あたしの持ちネタ
人間、37年も生きてると、ちょっとした飲み会の席とかで、ちょっとした芸を披露する機会が、1年に1回くらい巡って来る。もちろん、強制的にやらされるワケじゃないから、イヤなら断ればいいだけの話なんだけど、せっかく盛り上がりかけてるとこに水を差すのも無粋だし、こっちも酔ってるし、何よりも、あたしもキライじゃないから、ちょっとしたネタでウケたいと思っちゃう。でも、広い宴会場とかで、カラオケや衣装が用意されてるような本格的な場じゃなくて、隣りのテーブルで見ず知らずの人たちが飲んでるようなお店とかの場合は、その場で立ち上がることもハバカラレちゃう。だから、座ったままで、チョコっとできるモノマネがいいんだけど、あたしの場合、こうしたモノマネのレパートリーが激しく少ない。
前にも書いたことがあると思うけど、自信があるのは、AMラジオとFMラジオの交通情報のマネと、「風の谷のナウシカ」の大ババ様のマネくらいで、他にはコレといってない。だけど、今から新しいレパートリーを増やすのも大変だから、あたしは、もともとの持ちネタを発展させることにした。どんなのかって言うと、今までは、ラジオで交通情報を伝えるお姉さんの、AMラジオとFMラジオの違いをやったり、交通情報の口調でF1の実況をしたりってネタだったんだけど、今度は、スタジオから呼びかけるとこから始めることにしたのだ。で、スタジオから呼びかけるのは、TOKYO FMの「Diary」のチグサちゃんだ。
チグサちゃんは帰国子女だから、タイトルの「Diary」からして、あたしたち国産女子の発音とは違う。かと言って、「コスモポップスベスト10」のFilizのしゃべり方みたいに、ニポン語でしゃべってる中の横文字の部分だけを本格的な英語の発音でしゃべる、変な違和感があるアレとも違って、独特のイントネーションだ。しいて言えば、宇都宮まきが「ブログ旅」のタイトルコールをする時に、「四国一周ブログ、旅~~!」って、「ブログ」で一度切ってから「旅~~!」って言うヘンテコな感覚に似てる。チグサちゃんは、決して早口じゃないし、分かりやすくキチンとしゃべってるんだけど、何て言うか、独特の「間(ま)」がある。もともとのしゃべり方なのか、オシャレな雰囲気を出そうと思って狙ってるのか分かんないけど、とにかく、抑揚のつけ方が芝居じみてて特徴があるから、モノマネをするにはウッテツケな今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、しゃべり方が芝居じみてるって言うと、誰よりも真っ先に思い浮かぶのが、何といっても、真矢みきさんだ。宝塚出身の女優さんは、みんな、最初のころは芝居じみた大ゲサなセリフ回しだけど、半年くらいで普通に戻る。だけど、真矢みきさんの場合は、ドラマのセリフは当然として、CMでもバラエティーでも、すべてのしゃべり方が、未だに「宝塚」のまんまだ。もちろん、最初のころよりは多少は落ち着いたけど、それでも、「そんなことありませんよ」って言うとしたら、「そ~んなことあ~りませんよ~ほ~~!」って感じで、大ゲサに両手まで広げちゃいそうなイキオイだ。
今のナントカ石鹸のCMでも、普通にしゃべってるつもりなんだろうけど、どうしても、ビミョ~な「溜め」とか、独特の抑揚とか、少しでもイイ声を出すように調整しながらしゃべってるみたいに感じられちゃうとことか、全般的に「宝塚」の名残りが散りばめられてるから、あたしは、真矢みきさんの表情やしゃべり方ばかりに目が行っちゃって、カンジンの石鹸の名前すら覚えられない。ま、そんなこたーどうでもいいんだけど、とにかく、あたしは、他の出演者たちが、みんなボソボソと普通の感じでセリフをしゃべってるドラマで、真矢みきさんだけが宝塚仕込みのオーバーな抑揚でセリフを回してる「浮き具合」が大好きなので、真矢みきさんだけに注目してるうちに、ドラマのストーリーがぜんぜん分かんなくなる。
そんなこんなで、この真矢みきさんの大ゲサなしゃべり方を5分の1くらいに抑えた感じなのが、TOKYO FMの「Diary」のチグサちゃんのしゃべり方なのだ。もちろん、普段、お友達とかとしゃべる時は、ごく普通のしゃべり方だと思うから、スタジオに入ってマイクに向かった時だけ、この「ラジオ用」のしゃべり方になるんだと思うけど、ビミョ~に宝塚チックな抑揚だけじゃなくて、独特の「溜め」と「間」がたまんない。だけど、こればっかりは、こうして文章で説明することができないから、とっても歯痒い思いをしてる。
‥‥そんなワケで、モノマネの基本は、その人の特徴をオーバーにマネすることだと思うんだけど、チグサちゃんのしゃべり方の特徴をオーバーにマネすると、真矢みきさんになっちゃうのだ。ずっと前に、カラオケでMISIAの「Everything」を歌った時に、酔ったイキオイで、MISIAの声マネで歌ってみたことがある。そしたら、あたしは我ながらケッコー似てると思ったのに、その場にいた全員から、「MISIAって言うよりも田中真紀子に似てるよ」って言われちゃったのだ。そう、MISIAの声の特徴をオーバーにすると、田中真紀子になっちゃうのだ。
だから、チグサちゃんのしゃべり方のモノマネをするのも難しい。実際とおんなじようにマネすると、モノマネしてることが伝わらないだろうし、だからって、特徴をオーバーにマネすると真矢みきさんになっちゃうから、そのサジ加減が難しい。そして、問題は、これだけじゃない。チグサちゃんが「Diary」で「交通情報センターの○○さ~ん!」って呼びかける中で、一番、しゃべり方に特徴があるのが「佐々木さん」なんだけど、この「佐々木さん」のモノマネも、オーバーにマネしちゃうと別の人になっちゃうのだ。それは、NHKのベテラン女子アナの藤井彩子アナだ。
NHKの総合テレビの夜遅い時間のニュースとかに出て来る人で、昭和30年代のエレベーターガールみたいな、鼻にかかった独特のしゃべり方をするから、ニュースを聞いてるうちに、何十年も前の映画を見てるような気分になって来る。なかなかの美人だし、なかなかのナイスバディなんだけど、顔立ちもヘアメイクも昭和風味だし、ファッションも昭和風味で、平山三紀とか黛ジュンとかの時代のノリなのだ。知らない人は、ココで見てみて欲しい。
で、この藤井彩子アナの声やしゃべり方の特徴を5分の1くらいに抑えた感じなのが、道路交通情報センターの「佐々木さん」なのだ。だから、そのままマネしても面白くないのに、オーバーにマネすると藤井彩子アナになっちゃうから、そのサジ加減が難しい。2人とも似せようと思ってオーバーにやっちゃうと、チグサちゃんが佐々木さんに呼びかけてるシーンなのに、真矢みきさんが藤井彩子アナに呼びかけてるシーンになっちゃうのだ。だから、あたしは、車の運転中に「Diary」を聴くたびに、チグサちゃんの呼びかけと佐々木さんのしゃべり方のモノマネを練習してるんだけど、なかなか「コレだ!」ってものが掴めないでいる。
‥‥そんなワケで、あたしのもう1つのレパートリー、「風の谷のナウシカ」の大ババ様は、最初は、「その者、青き衣をまといて、金色の野に降り立つべし‥‥古き言い伝えは誠であった‥‥」ってセリフだけだったんだけど、今は、もっと長くなって、1人でユパ様もナウシカもやるようになった。早希ちゃんが1人で、アスカとレイとシンジの3人のモノマネをするのを見て、あたしもチャレンジしてみたってワケだ。
ユパ様 「オームの攻撃色が消えて行く!」
大ババ様 「大気から怒りが消えた‥‥」
村人A 「オームが止まったぞ!」
子供A 「姫ねえさまが!」
子供B 「姫ねえさま、死んじゃった!」
大ババ様 「身をもってオームの怒りを鎮めてくだされたのじゃ‥‥あの子は谷を守ったのじゃ‥‥」
数秒の間(ま)。
村人B 「見ろ!」
ユパ様 「おおっ!」
村人A 「何だ、この光は!」
ナウシカ 「テト‥‥良かった‥‥オーム、ありがとう‥‥ありがとう‥‥」
大ババ様 「奇跡じゃ‥‥何といういたわりと友愛じゃ‥‥オームが心を開いておる‥‥子供たちよ、わしのめしいた目の代わりに、よく見ておくれ‥‥」
子供A 「姫ねえさま、真っ青な異国の服を着てるの。まるで金色の草原を歩いているみたい!」
大ババ様 「おおっ!その者、青き衣をまといて、金色の野に降り立つべし‥‥」
子供B 「ババ様!」
大ババ様 「古き言い伝えは誠であった‥‥」
子供A 「見て!メーヴェだ!」
子供B 「風だ!風が戻って来た!わーい!」
こんな流れなんだけど、あたしが自信を持ってるのは、大ババ様のセリフだけで、あとはぜんぜん似てない。でも、大ババ様のセリフは、ちゃんと「そ~の~も~の~あ~お~き~こ~ろ~も~を~ま~と~い~て~」ってやるから、それなりにウケたりしてる。そして、誰が手伝ってくれる人がいる場合には、ナウシカが目を覚ますシーンのとこで、例の「ラン、ランララ、ランランラン♪ ラン、ランララ、ランランラン♪」ていう物悲しいメロディーをハミングしてもらう。これで完璧だ。
でも、すでに気づいた人もいると思うけど、大ババ様のセリフの中に、「何といういたわりと友愛じゃ」ってのが出て来る。今は、「友愛」と言えば「ハトポッポ」ってワケだから、この次、このネタをやる時には、オリジナルのセリフに変更してみたらどうかと思ってる。たとえば、こんな感じだ。
ユパ様 「ジミンの議席数が減って行く!」
大ババ様 「国民から怒りが消えた‥‥」
村人A 「ジミンが終わったぞ!」
子供A 「小沢様が!」
子供B 「小沢様、強制捜査されちゃった!」
大ババ様 「身をもってジミンの卑劣な攻撃を引き受けてくだされたのじゃ‥‥あの子は国を守ったのじゃ‥‥」
数秒の間(ま)。
村人B 「見ろ!」
ユパ様 「おおっ!」
村人A 「何だ、この光は!」
ナウシカ 「ハト‥‥良かった‥‥小沢様、ありがとう‥‥ありがとう‥‥」
大ババ様 「奇跡じゃ‥‥何といういたわりと友愛じゃ‥‥ジミンが次々と消えてゆく‥‥子供たちよ、わしのめしいた目の代わりに、よく見ておくれ‥‥」
子供A 「ジミンの人たち、真っ青な顔色をしてるの。まるで次の参院選でも惨敗したみたい!」
大ババ様 「おおっ!その者、青き顔色をして、下の野に降り立つべし‥‥」
子供B 「ババ様!」
大ババ様 「古き言い伝えは誠であった‥‥」
子供A 「見て!年金だ!」
子供B 「年金だ!年金が戻って来た!わーい!」
‥‥そんなワケで、こうなって来ると、もはや、「風の谷のナウシカ」がモトだってことも分からなくなっちゃいそうだから、ここまで大幅には変更できくないけど、せっかく「友愛」って言葉が出て来るんだから、部分的にチョコっとは変えてみたい。そして、いつどこで「ちょっとした芸を披露する機会」が巡って来たとしても、すぐにできるように、普段から練習しとこうと思ってる今日この頃なのだ。
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