元捕虜が麻生首相に謝罪を要求
「元捕虜が麻生首相に謝罪を要求」(世田谷通信)
第2次世界大戦中、麻生太郎首相の父の麻生太賀吉氏が経営していた旧麻生鉱業の吉隈炭鉱(福岡県桂川町)で、数百人のイギリス人やオーストラリア人の捕虜を奴隷として強制労働させ虐待していた問題で、元連合国軍捕虜のオーストラリア人らが来日し、15日、「私たちに与えた苦しみに対し、麻生首相は国を代表し謝罪していただきたい」と訴えた。今回来日したのは、元捕虜のジョセフ・クームスさん(88)と息子2人、イギリス人捕虜だった故マクアナルティさんの息子ジェームスさんの計4人。クームスさんは元オーストラリア陸軍伍長で、1942年2月、シンガポールで旧日本軍に降伏し、そのまま捕虜として日本に連れて来られた。1945年3月から吉隈炭鉱の収容所へ収容され、昼夜2交代の12時間の強制労働を強いられ、警備兵からは殴る蹴るの暴行を受けたという。クームスさんは今年2月に謝罪や補償を求める手紙を麻生首相に宛てて送ったが、4カ月が経過してもまったく返事がないため、日本で捕虜問題を支援している仲間のカンパによって今回の来日に踏み切ったという。クームスさんらは麻生首相に面会を求めているが、現在のところ麻生首相側からの返事はない。旧麻生鉱業は、のちに麻生セメントとなり、1970年代には麻生首相自身が社長をつとめており、現在でも麻生首相の弟の麻生泰氏がトップをつとめ、麻生一族が役員に名をつらねている。(2009年6月15日)
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