政権の「替り目」
昨日の今日ってことで、世の中もインターネット上も、選挙の話題、昨日の歴史的な政権交代の話題で盛り上がってる。海外のメディアでも、こぞって「時代遅れの保守政党に民意が終止符を打った」とか「閉鎖的だった日本の政治にも新しい風が吹いた」とか「新しい首相の鳩山由紀夫は日本のオバマだ」とか、国際社会は大歓迎ムードだ。インターネット上だけを見ても、選挙での民意と同様に、ほとんどの人が政権交代を歓迎してる。でも、その喜び方もいろいろで、手放しで喜んでる人もいれば、オムライス党の保坂展人さんの落選を憂いてる人もいるし、民主党の中の反小沢派の今後の動向を心配してる人もいるし、民主党の公約実現能力に「?マーク」をつけてる人もいるし、人それぞれだ。
だけど、今まで半世紀以上も自民党の独裁政権が続いて来た政治的後進国のニポンで、やっと初めての政権交代が行なわれたんだから、何度も政権の座についたことがある他国の野党とは話が違う。初めてスタートラインに立ったばかりで、まだどんな走りを見せてくれるのかも分からない未知数の選手に対して、今からあーだこーだ言ったって何の意味もない。あたしたち国民にできることは、これからジックリと新政権と1人1人の与党議員の仕事ぶりを監視して行き、来年の参院選、そして、4年後の衆院選で「YES」か「NO」かを決めるってことだけだ。大勝した民主党だって、そんなことはジュージュー承知してるだろうから、自民党みたく選挙が終わったトタンに公約を丸投げしちゃうようなこともないだろうし、次の選挙でまた選んでもらえるように、何よりも国民の代表として、国民が望んでることを順番に実現するように努力するだろう。
だから、まだ何も分からない段階で、憶測だけでアレコレとノーガキを垂れるのは、カレーライスかライスカレーかの違いしかない「自称政治ブロガー」の皆さんにオマカセするとして、子供からお年寄りまでみんな大好きオムライス♪‥‥って感じの「きっこの日記」としては、今回の選挙における「ちょっとした裏話」をご紹介しちゃおうと思う。だから、肩の力を抜いて、「今回の長かった選挙戦の中で、きっこは水面下でこんなことをしてやがったのか!」って思いつつ、楽しんで読んで欲しいと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは落語が大好きなので、ヘタの横好きで、タマに落語のパロディーを書いてる。今までに、「粗忽長屋」「転失気」「若返りの水」「嘘つき村」「後生うなぎ」「道灌」「天気屋」‥‥って書いて来て、今回の衆院選が始まる前の8月12日には、「替り目」を書いた。「替り目」ってのは、いろんな噺家さんが演ってるオナジミのネタだけど、どうしようもない酔っ払いの主人公と気のいいおかみさんとの人情噺だ。それで、あたしは、選挙も近いってことで、自民党きっての酔っ払い、北海道11区の中川昭一を主人公にしたパロディーを作ってみた。
ただ、原作の「替り目」に沿った内容にしちゃうと、あんな恥さらしの酔っ払いのことを「がんばれ!がんばれ!日本一!」って励ましてたアホ女房のことを「いい人」として書かなきゃなんないから、そこは大幅にアラスジを変えた。徳川三代将軍を「麻生太郎光(あそう たろみつ)」、その下で働く勘定奉行を「中川昭兵衛(なかがわ しょうべえ)」ってことにして、四六時中いつでも酔っ払ってる昭兵衛が、大事な会議の席で泥酔して醜態を晒し、勘定奉行をクビになるっていうストーリーにした。そして、読んでくれた人たちからは、タイムリーだってことで、たくさんの「GJ」のメールが届いたんだけど、その中に、こんな1通のメールが混じってたのだ。
お名前:林家とんでん平
コメント:はじめまして!私は、初代・林家三平の弟子で、札幌の市議会議員(民主党)をやっています「林家とんでん平」といいます。いつも日記を読ませていただいております。今回の落語に感銘を受けましたので、その思いを伝えたくメールをいたしました。そして是非、このオリジナルの落語をやらせてもらえればなーと思うのですが。
「おおっ!」ってワケで、とんでん平さんと言えば、北海道の実家から東京の林家三平師匠のとこまで、弟子入りをするためにリヤカーを引いて行脚して来たことでもオナジミだし、聴覚障害者にも落語を楽しんでもらうための「手話落語」の第一人者としてもオナジミだ。そして、真打ちに昇進してからは、札幌の市議選に民主党から立候補して、ミゴトに当選し、噺家と政治家の二足のワラジを履き、特に福祉活動に熱心にがんばってる人だ。そんなにスゴイ人が、こんな時期に、あたしの書いた落語を演らせて欲しいだなんて、コレって、どう考えても、あの酔っ払いを落選させるための選挙活動ってことじゃん♪‥‥って思ったあたしは、さっそくお返事を送った。
とんでん平さま、はじめまして。
「きっこの日記」のきっこです。
あたしの出鱈目な噺をプロの方から褒めていただけるなんて、こちらのほうが感激です。
どうもありがとうございました。
とんでん平さまが実際に演じてくださるのなら、こんなに嬉しいことはありません。
あのままだと短すぎますし、とんでん平さまの演じやすいようにいろいろと手を入れてくださって結構ですので、どうぞ好きなようにご利用ください。
日本の恥、中川昭一は、今ごろになって「断酒宣言」をしましたが、ということは、あれほどの失態を演じておきながら、その後もガブガブと酒を飲み続けていた、ということになります。
それも、周りに促されての「断酒宣言」であり、自発的な宣言ではないのです。
こんな反省も学習能力もない酔っ払いなどに政治家の資格などありません。
どうぞ、北海道から政権交代の風が吹くように、これからもがんばってください。
応援しております。
きっこ拝
きっこさま
早速、ご本人からこのようなメールをいただけるとは、胸が震える思いです。
有り難う御座います!
ご存じかと思いますが、北海道は1~12区と選挙区がありますが、民主党の強い場所でもあります。
今回は、北海道の小選挙区12区を全勝に納めたいと頑張っています。
我が札幌市議会は、定数68名の所、民主党が22名と第一党となっていまして、市長も民間の市長として我々が推して当選して二期目の半ばを迎えました。
まさしく、札幌市は一足早い政権交代を実現し現在に至っております。
「替り目」の昭兵衛がいる北海道で、この落語をやらせていただき、北海道から確実に日本の政権交代の実現を果たしたいと思いますので、どうか見守っていてください!
本当に有り難う御座います。
林家とんでん平
‥‥そんなワケで、何度お酒で失敗しても、まったく反省せず、まったく学習せず、まったく懲りずに、全世界に醜態を晒し続ける日本の恥、中川昭一を当選させるために、自民党は卑劣な手段に出た。それが、おんなじ北海道11区から出馬する民主党の石川知裕さんに対する悪質なネガティブキャンペーンだった。自民党が、低迷する麻生内閣の支持率を上げるための起死回生の策として、東京地検と手を組んで始めた国策捜査、西松建設の献金事件で、ただ単に任意の事情聴取を受けただけの石川知裕さんのことをあたかも犯罪者であるかのごとく、連日、各紙に報じさせたのだ。
のちに、執拗にこれらの記事を書いてた各紙の記者たちが、フロッピー麻生からホテルオークラ内の高級ニポン料理屋「山里」での飲み会に招かれてたり、小沢一郎の秘書を逮捕した東京地検特捜部の佐久間達哉特捜部長から飲み会に招かれたりしてたことが発覚した。何の容疑を掛けられたワケでもなく、ただ単に「関係者の1人」として任意の事情聴取を受けただけの石川知裕さんのことを連日、犯罪者のように報じ続け、その記事を書いてた三大新聞の記者が、フロッピー麻生からも、西松建設事件を捜査してる特捜部長からも、飲み会に招待されてゴチソウになってたワケだ。
ただでさえ、相手は親の七光で、地盤、看板、カバンを受け継いでる世襲の権化、中川昭一だってのに、こんなデマまで流されたら、勝てるワケがない。それで、あたしは、少しでも石川知裕さんの援護射撃になればと思って、「替り目」のパロディーを書いたのだ。えげつない「中傷ビラ」を配ったり、幼稚な「中傷アニメ」を作ったりするのは、恥も外聞もない自民党のやることであって、「戦いは常に美しく華麗に」をモットーにしてるあたしには、あんなに醜いことはできない。それ以前に、あんな「中傷ビラ」や「中傷アニメ」なんかを作ったら、逆効果にしかならないことくらい小学生でも分かるだろう。
だけど、落語のネタとして公開するのなら、みんな楽しみながら読んでくれるし、ちっとも下品じゃない。そして、世の中が忘れかけてた中川昭一の醜態を思い出させることにもなるから、それなりに効果があると思った。そしたら、本物の噺家のとんでん平さんから嬉しいメールをいただいたもんだから、あたしの放ったヒョロヒョロの矢は、もしかしたら「中川王国」の北海道11区に風穴を開けられるくらいのシッカリした矢になるかもしれないって思えて来たのだ。そして、とんでん平さんから、もっと嬉しいメールが届いた。
きっこ様
有り難う御座います!
(中略)
さてその「替り目」ですが、先日、札幌の我々の支援者が多い場所で、落語の仕事があったものですから、やりましたよ!
結果は大うけでした!
有難う御座いました!!
今までに無い快感でしたね。。。
ただ立場的に、何処でもやれるというようなものでないので、場所を選びながら今後もやらせて頂きたいと思います。
是非これらのことは、私は構いませんので、読者の皆さんにご報告ください。
一緒に日本を変えましょう!!!
林家とんでん平
‥‥そんなワケで、注目の北海道11区では、民主党の石川知裕さんが勝利し、日本の恥、中川昭一は落選した。比例ゾンビもなかったから、あの国賊を国会から追放することに成功したのだ。これは、もちろん、石川知裕さんの努力、選挙スタッフの努力、支援者の努力、そして、有権者の良識によるもので、あたしの書いた「替り目」をとんでん平さんが演じてくださったことが、どれほどの援護射撃になったのかは分からない。だけど、えげつない「中傷ビラ」を無差別に配布するような恥知らずどもとは違って、こんなにもスマートでウイットに富んだ応援の仕方だってあるワケで、この辺が、自公の支持者と野党の支持者との品格の違いだったってことだ。そして、北海道は、とんでん平さんの掲げた「小選挙区12区の全勝」には一歩及ばなかったけど、それでも「11勝1敗」っていう素晴らしい結果になったし、中でも、当初は絶対に勝てないって言われてた「中川王国」を叩き潰したことが、何よりの殊勲賞だったと思う。あとは、それぞれの選挙区で当選した人たちが、「やっぱり自民党に入れないで良かった!」って思ってくれるような活動をして、「命の一票」を投じてくれた有権者のためにがんばって欲しいと思う今日この頃なのだ。
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