« 緊急アンケートです! | トップページ | Oh!RADIO »

2009.06.13

イルカが鳴いた日/後編

さて、昨日の続きだけど、わんぱくフリッパーの鳴き声が思い出せなくて気になってる母さんと、母さんが「カカカカカカ‥‥」ってやる時に両手をパタパタさせることがおかしくて笑いが止まらないあたしは、幼稚園児の軍団が1階にいれば地下へ、地下に下りてくれば地下の奥へと、常に先回りして、大騒ぎに巻き込まれないようにしてた。母さんもあたしも子供は大好きだけど、こういう場所に来てコーフン状態になってるチビッコ軍団は、プロの引率の先生たちでも四苦八苦するほどの手ごわい相手なのだ‥‥ってことで、チビッコ軍団に追いやられるように地下の出口付近まで来た母さんとあたしは、アシカのプールを発見した。

ここも、地下のイルカのプールとおんなじで、1階にあるアシカのプールの水中の様子を地下から観られるようになってた。この日は2頭のアシカがいたから、きっとこれがシーナとプリンなんだと思うけど、1頭のほうがヤタラと人なつっこい。ガラス越しに覗いてると、まるで「遊んで!遊んで!」って言ってるように、あたしの前を行ったり来たりする。そして、水中で、ヒレ状になった自分の後ろ足をくわえて、ドーナツみたいな輪になって、グルグルと回り出した。猫が自分のシッポを追いかけてグルグルと回るのは、シッポをつかまえようとして回ってるワケだけど、このアシカの場合は、目的である足を完全に捕獲して、ちゃんとした輪になってからゆっくりと回り出すから、なんか、昔のSF映画に出て来る宇宙ステーションみたいだった。

Ss13このアシカは、この遊びが気に入ってるみたいで、右のほうへ泳いでってグルグル、左のほうへ泳いでってグルグル‥‥って何度もやってた。母さんは、そのアシカの行動をヤタラと面白がってた。水槽の前に他に誰もいなかったこともあって、アシカが右へ行くと母さんも右へ、アシカが左へ行くと母さんも左へって、アシカと一緒になって移動してた。あたしは、アシカよりも母さんを見てるほうが楽しくて、その様子をずっと眺めてた。そして、母さんのために、アシカがグルグルと回ってるところを写メした。あとで母さんのケータイに送信して、待ち受けにしてもらおうと思った今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、ノドまで出かかってた「惣流アシカ・ラングレーです!」ってギャグは言わずにガマンしつつ、おんなじ地下にある「シャークホール」へと移動した。「虎の穴」で特訓したのはタイガーマスクだけど、この「サメの穴」にいるのは、見るからに恐ろしい顔をした巨大な「シロワニ」だ。名前に「ワニ」ってついてても、「ワニ」じゃなくて「サメ」のことで、言うなれば、「ガマグチ」って名前なのに「ガマガエル」じゃなくて「お財布」のこと‥‥って、リトル違うか?(笑)

Ss21ここは、巨大な水槽の中に巨大なサメが泳いでるんじゃなくて、狭くて曲面になった水槽の中に巨大なサメがいるから、サメはスローリーに泳いでるし、サメの顔面に30cmくらいのとこまで近づいて観ることができる。2mくらいあるシロワニのギリギリまで顔を近づけてみたら、無表情な目があたしのほうをチラッと見たから、一瞬、オシッコをちびりそうに恐くなった。何より、半びらきの口からのぞいてる鋭利な歯が恐い。母さんは、ガラス越しだから絶対に大丈夫なのに、恐がって水槽の近くに来なかった。

それで、あたしは、「このシロワニっていうサメは、顔はイカツイけど、性質はおとなしくてメッタに人間は襲わないのよ」って教えてから、ついでに、「このシロワニは、タマゴじゃなくて子供を産む珍しいサメなの」ってプチ情報も教えたら、母さんは興味を持って水槽の近くに来た。だけど、「子宮の中で受精したタマゴが孵化して、たくさんの子ザメが生まれるんだけど、外に出ないで子宮の中で成長するの。それで、孵化しなかったタマゴを食べたり、子ザメ同士で共食いをして、1年経って生き残った子ザメが外に出て来るの。だから、外に出て来た時には、もう1mくらいの大きさになってるの」って教えたら、それはそれで別の意味で恐がってた(笑)

それから、ちょっと気分を変えるために、カラフルなお魚たちが泳ぐ大きな水槽に移動した。カラフルって言っても、熱帯魚とかじゃなくて、普通のニポン近海にいるお魚たちだから、とっても楽しい。母さんも興味津々天津丼で、次から次へとお魚の名前を聞いて来る。


「あのナナメのシマシマのは?」

「あれはタカノハダイ。鷹の羽の模様に似てるからタカノハダイって言うの。体はシマシマなのに尾ビレは水玉になってるとこがポイントなの」

「ふ~ん」

「あっちの奥に、よく似たシマだけど、ひとまわり小さいのが3匹いるでしょ。あれがミギマキ」

「へ~」

「ミギマキは、胸ビレが黄色くて、あと、尾ビレの上が黄色で下が黒のツートンカラーになってるの。それから、よく見ないと分からないけど、口が赤くて口紅を塗ってるみたいになってるのよ」

「ホントだ!」

「西日本だと、ミギマキに対して、よく似てるタカノハダイのことをヒダリマキって呼んでるの」

「ヒダリマキって、頭の悪そうな名前ね。あはははは~!」


‥‥そんなこんなで、あたしは、このタカノハダイが、ショウガを入れて甘辛に煮るとメジナっぽくて美味しいってこととか、どう見ても熱帯魚にしか見えないカゴカキダイが、実は塩焼きにすると意外に美味しいってこととか、カラフルなニシキベラやキュウセンが、ぶつ切りにしてお味噌汁に入れると美味しいってこととか、そんなことばかり話してたら、母さんは、「そろそろお腹が空いて来たね~」って言い出した。そう言えば、もう12時半だし、母さんもあたしも朝早く軽い食事をしただけだった。

それで、あたしたちは、外に出て、レストランでお昼を食べることにした。「しながわ水族館」のいいとこは、入口で入館券を見せるだけで、その日なら何度でも出入りできることだ。「しながわ水族館」は、ものすごく広くてステキな「しながわ区民公園」の中にあるから、水族館を観てから、区民公園の散策して、それからイルカショーやアシカショーを観るために、また水族館に戻ることもできる。区民公園には、100本以上の梅がある梅林もあるし、桜もたくさんあるし、今の時期なら、200株を超えるアジサイや400株近いキョウチクトウが楽しめる。秋には、100本を超えるモミジやカエデの紅葉の他、イチョウの黄葉も美しい。そして、冬になると、たくさんのツバキやサザンカが出迎えてくれる。

Ss20そして、その真ん中には、海水を引いて造った人工の海、「勝島の海」があって、いろんな場所にあるベンチや四阿(あずまや)で、お弁当を食べたり、本を読んだりして、のんびりすることができる。だから、ホントは、今日もお弁当を作って来たかったんだけど、どうしても時間的にムリだったから、この日は、水族館に併設してる水上レストラン、「ドルフィン」で済ませることにした。母さんとあたしは、980円の「品川丼」を注文した。真ん中に煮た小ぶりのアナゴが乗ってて、周りに煮たアサリと輪切りにしたシャコ天がチョコっと乗せてあって、その周りを焼き海苔がグルッと取り囲んでた。これに、お味噌汁とお新香がついてた。タレがちょっと変わってて、アナゴのお寿司に塗る「つめ」にゴマ油を加えたみたいなヤツで、このタレをかけると、ちょっと中華っぽいニュアンスになった。

Ss15まあ、味としてはそれなりに満足したけど、値段との費用対効果を考えると、遊園地で飲む400円の缶ビールとおんなじで、値段の半分は「ショバ代」って感じだった。でも、こうして元気になった母さんと一緒に、レストランで食事してること自体がお金には換えられない幸せだから、あたしは大満足だった。お昼を食べながら、今までに観て来た展示について話してたんだけど、母さんは、意外にも、「イワシの回遊水槽」が気に入ったって言ってた。円柱型の水槽の中をマイワシの群れがグルグルと回遊し続けてるだけなんだけど、母さんは、けっこう長い時間、立ち止まってた。でも、何で気に入ったのかを聞いてみたら、「あれが家にあったら、いつでも新鮮なイワシが食べ放題だから」って言い出した(笑)

Ss14‥‥そんなワケで、そろそろ1時半からのイルカショーの時間だから、母さんとあたしは水族館に戻ったんだけど、会場に着いてみたら、これがチョー満員! プールに向かって、正面と左側にL字型に作られてる席はすべて埋まってるし、座りきれない人たちが、手すりのとこに何列にも並んでるし、ガラス越しに観られるとこには、車椅子のお年寄りたちが横一列に並んでて、付き添いの施設の人たちも動き回ってた。それで、あたしたちは、まだショーが始まるまで15分くらいあったから、隣りにあるペンギンのプールを観たり、その先に増設された「アザラシ館」を観たりした。

Ss18お客さんのほとんどがショーを待ってるから、「アザラシ館」はガラガラの貸し切り状態で、やる気なさそうにダラダラしてるゴマフアザラシたちを母さんとあたしとで2人占めだった。「アザラシ館」は、真ん中に人間が入れる小部屋があって、その周りがすべて水槽になってる上に、アザラシが頭の上を泳ぐようにトンネルにもなってて、なかなか楽しい展示だった。

Ss16母さんは、明かり取り用の丸い筒状の天窓のとこに、体を丸くさせてピッタリとはまってるゴマフアザラシを発見して、大ハシャギしてた。

ひとしきりゴマフアザラシを楽しんだら、いよいよイルカショーの始まりだ。会場に戻ると、ちょうどお姉さんの「イルカの説明」が始まったとこだった。イルカのイラストが描かれたパネルを見せて、それぞれのヒレの役割だとか、鼻の穴の位地だとか、イルカの皮膚の感触だとかを説明するアレだ。説明のあとに「質問コーナー」があったら、あたしは手を挙げて「イルカの鳴き声って、カカカカカカ‥‥ですか? キキキキキキ‥‥ですか?」って聞こうと思ってたのに、残念ながら「質問コーナー」はなかった。

Ss23そして、待ちに待ったイルカショーが始まった。あたしは、何とか良く観える場所にもぐり込むことに成功したので、そこに母さんを移動させて、あたしは母さんの肩越しに観ることにした。さっきのお姉さんと、もう1人の調教師が出て来て、2頭のイルカがハデな連続ジャンプを披露した。会場全体から「おお~!」っていう歓声が上がった。これでツカミはオッケーって感じで、2頭のイルカはそれぞれの調教師の前に頭を出して、名前を紹介。向かって左がカイ、右がホップだった。やっばり、地下の窓から観た通り、メスの2頭だった。

Ss19そして、カイとホップは、長いバーを飛んだり、鼻先でフラフープを回したり、ちっちゃなビート板を鼻先で押さえて泳いだりって、いろんな芸を披露して行った。そのたびに会場から歓声が上がり、母さんも夢中になって観てるんだけど、あたしは、何年か前に観たサンディーのことを思い出しちゃって、「もうサンディーには会えないんだ」って思ったら、寂しくて涙が出そうになった。こんなことを言ったら、一生懸命に世話をしてる水族館の人たちに申し訳ないけど、広い海を自由に泳ぐことができずに、狭い水族館のプールで、人間の見せ物になって一生を終えたイルカのことを思うと、とっても複雑な気持ちになった。

イルカショーを観て、子供たちやお年寄りたちは、みんな楽しんでる。あたしも楽しいし、あたしの大切な母さんも楽しんでる。でも、もしも自分がここのイルカだったら‥‥って考えると、やっぱり広い海を自由に泳ぎたいと思う。そう思うと、ホントに複雑な気持ちになる。だから、あたしは、数え切れないほどの人たちを楽しませてくれたサンディーに、心の中で「ありがとう」って言ってから、「天国の広い海を自由に泳いでね」って言った。

‥‥そんなワケで、楽しかったイルカショーも終わり、母さんとあたしは、まだ観てない展示を観て回った。南米のコーナーでは、薄暗い巨大水槽の中を泳ぐビラルクを観たり、中の電気ウナギが放電する電気が何ボルトなのか表示される水槽を観たり、ヒトデに触れる水槽に手を入れてみたり、ひと通り楽しんでから、外に出た。母さんは、両手を大きく広げて、「楽しかったね~!こんなに楽しかったの久しぶりだよ!」って言った。あたしは、「もう元気になったんだから、これからはどこにでも一緒に行けるよ!」って言った。母さんは、今まで10年以上もがんばって来たんだから、これからは、どこにだって連れてってあげるよ。ただし、国内に限るけど(笑)

で、この日は、すごく湿度が高かった上に、午後からはお日さまも顔を出してムシムシして来ちゃったので、お風呂に入りたくなった。それで、ここからだと1時間くらい掛かりそうだけど、まだ時間も早かったから、横浜の瀬谷のスーパー銭湯、「湯楽(ゆら)の里」に行くことにした。「湯楽の里」はいろんなとこにあるので、正しくは、「湯楽の里の横浜瀬谷店」って言うべきなんだけど、東京から一番近いとこがこの横浜瀬谷店なので、東京で「湯楽の里」って言えば、たいていは横浜瀬谷店のことを指す。ま、どうでもいいんだけど。

そして、何年ぶりかで「しながわ水族館」を楽しんだあとに、何年ぶりかで「湯楽の里」に行ったんだけど、不思議なことに、一時は750円とか850円とかに値上がりしてた入浴料が、昔の650円に戻ってた。1時間近くも下の道をテケテケと走って来た甲斐があった。こんなご時世だから、アリガタイザーなことだ。それに、ここは、2時間ちょいまで駐車場が無料なのも助かる。

久しぶりに母さんと「湯楽の里」に来て、いろんなお風呂をタップリと楽しんで、最後に露店風呂に入ってたら、母さんは気持ち良さそうに目を閉じて、「ありがとうね」って言ってくれた。だけど、それは、あたしが言う言葉だ。母さんが元気になってくれて、誰よりも幸せなのがあたしだからだ。こうして一緒にいられるだけで、他にも何もいらないほど満ち足りた気持ちになれる。だから、あたしのほうこそ、「ありがとう」だ。

‥‥そんなワケで、帰り道、道路沿いのお店で、晩ご飯に「助六寿司」と「ばってら」を買って、またテケテケと帰ったんだけど、あたしのマンションで晩ご飯を食べてたら、母さんが、ポツリと言った。


「ところで、わんぱくフリッパーって、どんなふうに鳴くのかしら?」


あたしは、思わずお茶を吹き出しちゃった。あたしの母さんて、なんてステキな人なんだろう♪ それで、あたしは、すぐにパソコンを立ち上げて、YOU TUBEで「わんぱくフリッパー」を検索したら、いくつかヒットしたから、オープニングの動画を母さんに観せてあげた。母さんは、「パソコンてすごいんだね!」って言って、ものすごく懐かしそうに観始めた。あたしも一緒に観てたら、オープニングの最後のとこで、ついにフリッパーが鳴いた。


「エエエエエエ‥‥エエエエエエ‥‥」


母さんは、「カカカカカカ‥‥でも、キキキキキキ‥‥でもなくて、エエエエエエ‥‥だったね!」って言って、ずっと引っ掛かってたノドのお魚の骨が取れたみたいにサッパリした顔で笑った。そして、やっぱり、「エエエエエエ‥‥」って言う時には、両手をヒレみたくパタパタとさせてた今日この頃なのだ♪


★ 今日も最後まで読んでくれてサンキューベリマッチ!
★ よかったらアジサイのクリックをポチッとお願いしま~す♪
   ↓
人気ブログランキングへ

|

« 緊急アンケートです! | トップページ | Oh!RADIO »