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2009.11.09

ハトポッポよ、沖縄の声を聞け!

今日、沖縄の宜野湾海浜公園で、「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」が開催された。主催者側の発表によると、2万1000人を超える人たちが集まったそうだけど、映像を見たら、会場を埋め尽くした人たちだけでなく、会場に入りきれない人たちが周辺の広場や路上まで埋め尽くしてて、ものすごい熱気とパワーを感じた。これは、今回の県民大会が、アメリカのオバマ大統領の来日に合わせて、鳩山政権に「沖縄の民意」をアピールすることが目的だったからだと思う。

沖縄の人たちにしてみれば、去年の沖縄県議会選でも、今年の衆院選でも、すべて「辺野古への新基地建設と県内移設に反対」の立場を明確に表明した候補者たちを当選させて来たワケで、その結果、政権交代が実現したんだから、これで長年の夢が叶うと思ったワケだ。アメリカの言いなりだった自公政権から、「対等な日米関係」を公約に掲げた政権へとチェンジしたんだから、沖縄の人たちを苦しめて来た数々の基地問題、辺野古のオジィやオバァたちが13年間も反対し続けて来た基地移設の問題は、これで良い方向へ向くかに思われた。

だけど、民主党の公約を信じて、ハトポッポの「これまで苦しんで来た沖縄の皆さんのお気持ちを何よりも大切に考え」って言葉を信じて投票して来たってのに、政権交代が実現してみたら、トタンに言うことが怪しくなって来た。「辺野古への移設は絶対にNO!県内移設も絶対にNO!」「最低でも県外移設、できれば国外移設」を公約に掲げた民主党の候補者たちに投票し、その全員を当選させて来たこと自体が「沖縄の民意」であり「沖縄の総意」であることは火を見るよりも明らかなのに、ハトポッポったら、この期に及んで、「沖縄の総意を見たい」とか言い出す始末。

フランケン岡田に至っては、「選挙中に鳩山代表がテレビや演説で言ったことでも、マニフェストに書いてないことは公約じゃない」だの、「3党合意では『普天間』という固有名詞は出さずに『見直しの方向』としただけだ」だのって、まるで自民党のこれまでのペテンとソックリの二枚舌を炸裂させちゃった。だからこそ、沖縄の人たちは、総選挙の結果に上乗せする形で「沖縄の総意」を鳩山政権に見せるために、今回の県民大会を開催した今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、今日の県民大会は、ものすごい熱気とパワーだった上に、何よりも沖縄の人たち1人1人の「思い」が強かった。那覇市長の翁長雄志(おなが たけし)さんなんて、保守派のオッサンなのに、こんな主旨のスピーチをした。


「私は保守系の政治家だが、保守、革新という枠を飛び越えて一歩を踏み出した。沖縄県民は、戦後長い間、米軍基地をはさんで『経済だ』『平和だ』と白黒闘争を続けて来た。しかし、本日、県民の心は、基地の整理、縮小という一点でひとつになることができた」

「民主党は、選挙中、県民に『普天間飛行場の県外移設』を公約したが、鳩山政権の国会での答弁では、県外移設についての検証が全くなされていない。過去の日米政府が県内移設で合意したことの重さについても、われわれ県民は、鳩山政権にそれを乗り越える政治力を期待したからこそ支持したのだ」

「鳩山首相は『名護市長選の結果を見て考える』などと言っているが、言語道断だ。すでに総選挙で県民の総意が示されているだから、これ以上、沖縄の人たちを対立させないでもらいたい」


保守派の市長までもが、ここまで言ってんだから、沖縄の人たちの「思い」の強さが分かるだろう。そして、沖縄の人たちの心がひとつになり、「県内移設には絶対反対!」っていう「沖縄の民意」が示されたことを受けて、「琉球新報」は、「普天間、県内を拒否/民意を発信」って見出しの号外を出した。沖縄で号外が出ることは珍しい。そして、「沖縄タイムス」も、「普天間県内移設を拒否/県民大会「基地ノー」決議」って見出しで速報を流した。今回の県民大会が、沖縄の人たちにとって、どれほど大きな意味を持ったものだったのかってことの証明だ。

そして、この「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」に呼応する形で開催された、東京、大阪、名古屋の集会やデモも、通常の2倍から3倍の人たちが集まった。他にも、広島や福岡を始めとした全国各地で集会が行なわれ、この問題に対する国民の関心の高さを表わす結果となった。ハトポッポやフランケン岡田は、自民党のペテン師どものようなイイワケやゴマカシを繰り返すんじゃなくて、こうした「沖縄の民意」や「国民の声」を真摯に受け止め、今こそ「新政権はこれまでの自公政権とは違う」ってとこを見せて欲しい。アメリカや防衛利権に群がる自民党の残党どもの圧力に屈して、ここでヒヨッたりでもしたら、鳩山政権の寿命は4年も持たないだろう。今回の政権交代を「民主党の勝利ではなく、国民の皆様方の勝利です」って言うのなら、国民の側に立ち、国民の代表として、アメリカと戦って欲しい。

‥‥そんなワケで、沖縄では号外まで出ちゃうほどの大問題だけど、中央では夕方のニュースでチョコっと流れただけだし、翌日の月曜日になれば、どうせバカテレビは「のりピー報道一色」になることは簡単に予想できる。ま、バカテレビのことは置いといて、あたしが何よりも言いたいことは、「県外移設」だの「県内移設」だのを議論する前に、もっと根本的な部分を見直すべきだってことだ。

フランケン岡田は、この問題をぜんぜん勉強してないから、「九合目まで登って来た山なのに、またイチから登り直すのは時間が掛かりすぎる」とか「また白紙に戻してイチからやり直して、沖縄の人たちにこの先、何年間も危険な思いをさせることはできない」とかって、あまりにもトンチンカンなことをノタマッて、「嘉手納基地への統合案」なんていう、沖縄の小学生でも失笑しちゃうような大バカ案を口にし始めちゃった。昔からバカだバカだと思ってたけど、フランケン岡田って、どうしてこんなにバカなんだろう? 百歩ゆずって、頭がバカなのは治しようがないとしても、せめて、ちゃんと勉強してから発言してくれよ‥‥って思う。

今まで64年間もガマンして来た沖縄の人たちにしてみれば、わずか数年を焦って中途半端なことをされるよりも、この先、何年掛かろうとも、アメリカの基地は完全に排除してもらいたいって思ってるに決まってんだろ。普天間飛行場の移設問題に限って見たって、この移設案が持ち上がってから、13年間、ずっと反対の座り込みを続けて来た辺野古のオジィやオバァたちの願いは、ただひとつ、「県外移設」であり「国外移設」に他ならない。「自分たちのとこに来ないのならどうでもいい」なんてミジンも思ってない。

‥‥そんなワケで、10月24日の日記、「ポマードおやじの負の遺産」でも書いたけど、この「普天間飛行場の移設計画」の何よりの問題点は、この計画自体が、アメリカが押しつけて来たものじゃなくて、パトロンである土建屋とグルになった自民党と防衛省(当時は防衛庁)が発案した公共事業だってことなのだ。1995年に起こったアメリカ兵による少女暴行事件がヒキガネになり、沖縄の人たちの基地に対する不満が爆発し、それを沈静化するために持ち上がったのが、この普天間基地の移設計画だった。ようするに、たび重なるアメリカ兵たちの凶悪犯罪に怒りが収まらなくなった沖縄の人たちを鎮めるために、普天間基地を沖縄からヨソへ移設することになったってワケだ。

当時の日米のトップは、アメリカ側が2代前のクリントン、ニポン側が6代前の橋本龍太郎だった。で、コイツラが沖縄の人たちの意見を聞かずに勝手に決めたのが、宜野湾市の面積の25%も占めてる普天間基地をニポンへ返還して、必要なヘリポートを名護市の辺野古へ移設するってものだった。もちろん、これは、名護市の人たちには事後報告で、その後の名護市の市民投票では、過半数の人たちが反対してる。ま、その辺のことはいいとして、何よりも重要なのは、そのヘリポートの規模なのだ。

アメリカ側が要求したのは、わずか45メートルのへリポートだけだった。それだけで用は足りるから、普天間基地を返還する代わりに、どこかに代替施設として45メートルのへリポートを1つ造ってくれたら、それでいいって言ったのだ。だけど、ここに登場したのが、世の中的には懐かしい名前、守屋武昌だった。もう忘れちゃった人も多いと思うから、ザクッと説明しとくと、防衛庁ヒトスジで、トップの事務次官にまで上り詰めた守屋武昌は、軍需企業「山田洋行」の専務で「日本ミライズ」の代表の宮崎元伸とベッタリで、年間に100回も仲良くゴルフに行くほどの癒着ぶりだった。そして、守屋武昌は、あたしたち国民の税金である莫大な防衛予算の中から、何十億円、何百億円ていうお買い物をする時に、できるだけ「山田洋行」へお金が流れるように便宜を図ってたワケで、だから逮捕されたワケだ。

で、この守屋武昌は、普天間基地の移設計画が持ち上がった1996年当時、 「防衛庁長官官房防衛審議官」と「内閣官房内閣内政審議室内閣審議官」を兼任してて、翌年には「情報本部副本部長」へと昇進して、その翌年には「防衛施設庁施設部長」を経て「防衛庁長官官房長」へと昇進してる。こんな長ったらしい役職を書いても、自民党のアオブダイ石破みたいな軍事ヲタクじゃないと意味が分かんないと思うけど、簡単に言えば、「政権与党である自民党が丸投げした国防や在日米軍基地に関する案件を何でも自由に決められる立場」ってことなのだ。

そして、中央の大手土建屋をパトロンにしてる自民党の有力議員たちと、この守屋武昌とがグルになって考え出したのが、アメリカ側が要求してた45メートルのへリポートを何十倍もの規模にして、莫大な税金を投入できる巨大公共事業にふくらましちゃえ!‥‥って作戦だったのだ。その結果、ニポン側が提示したのが、「辺野古の海を埋め立てて、1300メートルのV字型滑走路を造る」って計画で、アメリカ側としては、全額、ニポンがお金を出して造ってくれるって言ってんだから、自分たちの要求した施設の何十倍もの規模だけど、こんなにアリガタイザーなことはないんだから、当然、ホイホイと合意したってワケだ。

‥‥そんなワケで、アメリカ側の要求通りのへリポートなら、わずか200億円程度の予算で造れたハズなのに、「守屋武昌と自民党のゆかいな仲間たち」のモクロミによって、この移設計画は、海の埋め立て工事だけでも3300億円、滑走路の建設費も入れると総額で5000億円を超えるほどの巨大な事業になっちゃったのだ。その上、この事業は、「守屋武昌と自民党のゆかいな仲間たち」と癒着してる中央の大手企業を儲けさせるためのものだから、仮に計画通りに辺野古に建設されることになったとしても、埋め立てを始めとした利幅の大きな部分の工事は、ほとんどが中央の大手企業が独占しちゃう。沖縄の企業に落ちるのは、総予算の半分程度だって言われてる。

ようするに、「陸地に建設すると住民が騒音の被害を受ける。だから海を埋め立てて沖合いに建設する」っていう、これまでの政府の言いぶんてのは、一見、住民たちに配慮してるような感じだけど、実際には、できるだけ沖合いに造り、できるだけ埋め立て工事の面積を増やし、できるだけ予算が掛かるようにし、できるだけパトロン企業に儲けさせたい‥‥っていう、八ッ場ダムとおんなじ「政官財の癒着システム」による計画だったからなのだ。こうした事実を知れば、フランケン岡田の言ってることが、いかにトンチンカンか、いかに不勉強かってことが、よく分かると思う。

鳩山政権が「国民のための政治」を謳うのなら、焦って中途半端なことなどしないで、まずは、2代前のアメリカの大統領と6代前のニポンの総理大臣が13年も前に決めたこの計画を全面凍結して、「ホントに必要なのはどの程度の規模の滑走路なのか?」ってことをアメリカ側と話し合った上で、イチから計画を立て直すべきなのだ。どこに移設するにしても、必要最低限の規模のへリポートを計画することこそが、民主党が公約に掲げて来た「税金のムダ遣いの見直し」になるワケだし、何よりも「沖縄の民意」に答えることになるんだから。

‥‥そんなワケで、沖縄の人たちは、長年、アメリカの基地の騒音や事故、アメリカ兵による強姦や殺人などの凶悪犯罪に苦しめられて来た。だけど、その一方で、これまでのニポンの政府は、アメリカの基地を受け入れる代償として、基地関連の就職ワクを作ったり、アメリカ兵たちによる経済効果を与えたりと、沖縄の人たちに対して「飴とムチ」の政策をとり続けて来た。これは、ニポン各地に造られて来た原発とおんなじだ。危険極まりない施設を造る代わりに、過疎地の人たちに仕事や経済効果を与えれば、地元の人たちも、その施設の恩恵にあずかれる人たちとそうでない人たちに分裂させることができる。これが、今までの卑劣な政権のやり方だった。だけど、今日の大規模な県民大会を見れば分かるように、「沖縄の民意」は、完全に「基地の返還」と「基地に代わる生活の自立」なのだ。何千億円もの税金をドブに捨てて人殺しのための基地を造るよりも、基地を撤去した跡地に経済を活性化させるための平和な施設を造ることこそが、これまでとはチェンジした新政権のやるべき仕事だろう。それなのに、今の連立政権で、沖縄の人たちの民意を反映した主張をしてるのは、あたしたち庶民の味方、みずほたん率いるオムライス党だけだなんて、あまりにも情けなさすぎる。民主党だって、一応は国民に支持されたんだから、もっと自信を持って、もっと胸を張って、アメリカや自公政権の負の遺産と堂々と渡りあって欲しいと思う今日この頃なのだ。


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