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2009.11.12

ケータイ会社から使徒襲来/前編

あまりにも忙しくて、あまりにもやることがマウンテンで、もうこれ以上、お仕事以外の用事を増やさないで欲しい‥‥って思ってるあたしなのに、1ヶ月くらい前、いろんな郵便物の中に、免許の更新のお知らせのハガキが混じってて、「そうか‥‥今年は更新の年だったのか‥‥」って思って、一気にドンヨリした気分になった。いつもなら、すぐ近くの世田谷警察で、10分ほどでチャチャッと更新できるんだけど、今回は鮫洲の試験場まで行かなきゃなんない上に、例の映画も観なきゃなんないから、半日がつぶれちゃう。

何でかって言うと、何ヶ月か前に、多摩川の橋のほうから都心に向かって世田谷通リを原チャリで走ってた時に、すごく混んでたから左のハシッコを爆走してたんだけど、狛江の三叉路のとこで、左折専用車線をシカトしてそのまま直進したら、そういうことをするアホなバイクを狙い撃ちして点数を稼ごうとしたお巡りさんがその先に隠れてて、アホなあたしはミゴトに捕まっちゃったからだ。違反自体はくだらないことだし、あたしは何年も捕まってなかったから、点数は3ヶ月で消えたんだけど、この「違反をした」っていう事実だけは残るから、最寄の警察署での免許の更新ができなくなった。そして、今回は、鮫洲くんだりまで行かなきゃいけなくなったのだ。

それで、あたしは、激しく気が重くなりつつも、「今月中に何とか時間を作って免許の更新に行かなきゃ」って思ってたんだけど、そしたら、しばらく前に、もう1通、あたしの負担を増大させるハガキが舞い込んで来た。ソフトバンクからのハガキで、あのムカつく白い犬のぬいぐるみの写真がプリントされてて、何かと思って見てみたら、ソフトバンクのケータイが何やら新しい方式に変わるため、あたしの使ってるケータイが来年の3月で使えなくなるっていうお知らせだった。それで、今月中に新しい方式のに変更すれば、変更手数料だのナントカ料だのが無料になる上に、あの犬のぬいぐるみをくれるとかっていう案内だった。あんな不愉快なぬいぐるみなんかいらないけど、今月中に手続きをしなかったら、いろんな手数料を取られるようになっちゃう‥‥ってワケで、あたしは何ひとつ悪いことをしてないのに、すべてソフトバンク側の都合で、またまたメンドクサイ用事が増えちゃった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、ずっと前から言い続けて来てるように、ドコモが大っ嫌いだ。そして、これも、ずっと前から言い続けて来てるけど、ドコモが大っ嫌いになった理由は、ニコタマのドコモショップの女の店員の口のきき方や態度に、ものすごくムカついてたからだ。何かの用事でドコモショップへ行くたびに、女の店員たちの偉そうな口のきき方やオーへーな態度で、必ず不愉快な思いをさせられてた。だけど、あたしがケータイを持ち始めた20代前半のころって、ケータイって言えばドコモだけだったから、他に選択肢がなかった。他にもマイナーなメーカーもあったみたいだけど、ケータイを使ってる人の9割以上がドコモだった上に、今みたいに他メーカーとの互換性が高くなくて、マイナーなメーカーのケータイを使ってると仲間ハズレになっちゃう。だから、みんなと問題なく通信するためには、ドコモを使うしかなかったのだ。

それで、あたしは、ガマンしてドコモを使ってたんだけど、ドコモ側も、当時はシェアを独占してたもんだから、王様気分で商売してて、ドコモショップの店員のタカビシャ度は、日に日に酷くなってった。こっちはお客だってのに、操作方法で分からないことを聞くと、「そんなことも知らないの?」って顔で、鼻で人を笑いながら、タメグチが炸裂。電池ひとつ交換してもらうだけでも、こっちは法外な料金を支払うのに、何度も何度も「すみません」って言わなきゃなんない。言いたくなくても、店員の態度が3Lだから、こっちが申し訳ないことをしてるような雰囲気にさせられちゃうのだ。とにかく、当時のドコモショップの店員て、ドイツもコイツもタカビシャで、一段高いとこからお客を見下ろしてるような態度の女が勢ぞろいしてた。

その上、今みたく競争相手がいなかったから、料金もやりたい放題だった。今は、複数のメーカーが割引プランの競争をしてるから、基本料金が980円とか、おんなじメーカー同士なら通話もメールも無料とか、2000円で使い放題とか、ものすごい激安プランがいっぱいある。だけど、当時のドコモは、基本料金と利用プランの組み合わせだけで、すでに8000円とか1万円とかで、気をつけて使ってても月に2~3万円は当たり前、ちょっと使いすぎると5万円を超えちゃうって時代だった。数分間、通話しただけでも数百円だったから、ケータイを持ってても、まずは近くの公衆電話を探すのが普通だった。利用者は、今よりも遥かに高い料金を支払ってたワケで、それなのに店員の態度がデカかったから、こっちのムカつき度もレッドゾーンだった。

‥‥そんなワケで、当時のケータイは、どれも何万円も払って買うものだったから、あたしは、自分のケータイをすごく大切に使ってた。水をかけたこともなければ床に落としたこともなかったし、ふだんは布のケースに入れて持ち歩いてたほどだ。それなのに、ある日、突然、すべてのデータが消えてなくなっちゃったのだ。朝、目が覚めて、ケータイの電源を入れたら、画面が一瞬、パッと白くなったと思ったら、初期設定の表示が出て、登録してあった何十人もの電話番号やメールアドレスも、お友達とやりとりしたメールの数々も、一生懸命に打ち込んだ着メロも、ぜんぶ消えちゃった。

当時は、着メロも自分で打ち込んで作るから、お気に入りの曲を着メロにするだけでも、すごく大変だった。J-POPSとか、懐メロとか、洋楽とか、いろんなジャンルの「着メロ本」が毎月のように出版されてたし、月刊のケータイ雑誌もいろいろと出てて、フロクに最新曲の着メロの譜面がついてたのだ。そして、自分の好きな曲を着メロにしたい人は、そうした本を買って来て、着メロ用の譜面を見ながら、1音ずつ打ち込んでく。単音から和音になった時代だったから、1曲を打ち込むのも、メロディーラインの他に、低音と効果音も打ち込むワケで、わずか15秒ほどの着メロを登録するのに、1時間近くもかかったのだ。

あたしの場合は、愛するMAXが主演のテレビドラマ、「スウィートデビル」の主題歌の「Don't You Love Me」を着メロにしたかった。だけど、どの本にも着メロ用の譜面が載ってなかったから、オモチャのキーボードを弾きながら自分で譜面に起こして、それを着メロ用のアレンジにしながら着メロ用の譜面にして、それで打ち込んだ。でも、これが、地獄のような作業で、打ち込んでる最中に誰かから電話が掛かって来たりメールが届いたりすると、それまで打ち込んだぶんがパーになっちゃって、すべてイチからやり直しになっちゃう。

実際、あたしは、30分くらいかけて半分くらい打ち込んだとこで、誰かからメールが届いてパーになっちゃった。それで、ものすごく落ち込んだけど、気を取り直して最初から打ち込み直してたら、今度は、1時間くらいかけて、あとちょっとで完成‥‥ってとこで、またメールが届いて、すべてがパーになっちゃった。この時は、サスガに怒りが爆発しそうになった。だけど、何か緊急のメールだったら大変だと思って、とりあえずメールを見たら、たいして仲良くない人からの「今ひま?」ってメールだったから、ムカつくのを通り越して泣きたくなっちゃった。結局、毎日ちょっとずつ作業をして、譜面を作るのに3日か4日、打ち込むのに2日もかかった。だからこそ、すべて打ち込み終わって、最初にボタンを押して「Don't You Love Me」の和音の着メロがちゃんと流れた時には、思わずガッツポーズをしちゃうほど嬉しかったのだ。

あたしのケータイには、自分でアレンジしたMAXの「Don't You Love Me」の他にも、着メロ本を見ながら苦労して打ち込んだ曲も何曲か入ってた。大切な親友とやりとりした宝物のメールもたくさん入ってたし、電話番号やメールアドレスもたくさん登録してあった。それが、あたしは何もしてないのに、ある日、突然、すべて消えちゃったのだ。あたしは、頭の中が真っ白になりながら、このケータイを買った駅前のドコモショップへ走り、イライラしながらも整理券をとって順番を待ち、やっと自分の番になったからカウンターへ行って、女の店員に事情を説明したら、あたしがぜんぶ説明し終わる前に、あたしがしゃべってるのを遮るようにして、その店員は、「あなた、落としたでしょ?」ってノタマッたのだ。


店員 「あなた、落としたでしょ?」

きっこ 「えっ?」

店員 「だ~か~ら~、ケータイを床に落としたんでしょ?」

きっこ 「いいえ、落としてませんけど‥‥」

店員 「じゃあ、水に濡らした?」

きっこ 「いいえ、あたしはケータイを大切に扱ってますから‥‥」

店員 「ホントにぃ?」

きっこ 「だから、何もしてないのに、朝、電源を入れたら、すべてのデータが消えてたんです」

店員 「最近、多いのよね。ホントは自分で落として壊したくせに、ウソついて無料で新品に交換してもらおうとする人が」


信じられないかもしれないけど、会話の内容だけじゃなくて、言葉づかいもこの通りだったのだ。そして、あたしは、コメカミの血管が切れそうになるのをガマンしながら、「あなたじゃ話にならないから、上の人を呼んでください」って言ったんだけど、それで出て来た上司の女ってのが、このバカ店員に輪をかけた大バカ女で、ものすごいタカビシャだったのだ。ひと通り、おんなじ説明をしたあたしに対して、こともあろうに、「証拠は?」ってノタマッたのだ。


上司 「証拠は?」

きっこ 「はぁ?」

上司 「あなたが、床にも落としてない、水にも濡らしてないっていう証拠よ」

きっこ 「別に証拠なんてありませんけど‥‥って、そんなの、このケータイを来る日も来る日も24時間ずっとビデオで撮影でもしてない限り、落としてないことなんて証明できないじゃないですか?」

そしたら、あたしのケータイを手にとってジロジロと見ながら話してた上司が、ケータイの横についてた2ミリくらいの薄い傷を指さして、まるで勝ち誇ったかのような口調で、こう言った。

上司 「これ、落とした時についた傷じゃないの?」

きっこ 「いくら大切に扱ってても、もう1年以上も毎日使ってるんですから、知らないうちに、そのくらいの傷はつくでしょう」

上司 「でもね~、あなたは落としてない証拠がないって言うし、ここには傷がついてるしね~」


プチン!


きっこ 「あなたはいったい何なんですか? あたしはお客なんですよ? 別にクレーマーでも何でもないし、無料で新品に交換しろって言ってるわけでもないし、ただ、何もしてないのに中のデータがぜんぶ消えちゃったから、何とかならないかと思って相談に来ただけなのに、なんなんですか! あなたたちの態度は! さっきの店員と言い、あなたと言い、いったいどういう教育を受けてるんですか!」

上司 「まあまあ、そう興奮しないで」


プチン!プチン!


きっこ 「誰が興奮させてるのよ! とにかく、もういいです! お宅のケータイは、今月限りで解約して、もう二度と、コンリンザイ、死ぬまで使いません!」


‥‥そんなワケで、この事件以来、あたしは、絶対にドコモのケータイは使わないことにした。それで、当時はマイナーだったジェイフォンに変えたんだけど、あたしは東京に住んでるのに、ジェイフォンはどこに行っても圏外で使い物にならなかったから、しばらくしてから、ツーカーも使うことにした。そしたら、ジェイフォンが圏外の場所はツーカーがつながるし、ツーカーが圏外の場所はジェイフォンがつながるし、うまい具合に何とかなった。ただ、使用頻度は変わらなくても、基本料やプランの料金が2倍になったワケで、維持するのが大変だった。それでも、不愉快な思いをしながらドコモのケータイを使い続けることを考えたら、何百倍も気分が良かった‥‥ってことで、この話は、明日へと続いちゃう今日この頃なのだ♪


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