ケータイ会社から使徒襲来/後編
さてさて、昨日からの続きってことで、今から十数年前のこと、あまりにもムカつくドコモショップの女の店員の非常識な態度に堪忍袋の緒が切れたあたしは、長年愛用して来たドコモに見切りをつけて、当時はマイナーだったジェイフォンとツーカーに変えたワケだけど、1年もすると、ジョジョに奇妙にドコモの勢力が低下して来て、あたしみたく他のメーカーのケータイを使う人が増えて来た。きっと、あたしとおんなじに、ドコモの店員のタカビシャな態度にムカついて、他のメーカーに乗り換えた人たちが続出したんだと思う。そして、ケータイの勢力図が変化して来ると、今度は、各社が次々と割引プランを出すようになって来て、あたしは、ドコモを1台だけ使ってた時よりも、ジェイフォンとツーカーを2台使ってる時のほうが、お金がかからなくなって来た。
ケータイ自体の性能も、どんどん進化して来た。3和音が最高だった着メロも、新機種が出るたびに、4和音、8和音と進化して、1~2年のうちには、16和音で高音質の曲が再生できるようになった。こうなって来ると、もう自分で着メロを打ち込むことは不可能だから、いつの間にか「着メロ本」も見かけなくなってた。小さかった画面も大きくなり、「動く絵文字」が登場したのも、このころだった。それでも、まだ、電話とメールとインターネットくらいしか機能はついてなくて、カメラ付きが当たり前、ラジオやテレビまでついてる今のケータイと比べると、ものすごくシンプルなものだった。
そして、ジェイフォンとツーカーで何の問題もなく過ごしてたあたしのケータイ生活だったんだけど、第1の使徒は、ある日、突然、やって来た。ジェイフォンがボーダフォンてのに変わるとかで、このまま使い続けるのなら手続きをしてくれっていう手紙が届いたのだ。それで、あたしは、すごくメンドクサイ思いをして、ボーダフォンへの変更手続きをした。それで、ハッキリとは覚えてないけど、確か、渋谷のセンター街にあったケータイショップで、ボーダフォンの最新型のケータイをタダでもらったって記憶してる。当時は、新しい機種が出るたびに大幅に使いやすくなってたから、これはすごく嬉しかった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、それから2~3年したら、各社の基本料や通話料がさらに安くなって、普通に使ってれば月に5000円以下でケータイを持てるようになったので、あたしは、使用料の安かったほうのツーカーをもう1台増やした。このころは、専属のアシスタントをつけてたので、その子に持たせるためだ。それでも、不愉快なドコモに2万円も3万円も払ってた時のことを思えば、3台で2万円以下なんだから、遥かに安くなってた。そして、このまま、ナニゴトもなく日々は過ぎてった。
そして、何年かしてケータイの機種が古くなると、ちょうどポイントが貯まってて、ボーダフォンもツーカーも無料で最新型に交換することができた。あたしが最初にジェイフォンやツーカーと契約した時も、それぞれのショップの人に、「今までずっとドコモを使ってたんですけど、ドコモショップの店員の態度があまりにも不愉快だから、さっき解約して来たんです」って言ったら、すごく喜んでくれて、何万円もする最新式のケータイを無料にしてくれた。だから、あたしは、ドコモ以外のケータイは、未だかつて、お金を払って買ったことがない。すべて、無料でもらって来たから、「ケータイを買う」っていう感覚そのものがない。
で、話を戻すと、ジェイフォンがボーダフォンに変わって何年か過ぎたころには、もう、カメラ付きケータイが主流になってて、動画が撮れるものやテレビが観られるものも出始めてた。他にも、いろんな機能がマウンテンで、完璧に使いこなせるようになるのには何ヶ月もかかった。そして、あたしが、ようやく自分のボーダフォンとツーカーを使いこなせるようになったころ、第2の使徒が襲来して来たのだ。数年前には、ジェイフォンがボーダフォンに変わるってことでメンドクサイ手続きをしたのに、やっとボーダフォンに慣れて来たと思ったのもトコノマ、今度は、そのボーダフォンがソフトバンクに変わるって言うのだ。
それで、あたしは、「またかよ!」って思ったんだけど、今度は、ケータイはそのままで、送られて来た書類を送り返すだけで手続きができるって言うので、とりあえず、言われた通りにした。ようするに、今まで通り、ボーダフォンのケータイを使ってて、請求書だけがソフトバンクから送られて来るようになるってことなので、「ま、いっか!」って思ったのだ。料金も今までと変わらないってことだったので、簡単な手続きだけで、そのまま使い続けてた。だけど、ソフトバンクに変わって何ヶ月かが過ぎたころ、突然、それまでの2倍以上の金額が書かれた請求書が届いたのだ。
あたしは、使用ワクに余裕のあるプランに入ってて、毎月、そのプランの金額のワクの中だけで収まるように利用してた。だから、毎月の請求額はプランの料金だけで、ずっと一定だった。それなのに、突然、その2倍もの金額を請求されたのだ。それで、あたしは、すぐにソフトバンクに電話して調べてもらおうとしたんだけど、電話に出た係の女は、あの激しくムカついたドコモの店員とおんなじで、あたしの言うことをぜんぜん信用しなくて、「料金が発生してるということはお客様がお使いになったということです」の一点張り。
それで、絶対に納得できないあたしは、何月何日にどこに電話をかけたのか調べてもらった。そしたら、通話じゃなくてインターネットの利用料だって言う。あたしは、インターネットはすべてパソコンからって決めてて、このケータイでインターネットにアクセスしたことなんて一度もなかった。それで、何月何日にどれくらいインターネットにアクセスしてるのか調べてもらったら、何月何日に何百何十円、何月何日に何百何十円‥‥てのを読み上げてくれたんだけど、それを聞くと、1週間、ほぼ毎日、おんなじ時間に、2~3時間ずつインターネットにアクセスしてたことになってたのだ。
あたしにはまったく身に覚えがないし、第一、そんな使い方をするワケもない。それで、あたしは使ってないって言ったら、今度は、「どなたかにケータイを貸したり、どこかに置き忘れたりしませんでしたか?」と来たもんだ。もうアシスタントもつけてないし、このケータイはずっとあたしだけが使ってるんだから、そんなことは絶対にない。だけど、いくら説明しても、ソフトバンクの女は、ドコモのバカ女と一緒で、あたしのことを疑いまくってる。言葉づかいだけは、ドコモのバカ女と違って丁寧だったけど、それでも、「お客様の記憶違いということはございませんか?」とか抜かす始末。それで、あまりにもムカついたあたしは、こう言った。
「ボーダフォンの時は、こんなこと一度もなかったのに、ソフトバンクに変わったトタンに、何でこんなに不愉快な思いをしなきゃいけないんですか? こっちは今まで通りに普通に利用してただけで、悪いのはぜんぶそっちの管理の問題なのに、そっちのミスでお客に不当な請求書を送りつけておきながら、謝罪するならともかく、まるでこっちがウソをついてるような言い方ばかりして、いい加減にしてください!」
そしたら、相手の女は急に態度を一転させて、「すみません」とか「申し訳ありません」とか言い出した。それで、あたしは、「とにかく、あたしは自分の使ってない料金なんて1円たりとも支払う気はないし、こんなデタラメな請求をして来るようない悪徳会社のケータイなんて怖くて使ってられないから、今月限りで解約します!」って言ったら、急に「このぶんはお引きします」だって。最初からそう言え!タコ!‥‥ってワケで、結局、あたしは、そのまま今日までソフトバンクを使って来た。ただ、こんなことがあったから、あたしは、ソフトバンクに対して、ものすごく悪いイメージを持つようになった。今でも、あの白い犬のCMやスマップのCMを目にするたびにイライラしちゃう。
‥‥そんなワケで、ようやく少しは落ち着いたかと思ったのもイタノマ、今度は、ナニゴトもなかったほうのツーカーから、第3の使徒がやって来た。ツーカーがauに変わるから、手続きをして機種変更をしてくれっていう手紙だった。あたしは、「マジでいい加減にしてくれ!」って思いながら、中の書類を読むのもメンドクサかったから、書いてあった番号に電話してみた。そしたら、これが、ドコモやソフトバンクとは雲泥の差で、ものすごく感じのいい女性が対応してくれた。話し方も穏やかだし、とっても親切だし、あたしが「ショップにまで行ってる時間がない」ってことを伝えたら、無料で交換できるケータイのパンフレットを送るから、その中で機種とカラーを選んでくれたら、自宅まで新しいケータイを郵送してくれるって言う。
説明も分かりやすいし、すべてあたしの都合に合わせて手配してくれたし、結局、あたしは、ぜんぜんメンドクサイ思いをしないで、定価が5万円もする最新型のワンセグ付きのケータイをタダでもらえた上に、料金プランまで、新しい格安のものに変えてもらった。ドコモに続いてソフトバンクも嫌いになってたあたしは、一気にauがお気に入りになった。だから、今でも、土屋アンナちゃんが「鶴瓶もビックリ!バビュ~ン!」って歌ってるCMを観ると、ソフトバンクのCMとは正反対に、すごく気分が良くなる。
こんな流れから、あたしは、今、auの最新機種と、ソフトバンク名義のボーダフォンを使ってるんだけど、メインで使ってるのはauのほうで、ソフトバンクのほうはメッタに使ってない。ソフトバンクのほうを使うのは、お風呂の中でワンセグでテレビを観る時くらいだ。そしたら、この長い長いあたしのケータイ物語はクルリンパと最初へ戻り、第4の使途、つまり、ソフトバンクから、あたしの使ってるケータイが来年の3月で使えなくなるから、今月中に新しい方式のに変更手続きをするようにってハガキが襲来して来たってワケだ。
今までは、ジェイフォンがボーダフォンに変わったり、ボーダフォンがソフトバンクに変わったり、ツーカーがauに変わったりって、あたしには分からないけど、メーカー側のヤブサカじゃない事情があったんだろうから、ジンジャエールっちゃジンジャエールな話だった。だけど、今度は、別に他のメーカーに変わるワケじゃなくて、ソフトバンクはソフトバンクのままで何も変わらないのに、このままじゃ使えなくなるから手続きをしろって言う。何の問題もなく使えてるのに、利用者にとって、これほど理不尽な話はない。
それに、あたしの場合は、自分からソフトバンクと契約したワケじゃない。あたしが契約したのは、あくまでもジェイフォンであって、ソフトバンクと契約した覚えなんてミジンもない。それなのに、メーカー側の都合で、ボーダフォンに変わり、ソフトバンクに変わって来たのだ。一度の延滞もなく支払って来たのに、利用者にとって、これほどハタ迷惑な話はない。
‥‥そんなワケで、ソフトバンクから襲来した第4の使徒と対峙したあたしは、今、これまでの使徒とは違った別次元の恐怖を感じてる。だって、あたしのケータイは、すべてソフトバンク側の都合で来年の3月で使えなくなるって言うのに、「今月中に変更手続きをすれば変更手数料が無料」ってことが明記してあった上に、交換しなきゃならない何万円もする新機種も「有料」で買わされるからだ。すべてメーカー側の都合で、利用者の手をわずらわせて変更手続きをさせるんだから、普通の感覚なら、これまでの使徒のように、「ずっと変更手数料が無料」ってのが当たり前だろうし、新機種も無料なのが当たり前だろう。だけど、今回の第4の使徒は、スマップ全員をCMに起用した莫大なギャラを利用者に負担させるモクロミなのか、今までの使徒とは違って、あまりにもタカビシャだ。だから、見習いパイロットのあたしは、シンジやアスカのように無茶はしないで、とりあえず、来年の3月まで様子を見て、今後の第4の使徒の出方によっては、ソフトバンクを解約して、そのぶん、親切なauをもう1台増やそうかと思ってる今日この頃なのだ。
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