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2009.09.20

靴を投げる人々

16日、イラクのファルージャで、走行中のアメリカ軍の車両に向かって、「アメリカ兵はイラクから出て行け!」とかって叫びながら自分の靴を投げつけたイラク人の男性が、この車両に乗ってたアメリカ兵に、ライフルで撃たれて殺された。この男性は、ファルージャ在住の32才の整備工で、アメリカ兵に家族を殺されたことが原因で、精神疾患にかかってたっていう情報もある。で、イラクの民間人を射殺したアメリカ軍の言いぶんは、投げつけられた靴を「手榴弾」だと思い、テロリストによる攻撃だと判断したので、防衛のために相手に向かって発砲したって言ってる。ようするに、悪いのはイラク人のほうで、自分たちには何の落ち度もない‥‥っていう、いつものパターンだ。

一方、おんなじイラク人でも、去年の12月にイラクを訪れたブッシュに向かって、「この犬野郎!」って叫びながら靴を投げつけたジャーナリスト、ムンタゼル・ザイディさんは、15日に釈放された。約9ヶ月間の服役だったけど、完全に英雄になっちゃったザイディさんには、アラブ世界の富豪たちから、純金の馬の置き物だの、高級スポーツカーだの、挙句の果てには立派な新居まで、高価な贈り物の話が次々と舞い込んでて、大金持ちになっちゃいそうなイキオイだとか。

おんなじイラク国内で、おんなじイラク人が、おんなじアメリカ人に向かって、おんなじように叫びながら、おんなじように靴を投げつけたってのに、片や英雄扱いされた上に大金持ち、片やその場で射殺って、あまりにも天と地だ。結局、この差は、懐かしい言葉で言うと、「TPO」の違いだったんだと思う。ザイディさんだって、ああいう記者会見の場で靴を投げつけたから、その場で取り押さえられて、一応はちゃんとした裁判を受けられたのだ。もしも、イラクに到着した大統領専用機から、ブッシュが降りて来たとこに靴を投げつけてたら、ヘタしたら、その場でSPに射殺されてたかもしれない。

そして、16日に射殺されたイラク人にしても、靴を投げつけた相手が、シタッパのアメリカ兵なんかじゃなくて、アメリカ軍のトップのブッシュだったとしたら、逆に、こっちの男性が英雄になり、ものすごい贈り物をもらいまくり、一生、その名声だけで暮らして行けたかもしれない。肉親や知り合いを無差別に殺され、アメリカに対する憎しみはおんなじなのに、いつ、どこで、誰に靴を投げつけたのかによって、こんなにも結果が違って来るなのて、何とも言えない複雑な気持ちになって来る今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、去年の12月に、ザイディさんがブッシュに靴を投げつけた時のことは、あたしも、12月16日の日記、「靴を投げた英雄」にタップリと書いた。そして、この日の日記に書いてあるように、ブッシュが飛んで来た靴をヒョイとよけた瞬間に、全世界の人たちとおんなじに、「おしい!」って思った。やっぱり、靴の裏が顔面を直撃して、ブッシュの顔の真ん中に靴の裏の模様がクッキリとついたりしてたら、世界中がもっともっと盛り上がってたと思う。何しろ、ブッシュほど、世界各国からだけじゃなくて、自国のアメリカ人たちからも嫌われてる大バカはいないからね。

で、残念なことに、ブッシュに靴は当たらなかったけど、その場面がバッチリと映像に残ってたもんだから、YOU TUBEではものすごい閲覧数を記録しちゃって、全世界に波紋が広がった。その影響の1つとして、今年の2月には、中国の温家宝首相がイギリスを訪問した時に、ケンブリッジ大学で講演をしたら、1人のイギリス人の男性が、「このウソつきめ!」とかって叫びながら靴を投げつけた。この時は、壇上まで距離があったけど、この男性はなかなかの遠投力とコントロールで、温家宝首相の1メートルくらい近くにニアピンした。そして、この男性も警察に逮捕されたけど、どんな罰を受けたのかは分からない。

とにかく、この「大統領や首相に靴を投げつける」って行為が、一気に世界に広まっちゃって、フィリピンでも、反政府の団体とかが、アロヨ大統領の似顔絵に靴を投げつけるパフォーマンスが流行しちゃった。それで、ホントにアロヨ大統領に靴を投げつけられたら一大事だから、政府のスポークスマンが、「フィリピンは進んだ国なので、ブッシュ大統領や温家宝首相に起きたような靴投げ事件は起こらないだろう」って、先手をとって国民に釘を刺すためのコメントを発表しちゃったのだ。ま、フィリピンはレディーファーストの国だから、いくら人気のないアロヨ大統領とは言え、女性に靴を投げつけるようなことをしたら、世論も黙ってない。ブッシュのケースとは正反対に、靴を投げつけたヤツは、国賊扱いになっちゃうだろう。

‥‥そんなワケで、このニポンにも、モリヨシローとか、コイズミとか、アベシンゾーとか、フロッピー麻生とかの顔に、思いっきり靴を投げつけたいって思ってる人は数え切れないほどいるだろう。特に、フロッピー麻生の場合は、ロクに字も読めないほどの大バカのぶんざいで、国民を見下したような態度やしゃべり方ばっかしやがって、心の底からムカついてる人もいっぱいいるだろう。ま、それがハッキリと表われたのが今回の衆院選だったワケだけど、人間てものは、自分より頭のいい人から見下されるぶんにはガマンもできるけど、自分よりバカから見下されるほどムカつくことはない。

だけど、自公政権による悪政が10年も続いても、ただの一度も暴動が起こらないほど「怒る」ってことを忘れちゃったニポン人なんだから、時の首相に靴を投げつけるような根性のあるヤツは1人もいなくなっちゃった。今の腰抜けニポン人にできることは、せいぜい、ノリピーのヒモ男の乗ったワゴン車に靴を投げつける程度なのだ。それも、「バカ野郎!」とか「くたばっちまえ!」とか叫びながら靴を投げたんなら、まだミドコロがあったけど、よりによって「高相、家族を守れよ!」って、お前はドリフか? こんなの、「歯、磨けよ!」とか「宿題やれよ!」と変わらないじゃん(笑)

ま、ブッシュに投げた靴も、温家宝に投げた靴も、ノリピーのヒモ男に投げた靴も、相手に当たらなかったからこそ、たいした罪にはならなかったんだと思う。だって、相手に当たってたら、「傷害罪」になってた可能性もあるからだ。ヨソの国の法律は分かんないけど、このニポンの場合で考えたら、ノリピーのヒモ男に投げつけた靴は、相手には当たらなかったけど、ワゴン車には当たってる。だから、あのワゴン車の持ち主が、「靴をぶつけられて車にキズがついた」って警察に訴え出れば、靴を投げたヤツは「器物破損」とか「器物毀棄」とかの罪に問われるハズだ。

それで、あたしは気づいたんだけど、「憎しみをもって誰かに向かって何かを投げつける」って行為って、犯罪として捉えた場合、人によって、投げるものによって、千差万別なんだと思った。たとえば、あたしが、野球の硬球を誰かに向けて投げつけたって、どんなに悪くても「傷害罪」だろう。だけど、松坂大輔が、10メートル離れた場所にいる人の顔面に向けて、全力で投げつけたら、ヘタしたら「殺人未遂」になるかもしれない。だって、道端でケンカをして素手で殴り合いをする時って、普通の人なら単なるケンカだけど、プロボクサーの場合は「素手」を「狂器」とみなされて、罪がずっと重くなっちゃうからだ。プロボクサーのパンチが「凶器」なら、プロ野球のピッチャーの投げる硬球だって「凶器」だろう。つまり、おんなじ硬球を投げつけるにしても、せいぜい時速50キロくらいのあたしの場合と、時速160キロのプロ野球のピッチャーの場合とで、罪の重さは大きく違って来るってことだ。

だけど、松坂大輔が全力で投げつけたとしても、それが野球の硬球じゃなくて、ピンポン玉だったら、どう考えても「殺人未遂」にはならないし、「傷害罪」にもならないと思う。つまり、おんなじ人が投げつけるとしても、「投げるモノの種類」によって、相手に与えるダメージも、罪の重さも違って来るってワケだ。たとえば、靴を投げつけるにしても、普通の革靴を投げつけたのなら、相手の顔面にヒットしたって、絶対に「傷害罪」どまりで、間違っても「殺人未遂」にはならないと思う。だけど、よくスパイ映画とかに出て来る、爪先からナイフが飛び出すような靴だとしたら、そんなものを人に向かって投げつけたら、間違いなく「殺人未遂」になるだろう。

普通に売られてる靴でも、「安全靴」の場合はどうだろう? 最近の安全靴は、爪先のガードに強化プラスティックとかを使ってるから、軽量だし、そんなに危なくないだろうけど、ひと昔前の安全靴は、爪先の部分に鉄が入ってるから、当たりどこが悪かったら、大ケガをしたり、ヘタしたら死んじゃうかもしれない。そんなことにでもなったら、「安全靴」どころか「危険靴」だ。爪先に鉄が入ってる靴を人に向かって投げつけるってことは、コブシ大の石を投げつけるのとおんなじくらい危険なことで、これだって、場合によっては、「傷害罪」じゃなくて「殺人未遂」になっちゃう可能性もある。

ま、「殺人未遂」の場合には、「加害者が殺そうと思って犯行に及んだか?」っていうメンタルの部分が大きく影響するから、普通の革靴を投げつけても、「殺そうと思って投げた」って言えば「殺人未遂」になるかもしれないし、爪先に鉄が入ってる靴を投げつけても、「ついカッとして投げてしまったが、殺すつもりなんかなかった」って言えば、結果的に被害者が死亡したとしても、「業務上過失致死」で済んじゃう場合もあるだろう。一概には言えないけど、おんなじ種類の靴をおんなじような状況で投げて、相手に与えたダメージもおんなじくらいだったとしても、加害者側の自供によって、罪の重さは大きく変わるし、罰も大きく変わるってことだ。だから、今回は、そうした加害者側のメンタルな部分は抜きにして、物理的なことだけで話を進めてくけど、「憎しみをもって誰かに向かって何かを投げつける」って行為の場合、やっぱり、何よりも「投げつけるモノ」の種類によって、罪の重さが大きく変わるって来ると思う。

たとえば、丸めたティッシュを投げつけたとしたら、それが相手の顔面に当たったとしても、絶対に「傷害罪」にはならないだろう。だけど、ナイフを投げつけたら、「傷害罪」どころか「殺人未遂」になると思う。缶コーヒーを投げつけたとしても、飲んだあとの空缶の場合と、中身の入ってる缶コーヒーの場合とで、相手に与えるダメージも、罪の重さも違って来ると思う。石を投げつけたとしても、直径が1センチほどの小石の場合と、コブシ大の大きな石の場合とでは、ぜんぜん違うと思う。

で、何でこんなことを書いてるのかって言うと、もしも、あたしが、フロッピー麻生の顔面に向けて靴を投げたら、どんな罪になるのか気になったからだ。ブッシュに投げた靴も、温家宝に投げた靴も、ノリピーのヒモ男に投げた靴も、どれも男性用の革靴で、大きくて重たそうな靴だった。だから、もしも顔面に当たってたら、死ぬことはないにしろ、ある程度のケガはしてただろう。クルクルと回転しながら飛んでった靴の、ちょうど爪先の部分が目や鼻に当たったら、失明したり鼻の骨が折れてたかもしれない。これは大ケガだ。

だけど、あたしが投げるとしたら、こうした男性用の革靴よりも、ずっと軽量のパンプスだ。男性用の革靴は、平均すると片方が400グラムくらいだそうだけど、女性用のパンプスは遥かに軽い。特に、あたしの履いてるピンヒールは、ソールも薄いしヒールも細いから、一番重たいものでも片方250グラムくらいで、平均すると200グラムくらいだ。男性用の革靴の半分の重さしかない。つまり、男性が自分の靴を脱いで投げつけるのと、あたしが自分の靴を脱いで投げつけるのとでは、おんなじ「靴を投げつける」って行為でも、「投げつけるモノ」の重さがぜんぜん違うってワケだ。

その上、あたしは、男性よりも腕力が弱いし、たぶん、コントロールも悪いと思う。だから、おんなじ位置から、フロッピー麻生に向けて自分の靴を投げつけるとしたら、男性の場合と、あたしの場合とで、罪の重さが違わないとおかしいことになる。男性の投げつけた靴がフロッピー麻生の顔面にヒットした場合、「傷害罪」になるとしたら、あたしの投げつけたパンプスがフロッピー麻生の顔面にヒットした場合は、いくらか罪のレベルを軽くしてもらって、道路交通法の「駐車違反」あたりにして欲しい。それだったら、免許の点数も丸々あるし、駐禁の反則金くらいなら何とか払えるからだ。

‥‥そんなワケで、いくら注文をつけたって、あたしの投げつけたパンプスがフロッピー麻生の顔面にミゴトにヒットしたら、どうせ「傷害罪」になっちゃうだろう。それも、公安関係での逮捕になるだろうから、取り調べも通常の「傷害罪」よりも厳しくて、何ヶ月も拘置所から出してもらえないかもしれない。だけど、拘置所から出て来たアカツキには、もしかしたら、あたしは、イラクのザイディさんみたいに、ニポン中の人たちから英雄扱いされちゃって、純金の招き猫だの、ダイハツのコペンの中古車だの、挙句の果てには、今のマンションの家賃を1年ぶんくらい支払ってもらえちゃうかもしれない。だから、軽くて破壊力のないパンプスでも、うまいことクルクルと飛んでって、ちょうどピンヒールの先が鼻の穴に突き刺さるように、タイガースの藤川球児の手元でホップする「火の玉ストレート」をマスターしとこうと思う‥‥ってのは、自民党が政権与党の時に妄想してたことで、今の風前のトモシビ状態の自民党なんて、まったく眼中にない今日この頃なのだ(笑)


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