がんばれ!国母選手!
あたしは、基本的に、オリンピックは好きじゃないので、バンクーバーオリンピックも特に観るつもりはなかったんだけど、男子のスノーボードだけは観てみようかな?‥‥って思った。それは、国母(こくぼ)和宏って選手が、どんな演技を見せてくれるのか興味を持ったからだ。国母選手は、ドレッドヘアにサングラスに鼻ピアス、ニポン選手団の公式のブレザーを着崩して、まるで偏差値の低い高校のガキみたいなだらしないカッコで成田から出国したため、全日本スキー連盟(SAJ)に抗議の電話が殺到した。そして、オリンピック村への入村式を自粛させられるっていう前代未聞の結果になったんだけど、その後の記者会見では、記者からこの件に関して質問されると、一瞬、「チェッ!めんどくせえな!」って感じで眉をしかめてから、「反省してま~~~す」って、1ピコグラムも反省なんかしてない調子で返事をした。
で、世の中の反応はって言うと、「日本代表としての自覚がまったくない!」「日の丸を背負ってるんだから、もっとキチンとすべきだ!」「日本の恥だ!」っていう厳しい批判と、「今どきの若者らしくて別にいいんじゃないの?」「いくら日本代表でもファッションは個人の自由でしょ」「服装よりも結果が重要」っていう擁護する意見とに二分された。ま、世の中の意見が二分されるのは予想通りだったけど、意外だったのは、厳しく批判してる人たちの多くが、国母選手と同世代の20代から30代を中心とした若い人たちで、逆に擁護してるのが、50代、60代の人たちだったってことだ。
それで、あたしの意見についてはオイオイ書いてくけど、こうした世の中の声を聞いて、あたしが真っ先に感じたことは、「朝青龍の問題とおんなじじゃん」てことだった。美しいものが好きなあたしは、太った男が裸で抱き合う姿なんて見たくないので、お相撲はまったく興味がないんだけど、朝青龍の問題に関しては、イヤでも耳に入って来る。外国から出稼ぎに来てるスポーツ選手に、どんなことしたって理解なんかできるワケがない「ニポン人の精神性」なんかを押しつけて、さんざん利用して金儲けをした挙句に、風向きが悪くなったらポイ捨てしちゃったんだよね。朝青龍に対して「品格」って言葉を連呼してた人たちが、みんな品格のある人物だったのか、あたしはハナハダ疑問に思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、ニポンの武士道の精神性はワリと好きだし、土俵の上で、負かした相手の目の前でガッツポーズをするってことが、この精神性に反してることもよく分かる。だけど、そんなことを強要するのなら、最初から、外国人なんか入れなきゃいいじゃん。お相撲はニポン人だけしか参加できないことにして、外国人なんか入れなきゃいいじゃん‥‥って思う。まったく違う文化や伝統の中で育って来た外国人を連れて来て、ニポン人独特の精神性を強要するのって、ある意味、DVみたいなもんだと思う。結局、ロクなニポン人力士を育てることができずに、外国に「金の卵」を物色しに行くようになった相撲界自体に問題があることなのに、それを棚に上げて、ニポン人の精神性を理解できなかった外国人力士を批判するなんて、あたしはスジが違うと思う。
で、スノーボードの国母選手の問題だけど、まず、あたしが感じたことは、国母選手の服装や態度をどうこう言う前に、それを批判してる人たちの論調が、みんな、軍国主義的って言うか、北朝鮮フレーバーな感じがして寒気がしたってことだ。あたしは、基本的に、オリンピックは好きじゃないので、今まで、ほとんど観たことがない。サッカーのワールドカップとおんなじで、ヒステリックに「ニッポン!ニッポン!」って騒いでる人たちを見てると、北朝鮮みたいで恐怖を感じるからだ。
冬季オリンピックで、スキーのジャンプ競技のニポンの選手たちのことを「日の丸飛行隊」って呼ぶのも、マジで寒気がするし、実況アナが「神風は吹くか?」なんて言ってるのを聞くと、震えが止まらなくなる。あたしの大好きなF1にしても、テレビの実況アナや解説者は、ヤタラと「ニッポン」とか「日の丸」って言葉を連呼するけど、聞くたびに気持ち悪くなっちゃう。この時代錯誤な感覚、どうにかならないの?まるで、どっかの東京都知事みたいに、脳みそがオカラで出来てんじゃないかと思っちゃう。
オリンピックにしたって、サッカーのワールドカップにしたって、F1にしたって、戦争じゃなくてスポーツなんだから、国や肌の色に関係なく、個人個人がそれぞれ好きなチームや選手を自由に応援すればいいのに、なんか、「ニポンを応援しないニポン人は非国民だ!」的な空気が漂って来て、ホント、背筋がゾッとしちゃう。これは、「大阪人なら阪神を応援しろ」って言ってるのとおんなじで、あまりにも押しつけ感が強すぎる。生粋のジャイアンツファンの橋下ちゃんを府知事に選んだ大阪の人たちの心の広さを見習って欲しい。
あたしは、オリンピックは観ないって言っても、どの国の選手かは関係なく、ただ好きな選手が出る競技や試合だけは観ることがある。トリノオリンピックの時は、大好きな荒川静香さんの試合だけは観た。だけど、あたしが、オトトシの北京オリンピックをまったく観なかったのは、こうしたこととは別で、中国政府が海外からの観光客や取材記者たちに「中国は衛生的な国だ」ってイメージを植えつけるために、何十万匹もの野良猫と何万匹もの野良犬を殺戮したからだ。こんなことしてまで開催して、何が「平和の祭典」だって思ったから、「個人的ボイコット」として、好きな選手が出る競技も含めて、いっさい観なかった。
‥‥そんなワケで、あたしが荒川静香さんの試合しか観なかったトリノオリンピックにも、国母選手は参加してたそうだ。当時、17才の高校生だった国母選手は、20位だか30位だか、予選敗退っていうパッとしない成績だったから、これといってマスコミには取り上げられなかったみたいだ。だから、今回の問題で、初めて国母選手を知ったって人も多いと思うし、あたしも、その中の1人だ。正直、あたしは、制服がブレザーの高校生たちが、パンツが見えるほどズボンを下げて穿いて、ネクタイをユルユルに垂らして、ジャニタレやホストみたいなボサボサの髪で歩いてるのを見ると、とっても不潔そうに感じるし、激しくダサいと思うし、ものすごく知能が低そうに見える。もちろん、人それぞれ、どんなカッコをしようと自由だから、別に何も文句はないけど、あたしには、そう見えるってことだ。
だけど、社会人になったら、誰もがみんなちゃんとスーツを着るようになるワケで、パンツが見えるほどスーツのズボンを下げて会社へ出勤してるサラリーマンなんていないだろう。ようするに、こうしたファッションてのは、高校生くらいまでのお子様のファッションてワケで、一過性のモノだってワケだ。だから、あたしは、いくら社会人じゃなくて大学生だとは言え、もう21才にもなった国母選手が、こんな偏差値の低い高校のガキみたいな着崩し方をしてるのを見て、「まだ大人になりきれてない子供なんだな」って思った。
今回、国母選手のファッションを批判した人たちの多くは、昭和の死語で言えば「TPOをわきまえてない」ってことを怒ってるワケで、国母選手がプライベートでお尻を出して歩いてても、それについてはノープラモデルだと思う。つまり、「ふだんはどんなファッションでも自由だけど、ニポンの代表として海外へ行く時くらい、ちゃんとしたカッコをしろ!」ってことなんだと思う。チンピラみたいなファッションを売り物にしてる、あのエグザイルでさえも、天皇の前で歌う時には、サングラスを外して頭のスジを消して歌ったのに‥‥ってことだろう。例としては不適切かも知れないけど、たとえば、国母選手の親が亡くなって、自分が喪主としてお葬式に出る時にも、彼は喪服のズボンを下げて穿き、シャツを出して、ネクタイをユルユルに垂らすだろうか?‥‥ってことだ。
あたしは、サスガに、それはないと思う。いくら国母選手だって、お葬式や結婚式に出席する時には、ちゃんとスーツを着るだろうし、ちゃんとネクタイを締めると思う。で、国母選手を批判してる人たちは、ニポンの代表として海外のオリンピックに出ることが、お葬式や結婚式とおんなじ「特別なこと」だって思ってるから、カンカンに怒っちゃって、わざわざ全日本スキー連盟にまで抗議の電話をしたんだろう。でも、記者会見で、「今回のオリンピック出場をどう思っているか?」って質問された国母選手は、「僕にとっては年間にたくさんある試合の中の1つにしかすぎません」的なことを言った。これを聞いて、あたしは、すべて納得できた。
国母選手は、去年の11月にスイスで開催されたスノーボードのワールドカップに出場して、ミゴトに優勝したそうだけど、本人にしてみれば、こうした国内外の試合に出場してたら、自動的にバンクーバーオリンピックの代表に選ばれちゃった‥‥ってだけのことで、ぜんぜん「特別なこと」じゃないんだろう。オリンピックを「特別なこと」だと思ってたら、あのファッションはいただけないけど、たくさんある試合の中の1つとしか思ってないのなら、いつもの通りのファッションでも別に問題はない。問題があるのは、そうした選手を選んだ側なのだ。全日本スキー連盟が、「オリンピックに出場する選手は服装や態度をキチンとすべき」って考えてるのなら、選手を選ぶ時点で、1人1人の服装や言動を細かく調べて、国母選手を「不適格」にすれば良かったのだ。だけど、全日本スキー連盟は、そうしたことはノータッチで、成績だけで選手を選んだ。だから、批判するのであれば、国母選手じゃなくて、全日本スキー連盟を批判すべきだと思う。
‥‥そんなワケで、あたしは、ニポン人の精神性が理解できない朝青龍に「横綱としての品格」を求めることも、オリンピックを「たくさんある試合の中の1つ」としか思ってない国母選手に「ニポンの代表としての自覚」を求めることも、単なる「主観の押しつけ」でしかないと思う。そして、こうした「主観の押しつけ」をしたいのなら、最初から、こうした力士や選手は選ばなきゃいいと思う。相撲界にしても、スキー連盟にしても、実力よりも服装や態度が自分たちの好みに合った力士や選手を選べばいいと思う。自分たちが力士や選手の実力だけを選択基準にしておきながら、あとから何か問題が起こると寄ってたかっての個人攻撃だなんて、アスカ的に言えば「なんかイヤ~ンな感じぃ」ってとこだ。これで、もしも、国母選手がメダルを獲ったら、今、批判してる人たちは、自分たちが批判してたことなんかコロッと忘れちゃって、「オレ流で金メダル!やったぜ国母!」なんて見出しのスポーツ紙をニコニコしながら読むんだろうな。だから、がんばれ!国母選手!あたしが応援してるぞ!メダルを獲って、堂々とズボンを下げて帰って来い!‥‥って感じの今日この頃なのだ♪
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