松尾疲れ
こないだの水曜日は、あたしが唯一お金を払って買い続けてる雑誌、「テレビブロス」の発売日だったので、近所のコンビニに買いに行った。で、まずは、一番好きな清水ミチコさんの「私のテレビ日記」を読んで、その次に龍ヶ崎あきらさんの「若者たちの神々」を読んでから、いつものように、松尾スズキさんの「お婆ちゃん!それ、偶然だろうけどリーゼントになってるよ!!」から順番に読み始めた。そしたら、その松尾スズキさんのコラムが、「松尾界の壁」ってタイトルで、すごく面白かった。「松尾」と言えば「松尾芭蕉」だけど、5人に1人くらいには、「松尾」と言えば「松尾スズキ」って言ってもらえるようになりたい‥‥ってワケで、現在の「松尾」の状況を調べるために、インターネットで「松尾」を検索してみたそうだ。
そしたら、一番上に、「松尾ならアマゾン」ていう宣伝が出たので、それをクリックしてみたら、アマゾンで売られてる「松尾」って名前の著者の本の一覧が表示されて、1位が松尾貴史さんの新刊の「なぜ宇宙人は地球に来ない?」(PHP研究所)で、自分の「老人賭博」(文藝春秋)は3位だった‥‥ってクダリから、お話は進んでくんだけど、ここにぜんぶ書くワケには行かないので、皆さん、「テレビブロス」を買って読んでちゃぶだい。
ちなみに、あたしは、松尾貴史さんには、書籍版「きっこの日記 2」で、素晴らしい後書きを書いていただいたこともあるので、時々メールをやりとりする程度の関係はあるんだけど、松尾スズキさんは、何度か近距離で目撃したことがあるくらいで、直接は知らない。だけど、しばらく前に、松尾スズキさんのブログをマトメた本の第2弾、「俺はモテても困らない」(ロッキング・オン)を読んだばかりな上に、この本が出るころの「テレビブロス」の松尾スズキさんのコラムで、もちろんシャレだろうけど、「お金のためにイヤイヤ続けてたブログがやっと終わって肩の荷がおりた」的なことを書いてたのを読んでたので、あたしは、「ハハ~ン、この本が例のブログをマトメた本なのか」って思いつつ楽しませてもらった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、まだ、松尾貴史さんの「なぜ宇宙人は地球に来ない?」を読んでないんだけど、各方面で大絶賛の嵐なので、今、読んでる何冊かの本を読み終わったら、その次に読んでみようと思ってる。それから、こないだの芥川賞で、「クワイエットルームにようこそ」に続いて二度目のノミネートをされちゃった松尾スズキさんの「老人賭博」も、まだ読んでないんだけど、これまた各方面で大絶賛の嵐なので、読んでみようと思ってる‥‥ってことで、あたしは、さっそく、松尾貴史さんにメールして、テレビブロスの松尾スズキさんのコラムに、「なぜ宇宙人は地球に来ないのか」のことが出てるってことをお知らせした。
そしたら、すぐにお返事が来て、「松尾スズキさんとは20年近く前からの知り合いで、よくコントなどで共演していたのですが、あちらがどんどん巨匠になって行くにつれ余り会う機会が少なくなっているのです。」っていうプチ情報とともに、「テレビブロス、買います!」って書かれてた。だから、「テレビブロス」の関係者の皆さん、1冊だけど、販売に貢献しましたよ~♪‥‥なんてことも織り込みつつ、「テレビブロス」の今回のコラムで、松尾スズキさんは、「松尾」って名前の中で、松尾芭蕉に続いて2番目くらいに認知されたいってことを書いてる。だけど、インターネットで検索してみたら、1位が千葉県の「松尾駅」で、2位が「松尾貴史」で、3位が「松尾翠」で‥‥って続いてて、「松尾スズキ」は8位だったって書かれてた。
だけど、あたし的には、松尾貴史さんも松尾スズキさんも知ってるけど、「松尾翠」って誰?‥‥ってことで、さっそく調べてみたら、フジテレビの女子アナなんだって。こんな人、ぜんぜん知らなかった。ま、あたしの場合、民放の女子アナは、あまりにも無知無教養なので、最初から興味がない。あたしが好きなのは、「おはよん」の中田有紀ちゃんを始め、セントフォースから各番組に派遣されてる「ちゃんと原稿が読める女子アナ」だけで、顔とコネだけで入社した局アナには何の魅力も感じてない。で、この「松尾翠」について調べてみたら、やっぱり、あたしの予想通りで、妻帯者の男とホテルで不倫してるツーショット写真が流出しちゃってるアホ丸出しの経歴の持ち主だった。男の腕マクラで、だらしない顔して、自分で手を伸ばして記念のツーショットを写してるなんて、あまりにもユルユルだ。ま、民放の中でも最低な「フジテレビの女子アナ」なんだから、こんなもんだろうけど。
‥‥そんなワケで、話はクルリンパと「松尾」に戻るけど、松尾芭蕉も、松尾スズキさんも、「松尾」って苗字は本名で、下の名前だけが俳号だったり芸名だったりしてる。だから、この「松尾」は動かしようがない。だけど、松尾貴史さんの場合は、苗字も名前も芸名で、本名はぜんぜん違う。もともとは、「キッチュ」っていう芸名でデビューして、古舘伊知郎の「古舘プロジェクト」に移籍した時から、この「松尾貴史」っていう芸名を使うようになった。ちなみに、ご本人が書いたプロフィールには、「1989年、元日付けで、株式会社古舘プロジェクトにエージェントを変更。4月3日より、『松尾貴史』という無根拠な芸名も名乗り始める。」って書かれてる。
で、ご本人は「無根拠な芸名」って書いてるけど、一説には、古舘伊知郎の奥さんの旧姓が「松尾」で、それを拝借したとかって話もあるみたいだ。ま、根拠があってもなくても、本名とはぜんぜん違う芸名なのにも関わらず、「松尾貴史」って名前は、すごく本名っぽく見える。普通、タレントが芸名を考えるとしたら、タカラヅカの芸名やホストの源氏名みたいなのはやりすぎだとしても、もうちょっと芸名っぽい芸名をつけると思うんだけど、「松尾貴史」だと、免許証や保険証に書いてあっても違和感がない「普通の名前」だ。それも、「キッチュ」っていう変わった芸名から「松尾貴史」に変更したって流れがあるから、ヨケイに「本名を名乗ることにした」ってイメージがある。
だから、世の中には、「キッチュの本名は松尾貴史だ」って思ってる人もいるほどだ。ま、その辺も含めての「松尾貴史」って芸名なんだと思うし、松尾貴史さんのことをテレビとかで観て知ってる人の何パーセントかが「キッチュの本名は松尾貴史だ」って思ってるって事実を知って、松尾貴史さんは「作戦通りだ。うしししし‥‥」って喜んでるんだと思う。聞いたことはないけど。
で、そんな「偽松尾」である松尾貴史さんの名前が、インターネットで検索してみたら、「本家の松尾」である松尾スズキさんの名前よりも上位に表示されたんだから、松尾芭蕉に続く全国2位の認知度を狙ってる松尾スズキさんとしては、心中オダヤカじゃないだろう。こうなったら、「偽松尾」と「本家の松尾」との全面戦争だ!‥‥って、無関係なあたしが勝手に煽るワケにも行かないけど、普通に考えてみれば、松尾貴史さんと松尾スズキさんの表示順位の違いは、単に露出してるメディアの違いによるものだって推察できる。
松尾貴史さんが、複数のワイドショーやクイズ番組を始めとしたテレビ番組によく出てるのに対して、松尾スズキさんは、こうした媒体にはメッタに顔を出さない。だから、豹柄の服を着たパンチパーマの大阪のおばちゃんなら、松尾貴史さんのことは知ってても、松尾スズキさんのことは知らない可能性が高い。でも、松尾貴史さんのことを知ってる大阪のおばちゃんでも、「ミヤネ屋に出てるあの人」とか「ちりとてちんに出てたあの人」ってレベルの認識だけで、松尾貴史さんがいろいろと活動してる「テレビタレント以外の姿」に関しては、まったく知らないかもしれない。
一方、松尾スズキさんのことを知ってる人は、こうしたテレビによる断片的な知識じゃないから、松尾スズキさんの様々なワークスについて、ほぼ認知してると思う。松尾スズキさんのことを知ってるのに、松尾スズキさんが劇団「大人計画」の主宰だってことを知らない人はいないだろう。そして、数々の輝かしい受賞歴を持つ脚本家であり、作家であり、演出家であり、映画監督であり、俳優であり、DJであり、インチキ料理人だってことも知ってるだろう。さらには、3年前に奥さんと離婚したことも、愛する猫の「オロチ」に会うために別れた奥さんのとこに通ってることも知ってるだろうし、その元奥さんが、ナゼだか、いつも血まみれで現われるってことも知ってるだろう(笑)
つまり、極端な言い方をすれば、松尾貴史さんの場合は、世の中に広く浅く認知されてるってことで、松尾スズキさんの場合は、狭く深く認知されてるってことになる。松尾貴史さんのことを知ってる人はたくさんいるけど、その多くは「キッチュの本名は松尾貴史だ」って思い込んでるような人たちで、ようするに、顔と名前が一致する程度の認識しかない。松尾貴史さんが、仲良しの春風亭昇太さんたちと、246と環七がぶつかる上馬(かみうま)の交差点の近くで、「bar closed」を共同経営してることなんて知らない人がほとんどだろうし、バーなのにカレーが名物だってことも、当然、知らないだろう。そして、去年、チャージを撤廃してから、売り上げが赤字転落したことも知らないだろうし、つい数日前、バーテンダーを募集してたことも知らないだろう。
だから、松尾貴史さんが、下北沢で「般°若(PANNYA)」っていうカレー屋さんをやってることも知らないだろうし、そのカレー屋さんに行った時に、道端で清水ミチコさんとハチ合わせしたってことも知らないハズだ。たとえば、松尾貴史さんのことを知ってる人が100人いたとしたら、こうした濃厚ミルクな情報まで知ってるのは、たぶん5人くらいなんじゃないかと思う。一方、松尾スズキさんのことを知ってる人が100人いたとしたら、そのうちの半数以上は、飼い猫の名前まで知ってると思う。ようするに、こと認知度に関して言えば、広くて浅い容器なのか、狭くて深さのある容器なのかっていう「容器の形状」の違いであって、その容量はほとんど変わらないと思う。
‥‥そんなワケで、あたしから見れば、松尾貴史さんも、松尾スズキさんも、おんなじくらい有名だし、それぞれに素晴らしい才能を持ってるエンターテイナーだと思ってるので、インターネットの検索の順位なんかだけで甲乙つけられないのは当然だけど、「松尾」って名前に関しても、やっぱり甲乙つけがたい。いくら、松尾貴史さんの「松尾」が本名じゃないとしても、一部の人たちが未だに超能力だって信じ込んでる「スプーン曲げ」をミスターマリックより5年以上も前から「演芸」として披露して来たのが松尾貴史さんなんだから、本名が「松尾昭」のミスターマリックを超えてることになるからだ。そして、新刊の「なぜ宇宙人は地球に来ない?」でも、いろんな超常現象って呼ばれてるモノに対して鋭いツッコミを入れてるそうだから、この本は必読だ。それから、松尾スズキさんの「俺はモテても困らない」もすごく面白かったから、芥川賞にノミネートされた「老人賭博」も必読だ‥‥なんて、最後にリトル宣伝を織り込みつつ、1日の日記で、こんなに「松尾」って書いたのは初めてだから、ナニゲに「松尾疲れ」しちゃった今日この頃なのだ(笑)
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