早く戻って来て、ヤトー本部へ侵入しようとしている第5使徒アソウを囲む正三角形のA点とC点にスタンバイした。あとはB点に弐号機が到着すればよいのだが、弐号機は瀕死の状態のため、なかなか思い通りに進むことができない。
アスカ 「‥‥う‥‥うう‥‥」
ミズホ 「アスカ!がんばって!」
マリ 「アスカさん!しっかり!」
アスカ 「‥‥あ、あんた‥‥バカぁ?‥‥このあたしが、この程度でくたばるとでも‥‥うう!」
マリ 「アスカさん!」
ミズホ 「アスカ!あなたには数えきれないほどの国民の未来が懸ってるのよ!がんばって!」
アスカ 「‥‥う‥‥うう‥‥」
ミズホ 「このまま自民党の独裁政権が続けば、この国は、1割の勝ち組が9割の負け組を奴隷のように踏みにじる第二の北朝鮮になっちゃうのよ!」
アスカ 「ううううう‥‥そんなの‥‥絶対に‥‥このあたしが‥‥許さなーーーーい!!」
その瞬間、弐号機のシンクロ支持率がグングンと上昇し始めて、弐号機はシッカリとした足取りで歩き出した。
マリ 「アスカさん!」
弐号機がB点に到着すると、不思議なことに、零号機、参号機とともに機体が青白く光り始めた。そして、3機の機体をつなぐラインも青白く光り始め、第5使徒アソウを中心にした巨大な光の正三角形ができあがった。
レイ 「こ、これは?」
マリ 「何なの?」
アスカ 「‥‥‥‥」
ミズホ 「これが、あなたたちが選ばれし理由なのよ」
マリ 「えっ?」
ミズホ 「綾波、式波、そして、真希波。あなたたち3人の波がひとつになった時、悪しきものをすべて浄化してしまう果てしないエネルギー『三波春夫』が生まれるの」
レイ 「これが、私たちの力?」
ミズホ 「さあ、みんな!ありったけのパワーを放出して!」
マリ 「ううーーーん!」
レイ 「く‥‥くく‥‥」
タカ 「レイとマリは規定値をクリアしましたが、アスカだけが到達していません!」
ミズホ 「アスカ!あと少しよ!がんばって!」
アスカ 「‥‥うう‥‥う‥‥」
ミズホ 「子供からお年寄りまで、みんな大好きなオムライスをお腹いっぱい食べられるような世の中を作るために、アスカ、がんばるのよ!」
アスカ 「‥‥うう‥‥うう‥‥ママ‥‥ママぁーーーーー!!」
タカ 「やりました!3人とも規定値をクリアしました!」
ミズホ 「よし!」
正三角形の光は何倍にも大きくなり、その中央に、巨大な三波春夫が現われた。
巨大な三波春夫は、満面の笑みを浮かべながら、こう言った。
三波春夫 「お客さまは神様です!」
すると、第5使徒アソウの動きが止まった。
三波春夫 「お年寄りは神様です!」
第5使徒アソウの触手が溶け始めた。
三波春夫 「障害者は神様です!」
第5使徒アソウの体が溶け始めた。
三波春夫 「すべての国民は神様です!」
第5使徒アソウは消滅した。
ミズホ 「よっしゃ~!」
イチロー 「うむ、これでようやく政権交代が実現したな!」
ユキオ 「総司令、おめでとうございます!」
イチロー 「いやいや、我々はまだスタートラインに立っただけで、これからが大変な道のりなのだ。自民党がメチャクチャにした国民の生活をもと通りにするために、まずは自民党が作り上げた政官財の癒着システムを解体して、すべての国民に福祉が行き渡るようにしなくちゃいかん。すべては、ここからなのだ」
ミズホ 「総司令、あれを見てください!」
スクリーンには、夕焼けに染まる第3新東京市のガレキの中で、巨大な三波春夫の歌う「大東京音頭」に合わせて、楽しそうに盆踊りを踊るヲザワゲリヲン零号機、弐号機、参号機の姿があった。それは、まるで、自民党政権という長年の悪夢からようやく目覚めた国民たちが、歓喜の雄叫びをあげている光景にも見えた。
【おわり】
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