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2010.02.21

美しき不快

あたしは、昨日の日記の最初のとこに、「フェブラリーステークス」について、こんなギャグを書いた。


『この「フェブラリー」ってのは、英語で「図書館」のことで、「図書館に行って競馬の歴史を調べたくなるほど奥が深いレース」って意味から名づけられた、ワケねえだろ!‥‥って、あまりにも楽しくて、ゲートインする前からノリツッコミしちゃったよ(笑)』


そしたら、十数名の人から、「きっこさん、フェブラリーは図書館じゃなくて2月という意味ですよ」っていうメールが届いた。あたし的には、『この「フェブラリー」ってのは、英語で「図書館」のことで、「図書館に行って競馬の歴史を調べたくなるほど奥が深いレース」って意味から名づけられた』って書いただけでも、普通はギャグだと分かると思ったんだけど、万が一、シャレが通じない人がいたら困ると思って、わざわざ、『ワケねえだろ!‥‥って、あまりにも楽しくて、ゲートインする前からノリツッコミしちゃったよ(笑)』っていうフォローまで入れといたのに、それでも、十数名の人には通じなかったのだ。

メールをくださった皆さん、親切なお気持ちには感謝しますが、これは、「フェブラリー」を「ライブラリー」とカン違いしてる人‥‥っていうボケに対して、自分でツッコミを入れた「ノリツッコミ」であって、いくら高卒のあたしでも、これくらいの英語は分かるので、ご心配なく。それに、自信のない英単語の場合は、ちゃんと手元にあるフェブラリーを引いて調べてから書いてるので、決して間違えることはない‥‥って、それは「ディクショナリー」だろ!(笑)

で、今回、あたしが思ったのは、今までに星の数ほど書いて来たあたしのギャグって、もしかしたら、一部の人たちには、今回の「フェブラリー」みたいに、ギャグだってことが通じてなかったんじゃないのか?‥‥ってことだ。たとえば、あたしがギャグで「トコノマ」って書いてるのも、あたしが「束の間」のことを「床の間」だとカン違いしてる人だって思われてるのかも?‥‥って思ったら、ものすごく心配になって来た今日このころ、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしがWEB日記を書き始めた10年前には、ギャグに限らず、文章の終わりに「(笑)」って書くのが流行してたし、「爆笑」を略して「(爆)」って書くのも流行してた。だから、ケータイで更新してた最初のほうの日記を見ると、あたしも「(爆)」を使ってる。だけど、何年か経つうちに、「warai」の頭文字の「w」や、「wara」を誤変換した「藁」なんかも使われるようになって来た。この「w」や「藁」は、多くの場合、匿名掲示板などで、相手のことを小バカにしたりする時に使われるようになって、俗に「荒らし」って呼ばれてる人たちは、すべての文章の後ろに「w」をいくつも連続して「wwwwww」って付け足すようになった。それで、「wを多用するほど知能が低い人」なんて言われるようになった。

そんな流れから、「w」や「藁」は当然として、普通の「(笑)」でも、あんまり多用すると、読み手から「ウザイ」とか「目障り」とかって思われるようになって来た。だから、あたしは、「1日の日記の中で何度も繰り返しては使わない」とか、「できるだけ連続しては使わない」とかって、自分なりにセーブして使うようにして来た。だから、あたしが「(笑)」を使うのは、ナニゲに「ここ一番」みたいな場所で、今回の「フェブラリー」のクダリにしても、「これはギャグなんですよ」って念を押しとく意味もあって、最後に「(笑)」を付け足してる。だから、今日のマクラの『それは「ディクショナリー」だろ!(笑)』にしても、この流れで、ここに「(笑)」を使わないワケにはいかないので、必要に迫られて使ったってワケだ。

最近、このセリフも多用しちゃってるけど、人の感性は人それぞれなので、おんなじ文章でも、人によって受け取り方が違う。まったく悪気なんかなくて、普通に書いた文章でも、読む人によっては、それを不快に感じる人もいる。たとえば、あたしは、自分のことを「あたし」って書いてるけど、これが不快だって人もいる。もう何年も前のことだけど、ある俳句のサイトに書き込みをしたら、皆さん、やさしくしてくれてたのに、1人だけ、ヤタラと絡んでくる人がいた。あたしは、何も波風をたてるようなことは書いてなかったんだけど、その人にとっては、あたしが自分のことを「あたし」って書いてることが不快だったそうだ。それで、とても俳人とは思えないような罵詈雑言を浴びせられて、あたしは、そのサイトを追い出された。

あたしが、自分のことを「あたし」って書いてるのは、誰の書き込みもおんなじ文字で表示されて、個人個人の区別がつかないインターネット上で、少しでも自分の個性を出すために、ふだんの「話し言葉」に近い感じの一人称を使おうと思ったからだ。それに、aikoを始めとして、「あたし」っていう一人称で歌詞を書いてる歌手もたくさんいるし、文学でも詩でも普通に使われてる一人称だから、マサカ、こんなことを不快に感じる人なんているワケないと思ったからだ。

そして、あたしが「あたし」って書いてるのは、基本的には、この「きっこの日記」や自分のサイトだけで、あとは、仲良くさせていただいてる人たちのブログにコメントを書く時くらいだ。メールでも、お友達には「あたし」って書くけど、お仕事のメールに限らず、目上の人に出す場合には、必ず「私」って表記してる。今までに何度も紹介させていただいた石川喬司先生とのメールのやりとを見てもらえれば分かるように、目上の人に対しては、ちゃんと「私」って表記してる。ようするに、これまた最近、多用しちゃってるセリフだけど、「TPO」を考えて使い分けてるってワケだ。

‥‥そんなワケで、あたしの感覚だと、何でこれが不快なのかまったく理解できない「あたし」って言葉でも、極めて少数だと思うけど、不快に感じる人がいることは体験済みなので、これが「単語」じゃなくて「文章」になった場合には、もっともっと複雑になると思った。まったく悪気なんかなくて、普通に書いた文章でも、千差万別な感性の人たちが読めば、中には、その文章を不快に感じる人もいるってことだ。

もちろん、100人のうち99人は文章の通りに受け取るのに、1人だけが過剰反応したようなケースの場合には、書き手の問題じゃなくて、その1人の人の感性に問題があるんだから、書き手は何も気にする必要はない。だけど、100人のうち、20人とか30人とかが不快に感じるような場合には、その文章の書き方に問題があるってことになる。最初から、読んだ人を不快にさせてやろうと思って書いた文章なら、その目的は達せられたワケだけど、何の悪気もなくて書いた普通の文章が、こんなに多くの人たちを不快にさせたのなら、どう考えても、書き方に問題があるワケだ。

例としては、ちょっと適当じゃないかもしれないけど、数日前からOAが始まった「十六茶」のCMで、新垣結衣が、松本伊代の「センチメンタルジャーニー」の替え歌を歌ってる。それで、このCMを観た松本伊代の感想をワイドショーの芸能ニュースでやってたんだけど、松本伊代は、「ダンスも完璧だし、昔の私みたいで、とっても可愛いですね」とかって言ってた。あたしは、このコメントを聞いて、別に何とも思わなかったんだけど、この放送を一緒に観てたスタイリストは、「昔の自分みたいに可愛いだなんて、よく言うわよね」ってツッコミを入れてた。あたしは、このツッコミを聞いて、初めて「そうも取れるんだ」って思った。

あたしは、新垣結衣のダンスが完璧なことや全体の雰囲気が「昔の私みたい」ってことで、「とっても可愛いですね」は新垣結衣に対しての言葉だと受け取ったんだけど、スタイリストは、そうは取らなかった。確かに、このコメントだけを読めば、スタイリストが解釈したような意味にも取れる。でも、この時の松本伊代の表情や口調からは、そんな感じはぜんぜんしなかった。だから、あたしは何とも思わなかったんだけど、一緒におんなじ映像を観てても、あたしとは違った解釈をして、少なからず悪い印象を持った人もいたワケだ。

言葉を発信する人の表情やイントネーションまで分かる映像でも、こんなふうに解釈が割れるってことは、表情もイントネーションも分からない「文字だけの世界」の場合には、もっと解釈が割れることになる。これは、読み手の感性の違いによるものじゃなくて、書き手の文章力と、読み手の読解力によるものだ。ものすごく誤解されるような書き方をしてれば、読み手の感性に関係なく、書き手の伝えたいことは正しく伝わらないし、不快にさせるつもりがなくても不快にさせちゃうこともあるってワケだ。そして、読み手の読解力に関しては、書き手はどうしようもないんだから、書き手にできることは、「ある程度、読解力が低い人にも、正しく伝わるような書き方をする」ってことしかない。そして、それをフォローしてくれる小技の1つが、「(笑)」だったりする。

たとえば、ふだんから仲のいいお友達同士のグループで、顔を合わせたり電話で話す時には「あんたバカ?」なんて言ってもシャレだって通じる相手でも、文字だけの掲示板に「あんたバカ?」って書き込んだら、この言葉が、どんな表情で、どんなイントネーションで発信されたものなのか分からないから、状況によっては、相手を怒らせちゃう場合がある。そんな時に、「あんたバカ?(笑)」って書けば、いつも直接話してる時のニュアンスなんだってことが分かるから、問題は起こらない。

だけど、これは、あくまでも、ふだんから仲のいいお友達同士だから通じることで、インターネット上でしか知らない相手に向かって「あんたバカ?(笑)」って書き込むと、この「(笑)」が、「w」や「藁」とおんなじ「嘲笑」って意味に受け取られちゃう危険もある。こっちはシャレのつもりで書き込んだのに、相手は自分がバカにされたとカン違いしちゃって、一気に怒り出す。これは、カン違いした相手が悪いんじゃなくて、カン違いされるような書き方をしたほうの責任だ。そして、これは、相手の立場に立たずに、自分の感性と自分のモノサシだけで安易な書き込みをしたことが原因なのだ。自分の書き方が悪くて、内容が正確に伝わらなくて、それで、相手を不快にさせちゃったら、これほど無意味なことはない。無意味どころか、相手にとっては大迷惑だ。

だから、あたしは、この日記を書く上で、何よりも気をつけて来たことは、「内容が正確に伝わるように書く」ってことだった。そして、ただ単に内容を正しく伝えるだけじゃ、学校の教科書みたいな文章になっちゃってぜんぜん楽しくないから、読みやすくするために、プラスアルファとして、「話し言葉」を使ったり、オリジナルのギャグを散りばめたりって、いろいろと工夫して来た。だから、昨日の日記の「フェブラリー」のクダリをギャグだって理解してくれなかった人が十数人いても、それは、このプラスアルファの部分だから、本文の内容を誤解されるよりはマシだと思った。だげど、あそこまで念入りに書いても理解してくれない人がいたってことは、今まで書いて来た日記の内容にしても、ちゃんと正確に伝わってるのか、すごく心配になって来た。

それで、あたしは、今まで以上に念入りに書いたほうがいいのかな?‥‥とも思ったんだけど、これはサジ加減の問題で、あんまりやりすぎると、今度は、読解力の高い人たちから「くどい文章だ」って思われちゃうオソレがある。今回のケースなら、『この「フェブラリー」ってのは、英語で「図書館」のことで、「図書館に行って競馬の歴史を調べたくなるほど奥が深いレース」って意味から名づけられた、ワケねえだろ!‥‥って、あまりにも楽しくて、ゲートインする前からノリツッコミしちゃったよ(笑)』って書いたあとに、さらに、『もちろん、これはギャグで、「フェブラリー」ってのは、英語で「2月」のことだ。』って付け足せば、サスガに、カン違いする人はいなくなると思うけど、あたしが読み手だとしたら、ここまで書かれてると、「読み手をバカにした文章だな」って感じちゃう。読み手の読解力を低いと思ってるから、まるで子供に説明するように、普通なら説明しなくてもいいようなことまで説明してるように感じちゃう。

何らかの文章を書く時に、何よりも気をつけなきゃいけないのは、やっぱり、内容を正確に伝えることだと思うんだけど、内容が正確に伝わったとしても、一部の読み手を不快にさせちゃうことは避けられない。自分がされても不快に感じないことでも、それを誰かにしたら、人によっては不快に感じる人もいるワケで、これは、人それぞれの感性の違いだから、どんなに気をつけたって、何かを発信する以上、絶対についてまわることだ。どんなに気をつけて書いたって、全世界のすべての人たちに共感される文章なんて書けるワケがない。だけど、たとえ一部の人たちを不快にさせたとしても、自分の書いた内容が正確に伝った上でのことなら、それはそれで納得できる。一部の人たちを不快にさせても、それ以上の人たちに共感されれば、それはとっても意味のあることだし、逆に、多くの人たちを不快にさせたとしても、一部のマイノリティーの思いを代弁してて、そうした人たちに共感されれば、それもとっても意味のあることだと思う。

‥‥そんなワケで、こうした「不快」は、「風の谷のナウシカ」的に言えば、「腐海」みたいなもんで、これほど不快なことはないだろう。でも、腐海の植物たちは、人間が汚してしまった大地を浄化してくれてるんだし、虫たちはその腐海を守ってくれてるんだから、いくら、自分たちにとって不快だからって、腐海を焼き払うことも、虫たちを殺すことも、すべては、自分の首を絞めることになる。あたしが自民党を批判した文章を書けば、それを読んだ自民党の支持者は不快に感じるだろうけど、あたしは、自民党が50年もかけてメチャクチャにしちゃったこの国の汚れを浄化するために書いてるワケで、それを不快に感じる人たちは、腐海を焼き払おうとしてるトルメキアの愚かなと人たちと何も変わらない。軍事大国のトルメキアは、今のアメリカであり、腐海のほとりにある小さな風の谷は、今のニポンなのだ。トルメキアの言いなりになって、沖縄に新基地を造り、このまま戦争に加担し続ければ、この地球は、いつかは「炎の7日間」を迎えて、完全に滅びてしまう。だから、あたしは、たとえ一部の人たちを不快にさせたとしても、これからも、青き衣をまといて、金色(こんじき)の野を歩いて行こうと思ってる今日この頃なのだ。


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