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2009.08.16

自民党という錆びた軍国主義

昨日は「ドラクエ9」に関するメールを紹介させていただいたけど、今日も冒頭で1通のメールを紹介させていただく。オーバー35のあたしが同年代‥‥って言ったら申し訳ないけど、32才の女性からのメールなので、広い心で「同年代」ってことにしといて欲しい(笑)


お名前:きりん
コメント:きっこさん、はじめまして。まだ一年足らずですが、毎日楽しみに拝読しております。「冬の兵士」の映像、胸の苦しくなる思いで見させていただきました。若い兵士の苦しい胸の内が伝わって涙が出ました。自分の大事な人が死んだら誰でも悲しいと、平常時はみんな知っているのに、人を殺して褒めたたえる異常な軍隊が許せません。きっこさんのおっしゃる通り、ここ最近の日本のリーダーと言われる人たちは、自分の身の安全だけを確保して、戦争に向かっている気がして恐ろしいと思っていました。この流れを止めるためにも、次の選挙では、命の大切さを知っている人に正しく投票したいと思っています。わたしの一票は小さな一票ですが、きっと多くの人がきっこさんのブログを読まれて、祈りをこめて一票を正しく使うことと信じております。もし、政権交代が成し遂げられたときには、わたしもきっこさんや読者のみなさんと一緒に、喜びを噛み締められたらとてもうれしいです。そのときは、きっと、ビールで乾杯しましょうね。(パソコンの画面の前で、笑)それでは暑い日が続きますがどうぞ御自愛ください。お母様や、猫ちゃん達も、楽しい毎日でありますように。


きりんさん、どうもありがとうございました♪ そして、他にも「冬の兵士」に関するメールをくださった皆さん、どうもありがとうございました♪

あたしは、1人でも多くの人、特に若い人たち、そして、中学生や高校生の子供を持つ親に「冬の兵士」を読んでもらい、「戦争」というものの真実の姿を知ってもらいたいと思ってる。翻訳者の1人、宮前ゆかりさんも、「「冬の兵士」は特に中学生、高校生や若者たちに読んでいただきたいと思っています。みんなが戦争の本当の姿を知り、それを忘れなければ、戦争を終えることができるはずだと思うのです。」って言ってるように、今のままの自公政権が続けば、数年後に戦場へ引きずり出されるのは、今の中学生や高校生たちだからだ。だけど、こうした子供たちには、まだ選挙権がない。だから、その親たちが、自分の愛する子供を戦場へ送りたいかどうか、8月30日に「命の一票」を投じるべきだと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、「戦争」を美化してニポンを戦前の軍国国家に戻したい自公政権は、マスコミに圧力をかけてイラクやアフガンの真実を報じさせないようにしてる。ドキュメンタリー映画、「冬の兵士/良心の告発」を制作した田保寿一監督も、もともとはテレビ朝日のジャーナリストとしてイラクを取材してた人だ。だけど、アメリカ兵がイラクの民間人を無差別に射殺してる現場を目撃したことから、「日本ではアメリカ政府の圧力で間違った報道がされている。イラクで起こっている本当のことを報道させて欲しい」って申し出たところ、テレビ朝日から「田保さんは反米だから取材にバイアスが掛かっている」って言われて、イラクの取材を打ち切りにされた上に、仕事までクビにされたのだ。

サスガ、自民党の応援団長の老いぼれなんかに偏向的な司会をさせた「プロパガンダ討論番組」を2本も持ってるテレビ朝日ならではの対応だとは思うけど、他のテレビ局にしても新聞にしても大差はない。たとえば、イギリスのメディアでは、昨日、「アフガニスタンで戦死した英兵が200人に達した」っていうニュースが大きく報じられてるけど、ニポンのマスコミはいっさい報じない。一応、YOU TUBEにアップされたニュース映像をリンクしとくので、興味のある人は観てみて欲しい。ニポンも深く関わってる戦争なのに、ニポンのマスコミは、自民党からの圧力によって、こうした「戦死」に関する報道はできるだけしないようにコントロールさせられてる。

もちろん、こうした「戦死」に関する報道に規制が掛けられてるのは、ニポンだけじゃない。アメリカにしても、こんな映像を何度も流したら、兵士の成り手がなくなっちゃうから、一般のプレスは取材を禁じられてる。1991年の湾岸戦争以降、アメリカ軍の兵士は、イラクとアフガンで合計5000人以上も戦死してるのに、戦死した兵士が棺(ひつぎ)に入って帰って来る「栄誉の帰還」の場面は、すべてのメディアの取材、撮影が禁じられてる。テレビに流れるのは、あくまでも軍が撮影して政府が許可した「限られた映像」だけなのだ。そして、いっさい報じられない何百人、何千人の戦死兵のほとんどが、10代後半から30代前半までの若者なのだ。それも、特別な訓練など受けていない「普通の若者たち」なのだ。

だから、「戦場」という狂った世界に連れて行かれれば、多くの若者が精神を病み、無事に帰って来られたとしても、自分の犯してしまった罪の大きさにさいなまれ、自分が殺した民間人の最後の顔が脳裏から消えずに、ノイローゼになって自殺してしまうのだ。初めて戦場へと連れて行かれた「普通の若者たち」は、「冬の兵士」で多くの帰還兵が証言してるように、上官の命令で、誰でもいいからとりあえず人殺しをさせられて、人を殺すってことに慣れさせられる。銃殺よりも「人を殺す」という感覚がリアルな「ナイフによる刺殺」をした兵士には、ご褒美として特別休暇が与えられるという。もちろん、そのターゲットは、銃を構えてる敵なんかじゃない。そこらを歩いてる何の罪もない民間人なのだ。

‥‥そんなワケで、かつて、ニポンとアメリカが戦争した時、ニポンでは北朝鮮並みの軍国教育が行なわれ、小学生にまで「鬼畜米英」だなんてことを教え込み、国家ぐるみのプロパガンダが行なわれた。だから、ちっちゃな子供までもが、「天皇陛下万歳!」って叫びながら、お国のために犬死にすることが美徳だと洗脳され、アメリカ兵のことを「恐ろしい鬼畜」だと信じ込まされた。だけど、実際に戦地へ行かされ、前線で戦わされてる兵士たちなんて、敵も味方もないんだよね。両方とも、みんなお国の被害者、戦争の被害者なんだよね。本当の「悪」は、自分たちだけは絶対に安全な場所に隠れてて、何の罪もない国民たちを戦争に巻き込んだ政府のヤツラなんだよね。

毎年、8月15日の「敗戦日」が近づくと、「徹子の部屋」では戦争体験者を呼んで貴重な話を聞かせてくれる。あたしは、毎年、録画して観てるんだけど、今年は13日が第48代横綱の大鵬(本名 納谷幸喜さん)で、14日が人間国宝の沖縄古典音楽家、照喜名朝一(てるきな ちょういち)さんだった。照喜名さんは、素晴らしい歌も披露してくれたけど、あたしの心に残ったのは、沖縄に上陸したアメリカ兵に投降した時の話だった。もうニポンは完全に戦争に負けてたのに、政府の一部の大バカが意地を張ったために、沖縄の人たちはたくさん殺された。だけど、その中には、アメリカ軍の攻撃で死んだ人たちだけじゃなく、ニポンの軍人に斬り殺された人たちや、手榴弾や青酸カリを渡されてムリヤリに集団自決させられた人たちもたくさん含まれてる。

そんな中で、照喜名さんのご家族も、ニポンの軍人から「残忍なアメリカ兵に捕まると戦車で轢き殺されるか重しをつけて海に沈められる。女は強姦された上に八つ裂きにされるから、その前に自決しろ!」って命令されて、手榴弾を渡されたそうだ。そして、戦火に囲まれ、いよいよダメだって時に、家族で自決しようとしたら、軍から渡されてた手榴弾が見つからない。それで、まだ幼かった照喜名さんは、お父さんかフンドシを切って作ってくれた白旗を持って、他の人たちと一緒にアメリカ兵のとこへ投降したそうだ。そしたら、大きなアメリカ兵が、小さな照喜名さんを見て、チョコレートをくれたそうだ。

その時、照喜名さんの後ろにいたニポン人の1人が、小声で「食べたら死ぬぞ」って囁いた。ニポンの軍人から「アメリカ兵は残酷だ」ってイヤってほど洗脳させられてたから、きっと、毒でも入れたお菓子を子供に渡したと思ったんだろう。そして、なかなか食べようとしない照喜名さんを見たアメリカ兵は、ピンと来たみたいで、そのチョコレートを割り、ひとカケラを自分の口に入れ、安全だってことを見せてから、また照喜名さんに渡した。腹ペコだった照喜名さんが、そのチョコレートを口に入れると、この世のものとは思えないほど美味しくて、その味は今でも忘れないという。そして、ニポンの軍人は何もしてくれなかったのに、アメリカの軍人はこんなに美味しいものをくれるんだって思って、今までニポンの軍人や政府から言われて来たことの矛盾に気づいたそうだ。誰よりも平和を愛し、誰よりも戦争を憎んでるトットちゃんは、今にも泣きそうな顔で照喜名さんの話を聞いてたけど、話が一段落したとこで、こんなことを言った。


「もしも日本が2月に降伏してくれてたら、沖縄の地上戦も、東京大空襲も、ヒロシマとナガサキの原爆も、みんな無かったんですよね。私は本当に、もう少し早く日本が降伏していてくれたらって、毎年、敗戦日が近づくたびに思うんです」


完全に敗戦が決まってたのに、それでも意地で降伏せずに、何十万人もの「死ななくて済んだ国民」を見殺しにした当時の政府の姿が、福祉や雇用を切り捨てながら「憲法改正」に突き進む今の自民党の姿とオーバーラップして来る。そして、今の自民党が、「憲法改正」をして、「非核三原則」を緩和して、「軍国教育」を始めて、「徴兵制」を復活させて、「自衛」を大義名分にして近隣国に先制攻撃を仕掛け、第三次世界大戦が勃発したとしたら、やっぱり、前線で死んで行くのも、ニポンの中で殺されるのも、すべてはあたしたち「国民」であって、戦争を主導したフロッピー麻生やアベシンゾーや中川昭一たちは、自分たちだけは絶対に安全な場所に隠れちゃうんだよね。

‥‥そんなワケで、「世田谷通信」にも書いたけど、今回のマニフェストで、自民党は、大きな間違いを犯した。それは、長年、自民党を支持して来た人たちが、どんどん「自民離れ」を起こし、全国各地の医師会を始めとした政治団体も数千人単位で自民党を離党し続けてるっていうのに、こんな状況下で、わずかに残った唯一の支持層である保守派にアピールするために、北朝鮮の脅威を煽り、「防衛」や「憲法改正」を前面に押し出した右寄りのマニフェストを制作したからだ。60年前から脳みそが1ピコグラムも進歩してない知能の低い右翼にコビを売るかのごとく、「憲法改正」の4文字を掲げたのだ。あたしは、コレを見た時に、「アホか?」って思うと同時に、衆院選での自民党の完全敗北を確信した。

フロッピー麻生って、総理大臣に就任して最初の街頭演説を秋葉原でやったよね。開口一番、「アキバのオタクの皆さん!」とかって言って、集まったヲタクたちから「麻生コール」が巻き起こり、拍手喝采だった。まさか、わずか2ヶ月後に、自分の支持率が危険水域にまで急降下するなんて予想もしてなかったみたいで、この時のフロッピー麻生は、人生で一番幸せな瞬間だったのかもしれない。だけど、あたしは、これこそが、フロッピー麻生の資質の無さ、知能の低さ、空気が読めず目の前のものも見えてないってことの証明だと思った。

自分を支持してくれてるヲタクが集まる秋葉原で演説する。確かに、これは、とっても気分がいいだろう。自民党を支持してくれてる保守派にアピールするマニフェストを作る。確かに、これは、好戦的な保守派には受け入れられるだろう。これはこれで王道だ。だけど、これは、最低でも支持率が4割以上ある時の方法論だろう。今のフロッピー麻生は、支持率が1割しかなく、不支持率は7割に迫ってる。それなのに、自分を支持してくれてる1割の奇特な人たちにアピールしたって、何の意味もないじゃん。もしも、あたしが、自民党の選対本部長だったとしたら、まずは自民党を支持してくれない7割の人たちの声を聞き、その7割の人たちにアピールするマニフェストを作らせるけどね。

‥‥そんなワケで、時事通信社が7日から10日にかけて行なった世論調査によると、「衆院選で重視する政策」って設問では、「年金・医療など社会保障」が68.9%で1位で、次いで「景気」が64.2%、「格差問題」が24.7%、「財政再建」が22.6%と続いてて、北朝鮮のミサイルなんていう絵空事に大騒ぎしてるバカなんて完全に「圏外」だった。それなのに、自民党は「日本を守る、責任力」だなんて国民の目線とは完全にズレまくったキャッチフレーズを掲げた上に、「北朝鮮から核弾頭ミサイルが飛んで来る」だなんて、どっかのカルト教団のキワモノ政党と似たり寄ったりの絵空事なんかで有権者を煽りまくり、戦争のできる国にするために「憲法改正」と来たもんだ。もはや、オウム真理教レベルの発狂ぶりとしか言いようがない。

そして、こうした狂ったことが平然と言えるのも、「自分たちは戦場へ行かなくてもいい。戦場へ死にに行くのは国民どもだ」っていう大前提があるからなんだよね。その上、実際に戦場へ死にに行かされる国民の多くは、今度の選挙に投票することのできない中学生や高校生たちなんだから、これほど酷い話はない。そんなに戦争がしたいなら、そんなに戦争が好きなら、お前らだけで勝手にやってくれよ! あたしたち国民を巻き込むなよ!‥‥って思う。

何かの奇跡が起こって、自民党が政権を維持しちゃって、ホントに「憲法改正」が強行採決されちゃったとしても、自民党や知能の低い右翼が必死に煽ってるような、北朝鮮が戦争を仕掛けて来るなんてことはアリエナイザーだ。そんなのはマンガの中だけの話で、北朝鮮だってそこまでバカじゃない。だけど、現実問題としてアリエールなのは、イラクやアフガンへの一般人の徴兵だ。イラクやアフガンに派兵されてるアメリカ兵のほとんどは、不況で仕事にあぶれた若者たちが、「多少は危険がともなうけどギャラのいいバイト」として参加してる。そして、上官からの命令で現地の民間人を殺しまくったり、自爆テロの餌食になってバラバラの肉片になったり、帰還してから重度のPTSDになって自殺したりしてるけど、今のニポンの中学生や高校生たちが、数年後に、これとおんなじ状態になるってことだ。それも、アメリカみたいに自由意思で参加するんじゃなくて、ある日、政府から赤紙が届いて、強制的に戦地へ送られるのだ。

‥‥そんなワケで、アベシンゾーが総理大臣の時って、事務所費を不正計上してた「ナントカ還元水」の松岡利勝が自殺したり、同じく事務所費の不正で私腹を肥やしてた赤城徳彦が絆創膏パフォーマンスを披露したりって、次から次へと農水大臣の不祥事が相次いで、とてもマトモに政治なんてできるような状況じゃなかった。それなのに、アベシンゾーは、このドタバタ劇に国民が注目してたことを利用して、その裏では、自衛隊を軍隊にするための第一段階としての「防衛庁の省への格上げ」だの、徴兵制に向けて子供たちを洗脳教育するための「教育3法」だの、平和憲法をぶち壊すための「国民投票法」だのって、ニポンを「戦争のできる美しい国」にするための悪法を次々と「数の暴力」で強行採決し続けたんだよね。国民が何よりも心配してる「年金問題」をホッタラカシにして、こんなことばかりしてたんだよね。この事実を見れば、自民党が目指してるのは、間違いなく「戦争のできる国」であり、その「戦争」の犠牲になるのは、すべてはあたしたち国民だってことがよく分かるだろう。だから、あたしは、1人でも多くの人に、「冬の兵士」を読んでもらい、このまま自公政権が続いたら、この本に書かれてることが「明日は我が身」だってことを知って欲しいと思ってる。そして、8月30日の深夜には、パソコンの前で、きりんさんと一緒に、みんなでビールで乾杯をしたいと思ってる今日この頃なのだ。


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