誤字脱字の女王
1ヶ月以上も前のことだけど、あたしは、7月30日の日記、「女3人珍道中」の中で、作家の安部譲二さんのことについて触れて、いつも読みに行ってる安部譲二さんのホームページ、「大人気ないオトナ」を文中にリンクした。あたしは、このホームページの中の「あんぽんたんな日々」っていうコラムが大好きで、月に2回の更新を楽しみにしてるからだ。それで、あたしが安部譲二さんのことを日記に書いてから、最初に更新された8月6日付のコラムは、時期も時期だったから、衆院選について書かれてた。そして、そのままナニゴトもなく日々が過ぎて行き、あたしは、いつものように、2~3日に1回、「大人気ないオトナ」を覗いて、「まだ更新されてないな~」なんて思ってた。
で、8月16日の深夜、また覗いてみたら、ちょうどこの日に新しいコラムが更新されてたので、さっそく読み始めた‥‥と思ったのもトコノマ、あたしは幽体離脱しちゃいそうなほど驚いた。この日の安部譲二さんのコラムは、「七月三十日の午後から、突然このホームページへのアクセスが増えて、俺はビックリした。」っていう一節から始まってたんだけど、読み進むと、原因不明の大量アクセスが続き、何かマズイことにでも巻き込まれたんじゃないかって思った安部譲二さんは、心配で心配でお酒の量まで落ちちゃったそうだ。そして、こんなふうに結んであった。
「いろいろ考えて落ち着かない日々を送っていたら、ある日、読者からのメールで、『きっこの部屋』という超人気ブログに、この『大人気ないオトナ』」のことが載ったからだと分かった。すっかり安心して、その日から酒量が戻った。」
オーマイガー! あたしは、マサカ、こんなことになってたなんてツユ知らず、美味しいお酒を飲んで暮らしてたのだ。それで、あたしは、すぐにお詫びのメールを書いて、ついでに、「『きっこの部屋』じゃなくて『きっこの日記』ですよ」ってことも書き添えて、安部譲二さんへ送った。そしたら、2日後に、とっても丁寧でやさしくてアリガタイザーな返信をいただいちゃって、キョーシュクしちゃった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、世の中に「ブログ」なんてモノも言葉もなかった時代から、もう10年も書き続けて来た「きっこの日記」だから、それなりに「知ってる人は知ってる」程度の知名度はある。見ず知らずの人のブログをタマタマ読んでたら、突然、「きっこの日記」って言葉が出て来たり、あたしのまったく知らないとこで取り上げられてたりすることもある。もちろん、そうしたケースについては、ご本人からメールでお知らせでもいただかない限り、あたしが偶然に見つけるなんて確率は激しく低い。
だけど、知り合い同士なら、毎度のことだ。たとえば、21日に沖縄の宜野湾で開催される「Peace Music Festa!'09 from 宜野湾」の告知を「きっこのブログ」にアップしたら、すぐにKEN子さんが「Peace Music Festa!」のブログにお礼のメッセージを書いてくださった上に、ミクシーの中でまでお礼を言われちゃった。パワフルに活動し続けてるKEN子さんは、あたしのリスペクトしてる女性の1人で、そんな人から丁寧にお礼なんか言われちゃうと、これまた、こっちのほうがキョーシュクしちゃう。
で、お互いのブログを読んでチェキしあってるって言うと、あたしの場合は、ネット上で一番仲良しの「カナダ de 日本語」のミニーちゃんだ。皆さん、ご存知の通り、あたしは誤字脱字や変換ミスの女王だから、いつもたくさんの人からツッコミを入れられてる。今日も、「世田谷通信」でF1のルノーが不正を認めたって記事をアップしたら、「泥仕合」って書くべきとこを「泥試合」って書いちゃってて、アッと言う間に十数人の人たちからツッコミのメールをいただいた。メールをくださった皆さん、どうもありがとうございました♪‥‥ってなワケで、ワタクシは、読者の皆々様のオカゲで日記を書き続けることができる瀬川瑛子でございます。モ~~~って、牛の鳴きマネを織り込みつつも、たいていの場合、誰よりも真っ先にメールで知らせてくれるのが、ミニーちゃんだ。あたしも、タマにミニーちゃんの変換ミスを見つけると、得意満面になってメールしてるんだけど、もちろん、あたしのほうが遥かにミスが多い。だいたい、あたしが8でミニーちゃんが2くらいの割合だ。
‥‥そんなワケで、あたしは、毎日のように、「ロクに確認しないで日記をアップする」→「読んだ人が誤字脱字や変換ミスに気づく」→「その中の誰かがメールで知らせてくれる」→「あわてて直す」ってことを繰り返してるワケだけど、あたしのほうが誰かの間違いに気づいてメールで知らせるのは、基本的にはミニーちゃんだけだ。あとは、江川紹子さんにも、1~2回ほどメールでお知らせしたことがある。紹子さんて、テレビで見るととっても落ち着いてるのに、ホームページの「江川紹子ジャーナル」のコラムになると、急にサザエさん的になっちゃうのか、それとも、あたしみたいに確認しないでアップしてるのか、時々、「うひゃっ!」って思うような誤字があったりするのだ。
だけど、あたしは、ミニーちゃんと紹子さん以外は、たとえ知り合いであっても、ミスに気づいても知らせることはない。これは、不親切とかメンドクサイとかってことじゃなくて、こういうことを指摘されるのを好まない人がいるからだ。ずいぶん前に、ネット上で知り合って仲良くなった同世代の女性のブログに、すごく単純な漢字の変換ミスを見つけたので、あたしは深く考えないで、コメント欄にそのことを書いた。今、思えば、メールにすれば良かったんだけど、あたしとしては、こんなことでわざわざメールすることのほうが迷惑だろうと思ったから、軽い気持ちで「変換ミスだよ」ってふうに書き込んだ。もちろん、小バカにしたような書き方じゃなくて、極めて普通に書いたのだ。
それなのに、その相手は、あたしの予想とはウラハラに、激怒しちゃったのだ。その相手が言うには、こういうことはメールでコッソリと知らせるもので、誰が見てるか分からないコメント欄に書くなんて、ワザと恥をかかせようとした嫌がらせだ!‥‥って言うのだ。それで、あたしは、「そんなつもりじゃなかった」ってこととか、こっちが引いて「軽率なことをして悪かった」とか、何度もメールで謝ったんだけど、どんどん変な方向へ行っちゃって、結局、ケンカ別れみたいになっちゃった。だから、あたしは、よっぽど分かりあえてる相手とか、どう考えてもあたしと同レベルの良識を持った相手だってことが分かってないと、恐くて指摘ができないのだ。
あたしなら、感謝して「どうもありがとう♪」ってお礼を言うようなことなのに、それが、まったくの正反対に激怒しちゃう人がいるなんて、ホントに人間の感性って十人十色だと思った。そして、こうした人がいる以上、コメント欄じゃなくてメールでの指摘でも、それを「親切」とは取らずに、「嫌がらせ」だと取る人だっているだろう。だから、あたしは、ヨホドの必要性がない限り、ミニーちゃんと紹子さん以外は、ブログのミスに気づいても、こっちから知らせることはない。
でも、しばらく前のこと、チョコチョコと読みに行ってる「ノーレイン ノーレインボー」っていうブログで、どうしても気になるミスを見つけちゃったのだ。これは、たかゆきさんていう大阪のストリートミュージシャンのブログなんだけど、2~3年前にタマタマ見つけて、タイトルがステキだったからチョコっと覗いてみたら、これがなかなか面白い。弾き語りで稼ぐお金だけで10年も暮らしてるっていう筋金入りの自由人で、すべてのことに対して正直に生きてるとこが好感を持てた。それで、何日か掛けて、過去ログをぜんぶ読み、それからは、安部譲二さんの「あんぽんたんな日々」と同じく、チョコチョコと覗いて、更新されてれば読む‥‥って感じだ。
で、その「気になるミス」ってのは、あたしの好きなシンガーの1人、「トレイシー・チャップマン」の名前を「トレイシー・チャップッマン」って、「ッ」を1つ多く書いてたのだ。それも、2ヶ所も出て来たから、きっと、たかゆきさんは、最初の間違いに気づかずに、2ヶ所目は、最初の「トレイシー・チャップッマン」をコピペしたんだろうって思った。だけど、こっちが一方的にコッソリと読みに行ってるだけで、相手からしたら見ず知らずのあたしなんかに、こんなことを指摘されるのは不愉快かもしれない。親切のつもりで指摘しても、いつかの女性みたいに激怒されちゃったら大変だ。
ただ、あたしは、たかゆきさんの文章をずっと読んで来たから、たかゆきさんが良識を持った頭のいい人だって感じてたし、多少は行き過ぎたギャグも通じるキャパの広い人だってことも感じてた。だから、あたしは、次の更新まで待って、それでも「トレイシー・チャップマン」の名前が直ってなかったら、思い切ってメールでお知らせしてみよう‥‥って決めたのだ。そして、昨日、次の日記が更新されても、前回のミスが直ってなかったから、あたしは、丁寧なツッコミのメールを送ってみた。
そしたら、しばらくして、なにやらコーフン気味の返信が来た。実は、たかゆきさんも、何年も前から、あたしの日記をコマメに読んでくれてたそうだ。そして、あたしからメールが来たことにコーフンして、「四国一周ブログ旅の早希ちゃんを応援しているのもきっこさんの影響です」なんてことまで書いてあった。この辺のやりとりは、すべて、たかゆきさんの「ノーレイン ノーレインボー」の今日のエントリーに詳しく書いてあるので、興味のある人は読みに行って欲しい。そして、良かったら、ランキングのクリックもポチッとヨロピク♪
‥‥そんなワケで、あたしは、ネット上の人間関係には苦労して来てるから、相互リンクはすべてお断りしてるし、トラックバックもコメントも受けつけてない。誰ともツルまずに、1人で淡々と日記を書き続けてる。そして、コッソリと読みに行ってるブログにも、コメントしたりメールを送ったりすることもメッタにない。だけど、今回のたかゆきさんとの出会いみたいに、あたしがずっと「ノーレイン ノーレインボー」を読みに行ってて、相手もずっと「きっこのブログ」を読みに来てくれてたってことが、たった1文字の誤字が原因で分かるなんて、これはこれでステキなことだと思った。だからって、あたしの場合は、やっぱり誤字脱字や変換ミスの女王だから、皆さんからのツッコミのメールはこれからもジャンジャン受けつけるけど、あたしからツッコミのメールを送ることはメッタにないと思う今日この頃なのだ。
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