ポマードおやじの負の遺産
政権交代が実現して、とっても良かったことの1つに、多くの国民が今まで目を向けて来なかったいろんな問題に目を向けるようになった‥‥ってことが挙げられると思う。たとえば、八ッ場ダムの問題にしても、地元の人たちは半世紀以上も苦しんで来たっていうのに、他府県の国民のほとんどは、そんな問題があったことも知らなかっただろうし、「八ッ場」を「やんば」って読むことすら知らなかった人たちもたくさんいただろう。だけど、今回の選挙で、野党が圧勝して政権交代が実現したトタンに、八ッ場ダムの問題は、一気に全国的な認知度になった。今や、小学生でも知ってるだろう。これが、政権交代という一大イベントの威力なワケで、それまでの政権与党が国民に知られないようにコッソリとやって来た悪事の数々が、政権が交代したことによって、国民の知るところになったってワケだ。
アメリカやイギリスを始めとしたニポン以外のほとんどの民主主義国は、5年から10年ごとくらいに政権交代を繰り返してる。これは、選挙のたびに、それまでの政権与党がやって来たことを国民がキチンと採点して、合格か不合格かを決めてるからだ。それまでの政権与党が、国民から「NO」を突きつけられて選挙で不合格になれば、それまでの政策にしろ、法案にしろ、公共事業にしろ、すべては新政権によって見直される。だから、それまでの政策が間違ってたとしても、それほど傷が深くなる前に、新政権によって方向転換することができる。でも、半世紀以上も一党独裁が続いて来たニポンでは、どんなに間違った政策が強行されても、それが見直されるチャンスがなかった。八ッ場ダムの問題がいい例で、もっと早く政権交代が実現してれば、地元の人たちはこんなに長いこと苦しみ続けずに、こんなに傷が深くなる前に、この問題から開放されてたのだ。
でも、ギリギリでセーフだったのは、まだ地元にはたくさんの「ダム反対」の人たちがいたことと、ダム本体の工事には未着手だったってことだ。いくらムダな公共事業だってことがハッキリしてても、すでにダム本体の工事が始まってたら、今から引き返すのは至難のワザで、ムダだと分かりつつも工事を続行しなきゃなんなかったかもしれない。だけど、今なら引き返せる。ダム利権に群がる数え切れないほどの自民党系議員や天下りや土建屋どもを潤すために、何の罪もない地元の人たちを苦しめ、かけがえのない自然を破壊するなんて、こんな暴力が許されるハズがないんだから、ホントに間に合って良かったと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、一党独裁を続けて甘い汁を吸い続けたかった自民党は、マスコミまで取り込んで、「都合の悪いことは国民には知らせない」っていう国家ぐるみのインペイ工作を続けて来た。NHKに圧力を掛けて放送内容を変更させたアベシンゾーしかり、三大新聞の政治部の記者を高級料亭に招待して麻生内閣のチョーチン記事を書かせたフロッピー麻生しかり、国民に真実を知らせないためには手段を選ばない自民党って、ホントに腐りきってると思う。そして、アメリカとの「核密約」のように、徹底的にインペイして来た重要な問題から、八ッ場ダムのように、「積極的には報じない」って姿勢で国民への告知を怠って来た問題に至るまで、自民党は、国民に知られると自分たちの支持率が下がる問題に関しては、息の掛かったマスコミに手を回して、すべて国民に知られないようにと画策して来た。
八ッ場ダムの問題にしても、民主党にしたって、他の野党にしたって、今回の選挙で初めて取り上げたワケじゃない。民主党は、過去の選挙でも「八ッ場ダムの中止」をマニフェストに掲げたことがあったし、国会でもずっと「中止すべきだ」って訴え続けて来た。だけど、そうした訴えは、自民党による「数の暴力」で常に潰されて来たワケだし、自民党に牛耳られてるテレビや新聞はほとんど報じて来なかったから、国民のほとんどは知らされないままだった。今回、政権交代が実現したからこそ、多くの国民が知ることになったけど、そうじゃなければ、これまで通リ、ほとんどの国民が知らないところで、天文学的な血税がコソコソと使われ続けてたってワケだ。
たとえば、平成20年5月に、民主党の石関貴史議員が、当時の総理大臣のフクダちゃんに、八ッ場ダムの必要性について国会で質問してる。こっちが石関議員の質疑で、こっちがフクダちゃんの答弁だから、お時間のある人は全文を読んでみて欲しいんだけど、この中で、フクダちゃんは、驚くべき答弁をしてるのだ。八ッ場ダムを造ると、ホントに洪水の時に治水効果があるのか?‥‥っていう石関議員の質疑に対して、フクダちゃんは次のように回答してるのだ。
「八ッ場ダムがない場合の洪水のピーク流量は毎秒二万四百二十一立方メートル、既設の六ダムに加えて八ッ場ダムがある場合の洪水のピーク流量は毎秒二万四百二十一立方メートルである。」
洪水が起こったら、八ッ場ダムがない現在の流量が「毎秒二万四百二十一立方メートル」で、八ッ場ダムを造ったと仮定して計算した流量が「毎秒二万四百二十一立方メートル」ってワケで、何度ジックリと見直しても、どっちもおんなじ数字が書かれてる。つまり、オヤジの代から八ッ場ダムを推進し続けて来たフクダちゃん自身が、それも総理大臣ていう立場で、「八ッ場ダムを造っても洪水に対しては何の効果もない」ってことを国会の場で断言してたのだ。通称「福田ダム」って呼ばれてる八ッ場ダムに対して、そのフクダちゃん自身が、治水効果がまったくないことを明言してたのだ。だからこそ、民主党は、今年の衆院選のマニフェストに「八ッ場ダムの中止」を掲げたワケで、言うなれば、総理大臣のお墨付き、当事者のお墨付きの公約だったってワケだ。
‥‥そんなワケで、政権交代が実現したオカゲで、国民はいろんな問題に目を向けるようになったワケだけど、ここで何よりも重要なのが、テレビや新聞の垂れ流してるデマなんかに騙されずに、正しい情報を得た上で判断するってことだ。八ッ場ダムの問題にしたって、これを「政争の具」にして何とか民主党を攻撃したい自民党の残党どもは、必死になって「もう7割も出来上がってるものを今さら中止にはできない」なんて大ウソを繰り返し、アホなマスコミをこうしたデマを垂れ流し続けた。だけど、実際には、総予算の7割を使っちゃったってだけで、工事自体はぜんぜん進んでないどころか、ダム本体は完全に未着工なのだ。
そして、これとおんなじことが、沖縄の普天間基地の移設問題にも言えるのだ。あたしは、大好きな沖縄を守るために、辺野古のちゅら海を守るために、少しでも力になれればと、何年も前からこの問題について書き続けて来たけど、八ッ場ダムの問題とおんなじように、今回の政権交代によって、初めてこうした問題があることを知った人たちも多いだろう。だから、今回は、普天間基地の移設問題に関して、テレビや新聞が決して報じない「隠された真実」について、基本中の基本の部分を書いてこうと思う。ここから先、あたしが書くことを読めば、テレビや新聞の報道がどれほど偏向的でオッペケペーなのか、どれほど国民を洗脳しようとしてるのかが、ものすごくよく分かると思う。
まず、根本的に多くの人たちがカン違いしてる点についてだけど、普天間基地の代わりに名護市の辺野古に造ろうとしてる巨大なV字型滑走路ってのは、アメリカ側が要求してるものじゃないってことだ。アメリカ側が要求してたのは、わずか45メートルのヘリポートだけで、それ以外は何も要求してなかった。だけど、この移設計画を大規模な公共事業にして、土建屋を始めとした癒着企業にあたしたちの血税をバラマキしようと画策した自民党が、アメリカが要求してたヘリポートの何十倍もの巨大な滑走路を造ることにしちゃったのだ。
そうすれば、大好きなアメリカ様にもゴマスリできて、ニポンがアメリカ様の忠実な飼い犬であることをアピールできるし、沖縄の土建屋もバックにつけられるし、選挙でも自民党が有利になる。それに、どんなに巨額の税金を使うことになっても、道路やダムと違って、これは国防に関する事業なんだから、誰からも文句なんか出ない‥‥ってワケだ。だけど、ここには、もう1つのレトリックがある。この滑走路は、アメリカ軍の海兵隊のために造る施設であって、ニポンの国防とは無関係なのだ。アメリカ軍の海兵隊ってのは、他国を侵略するための人殺し部隊であって、ニポンを守ってくれる部隊とは別物だ。沖縄を飛び立って行ったアメリカ軍の海兵隊は、ベトナムに枯葉剤を撒き散らしたり、イラクに劣化ウラン弾の雨を降らせたりして、数え切れないほどの他国の民間人を殺して来た殺人集団なのだ。
これまでの自民党政権では、年間2000億円を超える「おもいやり予算」にしても、在日アメリカ兵のために造り続けてる恒久住宅にしても、殺人も強姦もやりたい放題のアメリカ兵を野放しにしてる「日米地位協定」にしても、すべては「日米安全保障」のための出費である。有事の際にニポンを守ってもらうための出費である‥‥ってことで、自民党は国民を納得させようとして来た。だけど、ハッキリ言って、在日アメリカ軍の中で、もしも仮に他国がニポンを攻めて来た時に、相手を攻撃してニポンを守ってくれる軍隊なんて、ほとんどいないのだ。ニポンに駐留してるアメリカ軍は、そのほとんどが、中東を始めとした他国を攻撃しに行くために、その前線基地としてニポンを利用してるだけで、ニポンを守るために駐留してるワケじゃない。
だからこそ、何年間も辺野古で座り込みを続けてるオジィやオバァたちは、みんな口をそろえて、「これ以上、沖縄を『加害者の島』にしたくないから、こうして毎日座り込みに来てる」って言ってるのだ。他国による侵略からニポンを守るために、同盟国であるアメリカの軍隊が駐留してるっていうのなら、沖縄の人たちだって、ここまで頑なに基地に反対し続けて来ないだろう。沖縄の人たちが、必死になって基地の返還を訴え続けて来たのは、かつて自分たちがアメリカ軍から受けた苦しみを他国の人たちに与えたくないからだ。かつて自分たちが受けた苦しみを今度は与える側になるなんて、これほどつらいことは他にないだろう。
‥‥そんなワケで、アメリカにとっては、ニポンの沖縄にあろうと、グアムにあろうと、どこにあろうと、まったく変わらない前線基地だけど、これまでの自民党政権が莫大な「おもいやり予算」をプレゼントし続けて来た上に、アメリカ側が要求した代替えへリポートの何十倍もの巨大な滑走路までプレゼントする約束をしちゃったもんだから、アメリカ側としては「ニポンがそこまで言うのなら」ってことで、居座り続けることにしたってワケだ。だけど、これは、あくまでも、過去の政権同士で決めたことに過ぎない。アメリカ側は、現在のオバマの前のブッシュの前のクリントンだけど、ニポン側は、現在のハトポッポの前のフロッピー麻生の前のフクダちゃんの前のアベシンゾーの前のコイズミの前のモリヨシローの前のオブチの前のポマードおやじ、1億円ものワイロをもらっても「記憶にない」って抜かしたことでもオナジミの橋本龍太郎のバカが安請け合いしちゃったことだ。こんな過去の約束を双方の国が政権交代を果たした今、リチギに守る義務なんてミジンもない。何しろ、「最低でも県外移設。望ましいのは海外移設」っていう3党合意で連立政権を組んだハトポッポがニポンの総理大臣なんだし、橋本のバカが安請け合いした13年前とは世界中の情勢が変わってるんだから、米軍再編の問題も含めて、すべては日米の新政権のトップ同士で、イチからジックリと話し合って決めてくべきだと思う今日この頃なのだ。
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