大浦湾で多数の新種甲殻類を発見
「大浦湾で多数の新種甲殻類を発見」(世田谷通信)
世界自然保護基金(WWF)ジャパンは、24日、今年6月に沖縄県名護市の大浦湾一帯で実施した調査によって、エビやカニなど甲殻類の新種を36種、発見したと発表した。同調査はWWFジャパンの「南西諸島生物多様性評価プロジェクト」の一環で、琉球大学非常勤講師で甲殻類の研究を専門としている藤田喜久氏を中心に行なわれた。今回の調査は、大浦湾に流れ込む大浦川、汀間川の河口付近、海岸潮間帯、水深60メートルまでの海底や干潟などの各地点で行なわれ、採取した合計496種の甲殻類を分類、分析したものだが、採取したうちの36種が新種、25種が国内初確認の種であることが分かった。藤田氏は「新種の発見はある程度予想していたが、ここまでとは思わなかった。狭い地域に多様な環境があり、さらに調査をすればもっと(新種が)出てくるのではないか」と大浦湾一帯がジュゴンだけでなく多数の生物にとって極めて貴重なエリアであることを示した。しかし今回調査をした地域の一部は、米軍普天間飛行場の移設予定地とされており、鳩山由紀夫首相が9月の衆院選時に沖縄県民に対して何度も連呼した「普天間飛行場の県外国外移設」という公約を反古にすれば、このかけがえのない海の一部は埋め立てられてしまう。「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズでスタートした新政権が後世の子供たちに対して、多様な生き物が暮らす美しい海を残すのか、それとも戦争のための基地を残すのか、沖縄県民だけでなく全国の有権者がしっかりと見届ける必要があるだろう。(2009年11月26日)
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