ガンバランス de ダンス
あたしは、アニメの話題を取り上げる時には、一応は大人が読んでる「きっこの日記」ってことを踏まえて、幼児向けのアニメの話題は取り上げて来なかった。大人になってもアニメを観てるような人たちって、完全に大人向けに作られたアニメか、子供向けでも「エヴァンゲリオン」みたいに難解な部分があるようなアニメが好きで、幼児向けのアニメは対象外だと思ってたからだ。
あたし自身は、どんな年齢層に向けて作られたってことじゃなくて、好きか嫌いかだけで選ぶから、最初から大人向けに作られたアニメでも、「ミチコとハッチン」みたいに大好きな作品もあれば、まったく興味のない作品もある。幼児向けのアニメでも、たとえば、今日、感動の最終回を迎えた「ねぎぼうずのあさたろう」なんて、1回も欠かさずに観てたほど大好きだった。だけど、完全に幼児向けのアニメだったから、ココで詳しく取り上げるようなことはしなかった。それは、「きっこの日記」を読みに来てくれる人たちが、きっと興味がないだろうと思ってたからだ。
それで、あたしは、「プリキュア」も取り上げて来なかったんだけど、先週の「プリキュア」があまりにも感動的だったもんだから、20日の日記、「敬老ロックンロール」の中で、初めて取り上げた。そしたら、「プリキュア」に関するたくさんのメールが届くようになった。22日の日記、「メールをくださる皆さんへ」の中では、tleinusさんからいただいたメールを紹介したけど、他にも、たくさんのメールが届き続けてる。
で、tleinusさんの場合は、2才と4才のお嬢さんたちが「プリキュア」が大好きで、お嬢さんたちに付きあって観てるうちに、自分もリトル興味を持ち始めた‥‥って感じだったけど、他に届いてるメールの多くは、「自分がプリキュアが好き」ってものだった。だから、あたしとおんなじなので、どのメールを読んでも、すごく「思い」が伝わって来た今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、さっそく、1通のメールを紹介させていただく。
お名前:茗荷
コメント:はじめまして。わたしは都内の中小企業に勤める独身女、茗荷と申します。『きっこの日記』は五年ほど前、二十歳くらいの頃から見させていただいていました。きっこさんの軽妙洒脱な文章でも、自分自身が無知なせいで理解するのに時間がかかる時もまだまだあるのですが、今では二十五歳になり、前よりずっと『きっこの日記』を楽しく読めるようになってきたことが嬉しい今日この頃です。最近では特に、プリキュアの美希とせつな(とタコ)のお話、残念ながら見逃したのですが、きっこさんの日記のおかげでどんな感じだったか想像できて、泣いてしまいました。たかがプリキュア、されどプリキュアですよね。私はプリキュア5gogoが大好きだったので、今でもあのオープニング曲を聴くだけで、涙腺が緩みます。毎日たくさんメールが届いていると仰っていたのに、こんな内容の薄いメールを送ってしまってすみません。毎日の楽しみをくださるきっこさんに、感謝の気持ちと尊敬の念とセクシーさへの憧れをお伝えしたいと思い、メールさせて頂きました。これからも楽しみにしています。お忙しいと存じますが、ご自愛をお祈り申し上げます。読んで頂き、ありがとうございました。
茗荷(みょうが)さん、どうもありがとうございました♪‥‥ってワケで、茗荷さんが大好きだったっていう「プリキュア5gogo」ってのは、正確には「Yes!プリキュア5 Go Go!」って言って、プリキュアが5人になった「Yes!プリキュア5」の続編のことだ。ぜんぜん分からない人のために軽く説明すると、こないだもチョロっと書いたけど、「プリキュア」ってのは、最初は「ふたりはプリキュア」っていうタイトルの通り、2人だった。だけど、2作目の「ふたりはプリキュア Max Heart」で3人になり、3作目の「ふたりはプリキュア Splash Star」で全面改装して2人に戻ったんだけど、世の中的には人気がガクッと下がっちゃった。
で、支持率が急落した自民党は、麻生太郎、石破茂、石原伸晃、小池百合子、与謝野馨っていう5人もの総裁候補を乱立させて‥‥じゃなくて、人気が急落したプリキュアは、のぞみ、りん、うらら、こまち、かれんっていう5人のプリキュア戦士を登場させて、4作目の「Yes!プリキュア5」を発進させた。そして、自民党とは正反対に、これでグッと人気を持ちなおしたので、5作目も、この続編てことで、茗荷さんが大好きだって書いてる「Yes!プリキュア5 Go Go!」へと続いてったってワケだ。そして、今は、またまた全面改装した6作目の「フレッシュプリキュア!」で、ラブ、美希、祈里、せつなの4人でがんばってるワケだ。
でも、前回までの「プリキュア5」には、「ふたりはプリキュア」における、ひかりちゃんのシャイニールミナス的な、くるみちゃんのミルキィローズってのが出て来るワケで、なかなか複雑なシステムになってる。ま、その辺のことは割愛してくけど、茗荷さんは、「Yes!プリキュア5 Go Go!」のオープニング曲を聴くと涙腺がゆるむって言ってる。あの、「みんな~の応援が待ってる~さあ進もう叫ぼう一緒に~♪」ってヤツだよね。「Yes!プリキュア5」のオープニング曲よりも勇ましくて、友情の大切さを歌ってて、あたしも大好きだ。もっと分かりやすく言うと、コレだ。
だけど、あたしの場合は、何と言っても、エンディング曲の「ガンバランス de ダンス」が好きだ。ぜんぶ踊れるし、カラオケでも歌う。細かいことを言うと、この「ガンバランス de ダンス」は、「ふたりはプリキュア Splash Star」の後期のエンディング曲だった。プリキュアシリーズは、オープニング曲は1年間ずっと変わらないけど、エンディング曲は半年でリニューアルする。で、最初に聴いた時は、アレンジもショボかったし、初期のプリキュアの主題歌を歌ってる人が歌ってたから、あの甘ったるい鼻に掛かったような歌い方で、昭和の少女向けアニメの匂いがプンプンしてて、あんまり好きじゃなかった。
でも、この歌が、「Yes!プリキュア5」の後期のエンディング曲として、アレンジも歌詞も歌い手もリニューアルして再登場したのだ。それが「ガンバランス de ダンス~夢見る奇跡たち~」って歌で、あたしは、コレが一番好きだ。ちなみに、最初の「ガンバランス de ダンス」も、リニューアルした「ガンバランス de ダンス~夢見る奇跡たち~」も、出だしの「手のひら太陽向けて~フリフリ体ゆすれば~光のシャワーを浴びて~今日も1日ピカピカ~♪」ってとこはおんなじなんだけど、その次のとこが、「ネガティブになると~猫背になる、なんてこった♪ 見た目からでもOK~胸を張って、ちょいとハッスル♪」が、「壁にぶつかって~目が点になる、どんだけって♪ マイナスからでもOK~逆転しよう、イッキヨーヨー♪」ってふうに、大幅に歌詞が変わってる。
そして、茗荷さんが好きだって言ってる「Yes!プリキュア5 Go Go!」の後期のエンディング曲は、さらにリニューアルした「ガンバランス de ダンス~希望のリレー~」ってのになってて、この部分が「初めの一歩が~あればこその、ハイタッチで♪ 希望のリレーには~チカラ宿る、グッとグーグー♪」って、またまた大幅に歌詞が変わってる。ただ、このバージョンは、また歌い手が初期の「昭和風味」の歌い方の人に変わっちゃったので、あたしにはイマイチだった。だから、すごくマニアックで申し訳ないんだけど、あたしは、「Yes!プリキュア5」の後期のエンディングの「ガンバランス de ダンス~夢見る奇跡たち~」こそが好きなのだ。聴くだけで楽しくなるし、テレビの前で一緒に踊ると、すごく元気が出るからだ。
ちなみに、鼻に掛かった歌い方の昭和風味のがコレで、あたしの大好きな元気いっぱいなのがコレだ。とにかく、おんなじ「プリキュア」って名前のシリーズなのに、人数もメンバーもチョコチョコと変わり続けてるから、なかなか覚えるのが大変なんだけど、その点、年度が変わって続編になっても、一貫してストーリーが完璧だったのが、「おジャ魔女どれみ」だろう。今年を入れて6作の「プリキュア」のシリーズの前は、1年だけ、ちょっと上の学年を対象にした「明日のナージャ」が放送されて、その前が「おジャ魔女どれみ」のシリーズだった。
あたしは大人だから、「明日のナージャ」も大好きだった。孤児院で育ったナージャが、母を訪ねて三千里するっていう暗そうなテーマなのにも関わらず、ナージャと旅するダンデライオン一座の人たちとか、ナージャのブローチを狙うロッソとビアンコとか、怪盗「黒バラ」とか、次から次へと展開するストーリーと、何があってもへこたれないナージャのガッツが楽しかった。で、その前の「おジャ魔女どれみ」は、これは有名だから知ってる人も多いと思うけど、あたしが何よりも感心したのは、その一貫性だ。
1作目の「おジャ魔女どれみ」は、どれみ、はづき、あいこの3人が魔女見習いで、小学3年生だったけど、2作目の「おジャ魔女どれみ♯」になると、3人は4年生になるのだ。そして、新しいメンバーの「おんぷ」が加わる。そして、3作目の「も~っと!おジャ魔女どれみ」になると、4人は5年生になり、新しいメンバーの「ももこ」が加わり、4作目の「おジャ魔女どれみ ドッカ~ン!」になると、5人は6年生になり、「おジャ魔女どれみ♯」から出てたハナちゃんが新しいメンバーに加わった。
これは、ある意味、すごいことだ。だって、「サザエさん」にしても、「ドラえもん」にしても、「ちびまる子ちゃん」にしても、登場する小学生たちは、何年経っても年を取らなくて、カツオものび太もまる子も、毎年毎年、夏休みの最終日には宿題で苦労してる。大人になると、子供のころの夏休みを懐かしく思い出すけど、それは、過ぎ去った日のことだからであって、20年も30年も小学校を卒業できずに、それどころか進級もできずに、半永久的に小学3年生をやり続けてなきゃならないなんて、もともとグータラなまる子じゃなくてもイヤになっちゃうと思う。
その点、「おジャ魔女どれみ」は、毎年ちゃんと進級してく上に、キャラの外見も、最初はすごく子供っぽかったのに、毎年ちょっとずつ成長してったのだ。あたしは、「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」で感じてた「アニメの矛盾」をそれまでは「大人の世界の事情」として納得してたけど、こうして、登場人物がちゃんと成長してくアニメを観て、後頭部を鈍器で殴れたようなショック‥‥ってのは大ゲサだけど、子供のころから持ち続けてた「何とも言えないモヤモヤした気分」が、スカッと快晴になったような気がした。
さらに、もう1つ言わせてもらうと、「おジャ魔女どれみ」には、「MAHO堂(魔法堂)」ってお店が出て来て、どれみたちはココのお手伝いをしながら魔女修行をしてるんだけど、最初は水晶玉で占いをするお店で、2作目には花屋さんになり、3作目にはお菓子屋さんになり、4作目には雑貨屋さんになった。で、メインの5人の魔女見習いの頭文字、どれみのD、はづきのH、あいこのA、おんぷのO、ももこのMを並べ替えると、「MAHOD」になって、どれみを「DO」ってことにすると、ミゴトに「MAHODO」になるってスンポ―なのだ。前に、「魔法戦隊マジレンジャー」のメンバーの名前の最初の1文字を並べると「オズの魔法使い」って言葉になることや、「炎神戦隊ゴーオンジャー」のメンバーの名前の最初の1文字を並べると「エコロジイ」って言葉になることを書いたけど、おんなじようなもんだ。あたしは、こういう細かい部分での「遊びの精神」が大好きなのだ。
‥‥そんなワケで、これだけ絶賛しといて、こんなこと言うのもアレだけど、日曜日の朝の8時半から9時までのテレビ朝日のアニメの中では、あたしが一番好きだったのが、この「おジャ魔女どれみ」の前にやってた「夢のクレヨン王国」だった。覚えてない人のために簡単に説明すると、「寝起きが悪い」とか「食べ物の好き嫌いが多い」とか「自慢したがる」とか「何でも欲しがる」とかの12の悪い癖を持った12才のシルバー王女が、石になっちゃった王と王妃を元に戻すために、ヘンテコな仲間たちと死神を探して冒険の旅に出る‥‥って話だ。そして、死神をやっつけて王と王妃が元に戻ったのが1年目で、今度は、天使を探して旅に出るのが2年目だった。
当時、あたしは、事務所から独立したばかりで、辛いことや悔しいことの毎日で、夜、1人で泣くことも多かった。1人でツッパルのはやめて、どこかの事務所に所属し直そうって思ったことも何度もあった。でも、この「夢のクレヨン王国」を観て、ちっちゃいのにがんばってるシルバー王女から、すごく元気をもらったのだ。タカビシャだし、ワガママだし、ハチャメチャだし、どうしようもない性格のシルバー王女だったけど、旅を続けるうちに、12の悪い癖も1つずつ直って行き、とってもステキな女の子へと変わってく。あたしは、この「夢のクレヨン王国」から元気をもらって、社会人になってから一番辛かった時期を乗り越えることができたのだ。
世界観や各キャラなんかは、ハッキリ言って、完全に「不思議の国のアリス」のパクリ‥‥っていうか、良く言えば「亜流」だったけど、映画の「チャーリーとチョコレート工場」ほどは「不思議の国のアリス」をパクッてなかったし、何よりもシルバー王女の個性が確立してたから、1つの完成された作品として楽しむことができた。今でも、ちょっと元気がなくなると、「Yes!プリキュア5」の「ガンバランス de ダンス~夢見る奇跡たち~」と一緒に、この「夢のクレヨン王国」のテーマ曲を聴いて、元気をもらうことがある。ちなみに、コレだ。
‥‥そんなワケで、こうしたアニメって、自分が何才の時に観たか、どんな状況の時に観たかによっても、その印象は大きく違うと思う。おんなじ「夢のクレヨン王国」でも、あたしは社会人になってから観たワケだけど、今、25才の茗荷さんなら中学生の時に観てたワケだし、今、20才前後の人なら、小学生の時に観てたワケだ。だから、大人になって、辛い状況の時に観たあたしとは違って、もっと純粋に楽しんでたと思う。「プリキュア」にしても、大人になってから観てるあたしと、今、小学生の子供たちとでは、大きく違うと思う。だけど、「友情の大切さ」をメインテーマにして、そこから、「人を信じることの大切さ」、「約束を守ることの大切さ」、「夢をあきらめないことの大切さ」なんかを教えてくれる「プリキュア」を今、観てる子供たちは、きっと、「自分さえ良ければいい」っていう今の大人たちとは違って、人の痛みが分かる大人に成長してくれるって信じてる。そして、そうした子供たちのために、あたしたち大人は、基地やダムじゃなくて、美しい海や山を残してあげるべきだと思った今日この頃なのだ。
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