六ヶ所村で過去97日間も放射能雲
「六ヶ所村で過去97日間も放射能雲」(世田谷通信)
使用済み核燃料再処理工場(青森県六ヶ所村)で、去年まで行なわれていたアクティブ試験期間中に、多量の放射性物質を大気中へ放出したことによる「放射能雲」が97日間も観測されていたのにも関わらず、青森県と原燃はこれらの検知データを握りつぶし、実際の3分の1以下に過少報告していたことが「三陸の海を放射能から守る岩手の会」の報告で分かった。再処理工場のアクティブ試験期間中、2006年4月1日から2008年10月2日までのうち150日間、使用済み核燃料のせん断作業が行なわれたが、原燃としては「せん断作業を行なっても放射性物質の排出は環境に影響のないレベルである」ということを証明することが目的であった。そのため、原燃が報告したクリプトン85の検知日数は、2006年度は54日の作業日のうち3日、2007年度は56日の作業日のうち20日、2008年度は40日の作業日のうち8日の合計31日であり、150日間の総作業日の20%だとしていた。しかし「三陸の海を放射能から守る岩手の会」が再処理工場周辺の8ヶ所のモニタリングステーション(観測地)の測定データを調査したところ、2006年度は32日、2007年度は40日、2008年度は25日、合計で97日間もクリプトン85が検知されており、最低でも97日間は周辺に「放射能雲」が発生していたことが分かった。クリプトン85は核分裂によって生成される放射性の希ガスで、無色無臭のため人間は気づかないが、皮膚ガンの原因にもなる危険な物質である。また同施設からは、トリチウム、炭素14、ヨウ素129などの有害な放射性物質も放出され続けており、周辺の住民だけでなく、環境への悪影響も懸念されている。観測データを改ざんしてまで「運転ありき」で推し進め、住民の命や環境を危険に晒し続ける再処理事業は、もはや国家ぐるみの犯罪としか言いようがない。(2009年11月18日)
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「三陸の海を放射能から守る岩手の会」の報告書(PDF資料です)
http://homepage3.nifty.com/gatayann/no.78.pdf
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