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2009.05.09

愛されモテ系ターンオーバーの正則摂動法

A 「週末コーデはこれで決まり!キラキラ愛されモテ系のヘビロテ必至、神コレ登場の春夏マストアイテム、マリンなボーダーのベアワンピをプチプラゲットでひとり勝ち!」

B 「放射冷却によってターンオーバーが起こり活性が下がっているため、スピナベを使って水通しのよいシャローのウィードエリアを広範囲に探ってリアクションバイトを狙う」

C 「量子電磁力学の摂動論に現われる永年項を除去する方法として、本来の初期条件とは別に余分の初期条件を与え、 新たに導入される定数に永年項を繰り込む」


‥‥ってなワケで、今日はノッケから意味不明な3つの文章を並べてみたワケだけど、どれもニポン語で書かれてるから、フロッピー麻生みたく事務方が作った原稿を正しく「読む」ことすらできない無知な人間は例外として、義務教育レベルの国語力を持ってる普通の人なら、この3つの文章をすべて「読む」ことだけはできたハズだ。だけど、その意味が理解できたかってことになると、この3つの文章の意味をすべて理解できた人は少ないと思う。

ちなみに、Aの文章は、某「若い女性向けファッション雑誌」のコーナータイトルの1つで、Bの文章は、あたしが書いたブラックバスの釣り方だ。そして、Cの文章は、1965年にノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎博士の「くりこみ理論」の概要だ。つまり、それぞれが、まったくジャンルの違う「専門的な文章」ってワケだ。だから、一般的な女子中学生や女子高生なら、Aの文章はソッコーで理解できたけど、BやCはチンプンカンプンだったハズだ。逆に、大学で物理学を専攻してる人なら、Cの文章はすぐに分かったけど、AやBはよく分からなかったと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、まずは、A、B、Cの文章の意味を説明しとくけど、Aの文章は、「コーデ」は「コーディネイト」、「ヘビロテ」は「ヘビーローテーション」、「神コレ」は「神戸コレクション」の略で、「プチプラ」は「プチ+プライス」から作られた造語で「安い値段」のことだ。それから、「ベアワンピ」ってのは、下に引っ張るとオッパイが丸出しになっちゃうタイプのワンピースのことで、それが「マリンなボーダー」なんだから、横の太いシマシマ柄になってるワケで、これが今年の春夏の「マストアイテム」で、これさえ着てれば週末の合コンで「ひとり勝ち」ってことになるってワケだ。だけど、ぜんぜん分からない人が推測だけで解読しようとすると、「マスト」と「マリン」と「ベアワンピ」あたりから想像して、ヨットのマストに子分のクマを登らせて、マンガの「ワンピース」みたいに海賊ゴッコをする週末のマリンスポーツのことだと思われちゃうかもしれない。

で、Bの文章は、晴れてるのに気温が下がる放射冷却によって、湖の水面近くの水温だけが下がり、温かい深場の水が上昇して、冷たい表層の水が沈むっていうターンオーバー現象が起こった。そのため、水が濁ってブラックバスの活性が低下しちゃったから、こんな日には、ターンオーバーの影響を受けにくくて酸素も豊富な岸沿いの浅場(シャロー)の水草が生えてる場所(ウィードエリア)に避難してるブラックバスを狙う。そして、ブラックバスは、エサを食べようとする気持ちが低下してるから、ルアーをエサとして使うんじゃなくて、テリトリーを荒らしに来た外敵のように使って、ブラックバスの攻撃性に訴えるようにする。そのためには、通常のルアーよりも、キラキラと光ってアピール度の高いスピナーベイト(スピナベ)を使って、パブロフの犬的な反射で食わせる(リアクションバイト)のが基本になる‥‥って意味だ。

そして、Cの文章は、これをキチンと説明すると、たぶん1万文字くらい必要だし、それ以前に、あたしもよく分かんないから、ここでは割愛する。ようするに、あたしの場合は、AとBの文章は理解できるけど、Cは理解できないって立場の人間なのだ。でも、朝永振一郎博士の「超多時間理論」や「くりこみ理論」については、専門的な知識はないにしろ、それなりに表面上だけはなぞったことがあるから、ナニゲにイメージとしては分かったつもりになってるし、「朝永」が「あさなが」じゃなくて「ともなが」って読むことも知ってる。だから、ぜんぜん知らない人よりは、1ピコグラムほどマシってことになる。

‥‥そんなワケで、あたしの場合は、「AとBの文章は理解できるけどCは理解できない」って立場だけど、この「きっこの日記」を読んでる人の中には、Aしか理解できなかった人もいれば、Cしか理解できなかった人もいるだろう。そして、あたしとおんなじにAとBが理解できた人もいれば、AとCが理解できた両極端な人もいるかもしれない。だけど、1つだけ言えることは、A、B、Cのすべてを完璧に理解できた人は、いることはいると思うけど、ものすごく少ない人数だろうってことだ。アンケートをとったワケじゃないから、何の根拠もなくて、あたしのイイカゲンな想像になっちゃうけど、たぶん、100人のうち1人いるかいないかくらいだと思う。

で、イイカゲンな想像に続いて、今度は自画自賛しちゃうけど、あたしは、まだ「ブログ」なんて言葉がなかった時代から、もう10年近くも「きっこの日記」を書き続けて来て、あたしなりに、ずいぶん文章を書くのが上達したと思ってる。もちろん、これだけの量の文章をほぼ毎日書き続けてるんだから、内容的には、毎回がベストってワケじゃなくて、面白い日もあればつまんない日もあるだろう。だけど、内容とは別に「文章」として見れば、日記を始めた10年前よりは、ずいぶんマシになったと思う。それは、「読み手に正確に理解してもらう」って意味での文章の上達だ。

もちろん、今でも、あたしの書いてる意図が伝わらずに、変なふうに解釈して、トンチンカンなツッコミや反論のメールを送って来る人も少しはいる。だから、「あたしの書き方が悪かったのかな?」って思ったこともあった。でも、どんなに懇切丁寧に書こうとも、どんなに簡単な言葉で幼稚園児を諭すように書こうとも、それでも変なふうに解釈する人は変なふうにしか解釈しないってことが分かった。ようするに、あたしの書き方の問題なんじゃなくて、読む側の人間性や読解力の問題だってことが分かったから、今は気にしないことにした。

日記を始めた10年前、あたしは、文章自体がヘタクソだったこともあるけど、それだけじゃなくて、一般の読者のことなんて1ミクロンも考えてなかった。そりゃあ、アクセス数が1日に5人とか10人とかだったし、その5人や10人もみんなあたしのお友達だったんだから、当然だろう。だから、仲間内でしか通じない言葉を使ったり、仲間内でしか分からない話題を取り上げたりしてた。これも、当然のことだろう。今でも、多くの人たちのブログが、こうした「仲間内だけのツール」として利用されてるんだから、それとおんなじことだ。

だけど、2年、3年、4年と書き続けてるうちに、だんだんとアクセス数が増えて来て、毎日、何百人もの人たちが読みに来るようになると、状況は大きく変わって来た。それは、読みに来る人たちの大多数が、どこの誰かも分からない人たちになったってことだ。そして、自分のお友達だけが読みに来てた時の気分で書き続けてたら、どこの誰かも分からない人から、質問のメールや反論のメールが届くようになって来た。あたしは、質問ならともかくとして、人の日記を勝手に読みに来て、そこに書いてあることに対して、見ず知らずの人が反論や意見をメールして来るなんて、どれだけ「おせっかい」な人なんだろうと思って憤慨した。文句があるなら、読みに来なきゃいいのに‥‥って思った。

でも、そのころは、1日に届くメールは2~3通だったし、そのほとんどはファンレターみたいな内容だった。一番多いのは「メル友になってください」ってメールで、反論のメールは1週間に1通とか2通くらいだった。だから、あたしは、あまりにも失礼な書き方のものを除いて、すべてのメールにキチンと返信をしてたし、反論のメールであっても、最低限のマナーを守ってるものに対しては、ちゃんと自分の考えを書いて返信をしてた。中には、そこから議論が始まり、数ヶ月に渡ってメールのやりとりをした人もいる。

‥‥そんなワケで、あたしは、1日に届くメールの数が、10通くらいまでのころは、どんなに短くても、必ず全員に返信を書くようにしてた。でも、20通、30通‥‥って増えて来ると、サスガに全員には返信できなくなり、100通を超えるようになったら、読むだけでも大変なことになって来た。その上、アクセス数が何千なんて単位になって来たら、嫌がらせや脅迫のメールも増え始めた。だから、あたしは、デタラメなアドレスが記入してあるものや、ちゃんとしたサーバーからのメール以外は、ゴミ箱へ行くように設定した上で、「メールはできるだけ短く、要点だけを書いて欲しい」ってことを告知した。そうでもしないと、読むこともできなくなったからだ。

だから、今は、ちゃんと届いたメールに関しては、一応すべてに目を通してるけど、よほどのことがない限り返信はしてない。でも、メールの返信ができない代わりに、あたしにできることとして、「すべての人が理解できるように書く」ってことを心掛けるようになった。たとえば、パチンコの話題を書く場合には、パチンコファンなら知ってて当然の「マイホ」とか「SU」とかって単語を使う時でも、必ず「マイホ(マイホール)」とか「SU(ステップアップ)」とかって書くようにしてる。麻雀で「風速」って言えば、麻雀を打つ人なら誰でも、1000点を50円にするとか100円にするとかの「賭け金」のことだって知ってるけど、あたしの場合は、それをちゃんと説明するようにしてる。

もちろん、パチンコや麻雀の話題に限らず、F1の話題にしても、俳句の話題にしても、専門的な言葉や状況に関してはフランク・ザッパに解説しつつ、文章を進めてくようにしてる。だけど、これをやりすぎちゃうと、その分野のことに詳しい人から見たら、「うっとうしい文章」ってことになっちゃう。だから、その辺のバランスも考えつつ、分からない人たちにはナニゲに分かるように、詳しい人にはしつこくならないように、ちょうどいい湯加減になるように書いてるってワケだ。

‥‥そんなワケで、この「きっこの日記」は、キラキラ愛されモテ系の春夏マストアイテムに興味のある女の子専門の日記でもないし、放射冷却によってターンオーバーが起こった時のブラックバスの釣り方に興味のあるバサー専門の日記でもないし、正則摂動法を用いたことによって共鳴から生じた永年項の除去法に興味のある物理マニア専門の日記でもないから、もしも、今後、こうしたジャンルの話題を取り上げることがあったとしたら、10年間の日記人生で培った「痒いとこに猫の手が届く文章」を駆使して書いてこうと思う。だから、皆さん、自分の興味のない話題の日でも、できるだけ「食べず嫌い」は避けて、最後まで読んで欲しいと思う今日この頃なのだ。


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