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2009.12.22

「こども手当て」の行きつく先は

昨日の競馬で儲かったら、「フレッシュプリキュア!」のキュアスティックを買おうと思ってたのに、競馬の結果が惨敗だっただけじゃなくて、さっきアマゾンを見たら、4割引で2000円台になってたキュアスティックが、知らないうちに定価の5500円に戻ってた。こんなに高かったら、もしも競馬で儲かってたとしても、バカバカしくて買えやしないよ、まったく。だって、キュアスティックに限らず、「フレッシュプリキュア!」のグッズは、どれも買ったところで、使えるのは、あと1ヶ月ちょいだからだ。

あたし的には、「フレッシュプリキュア!」の前の「プリキュア5」のシリーズが好きだったし、「フレッシュプリキュア!」にしても、美希ちゃんやせっちゃんが加わったから好きになったけど、ハッキリ言って、ラブは好きじゃない。あの、わざとらしいくらいの天真爛漫さと言い、ベッキーにも負けないほどの「元気の押し売り」具合と言い、酒井法子とおんなじに口角を上げる表情と言い、そのどれもが癇にさわるのだ。

だけど、世の中的には、そこそこ人気がある「フレッシュプリキュア!」だから、あたしは、来年もリニューアルして続編が作られると思ってた。でも、プリキュアの動画を描いてるアニメーターが、9月の下旬ころに、「フレプリ(フレッシュプリキュア)は今年1年だけで終わりで、来年は最初の2人のパターンの新作だよ」って言ってた。それで、「人気があるのに、何で新作に変わるの?」って聞いたら、言いずらそうな感じで、ヒトコトだけ、「スポンサーの都合」って教えてくれた。

ようするに、プリキュアが新作になれば、登場人物の使う小道具類もすべて新しくなるワケで、そうしたものを作って売ってるのが、番組のスポンサーの玩具メーカーだってワケだ。だから、あたしが、「フレッシュプリキュア!」のキュアスティックを買ったとしても、来年の2月7日から新作の「ハートキャッチプリキュア!」がスタートしちゃうワケで、テレビの前でキュアスティックを振り回して遊べるのは、あと1ヶ月ちょいしかない今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、来年の2月7日からスタートする「ハートキャッチプリキュア!」は、最初の「ふたりはプリキュア」のパターンに戻って、プリキュアに変身するのは2人になる。「キュアブロッサム」に変身する花咲つぼみと、「キュアマリン」に変身する来海えりかだ。ちなみに、「花咲」は「はなさき」だからいいんだけど、「来海」は「きまち」って読むそうで、すごくムリがある。「くるみ」とかって読むなら、まあ何とか理解できるけど、どこをどうすれば「来海」が「きまち」になるんだろう? たぶん、自分の子供にヘンテコな名前をつけるバカ親が増殖してる今どきの風潮に合わせたんだと思うけど、あまりにも酷すぎる。

ま、名前のことは置いといて、何よりもガッカリなのが、そのビジュアルだ。サスガに、こればかりは文章で説明できないから、このを見てもらうしかないんだけど、こんな2人がプリキュアだなんて、全身が脱力しちゃうほどガッカリだ。2人とも、ぜんぜん魅力的じゃないし、ぜんぜんカッコ良くないし、ぜんぜん強そうじゃない。そして、何よりの問題が、2人ともフェミニンだってことだ。

「ふたりはプリキュア」でも、「MAX HEART」でも、ボーイッシュな女の子とフェミニンな女の子のコンビがラブラブになるからたまんなかったのに、2人ともフェミニンだなんて、まったく分かってない。マニアックなことを言わせてもらえば、あたしは、大人のビアンの場合なら、ビジュアル的には、ネコとタチが明確なカップルよりも、2人ともセクシーで色っぽい女性同士がラブラブしてるほうが遥かに好きだ。だけど、中学生の場合には、やっぱり、役割分担がハッキリしてるほうが、見た目にも清潔感があっていいし、アニメのストーリー的にも分かりやすくていい。

そして、ボーイッシュな女の子とフェミニンな女の子なら、友情が愛情へと進化してく過程にゾクゾクできるのに、フェミニンな女の子同士だと、どんなに仲良くなっても、女の子同士のいやらしい友情のままでしかない。これは、プリキュアを制作する上で対象としてる子供たちにはいいかもしれないけど、プリキュアを別の観点から楽しんでる大人のあたしとしては、「おいおいおいおいおーーーーい!」ってことになっちゃう。

‥‥そんなワケで、今度の「ハートキャッチプリキュア!」をザックリと解説しとくと、「キュアブロッサム」の花咲つぼみは、花屋さんの子で、お父さん、お母さん、おばあちゃんとの4人暮らしだ。お花が大好きで、将来は植物学者になって、世界中の砂漠をお花畑にするっていうステキな夢を持ってる。だけど、とってもシャイな性格で、外見もメガネをかけたジミな女の子だ。一方、「キュアマリン」の来海えりかは、両親とお姉さんが経営してるブティックの子で、将来の夢はファッションモデルだ。そして、つぼみとは正反対のオセッカイな性格で、シャイなつぼみのことをほっとけない。それで、引っ込み思案なつぼみを何とかしようと、メガネを外させて、ヘアスタイルを変えて、変身させちゃう。

でも、そんなに積極的なえりかにも、コンプレックスがある。それは、お姉さんがとっても美人なので、何かあるたびにお姉さんと自分を比較して、お姉さんに引け目を感じちゃうのだ。だけど、つぼみと仲良くなったことで、えりかも考え方が変わって来て、将来の夢を自分が目立つためのファッションモデルから、みんなをキレイにしてあげるためのファッションデザイナーへと変更する。

こんな感じの前提からスタートした2人が、例によって例のごとくに、アリエナイザーな設定でプリキュアに変身することになり、アリエナイザーな設定で悪の組織と戦うことになっちゃうワケだけど、今回の変身グッズは、「ココロパフューム」っていう香水のビンの形のアイテムで、武器は「フラワータクト」だ。そして、見どころの1つとして、毎回、何パターンか登場する可愛い私服が用意されてる‥‥ってことで、ここまで説明すれば、賢明なる「きっこの日記」の読者諸兄はピンと来たと思うけど、そう、今度の「ハートキャッチプリキュア!」でスポンサーの玩具メーカーが狙ってるのは、子供向けのオシャレグッズなのだ。

これは、現在の「フレッシュプリキュア!」を注意深く見てた人なら、ウスウス感づいてたと思うけど、「キュアピーチ」に変身する主人公の名前が桃園ラブで、美希ちゃんが変身するのが「キュアベリー」で、この2つを組み合わせると、ナニゲに「オシャレ魔女 ラブ and ベリー」の風味が漂ってる。つまり、すでに現在の「フレッシュプリキュア!」の時点から、ジョジョに奇妙に「ちっちゃな女の子のオシャレ心を刺激する方向」へと舵をきりつつあったのだ。ま、これは、競馬の「エヴァンゲリオン予想」と一緒で単なるコジツケだけど、とにかく、幼稚園や小学校低学年の女の子に、子供用の化粧品やファッションに興味を持たせるためのアニメだったワケだ。

大人の化粧品メーカーの資生堂も、新たな市場を開拓するために、中国へ進出し始めてる。これは、今までお化粧をしてなかった中国の女性たちが、好景気と社会状況の変化で、次々とお化粧をするようになって来たからだ。中国では、お化粧する女性が、年間1000万人ずつ増え続けてるそうで、これほどオイシイ市場をほっとく手はないってことだろう。そして、こんなふうに、新たな需要がない業界では、新たな供給をしてくしかない。

‥‥そんなワケで、幼稚園くらいの女の子がいる親は、「プリキュア5」を放送してた年には、お誕生日には「キュアフルーレ」や「キュアパレット」、クリスマスには「ココのぬいぐるみ」って、子供の欲しがるものを次々とプレゼントして来ただろう。だけど、次の年になって「フレッシュプリキュア!」がスタートしたトタン、今まで買い与えたオモチャには目も向けなくなり、今度は「キュアスティック」や「クローバーボックス」や「シフォンのぬいぐるみ」を欲しがるようになる。で、こんなことを2~3年も続けてたら、親のほうが学習して来る。

玩具メーカーとしては、どんなに子供たちが欲しがるものを作ったって、お金を出す親がNGを出したら意味がない。子供が欲しがる上に、親も「買ってやろう」って思うような商品を作らなきゃ売り上げにはつながらない。で、毎年毎年、似たようなものを買わされ続けて来てくれば、どんなにバカな親だって、テレビの子供向け番組とスポンサーとの戦略に気づき始める。30分の「フレッシュプリキュア!」の放送で、最初と途中に流れるCMが「キュアスティック」や「クローバーボックス」で、最後に流れるCMが劇場版のプリキュアなんだから、30分のアニメ自体が、オモチャや映画を売るための巨大なCMみたいなもんだって思えて来る。

ま、それでも、可愛い子供にせがまれると、バカバカしいとは思いつつ、子供の喜ぶ顔を見たくて、つい買い与えちゃうのが親心ってワケだ。だけど、買い与えたプリキュアグッズで楽しそうに遊ぶ我が子を見て、ニコニコしながらビデオで撮影しちゃうのも親ってワケで、ここには、「子供の喜び」だけじゃなくて「親の喜び」も同居してる。つまり、煎じ詰めて言えば、親も欲しいから買ってるワケだ。

だけど、どんな親バカだって、まるで自分の気持ちを見透かしたように、次々と発売され続けるプリキュアグッズには、そろそろヘキエキとしてるハズだ。それも、「キュアスティック」が5500円、「クローバーボックス」が9000円、「シフォンのぬいぐるみ」が6000円‥‥って感じで、ホイホイと買ってあげられるような値段じゃない。毎月、親から1500万円もお小遣いをもらってるような大富豪ならともかく、お昼ご飯をワンコインで済ませてるようなお父さんたちには、ちょっと「おいおい!」って言いたくなる値段だろう。だけど、サスガに、小学校高学年になってまでプリキュアグッズを欲しがるような子はメッタにいないから、親のほうも一過性のものだと思って買い与え続けてるんだと思う。

毎年毎年、代わり映えのしないプリキュアグッズが売り出され続けても、それを欲しがる子供と、子供に買い与える親のほうは、そこを通過してくだけだ。成長してプリキュアに興味がなくなった子供が卒業してけば、そのぶん、新しい幼児が下から上がって来る。玩具メーカーはおんなじことをしてても、お客のほうが通過してくんだから、市場は保障されてるワケで、あえて商品の方向性を変える必要もない。それなのに、今度の「ハートキャッチプリキュア!」は、より幼児向けの内容に変更された上に、スポンサーが売り出す関連グッズも、オシャレやファッションていう方向へ車線変更することになった。

これは、一定の年齢層の女の子だけを対象としてる商売だから、少子化の影響をダイレクトに受けちゃうためだ。ニポンの少子化は今に始まったことじゃないけど、自民党政権下では何の対策もとられて来なかったから、子供の数は減り続ける一方だった。そして、2005年、ニポンの出生率は、戦後最低になった。つまり、来年の2010年は、2005年に生まれた子供たちが5才になるワケで、5才と言えば、プリキュアに興味を持ち始めた女の子が、高いオモチャをおねだりするようになる年齢だ。プリキュア自体が、3才から6才までの女の子を対象に作られてるから、関連グッズの対象年齢もおんなじで、5才ってのは、プリキュアの対象年齢のど真ん中なのだ。

‥‥そんなワケで、これは、あくまでもあたしの想像だけど、プリキュアのオモチャを欲しがる対象年齢の女の子の数が、来年、戦後最低になることから、スポンサーのメーカー側は、リトル方向性を変えたんじゃないかと思う。幼児向けのアニメをより幼児向けな内容にすることで、さらに低年齢層への市場の拡大を図りつつ、子供向けの香水やファッションなど、オモチャのワクを超えたグッズを充実させることで、高年齢層への市場の拡大も図る‥‥ってことで、今までは「狭く厚く」だったプリキュアグッズの市場が、来年からは「広く薄く」へとシフトしてくような気がする。そして、これは、女の子のいる親だけの問題で、男の子しかいない親の場合は、去年さんざん「炎神戦隊ゴーオンジャー」のグッズを買い与えたのに、今年は次々と「侍戦隊シンケンジャー」のグッズを買わされるハメになり、今度のクリスマスに、ずっと欲しがってた7500円の「侍合体DXシンケンオー」をプレゼントして、ようやくひと息つけると思ったのもトコノマ、来年の2月14日からは、次の「天装戦隊ゴセイジャー」がスタートしちゃうんだから、気持ちの休まるヒマもないと思う。ま、どっちにしても、莫大な予算をドブに捨ててオオバンブルマイされる「こども手当て」のうちの何%かは、こうしたオモチャ代に消えてくんだから、政権交代して一番喜んでるのは、あんがいプリキュアや戦隊ヒーローモノのスポンサーかもしれないと思う今日この頃なのだ。


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