柏崎刈羽原発で放射線異常事故
「柏崎刈羽原発で放射線異常事故」(世田谷通信)
24日から営業運転の再開が予定されていた柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市)の7号機で、23日、試運転中に気体廃棄物中の放射線値が通常の約6倍まで急上昇するという異常が発生した。7号機は23日午後に国の最終的な検査を受け、24日から営業運転に移行する予定だったが、今回の異常で国の検査、営業運転ともに延期を余儀なくされた。柏崎刈羽原発は、9度にも及ぶ火災や耐震強度の偽装を隠ぺいしていた問題、漏洩した大量の放射性廃棄物を14年間も放置していた事故など、数々の問題点をそのままにして東京電力が運転再開を決めたが、その後も毎月のように放射能漏れなどの事故を起こし続けて来た。東京電力は事故が起こるたびに「漏れた放射能は微量で外部には影響ない」というお決まりのコメントを繰り返して来たが、「柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会」のメンバーで元原子炉設計技術者の田中三彦氏によると、7号機の原子炉圧力容器は「冷却水漏れにつながる重要な機器なのに、基準地震動に対する余裕が小さい。東電は目視点検だけで安全と主張し、国や県技術委でも突っ込んだ議論がない。いま起動試験を認めるには問題がある」と主張し続けて来た。莫大な補助金と引き換えに、過疎地に原発や基地を押しつけ、地元の人たちが原発や基地に依存しないと生活できないような図式を作り上げる国のやり方自体を根本的に見直すべきではないだろうか。(2009年7月23日)
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