東方の三博士
いよいよ、2才の少女たちが女へと羽ばたいてくためのG1レース、「阪神ジュベナイルフィリーズ」が迫って来たんだけど、金曜日の午後になって、やっと枠順が発表された。今までの「エリザベス女王杯」とか「ジャパンカップ」とかは、木曜日の午後には発表されてたのに、何でなの?‥‥って思ったら、「エリザベス女王杯」や「ジャパンカップ」は馬券の前売りがあるレースだったのに対して、今度の「阪神ジュベナイルフィリーズ」は前売りがないレースだから、発表されるのが1日遅くなるそうだ。こういった競馬ファンなら知ってて当たり前のことも、あたしはぜんぜん知らなかったから、競馬に興味を持ったオカゲで、競馬自体の楽しさだけじゃなくて、こうして知らなかったことを1つずつ知ってく楽しさも味わってる。
たとえば、あたしは、オスの馬を「牡馬(ぼば)」、メスの馬を「牝馬(ひんば)」って呼ぶことは知ってたから、出走馬の一覧表に「牡5」って書いてあれば「オスの5才」、「牝6」って書いてあれば「メスの6才」ってことはすぐに分かった。でも、先々週の「ジャパンカップ」の時に初めて気づいたんだけど、この「牡5」とか「牝6」とか書いてある欄に、1頭だけ「セン7」って書いてある馬がいた。インターパテイションていう馬なんだけど、あたしは「オスかメスかを書く欄に、その2種類以外のことが書いてあるなんて、いったいどういうこと? まさか性別が判明してない馬ってこと?」って思った。でも、この時は、レッドディザイアとかオウケンブルースリとかのことで頭がいっぱいだったから、あたしの予想と無関係な馬のことまで調べる気になれなくて、この「セン」については謎のままにしてた。
だけど、JRAの「即PAT」に登録したことをキッカケに、JRAのデータベースで今年開催された大きなレースの一覧表をいくつか眺めてたら、その中にも、この「セン」て書いてある馬が何頭かいた。それで、あたしは、気になって調べてみたら、これは「せん馬」って言って、「去勢したオス」のことだったのだ。漢字では馬ヘンに「扇」って書くそうだから、馬に対してだけ使われる言葉みたいで、「せん豚」とか「せん牛」とかは言わないんだと思うけど、この年になって、また1つ新しい言葉を知ったことは、とっても嬉しい出来事だった。あたしの場合、漢字も読めない前総理とは正反対で、知識に対して貪欲だから、知らなかった言葉や漢字を覚えると嬉しくなっちゃう今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、まずは、「阪神ジュベナイルフィリーズ」の枠順を書き出してみようと思うんだけど、こないだとおんなじに、詳しいことはこちらを見ていただくとして、ここには、番号と馬名と騎手名だけを書いてみる。
1枠1番 メイショウデイム/福永祐一
1枠2番 ジュエルオブナイル/三浦皇成
2枠3番 モトヒメ/大野拓弥
2枠4番 パリスドール/太宰啓介
3枠5番 サリエル/石橋守
3枠6番 アニメイトバイオ/内田博幸
4枠7番 ラナンキュラス/四位洋文
4枠8番 タガノエリザベート/川田将雅
5枠9番 カスクドール/小牧太
5枠10番 タガノパルムドール/藤岡康太
6枠11番 ステラリード/M.デムーロ
6枠12番 タガノガルーダ/浜中俊
7枠13番 グローリーステップ/吉田隼人
7枠14番 カレンナホホエミ/上村洋行
7枠15番 ベストクルーズ/安藤勝己
8枠16番 シンメイフジ/岩田康誠
8枠17番 メルヴェイユドール/幸英明
8枠18番 アパパネ/蛯名正義
こんな感じで、あたしがリトル気になってた馬たちは、ほとんど出走できるんだけど、それよりも、あたし的には、ジュエルオブナイルに騎乗する三浦皇成って、ほしのあきが手を出して大騒ぎになった若い騎手なのかな?‥‥ってことに目が行っちゃった。ま、どうでもいいんだけど。あと、タガノエリザベート、タガノパルムドール、タガノガルーダって、「タガノ」がつく馬が3頭もいるけど、これは、おんなじ馬主の馬で、馬主の生まれた「京都府綴喜郡井手町多賀」の「多賀」って町の名前から付けられてるみたいだ。だから、ホントなら、「キョウトフツヅキグンイデチョウタガノエリザベート」って名前にしたかったんだろうけど、競馬の馬の名前は9文字までって決まりがあるから、「キョウトフツヅキグンイデチョウ」の部分をカツアイしたんだろう。
ま、そんなことは置いといて、何よりも重要なのは、あたしがコダワリ続けてる「エヴァンゲリオン予想」ってワケで、12月8日の日記、「少女が女になる日」の中に書いたように、今回の「阪神ジュベナイルフィリーズ」に対応してる「エヴァンゲリオン」の第拾参話「使徒、侵入」では、3機のエヴァンゲリオンは何もしない。レイもシンジもアスカも、最初から最後まで全裸でエントリープラグの中に入ってるだけだ。だから、これまでみたいに、「アスカの弐号機に該当する馬は?」とか「全速力で走るシンジの初号機に該当する馬は?」とかって考える必要はない。
ネルフの頭脳であるコンピューター「MAGI(マギ)」に侵入して来た第11使徒イロウルを倒したのは、開発者、赤木ナオコ博士の分身であるMAGIシステムそのものであり、それを操作した娘の赤木リツコだ。詳しい内容は、こないだの日記に書いたから繰り返さないけど、MAGIシステムを構成する3つのコンピューターのうち、赤木ナオコ博士が「科学者としての自分」を投影した「MELCHIOR-1 (メルキオール)」が侵食され、「母親としての自分」を投影した「BALTHASAR-2 (バルタザール)」が侵食され、「女としての自分」を投影した「CASPER-3 (カスパー)」も99%まで侵食されたのに、最後の最後で逆転して勝つ。だから、形としては、最後に残った「カスパー」が勝ったってことになる。つまり、今回のレースでは、この「カスパー」に該当する馬か、「赤木リツコ」に該当する馬を見つけることがポイントになるってワケだ、
ちなみに、この、メルキオール、バルタザール、カスパーってのは、通称「東方の三博士」って呼ばれてて、「新約聖書」のマタイ伝で、キリストの誕生を祝福しにやって来た人たちとされてる。でも、これは間違いで、実際のマタイ伝には「東方から占星術の学者たちが訪ねて来た」って書かれてるだけで、名前も人数も書かれてない。そして、おんなじ「新約聖書」のキリスト誕生の場面でも、占星術の学者たちが訪ねて来るのはマタイ伝だけで、ルカ伝では学者たちの代わりに羊飼いたちが訪ねて来る。で、こうした「学者」のことをギリシャ語で「MAGI(マギ)」って言って、マタイ伝に登場するマギは、一般的には「博士」とか「学者」とかって訳されてるけど、他にも「賢者」とか「預言者」とかって意味もある。ようするに、「ドラクエ」とかのRPGのパーティーには、必ず1人は必要な人材ってワケだ(笑)
‥‥そんなワケで、あんまり細かく書いてると長くなりすぎちゃうから、思いっきりフランク・ザッパに説明するけど、遥か東方に住む占星術の学者たちは、新しい王が誕生した時に現われる星を夜空に見つけて、イエスの誕生を知る。それで、新しいユダヤの王の誕生を祝福しようと、エルサレムへやって来て、ヘロデ大王に新しい王の居場所を聞く。ヘロデ大王は、「ミカ書」に予言されてた「メシア(救世主)生誕の地」であるベツレヘムを教え、学者たちに新しい王を探し出して報告しろって指示する。何でかって言うと、ヘロデ大王的には、新しい王なんかが生まれちゃったら、自分の自民党独裁政権が終わっちゃうから、学者たちに新しい王の居場所を探させて、トットと殺しちゃおうって思ったからだ。
一方、ベツレヘムを目指して旅をしてた学者たちは、夜空の星の導きによって、ミゴトにメシヤが誕生したヨセフの家の馬小屋へと辿り着く。そして、聖母マリアと、かいば桶の中にいた赤ちゃんとご対面てワケで、ひと目でその赤ちゃんがイエスだと悟った学者たちは、その誕生を祝福して、「黄金」「乳香」「没薬」の3つの贈り物をする。で、ヘロデ大王のとこに報告しに戻ろうとすると、ここで「ヘロデのところへ戻ってはいけない」っていう天使のお告げがあった。それで、学者たちは、ヘロデ大王のいるエルサレムを迂回して、別のルートで自分の国へ帰ってった。そしたら、今度は、ヨセフに対して、「ヘロデはイエスを殺すつもりだ」っていう天使のお告げがあったので、ヨセフは家族とイエスを連れて、エジプトへと逃げてった。
そんなこんなで、いつまで待っても学者たちが戻って来ないことから、ヘロデ大王は自分の策略がバレちゃったことに気づき、あまりにも残酷な作戦に出る。それは、新しい王が生まれたハズの場所、ベツレヘム一帯の「2才以下の男の子」をすべて虐殺しちゃったのだ。つまり、ぜんぶ殺せば、その中に新しい王も含まれてるだろうっていうアバウトな作戦だった。だけど、イエスは、ヨセフに連れられて一歩先に逃げてたから、命を落とすことはなかったのだ。
‥‥そんなワケで、これが、「新約聖書」のマタイ伝に書かれてるイエス誕生のお話なんだけど、新しい王の誕生を恐れたヘロデ大王は、ベツレヘム一帯の「2才以下の男の子」をすべて虐殺しちゃったんだから、残った2才以下の子供は、すべて「女の子」だってことになる。そう、今回の「阪神ジュベナイルフィリーズ」は、「2才の牝馬」だけで行なわれる限定レースってワケで、あまりにもシンクロしてる。そして、イエスが生まれたのは、ヨセフの家の馬小屋なんだし、かいば桶の中に入ってたんだから、競馬風味も十分すぎるくらいだ。
さらには、イエスが生まれた日は、世界中の誰もが知ってるように12月25日のクリスマスだけど、遥か東方の地でイエスの誕生を知らせる星を見た学者たちは、それから旅をして祝福に訪れたんだから、ヨセフの家に到着した時には10日以上が過ぎてて、翌年の1月6日になってた。それで、ちょっとマニアックなことなんだけど、12世紀ころに、イタリアのミラノからドイツのケルンへ、親善のために「三博士の遺骨」と称される聖なる遺物が贈られた。これは、今でもケルン大聖堂にあるんだけど、このことを記念して、ドイツでは、12月25日のクリスマスよりも、「東方の三博士」が星に導かれてイエスのもとを訪れた1月6日のエピファニー(公顕節)のほうを盛大にお祝いするようになった。
そして、15世紀ころになると、「シュテルン・ジンゲン (星を歌う)」っていう行事が行なわれるようになる。クリスマスを過ぎると、子供たちが4人1組になり、3人はマントを羽織って王冠をかぶって「東方の三博士」に扮して、1人は大きな星をつけた杖を持って3人を先導して、歌を歌いながら町を練り歩く。子供たちは、家々の前で聖歌を歌い、その家の人からお菓子をもらうんだけど、この子供たちが扮する「東方の三博士」が来てくれた家には、幸福が訪れるって言われてる。で、これは1月6日まで続くんだけど、「東方の三博士」が来てくれなくても、エピファニーの前日の1月5日の夜に、自分の家の扉に、チョークで暗号を書けばOKってことになってる。暗号は、その年の西暦を真ん中から2つに割って、そこに「C+M+B」って書くだけだ。2009年の今年なら、「20 C+M+B 09」ってことで、来年なら最後の「09」が「10」に変わる。
これは、ラテン語で「キリストがこの家を祝福する」って意味の「Christus mansionem benedicat」の頭文字の「C」「M」「B」の間に十字架を表わす「+」をはさんだものなんだけど、ここでもう1つポイントがある。この「C」「M」「B」は、カスパー、メルキオール、バルタザールの頭文字でもあるってワケだ。そして、この「シュテルン・ジンゲン」は、ドイツ以外のヨーロッパの国々から、南半球のオーストラリアに至るまで、今や世界各地で行なわれてるんだけど、もともとはドイツが発祥の地なんだから、エヴァンゲリオンのアスカも、ドイツにいた時には見てるハズだ。
それで、ここで思いっきりコジツケを発揮させてもらうと、あたしたちが自分の家の扉に幸運の暗号を書こうと思ったら、来年の1月5日に書かなきゃなんないワケだけど、この2010年1月5日ってのは、来年の競馬がスタートする「金杯」の開催日なのだ。そして、さらには、「東方の三博士」は、星でイエスの誕生を知り、星に導かれてイエスのもとへと辿り着いたワケだけど、今、ちょうど、「ふたご座流星群」が観測できるのだ。国立天文台でも、今、恒例の「ふたご座流星群を眺めよう」ってキャンペーンをやってるけど、この「ふたご座流星群」がピークを迎えるのが、「阪神ジュベナイルフィリーズ」が開催されるその日、まさに13日なのだ。
‥‥そんなワケで、ここいら辺のモロモロを押さえときつつ、このマタイ伝の中では、学者たちの人数も名前も定かじゃなかったけど、学者たちがイエスの誕生を祝福して3つの贈り物をしたことから、3世紀ころからは、この学者たちは「3人」だったって言われるようになる。これが、「東方の三博士」って言葉の始まりだ。そして、その後、メルキオール、バルタザール、カスパーっていう名前がつけられるんだけど、6世紀ころになると、「東方諸国の3人の王」ってことになり、挙句の果てには、ペルシャの王、アラビアの王、インドの王ってことになっちゃうのだ。こうなって来ると、最初のストーリーから大きくダッフンしちゃうので、マタイ伝的には今でも「東方の三博士」止まりだけど、「シュテルン・ジンゲン」での子供たちの扮装からも分かるように、こうした行事では「3人の王様」ってイメージが定番になってる。
そんなこんなもありつつ、あたしは、今回のエヴァンゲリオンの勝者であるMAGIシステムの「カスパー」に目をつけて、9番のカスクドールか14番のカレンナホホエミと、11番のステラリードと、4番のパリスドールの頭の1文字を並べれば「カスパ」になるっていうコジツケを展開した。だけど、これだけ深い予想をしてるのに、「頭文字を並べる」なんていう幼稚な結論じゃ納得できない。そこで気づいたのが、前回の日記では、「ジュベナイルフィリーズ」っていうレース名に馬名が似てることで「運命的なものを感じてる」って書いてて、今日の日記では、ほしのあきが手を出した三浦皇成が騎乗することで気になってるって書いた、ジュエルオブナイルだ。
ジュエルオブナイル、つまり、「ナイルの宝石」ってことで、ナイルと言えば、アフリカ大陸を流れる世界最長クラスの大河だ。いくつものアフリカの国々を通過したナイル川は、最後にエジプトを通って地中海へと流れ出てる。そして、エジプトと言えば、ヘロデ大王の魔の手から逃れたヨセフが、生まれたばかりのイエスを連れてった地だ。そう考えると、この「ナイルの宝石」ってのは、そのまま、救世主であるイエスを指してるようにも思えて来る。そして、「ほしのあきが手を出した」と、「星に導かれて」も、ナニゲにハーモニクスを感じちゃう(笑)
さらには、東京の東銀座に「ナイルレストラン」ていう老舗のカレー屋さんがある。この「ナイル」は、ナイル川の「ナイル」じゃなくて、オーナーの名前がナイルさんだからだ。派手なシャツを着て時々テレビにも出てるから、知ってる人も多いと思うけど、当然のことながらインド人だ。そして、時代とともに出世し続けた「東方の三博士」が到達したのは、メルキオールがペルシャの王、バルタザールがアラビアの王、カスパーがインドの王ってワケで、使徒に侵食されたメルキオールとバルタザールを救ったのがカスパーだって考えると、このカスパーに該当する馬は、何となく、2番のジュエルオブナイルのように思えて来る。
ちなみに、他のコジツケもご紹介すると、11番のステラリードが、女の子の節句の3月3日に生まれてることとか、14番のカレンナホホエミのお母さんが「テンシノキセキ」っていう名前だってこととか、17番のメルヴェイユドールに騎乗する幸英明の名前が、「エヴァンゲリオン」の監督の庵野秀明とおんなじってこととか、どれも激しく薄い感じがした。あとは、あたしが「使徒の名前みたいだ」って言ってた5番のサリエルと、最初から気になってた6番のアニメイトバイオが、2頭とも「赤」の3枠に入ってて、今回の主役の「赤木リツコ」に関連してるってことや、前回も書いたけど、シンジが活躍しない回ってことで、「シンジ」の間に「メイフ(冥府)」って言葉が入ってる16番のシンメイフジあたりが気になってる。ただ、どのコジツケも、ジュエルオブナイルのコジツケの前では、単なるコジツケでしかない‥‥ってことで、ここまでの感じだと、とりあえず、2番のジュエルオブナイルだけがイチオシみたいな感じになった。だけど、「エヴァンゲリオン予想」としては、どうも決定打に欠ける気がしてならない。
‥‥そんなワケで、ここまでのコジツケをすべて白紙に戻して、今回の「使徒、侵入」のストーリーのポイントであるMAGIシステムの3つのコンピューターと、「新約聖書」のマタイ伝から派生した「東方の三博士」とのシンクロをメインに考えると、どうしても「東方」って部分が引っかかる。そして、今回の出走馬の厩舎を見ると、「西」の馬がほとんどで、「東」の馬は、3番のモトヒメ、6番のアニメイトバイオ、13番のグローリーステップ、18番のアパパネの4頭だけなのだ。だから、前回の「ジャパンカップダート」の時の「初号機は1番の馬だった」っていうストレートな感覚で行けば、この4頭こそが、「3人の学者と、それを導く星」ってふうにも思えてきちゃう。だから、最後まで読んでくれた皆さんには申し訳ないけど、今回は、ジュエルオブナイルを軸にする作戦で行くか、その他のコジツケに馬券を細かく振り分ける作戦で行くか、それとも、この「東」の4頭だけに焦点を絞って3連複でぜんぶの組み合わせをカバーする作戦で行くか、まだ決められない今日この頃なのだ。
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