パンダの心意気
ブロントザウルスよりも首を長くして待ってたF1のイタリアGPの決勝戦だけど、観終わった今、あたしは、あまりの素晴らしさに全身がプルプルと小刻みに震えてる。録画しててこれから観る人も多いと思うので、内容はいっさい書かないけど、ただ、ヒトコトで言わせてもらえば、「ブラボー!モンツァ!」って感じだ。
今回のイタリアGPには、いろんな思いがあった。まずは、何よりも嬉しかったのが、マッサの頭の再手術が成功したことだ。事故後にブタペストで受けた手術は成功したけど、左のコメカミの辺りの頭蓋骨に穴が開いたままだったから、母国のサンパウロの病院で、そこに金属板を埋め込む手術を受けることになってた。それが、無事に成功して、マッサ本人は10月下旬の母国でのブラジルGPから復帰したいって言ってた。
でも、マッサに十分な休養をとってもらおうと考えたフェラーリチームは、ナナナナナント! マッサの代役として、フィジケラに白羽の矢を立てたのだ! F1の現役ドライバーの中では、ライコネンの次にイケメンのフィジケラが、フェラーリに乗る上に、それがモンツァからなのだ! つまり、イタリア人のフィジケラが、イタリアを代表するフェラーリに、イタリアのモンツァで乗るってことで、あまりにもイケてるハカライに、あたしも小さいきっこたちも小躍りしちゃった。もちろん、誰よりも喜んだのは、ずっとずっとフェラーリに憧れ続けて来たフィジケラ本人だ。
そして、この話を聞いたマッサは、すぐにフィジケラに電話して、「おめでとう!」って言ったんだよね。そしたら、フィジケラ、何て答えたと思う? 「少しだけマシンを借りるけど、君が帰って来られるようになった時には、すぐにマシンを返すからね。とにかく、安心して療養してくれよ」って言ったんだよね。ああ、10数年も憧れ続けてたフェラーリのマシンにやっと乗れることになったってのに、フィジケラ、何てカッコイイ男なんだろう。あたしは、胸がジーンとしちゃって、感動の涙がポロポロとこぼれちゃった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、これから録画を観る人たちのことを考えて、今日のイタリアGPの内容に関しては何も書かないようにしてるワケだけど、あたし的にはサイコーの結果になったので、書きたくてウズウズしてる。何と言っても、天才ロス・ブラウンを胴上げしたいし、マッサの手術の成功を祈ってヒゲを剃らなかったバリチェロが、キレイにヒゲを剃ってたこととか、最終ラップでのハミルトンのホニャララによってライコネンがハニャララしたこととか、書きたいことはいっぱいあるんだけど、ガマンしてる。
で、今日のイタリアGPのことは書かずに、その流れで書いてこうと思うんだけど、あたしは、とにかくフェラーリが大好きで、フェラーリこそが世界一の車だと思ってる。でも、これは、あくまでもF1の話であって、市販車のフェラーリにはまったく興味がない。だって、市販のフェラーリってカッコ悪いし、乗ってるヤツラがアホばかりだからだ。あたしが好きなのは、1.5リッターのターボから3.5リッターのレシプロに変わった時、1989年のベルガーとマンセルが乗ってた時の「640」がルーツで、そのあとの「641」「642」「643」の流れが大好きだ。あの、プロストやアレジも乗ってたマシンだ。そして、シューマッハ兄がフェラーリ入りするまでの「F92」や「F93」や「412」のシリーズも好きだ。マニアックに言わせてもらえば、最後の3.5リッター、1994年の「412T1B」がサイコーに好きだ。
だけど、あたしが、ホントにフェラーリのマシンをカッコイイと思うようになったのは、シューマッハ兄とバリチェロのコンビが乗るようになった2000年以降のマシン、「F1-2000」や「F2001」から「F2008」までで、特に好きなのが、「F2004」と2005年の「F2004M」だ。これを最後に、翌年の2006年からは、変態ウヨクのモズレー会長によって、2.4リッターなんていうヘナチョコマシンになっちゃったから、あたしのテンションはガクッと低くなった。それでも、外見だけはカッコ良かったから、まだフェラーリを好きでいたんだけど、今年から自民党並みに最低最悪になっちゃったから、もう、どうでもよくなった。
分かりやすく言うと、あたしが好きなのは、マシンの性能としては1994年の「412T1B」、見た目としては2004年の「F2004」てワケで、つまり、「F2004」に、「412T1B」のエンジン、「Tipo043」の3.5リッター、V12を積んでくれたら、言うことないってワケだ。だから、あたしは、愛用のママチャリに「フェラーリF2004」て名前をつけてるけど、あたしの脳内では、積んでるエンジンは「F2004」の「Tipo053」の3リッター、V10じゃなくて、「Tipo043」を積んでる気分でペダルを漕いでるってワケだ。
ま、そんなことはどうでもいいんだけど、とにかく、あたしがいいたいことは、フェラーリって、F1マシンは激しくカッコイイのに、市販車はヒザカックンされちゃうほどカッコ悪い上に、そうしたダサい市販のフェラーリに乗ってるヤツラが、死ぬほどカッコ悪いアホばかり‥‥ってことだ。何よりも、市販のフェラーリに乗ってるヤツラって、あまりにも運転がヘタクソで、見てるほうが恥ずかしくなって来る。朝の渋滞した上りの246をノッキングしながら走ってるフェラーリ、六本木の渋滞のど真ん中でエンストするフェラーリ、ガードレール沿いの路肩に停める時に寄せ過ぎてドアが開けられないフェラーリ、ファミレスの駐車場に入る時に後輪を縁石に乗り上げるフェラーリ‥‥って、どう考えても、シビックのオートマにでも乗り換えたほうが良さそうな感じの運転のヘタクソなヤツラばっかりだ。
‥‥そんなワケで、あたしは、フェラーリは大好きだけど、それは、サーキットを走ってるF1マシンが好きなだけで、国道は40キロから60キロ、高速道路でも80キロなんていう公道しかないニポンで、何千万円も払って、あんなモーターボートみたいなカッコのダサいフェラーリなんか乗ってるのは、ただのバカだと思ってる。もしも、あたしが、フェラーリの市販車を買えるほどの大金持ちだったとしても、間違ってもフェラーリは買わない。これは、前にも何度か書いたと思うけど、もしも、あたしに、車を買うために何百万円もの予算があったら、その予算で車は買わない。その予算の半分以下で車を買って、残りは改造費に充てる。
お金持ちって、どうして、ベンツだのBMWだのジャガーだのフェラーリだのって、バカのひとつ覚えみたいな車を買うんだろう? たとえば、あたしみたく改造とかに興味がなかったとしても、ベンツやフェラーリを買える予算があるのなら、ランチアだとかアストンマーチンだとか、もっとカッコイイ車がいっぱいあるのに、どうしてダサい車なんかにバカみたいなお金を払うんだろう? フェラーリと一緒で、ベンツだってBMWだって、カッコイイのはF1マシンだけで、市販車なんかダサダサなのに。
ま、それでも、トヨタのプリウスなんていうギョーザみたいなカッコのクソ車なんかを買うくらいなら、まだフェラーリやベンツのほうがマシだと思うけど、それでも、あたしから見れば、五十歩百歩だ。どっちもあまりにもダサすぎる。さらには、トヨタのセルシオだのクラウンだのを買うバカ。ホント、恥ずかしいと思う。トヨタのセルシオやクラウンて、欧米では「プア・メルセデス」、つまり、「貧乏人用のベンツ」って呼ばれてるんだよね。こんなに恥ずかしい車に乗るくらいなら、ママチャリにでも乗ってたほうが、よっぽどマシだしエコだと思う。つーか、何万人もの派遣労働者のクビを切ったクセに、F1には平然と参戦し続けてる上に、フェラーリチームの約500億円ていう年間の予算を遥かに超えた約600億円もの予算を使いまくってるトヨタみたいなファッキンな企業の車を買うなんて、普通の神経じゃ考えられない。
‥‥そんなワケで、あたしは、乗用車だとフィアットが好きなんだけど、フィアットと言えば、フェラーリの親会社だ。潰れそうだったフェラーリに愛の手を差し伸べて、傘下に入れてあげたのがフィアットってワケで、ガリバーで査定してもらったらキッパリと「0円」て言われちゃったフィアット・パンダに乗ってるあたしでも、この図式で見れば、何千万円もするフェラーリに乗ってるヤツよりも「上」ってことになる。それに、都内の公道でレースをしたら、確実にあたしのほうが速いんだから、車の性能的にも「上」ってことになる。でも、フィアットとフェラーリは親子なんだから、争うつもりはない。フィアットが民主党なら、その傘下のフェラーリはオムライス党ってワケで、ベンツやBMWやルノーを倒すために協力してかなきゃならないってワケだ。
そんな中、15日から27日まで開催される「第63回フランクフルトモーターショー」で、あまりにもツボな車がお目見えすることになった。その名も、「フィアット500アバルト695トリビュートフェラーリ」だ。「フィアット500」ってのは、ルパン三世が乗ってたことでもオナジミのちっちゃいフィアット、「チンクエチェント」で、そのルーツは「小ネズミ」って意味の「トッポリーノ」の愛称で親しまれて来た。今、50才以上の人なら、きっと「トッポジージョ」を連想したと思うけど、ニポンの軽自動車よりもちっちゃくて可愛い車だ。あたしも、ホントは、パンダよりもトッポリーノのほうが欲しかったんだけど、フルチューンのトッポリーノは200万円くらいして、その上、メンテナンスにもお金が掛かるって言われたから、その半分くらいの値段だったパンダにしたってワケだ。
で、今の「フィアット500」は、昔のチンクエチェントよりもグッと大きくなって、普通に街乗りができる車になったワケだけど、去年の夏のモーターショーで、「フィアット500アバルト」がお目見えした。「アバルト」ってのも、フェラーリと同じく、これまたフィアットに買収されて傘下に入った自動車メーカーで、激しいチューニングでワンダホーなマシンを作り続けて来たメーカーだ。昔のちっちゃい「フィアット500」にも、サソリのエンブレムのついたアバルトチューンのがあるけど、シビレちゃうほどカッコイイ。
そして、去年、この「フィアット500アバルト」のフェラーリ仕様が作られたのだ。だけど、これは、フェラーリがフィアットに発注して作らせたものだった。ヨーロッパ各国のフェラーリのディーラーが、お客さまの送迎用に用意した車で、市販はされなかったのだ。市販の「フィアット500」の最高級モデル、1.4リッター、16バルブの「スポルト」をアバルトがチューンしたモデルをベースにして、マニェッティ・マレッリ社が排気系のチューンをした上に、スカスカのデザインのアルミホイールの隙間から、ボディと同色のフェラーリの「スクーデリア・レッド」に塗装されたブレーキ・キャリパーが覗いてて、なかなかカッコ良かった。
そして、それから1年の月日が流れ、ついに、「フィアット500アバルト695トリビュートフェラーリ」が登場したってワケだ。この長い名前を見れば分かるように、「フィアット500」をベースにアバルトがチューンした「フィアット500アバルト」をさらにフェラーリ仕様にしたってワケで、ある意味、ギャグみたいな車だ。エクステリアがフェラーリ一色なのと同様に、インテリアもやる気マンマンで、アバルトの革貼りのバケットシートやステアリングなど、高級感だけじゃくて、性能的にもアップしてる。メーター類は、フェラーリとおんなじイエーガー製だし、アルミ製のペダルにはアバルトのサソリのマークがついてるし、要所要所に「スクーデリア・レッド」が配色されてる。
もちろん、何よりの「売り」がパフォーマンスで、足回りが強化してあるのは当然として、ブレーキはブレンボの大径タイプだし、フェラーリ風味の17インチのアルミホイールもなかなかだ。そして、1.4リッターのターボエンジンは、吸気と排気を中心にチューンされてて、ノーマルの135psから180psへと大幅にパワーアップされてる。そして、見た目もカッコイイ排気システムは、アバルトの「レコードモンツァ」なのだ。そう、今日のイタリアGPのサーキット、「モンツァのレコード」って名前の排気システムってワケで、この名前だけでもシビレちゃう。
‥‥そんなワケで、この「フィアット500アバルト695トリビュートフェラーリ」のベース車、「フィアット500アバルト」でさえも、ニポンで買うと300万円もする。車の大きさは軽自動車並みだし、エンジンも1.4リッターなんだけど、腐ってもアバルトってワケで、こんなにも高い。だから、この車をベースにして、さらにいじりまくってる「フィアット500アバルト695トリビュートフェラーリ」になると、最低でも100万円以上、ヘタしたら200万円以上は高くなるハズで、こんなにちっちゃい車なのに、500万円以上もしちゃいそうなイキオイだ。だから、逆立ちしたってあたしには買えないけど、こんなに強力なライバルが登場するなら、あたしも負けてられないから、前々から計画してた作戦をそろそろ実行に移す時なのかもしれない。ここらで査定が「0円」のパンダの心意気を見せて、エンジンをプントの1.2リッターのツインカムか、1.4リッターのターボに積み替えて、「NOS(ナイトラス・オキサイド・システム)」を組んで、ゼロヨンで13秒台を出せるようにしとけば、深夜の目黒通りの信号で「フィアット500アバルト695トリビュートフェラーリ」と並んでも、ちょっとやそっとじゃ負けないと思う今日この頃なのだ。
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