母さんの自転車
今日は、全国的に「勤労感謝の日」ってことだし、新宿の一部地域ではセレブ大鳥さんのお誕生日ってことだし、あたしは、「エリザベス女王杯」で儲けたお金で、母さんと一緒に電動アシスト付き自転車を買いに行った‥‥って言っても、事前に十分すぎるくらい下調べをして、母さんにもパンフレットを見せてスタイルやカラーの好みを決めてもらい、先週、自転車屋さんに注文したら、「そのタイプなら、ちょうど在庫があるので、用意しておきます」ってことになって、今日、受け取りに行くことになってた。
各メーカーの自転車を比較して、あたしが選んだのは、三洋電機の「エネループバイク」だった。これからは、車だけじゃなくて、自転車だって環境のことを考えなきゃいけない。エネルギーをループさせる「エネループ」の発想から開発された「エネループバイク」は、走りながら発電してクリーン充電するので、家庭での充電も最小限で済むため、数ある電動アシスト付き自転車の中でも、より環境にやさしい。
もちろん、環境パフォーマンスだけじゃなくて、走行パフォーマンスも、漕ぎ出しの安定感とか、パワフルでバランスのいい安定走行とかを追求した「両輪駆動方式」を採用してる。つまり、後輪だけじゃなくて、前輪も駆動するってワケで、車で言うところの四駆ってワケだ。だから、前のカゴに重たい荷物を積んでて、上り坂で発進する時も、ぜんぜんフラフラしないでスーッと漕ぎ出すことができるそうだ。
ま、「漕ぎ出しがラクチン」てとこは、どのメーカーの電動アシスト付き自転車にも共通してる特性なんだろうけど、「エネループバイク」の場合は、こうした性能だけじゃなくて、デザインもオシャレでステキなのだ。「グッドデザイン賞」を受賞してるほどだから、オシャレな母さんにピッタリだと思ったし、パンフレットを見せたら、母さんもとっても気に入って、すぐにコレに決まった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、まるで三洋電機の宣伝みたいになっちゃった今日のマクラだけど、ホントのことを言うと、あたしが何よりも「エネループバイク」を気に入ったのは、なんたって大好きな児島玲子ちゃんがエネループのCMに出てるからだ。あたしの場合、玲子ちゃんのことが好きすぎて、玲子ちゃんが宣伝してるものは何でも好意的に見えちゃう。だから、あたしは、釣り具は「シマノ」が好きなワケで、「シマノ」と言えば自転車の部品メーカーもやってるワケで、この「エネループバイク」にも、変速機を始めとして「シマノ」の部品が使われてる。だから、児島玲子ファンのあたしとしては、エネループ的にも、シマノ的にも、ダブルで気に入っちゃったワケだ。
つまり、あたしの場合、ナンダカンダ言いつつも、最初から「三洋電機のエネループバイクにしよう」って決めてたフシがある。だから、ここで、三洋電機の関係者の皆さんに言っとくけど、数ある電動アシスト付き自転車の中から、あたしが三洋電機の「エネループバイク」を買うことに決めたのは、製品の素晴らしさが気に入ったことは当然だけど、何よりの決め手になったのは、「児島玲子ちゃんをCMに起用してる」って点なのだ! なのだったらなのなのだ!‥‥って強調してみたワケ(笑)で、あたしは、お昼前に車で母さんを迎えに行き、一度、あたしのマンションに戻って来てから、愛車のフェラーリF2004(ママチャリ)を出動させて、母さんと一緒に自転車屋さんに向かった。
もちろん、フェラーリF2004は押してったんだけど、何でかって言うと、母さんの「エネループバイク」を買いに行くんだから、帰りのことを考えてだ。あたしが乗るためのフェラーリF2004を持ってかないと、帰り道、あたしだけ欽ちゃん走りしなきゃならなくなる。それで、あたしは、乗るとラクチンなのに押すとメンドクサイ不思議な物体、自転車を押しながら、「コレって傘とおんなじだ」って思った。傘って、雨が降ると便利なのに雨がやむと荷物になるからだ。だからこそ、折りたたみの傘があるワケだけど、折りたたみの自転車は、折りたたんで担ぐよりも、そのまま押したほうがラクチンだと思った。
そんなこんなで、自転車屋さんに到着したら、母さんの自転車はちゃんと用意されてて、新車だから当たり前なんだけど、ピカピカで素晴らしかった。色は、濃いブルーや落ち着いたブラウンもあったんだけど、母さんはベーシックなホワイトを選んだから、ヨケイにピカピカに見えた。それで、自転車屋のおじさんは、ひと通りの説明をしてくれて、まずは母さんが試しに乗ってみたんだけど、母さんは、しばらく前からポンコツのママチャリを乗りまわしてて自転車に慣れてたから、初めてとは思えないほどスムースにスタートした。そして、「わー!」とか「ふー!」とか言いながらどんどん進んでって、ずっと先でUターンして戻って来たと思ったら、コーフンした口調でこう言った。
「すごいわよ!これ!誰かが後ろから押してくれてるみたいで、自動的にスイスイ進むわよ!」
あたしは「自動的じゃないだろ」って思いつつも、自分も乗ってみたら、ホントに誰かが押してくれてるみたいな感じで、ペダルを漕ぐのに、ほとんど力が必要なかった。これなら、奥多摩でも、飛騨高山でも、アラスカでも、どこまででも走れそうだ。母さんは、初めて自転車に乗れるようになった子供みたいに喜んでて、あたしも嬉しくなった。それから、自転車屋のおじさんは、充電のやり方とか、タッチパネルの操作とか、細かいことを説明してくれた。あたしとおんなじでメンドクサイことが嫌いな母さんは、こうした説明を聞くのが嫌いなのに、今回だけは自分のほうから積極的に質問したりして、ものすごく食いついてた(笑)
そして、登録証を貼ってもらい、2年間の盗難保険の証書をもらい、すべての説明と手続きが終わり、お金を払う段になったら、ぜんぶで11万円ちょいだった。今回、あたしの用意できた予算は5万円しかなかったけど、「エリザベス女王杯」で儲けた10万円があるから、鼻歌が出ちゃうほど余裕だった。その上、自転車屋のおじさんは、ダイヤル式のチェーンロックとか、カゴに入れたバッグをスクーターに2ケツした引ったくり小僧から守るためのゴムみたいなのとか、いろいろとサービスしてくれた。
ハッキリ言って、今は、自転車屋さんで買うよりも、インターネットの通販で買ったほうが安く買える。だけど、あたしが乗るならいいけど、これは母さんの自転車だから、パンクした時とか、故障した時とかのことを考えると、いつでも親切に修理してもらえる近所の自転車屋さんで買ったほうが安心できる。
とにかく、あたしは、念願だった電動アシスト付き自転車を母さんにプレゼントすることができて、母さんの喜ぶ顔を見ることができて、とっても幸せな気分になれた。それもこれも「エリザベス女王杯」のオカゲ‥‥っていうか、テイエムプリキュアのオカゲってワケで、あたしは、お礼に、テイエムプリキュアにリチウム電池を積んであげて、「電動アシスト付きサラブレッド」にしてあげたいと思ったほどだ。もちろん、思っただけだけど(笑)
‥‥そんなワケで、母さんは新車のエネループバイクに乗り、あたしはポンコツのフェラーリF2004に乗り、自転車屋さんをアトにしたワケだけど、多摩川の支流の野川に沿って走ってたら、母さんはヤタラと楽しそうで、あたしを置き去りにしてどんどん先へ行っちゃった。あたしは、あまりにも母さんが楽しそうなので、必死に漕いで追いついて、「多摩川のサイクリングロードに行ってみよう!」って提案してみたら、母さんは二つ返事で「いいわね~♪」って答えた。それで、あたしたちは次の橋を渡り、多摩川沿いの道へ出てから、土手の上のサイクリングロードに乗った。
今日は、昨日とは打って変わったお天気で、自転車で走ってると、顔に当たる風はちょっと冷たかったけど、お日様がポカポカで、とっていい気持ちだった。でも、サイクリングロードなのに、祭日ってこともあって、サイクリングしてる人だけじゃなくて、ジョギングをしてる人、お散歩をしてる人、犬の散歩をしてる人なんかがチラホラといて、正直、ジャマだった。特に、ビヨ~ンって伸びるリーダーをつけて犬の散歩をしてる人たちは、激しくジャマだった。だけど、今日は気分がいいから、文句は言わずにスルーした。
しばらく進んでって、東名高速の下の白バイの練習コースのとこを越えると、だんだん人も少なくなって来て、自転車は走りやすくなった。高い土手の上から見下ろす多摩川は、川面がキラキラと輝いてて、河原のススキもキラキラと輝いてて、空はどこまでも真っ青で、まさに「サイクリング日和」って感じだった。小田急線の和泉多摩川駅のとこで、ちょっと休憩したんだけど、すでに疲れてゼイゼイ言ってるあたしに対して、母さんは余裕マンマンだったから、あたしは、改めて電動アシストの凄さを思い知った。
それでも、こんなに楽しそうな母さんを見るのは久しぶりだから、あたしは、まだまだ走るつもりだったし、母さんも走りたくてたまんないみたいで、5分も休憩してないのに、自分のほうから「そろそろ行こうか?」なんて言い出した。そして、母さんとあたしは、世田谷通リを横断して、またサイクリングロードに乗って、どんどん進んでったんだけど、足腰だけじゃなくて、ジョジョに奇妙にお尻まで痛くなって来たあたしとはウラハラに、母さんの快進撃は止まらない。スイスイ進む母さんと、必死に追いかけるあたし。
で、20分くらい進むと、すぐ先に京王線の鉄橋が見えて来たので、一瞬、京王線の京王多摩川駅まで行ってみようかとも思ったんだけど、初めてのサイクリングでこんなに遠出しちゃって、母さんに何かあったら大変だから、ここらで引き返すことにした。それに、あたしのお尻もそろそろ限界だったので、土手を降りたとこにあった自販機でお茶を買って来て、ちょっと休憩することにした。おんなじ多摩川でも、サスガにこの辺まで来ると、地元のニコタマとはぜんぜん雰囲気が違って来て、どこか遠くの田舎に来てるような風景だ。だから、母さんと旅行に来てるみたいな気分になって、ついつい話も弾んじゃう。でも、目の前に気持ちいい景色が広がってるのに、母さんはヨホド気に入ったのか、自転車ばかり見てるし、自転車のことばかり話す。そして、気持ちよさそうに深呼吸してから、ポツリと言った。
「この自転車なら奥多摩まで走って行けそうだわ!」
あたしは、さっき自転車屋さんの前で試乗した時に、「これなら、奥多摩でも、飛騨高山でも、アラスカでも、どこまででも走れそうだ」って思ったことを思い出して、やっぱり親子だな~って思って、何だかおかしくなった。そして、しばらく自転車の話をしてたんだけど、あたしが、ふと、「母さん、ホントにホワイトで良かったの? あたしはブラウンもオシャレでステキだと思ったんだけど」って言ったら、母さんはこう言った。
「きみこがせっかくこんなに高い自転車をプレゼントしてくれるんだから、何年もずっと大切に乗らなきゃ!って思ったからね。白なら飽きが来ないでしょ?」
‥‥そんなワケで、あたしがプレゼントしたものは、値段に関係なく、どんなものでもすごく大切にしてくれる母さんなのに、こんなこと考えて自転車の色を決めてたなんて、あたしは、思わずウルウルして、涙が出そうになった。そして、楽しみにしてた秋の温泉旅行には行けなくなっちゃったけど、その代わりに電動アシスト付き自転車をプレゼントしようと思い立って、ホントに良かったと思った。さらには、「エリザベス女王杯」で、テイエムプリキュアががんばっくれて、ホントに良かったと思った今日この頃なのだ(笑)
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