「情熱大陸」な夜
ずっと楽しみにしてた児島玲子ちゃんの「情熱大陸」が、8月2日、ついに放送された。あたしは、これほど放送日が待ち遠しかったことはない。全国の動物園のアミメキリンたちとおんなじに、あたしも首を長くして待ってたんだけど、あたしの場合は、妖怪ろくろっ首って感じだったと思う。とにかく、この放送だけは、どうしても放送時間にテレビの前で観たかったので、1週間で一番忙しい日曜日だったけど、なんとかスケジュールを調整して、早く帰ってこられるようにした。そして、夜の8時前には帰ってこれたので、美しい玲子ちゃんを観賞する準備として、まずは水を浴びて身を清めた‥‥ってのはウソで、お風呂に入ってサッパリした。
それから、お肉の代わりにチクワを入れた「肉ジャガ」ならぬ「チクジャガ」を作ったり、まだ11時の放送時間まで2時間もあるのに早々と録画の準備をしてみたり‥‥って、何となくソワソワしつつ、どのタイミングでお酒を飲み始めようかってことを考えた。今から飲み始めると、「情熱大陸」が始まった時には酔っぱらいになっちゃってる。だけど、「情熱大陸」のスタートとともに飲み始めようと思っても、放送が始まったら1秒たりとも画面から目を離したくないから、お酒なんか飲んでらんない。「それなら、お酒を飲まずに観ればいいじゃん!」て言われそうだけど、大好きな玲子ちゃんが「情熱大陸」に出演するなんていう、こんなにおめでたい日に祝杯をあげなかったら、いったい、いつお酒を飲めばいいのか‥‥ってワケで、あたしは、何の根拠もないんだけど、「30分前からお酒を飲み始めて、放送が始まったら画面に集中して、放送が終わったら録画を観ながら本格的にお酒を飲む」ってことにした。
で、10時25分になったので、さっき作った「チクジャガ」と、昨日の残りの「キンピラゴボウ」と「ホウレンソウのゴマ和え」と、三本杉のサミットで買って来た桃屋の「ザーサイ」と、あと、感動して号泣した時のための箱ティッシュをテーブルに並べ、この日のために大切にとっておいた、お中元にいただいたアサヒのスーパードライを冷蔵庫から持って来て、フリーザーで凍らせておいたグラスに注ぎ、お祝いの準備が整った。そして、「玲子ちゃん、おめでとう!」って言ってから、ビールを飲んだ。ずっと第3のビールの「のどごし生」ばっか飲んでて、発泡酒すら飲んでなかったあたしは、久しぶりに飲んだ本物のビールの美味しさに、思わずオッサンみたいな「プハ~~~ッ!」をやっちゃった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、玲子ちゃんはアサヒのキャンギャルだったから、ものすごくたくさんのポスターがある。定番の水着だけでも何種類もあるんだけど、赤いチャイナドレスとか、シックなスーツとか、上品なお着物とか、果ては阿波踊りの衣装のポスターまである。こんな感じだ。玲子ちゃんの爽やかな笑顔や清潔感と、スッキリした喉越しのアサヒのビールはイメージがピッタリで、歴代のアサヒのキャンギャルの中でもナンバーワンだと思う。
あたしは、白のビキニのポスターを1枚しか持ってないけど、「寺内貫太郎一家」で、樹木希林扮するおばあちゃんが、壁に貼られた沢田研二のポスターを観て、「ジュリ~~~♪」って言いながら体をクネクネさせてたように、あたしも、「レイコ~~~♪」って言いながらクネクネしてる‥‥ってのはウソだけど、タマに、心の中でハァハァしてる。だから、アサヒのスーパードライで祝杯をあげられることがサイコーに嬉しくて、あたしの「児島玲子の『情熱大陸』出演を祝う会」は、参加者があたし1人なのに、放送が始まるまでのわずか30分間で、スーパードライの500を2本と350を1本も消費しちゃった。
そんなこんなで、待ちに待った「情熱大陸」がスタートしたんだけど、あたしは、オープニングで玲子ちゃんの写真と名前が出た瞬間に、感極まってウルウルしたのもトコノマ、すぐに、「すべてはお客様のうまい!のために」ってナレーションとともに、スポンサーの「アサヒビール」の名前が出て、そこからアサヒの発泡酒のCMへ突入っていう、ミゴトなまでのアサヒ・イリュージョンを目の当たりにした。それにしても、アサヒビールって、何で今の玲子ちゃんをCMに起用しないのかね? あたしが広報部長だったら、絶対に玲子ちゃんを起用したCMを博報堂に発注するのにな~って思う。
アサヒビールの元キャンギャルが、今やニポンを代表するプロアングラーへと成長したんだから、これほど最適な人材は他にない。真っ青な南の海で、船の上からGTを狙ってロングキャストとスピーディーなリーリングを繰り返す玲子ちゃん。海面が炸裂して、ピンクのポッパーに食いつくGT。激しいやりとりの末、大物のGTを釣り上げて、キラキラの笑顔でクルーたちとスーパードライを飲む玲子ちゃん‥‥っていうCMを作れば、キリンとサントリーが経営統合したって負けないくらいの効果があるのに。昔のビールのCMをYOU TUBEで観てたら、サントリーの「純生」のCMで、カジキのトローリングをしてるのがあった。豪快なカジキ釣りと、青い海や空、そして、「ビ~バ純生♪ ビ~バ純生♪」っていう歌がマッチしてて、ビールがすごく美味しそうに感じられた。
‥‥そんなワケで、放送開始30秒にして、すでにこんなにダッフンしちゃったけど、とにかく、あたしにとって、あまりにもサイコーな内容の番組だった。ストーカー並みの玲子マニアで、玲子ちゃんのことで知らないことはないと思ってたあたしなのに、知らなかったこともあった。たとえば、何度も何度も観てるDVDの「宮古島ガーラトリップ」のジャケ写で、玲子ちゃんが抱えてるお魚が、カスミアジだったってこと。あたしは、てっきり、小ぶりなGTだと思ってた。何よりもDVDのタイトルが「ガーラトリップ」だし、お魚の頭をカメラに向けて抱えてる上に、リトル逆光っぽい写真だから、カスミアジの特徴のキレイなブルーの斑点が見えなくて、GTだと思い込んでた。
それから、こないだの「釣りロマンを求めて」の新潟県の三面川のロケで、最後に31センチのイワナを釣り上げてたってこと。ここで軽くツッコミを入れさせてもらうと、「情熱大陸」では、「三面川」のことを「見面川」って間違えたテロップが出てた。ま、それはいいとして、「釣りロマンを求めて」では、大きなウグイを釣ったとこまでしか放送しなかったけど、そのあとも玲子ちゃんはがんばって釣りを続けてて、釣り開始から14時間も経った夕方に、ちゃんとイワナを釣ってたのだ。同行した辺見哲也さんが、「さすが児島玲子!」って言ったら、玲子ちゃんは笑いながら手をパタパタさせて「いやいやいやいや‥‥」って返してたけど、あたしは、玲子ちゃんかホメられた時にする、この「いやいやいやいや‥‥」が、可愛くて楽しくて大好きだ。
そして、玲子ちゃんのお兄さんのこと。玲子ちゃんにはお兄さんがいて、若くしてご病気で亡くなられたことは、玲子ちゃん本人から聞いて知ってた。だけど、そのお兄さんから、自宅の裏の鶴見川で釣りを教わったこととか、闘病中に病院のベッドで玲子ちゃんの出てる釣り番組を観てたこととかは、今回、初めて知った。あたしが夢中になって観てた釣り番組を玲子ちゃんのお兄さんも病床で観てたと思うと、何とも言えない複雑な気持ちになった。それは、あんなにキラキラした笑顔であたしたちを楽しませてくれてた玲子ちゃんが、釣りに関する「見えない努力」だけじゃなく、お兄さんのご病気という心配事まで抱えていながら、人前では明るく振る舞ってたんだってことを知ったからだ。
そんなお兄さんも、今は、きっと天国で、愛する妹の活躍を笑顔で見守ってると思う。そして、お兄さんが、「さすが俺の妹!」ってホメたら、玲子ちゃんは手をパタパタさせながら「いやいやいやいや‥‥」って言うのかな‥‥なんて想像したら、涙が出た。あたしはひとりっ子だから、子供のころから兄弟のいるお友達のことが羨ましかったけど、兄弟がいたのに、その兄弟を失った人の気持ちなんて、今まで考えたこともなかった。MAXの玲奈ちゃんも、大好きだったお兄さんを亡くしてて、今でもタマにお兄さんの思い出をブログに書いたりしてるけど、あたしは、こういう話に弱い。想像力が暴走しちゃうあたしは、こういう話を聞くと、切なくて苦しくて涙が止まらなくなっちゃうのだ。
‥‥そんなワケで、今回の「情熱大陸」は、釣りに対する玲子ちゃんの夢や情熱をメインに編集してたけど、玲子マニアのあたしにとって、思いがけないツボだったのが、玲子ちゃんの釣り道具部屋に、昔のアサヒビールのキャンギャルだった時の水着姿のウチワが飾ってあったことだ。玲子ちゃんは、「あれは‥‥ちょっと‥‥思い出です‥‥」って照れてたけど、そのポスターを観ながらハァハァしてるあたしとしては、玲子ちゃんの照れてるとこを見るのは、マグロの目玉をチューチューしてるとことおんなじくらいツボだった。
とにかく、あたしは、玲子ちゃんのことが大好きで、こんなにステキな女性は、他にいないと思ってる。天が二物を与えた女性なら、ワリとたくさんいるけど、玲子ちゃんの場合は、天が二物を与えたワケじゃない。「美しさ」っていう一物は天が与えたものだけど、もう1つの「トップアングラー」っていう一物は、玲子ちゃん自身が努力を積み重ねて、自分の力で手に入れたものだ。
あたしは、もともと、「天が二物を与えた」って言葉は、あんまり好きじゃない。まるで、親の地盤と看板とカバンを利用して、何の努力をしなくても自動的に国会議員になれちゃう世襲のバカ息子みたいだからだ。女ならともかく、いい年こいた大の男が、何から何まで親のスネをかじって、親の敷いたレールの上を歩くなんて、これほどカッコ悪いことはない。それは、他力本願だからだ。たった一度の人生なのに、自分の進む道を自分で切り拓くこともできずに、イチからジュウまで親にお膳立てしてもらうなんて、あまりにも情けない。
それに比べて、天が与えた「美しさ」っていう一物だけに頼らずに、自分の力で自分の進む道を切り拓き、ニポンを代表する「トップアングラー」へと成長した玲子ちゃんは、あまりにもカッコ良すぎる。今の男尊女卑なニポンの社会だと、あらゆる面で男性のほうが有利なのに、その男性でもなかなかできないことを体力的にも整備的にも状況的にもハンデのある女性の玲子ちゃんが成し遂げちゃったんだから、ホントに立派だと思う。
今でこそ、女性の釣りアイドルだの釣りタレントだのが当たり前のようにテレビに出てるけど、玲子ちゃんが釣り番組に出始めた12~3年前は、釣り番組の業界は完全に男社会だった。釣り番組に出る女性アシスタントは、番組に花を添える役割でしかなく、主役の釣り名人よりも先に釣り上げたり、大物を釣り上げたりすることはご法度だった。女性アシスタントは、あくまでも、男性の釣り名人から釣りを教えてもらい、その名人のオカゲで釣り上げることができ、釣ったお魚を見てキャーキャーとハシャギまくる‥‥っていう位置づけでしかなかった。
そんな中で、負けん気の強い玲子ちゃんは、独自に釣りの勉強をしたり、工夫をしたり、釣れなかった時はどうした釣れなかったのかを考えたりして、少しずつ上達して行った。見えないところで、糸の結び方を覚えたり、キャスティングの練習をしたりして、放送のたびに上達して行った。キャスティングや竿のさばき方を見てると、シロートのあたしにも、玲子ちゃんがどんどん上達して行くこと、そして、そのために「見えない努力」をしてることがヒシヒシと伝わって来た。それで、あたしは、玲子ちゃんを応援するようになった。
でも、男社会の中でこうしたことをすると、中には面白く思わない男も出て来る。「女はおとなしくアシスタントやってろ!」っていう原始人みたいな考えの男たちだ。だから、玲子ちゃんは、決して口にはしないけど、今の場所に来るまでに、たくさんイヤな思いもしたハズだ。だけど、玲子ちゃんは、そうした嫌がらせにも負けなかった。そして、ついに、玲子ちゃんは、釣り名人のアシスタントって立場じゃなくて、自分が主役のブロアングラーとして、釣り番組に出られるようになった。自分の力で、自分の居場所を勝ち取ったのだ。だから、今、女性の釣りアイドルだの釣りタレントだのが当たり前のようにテレビに出られるのも、すべては玲子ちゃんが道を切り拓いてくれたオカゲなのだ。
‥‥そんなワケで、あたしは、青森でマグロを釣り上げたシーンで、やっぱり泣いた。だけど、そんなに「泣き」の方向で編集されてなかったので、「大感動で号泣」までは行かず、「胸がジーンとしてウルウルして涙がツツー」ってレベルだった。だけど、マグロを釣り上げたあとに、玲子ちゃんが、「夢って、別に寝て見るもんじゃないと思ってる」って言ったのが、まさに目からウロコのヒトコトだった。この通りのことを実践してる玲子ちゃんの言葉だからこそ、あたしの胸に深く突き刺さったのだ。あたしは、舞台メークのプロになるのが夢で、その夢に向かって必死に努力してたけど、書籍版の「きっこの日記 R」に書いたような出来事があって、その夢をあきらめた。そして、今は、生活の糧として普通のヘアメークをやってるけど、今回の玲子ちゃんの言葉を聞いて、もう一度、自分の夢に向かって努力してみようって気持ちになった。現実的には、母さんのこともあるし、すぐには難しいけど、それでも、玲子ちゃんの言葉によって、そして、「児島玲子」という1人の素晴らしい女性の生き方を再確認したことによって、もう一度、自分の夢に向かいたいって気持ちになった今日この頃なのだ。
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「water planet」(児島玲子オフィシャルサイト)
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