タマゾン川の怪魚
1ヶ月も前のことでキョーシュクなんだけど、お正月が過ぎて1週間くらいの時、サンチャで打ち合わせをしてて、午後3時ころに終わって、そのあとの予定はナニモナイザーだったので、あたしは、キャロットタワーに「く・び・れ展」を観に行った。他府県の人たちのために説明しとくと、あたしの住んでる世田谷区のニコタマから渋谷までは、電車で15分くらいなんだけど、そのちょうど真ん中くらいに、三軒茶屋(さんげんぢゃや)ってとこがあって、略して「サンチャ」って呼ばれてる。
で、ここも世田谷区なんだけど、そのサンチャにある一番高いビルが、色がオレンジで細長いって理由から、安易に「キャロットタワー」って名づけられてるんだけど、その中で、「腰のくびれ」がある、いろんなボトルや容器を白く塗ったりして展示してる「く・び・れ展」てのを開催してて、入場無料だったから、くびれが大好物のあたしとしては、「こりゃあ行かなくちゃ!」って思ってたので、さっそく観に行って来たってワケだ。そして、あたしは、いろんなボトルや容器の「腰のくびれ」をタンノーしてから、1階の「サブウェイ」で大好物の「べジーデライト」のタマネギ大盛りにバジルマヨネーズを食べた。「サブウェイ」は、ファーストフードの中じゃワリとちゃんとした材料を使ってるし、自由度が高いし、なかなか美味しいので、あたしは大好きだ。まだお肉を食べてたころは、「ケイジャンチキン」が大好きだったけど、値段が高いからメッタに食べることができなかった。
今はヘナチョコベジタリアンなので、290円の「べジーデライト」をベースにして、タマネギを大盛りにしてもらって、バジルマヨネーズか塩コショウで味つけしてもらう。予算に余裕のある時は、これに30円でスライスチーズをプラスしてもらう‥‥ってのが定番なんだけど、それでも、月に一度くらいのゼイタクだ。だって、買って帰って来るんなら290円だけだけど、お店で食べる時は、サスガに持参してるペットボトルのお茶は飲めないから、何か飲み物も買わなきゃならなくて、さらにお金が掛かっちゃう今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、久しぶりに「サブウェイ」に行って、290円の「べジーデライト」と200円の「ジャスミンティー」を買うっていうオオバンブルマイを炸裂させちゃったワケだけど、1食の予算を100円以内に設定してるあたしとしては、約5食ぶんの予算をたった1食で使っちゃったことになる。それで、あたしは、必殺ワザを使うことにして、頭の中の時計の針を小1時間ほど巻き戻した。そうすると、どうなるのかって言うと、あたしは「く・び・れ展」を観る前に戻るワケで、そこからのことを振り返ってみると、「く・び・れ展」を無料で観て、それから「サブウェイ」に行ったんだから、これをぜんぶ1つのイベントとして考えれば、「く・び・れ展」と「べジーデライト」と「ジャスミンティー」で490円てことになる。
「く・び・れ展」は、500円くらいは払ってもいいと思った内容だったから、この必殺ワザを使えば、500円払って「く・び・れ展」を観たら、サービスで「べジーデライト」と「ジャスミンティー」を無料でゴチソウしてもらえた上に、割引期間で10円返してくれた‥‥ってふうに考えることができる。そうすると、さっきまで「1食に490円も使っちゃったよ」って思ってた気持ちが180度クルリンパして、ナニゲに、ものすごく得したような気分になって来る。なんてワンダホーで都合がいい必殺ワザなんだろう(笑)
で、気分的にカロヤカになったあたしは、まだまだ時間がいっぱいあったし、この日は電車だったから、駐車料金の心配をすることもなかった。それで、いつもなら「ツリボリ三軒茶屋」に寄って、600円で1時間ほど金魚釣りをして楽しむとこだったんだけど、残念ながら、みんなに愛されて来た「ツリボリ三軒茶屋」は、昭和38年(1963年)からの45年もの長い歴史に幕を下ろして、去年の10月25日に閉店しちゃったのだ。ちなみに、コレが、営業してた時の映像だ。
‥‥そんなワケで、あたしのマンションから歩いて5分の高島屋の屋上の金魚釣りも、ずいぶん前にリニューアルでなくなっちゃったし、あたしのマンションから歩いて3分の「いぬたま・ねこたま」の中にあった釣り堀の「わんぱく太郎」も、3年前に東急グループの再開発で潰されちゃったし、あたしのマンションから電車で10分の「ツリボリ三軒茶屋」も、とうとう営業を終えちゃったし、あたしの大切な釣り堀が、次々となくなってく。地元に2軒あった銭湯も両方ともなくなっちゃったし、あたしの大好きな場所がどんどん消えてくのは、時代の流れだってことは分かってても、とっても寂しくなる。
でも、常にポジティブなあたしとしては、どんなに釣り堀が消えてっても、目の前を流れる「多摩川」っていう巨大な釣り堀に新たな希望を見出してる。「わんぱく太郎」や「ツリボリ三軒茶屋」は、1時間600円だったけど、多摩川なら、朝から晩まで1日ずっと釣りをしても500円だ。さらに言えば、1年中いつでも釣りができる「年券」てのを買えば、たしか4500円か5000円くらいだったから、365日、1日も休まずに釣りをすれば、1日あたり12円になる。もっと言えば、お金を払わずに釣りをしてる人たちがマウンテンだし、スーパーカブで巡回してるオジサンに入漁料を徴収されそうになると、オジサンに向かって逆ギレして、「まだ1匹も釣れてねえし、今やめて帰るから払わなくていいだろ!」って怒鳴りつける恥知らずな大人もいる。
ま、そんなこんなもありつつ、今まで何度が書いて来たように、東京と神奈川の間を流れる多摩川は、今や「タマゾン川」って呼ばれてるほど、トンチンカンな外来魚のパラダイスになってる。ブラックバスやブルーギルなら、あたしも何度も釣ってるけど、他にも、グッピーやディスカスなどの熱帯魚から、ティラピア、チャネルキャットフィッシュ、フロリダガーパイクなんていうワイルドなヤツラまで、なかなかの顔ぶれが揃ってる。一方、昔からいたライギョやタイワンドジョウは激減しちゃったけど、ナマズは今も健在だ。
あたしの地元のニコタマは、今は東急グループの再開発工事のセイで釣りにくくなってるけど、水温が20度くらいになる4月ころからは、駅から1分のブロック岸でナマズの夜釣りができる。ちょっと専門的なことを書くと、ジッターバグとか、クレイジークロウラーとか、派手な音と水しぶきが出るトップウォータープラグの大きなサイズ、1/2ozから3/5ozくらいのもので、トリプルフックをダブルのバーブレスに交換して、月明かりの中、水面をカポカポと引いてくると、大きなナマズがガボッ!っと出る。レギュラーサイズは45cmくらいだけど、運が良ければ60cmオーバーも出る。
ただ、ナマズは捕食が下手なので、ルアーが通過したとこにガボッ!っと出たりするから、ちょっと引いたら長めにポーズ、ちょっと引いたら長めにポーズ‥‥ってふうに、食いつく時間を与えてやるのがコツになる。このポイントは、多摩川の本流じゃなくて、本流から枝分かれした三日月湖テイストの副流だから、ほとんど流れがなくて、トップウォーターで遊ぶには最適だ。それに、夜なら、スーパーカブで巡回してるオジサンは来ないし(笑)‥‥ってのはギャグだけど、あたしの場合は、前から言ってるように、オヤニラミを狙ってる。
オヤニラミは、こないだ、NHKの「ダーウィンが来た!」でも取り上げてたから、そこそこメジャーになっちゃったかもしれないけど、もともとは西日本にしかいなかった淡水魚だ。だけど、観賞魚屋さんで、1匹500円くらいで売ってることもあって、どこかの誰かがゲリラ放流したみたいで、数年前から、多摩川でも繁殖し始めた。最初は、多摩川の支流の野川で繁殖して、それが多摩川にも広がって来たみたいなんだけど、野川は釣りが禁止だから、あたしは多摩川のほうで釣るしかない。でも、繁殖ポイントは何箇所もチェキしてあるから、ワリと簡単に釣れると思う。
ホントなら、アパッチけんさんみたいに、ウエイダーを穿いて川に入ってって、四手網で芦ギワをガサガサやれば簡単に捕れるんだけど、あたしは釣りにこだわってるから、シモリウキを使ったミャク釣りで、アカムシをエサにして釣ろうと思ってる。できれば、極小のルアーやフライを使って釣りたいんだけど、そんな道具は持ってないから、クチボソ釣りに使ってる釣り竿で釣ろうと思ってる。そして、何匹か釣れたら、オスとメスを1匹ずつ飼おうと思ってる。もちろん、今の水槽に入れるワケにはいかないから、その時は、キヨミズの舞台の上でカラオケを熱唱したつもりになって、ドンキホーテで新しい水槽とブクブクを買うつもりだ。
‥‥そんなワケで、あたしは、食べるお魚じゃなくて、鑑賞するお魚の中だと、ハタの種類が一番好きで、それに準じて、スズキとかメバルとかが好きなんだけど、こんなもん、お家で飼えるワケがない。そして、お家でも飼えそうな淡水魚だと、あたしの好みに合ってるのは、ブラックバスやブルーギルになっちゃうんだけど、ブラックバスは大きくなりすぎちゃうからムリだ。それ以前に、自民党の小池百合子とかいう大バカが、パブリックコメントの結果を無視して、専門家たちの意見も無視して、独断で「害魚」に認定しちゃった。だから、多摩川でブラックバスやブルーギルを釣った場合には、お家に持って帰っても逮捕されちゃうし、多摩川にリリースしても逮捕されちゃうし、その場で殺さなきゃいけなくなったのだ。
で、ブラックバスやブルーギルは、法律的にも飼えなくなっちゃったから、ニポンの在来種の中で、あたしの好みのスタイルをしてるお魚って言うと、四万十川でオナジミのアカメと、このオヤニラミしかいないのだ。だけど、「釣りキチ三平」の58巻と59巻を読んだ人ならご存知のように、アカメは2mくらいになっちゃうから、パリス・ヒルトンでもない限り、お家で飼うことはできっこない。それに比べて、目の前の多摩川で釣れる上に、最大でも15cmくらいにしかならないオヤニラミは、すべてがあたしの理想のお魚なのだ。
ただ、オヤニラミは、とっても縄張り意識の強いお魚なので、小さな水槽で何匹も飼うと、ケンカになっちゃう。60cmの水槽だと、オスとメスを1匹ずつがギリギリみたいだ。だけど、心が落ち着いてる時にはシマシマになったり、イライラすると黒くなったりって、その時の機嫌で体の色が変わるし、求愛のダンスや、卵を産んでからのダンスも楽しいので、鑑賞するにはモッテコイだと思う。ちなみに、このオヤニラミって名前は、卵が孵化するまでオスが守ることから、「親が睨みを効かす」って意味とか、縄張り意識が強いことから、「たとえ親でも睨みつける」って意味とか、体にある目玉みたいな模様を「子供の目玉」、本物の目玉を「親の目玉」として、子供が親を睨んでるように見えるって意味とか、いろんな説がある。
オヤニラミは、他にもいろんな呼び名があって、中国地方では、求愛の時の変わった動きから、「ミコノマイ(巫女の舞い)」とか「ネコノマイ(猫の舞い)」とか呼ばれてるし、福岡や熊本では「ミズクリセイベエ」とか「ミツクリセイベエ」とか呼ばれてる。これは、「水繰り清兵衛」ってことで、メスが産んだ卵を守るオスが、常に卵に新鮮な水が行くように、胸ビレをヒラヒラさせて水繰りする様子から名づけられた。それから、広島や九州の一部では、本物の目玉と体の目玉模様の数を足して「ヨツメ」って呼ばれてるし、長崎では、見た目が海のメバルに似てることから、「カワメバル」って呼ばれてる。
胸ビレの動きが、お相撲の「四股」を踏む動きに似てることから、「シコウオ」って呼んでる地方もあるし、自分の縄張りを守るために行ったり来たりしてる様子が、機織(はたおり)の筬(おさ)を掛ける動きに似てることから、「オサカケ(筬掛け)」って呼んでる地方もあるし、「睨み」がそのまま変化して「ネラミ」って呼んでる地方もある。他にも、「ミコドン」「ミコシンダイ」「オサジャコ」「ケントバイ」「ケントババー」「セイジャンババ」「トウサブロー」‥‥って、まだまだいろんな呼び名がある。
‥‥そんなワケで、こんなふうに、いろんな名前で呼ばれてるオヤニラミだけど、「オヤニラミ」や「ヨツメ」や「ネラミ」みたいに、体の模様からつけられた名前の他は、ほとんどが「動き」からつけられた名前なので、それだけ、動きに特徴があるお魚だってことで、水槽で飼ったら、何時間見てても飽きないと思う‥‥ってことで、今日の日記を読んで、オヤニラミを飼いたくなった人がいたと仮定して、最後にプチ情報をお届けしちゃうけど、関東だと、オヤニラミは、多摩川だけじゃなくて、あたしが聞いただけでも、相模川の支流や、利根川の支流や、入間川の支流なんかで確認されてるから、もっと他の川でも繁殖してると思う。ポイントとしては、流れの速い本流じゃなくて、流れが緩くて水深の浅い支流やワンドの芦ギワが狙い目なので、「我こそは!」って人は、ウエイダーを穿いて川に入って、四手網でガサガサやってみて欲しいと思う今日この頃なのだ。
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