右を向けば下がる支持率
ここんとこ、新聞各紙やテレビ各局が、こぞってハトポッポ内閣の支持率が50%を割り込んだことや、支持と不支持とが逆転したことを報じてる。どうせマスコミの偏向世論調査なんだから、報道されてる数字をそのまま鵜呑みにすることはできないし、世論調査の結果は、それぞれの媒体の立ち位置によってマチマチだから、この結果だけでアレコレと論じることはできないけど、ハトポッポ内閣の支持率が下がり続けてることだけは間違いないだろう。
ちなみに、「毎日新聞」の場合は、ハトポッポ内閣を「支持する」が43%で、「支持しない」が45%で、「支持と不支持が僅差で逆転」て感じで報じてる。だけど、民主党の足を引っ張ることを公言してる「三流軽薄新聞」こと「サンケイ新聞」の場合は、ハトポッポ内閣を「支持する」が30%で、「支持しない」が54%で、「危険水域」だの「鳩山首相は正念場」だのって煽りまくりに報じてる。もちろん、こうした結果だけじゃなくて、まだ支持のほうが上回ってるとこもある。たとえば、生活者の生の声を発信してる「声活エンジン」のインターネット世論調査、「政治オぴみオン」では、3月上旬の時点で、ハトポッポ内閣を「支持する」が40.9%、「支持しない」が39.6%で、まだ支持のほうが上回るってる。
でも、「わずか1ポイント差で支持優位を維持したが、これが見納めになる可能性が高い」って解説してあるし、あたしもそう思う‥‥つーか、この世論調のあとにハトポッポ内閣は「自衛隊のイラク派遣は違憲とは言えない」っていう開いた口がふさがらない閣議決定をしちゃったんだから、今、世論調査をし直したら、もう逆転してると思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、今でも一応はハトポッポ政権を支持してるけど、そんなあたしでさえも、こう次から次へと公約を破りまくり、こう次から次へと態度や主張をパンサーチェンジ(豹変)されちゃうと、「おいおいおいおい!」って気持ちになって来る。そして、こんなに次から次へと国民の期待を裏切り続けてるハトポッポ内閣なんだから、支持率が下降し続けてることも、不支持率が上昇し続けることも、当然っちゃ当然だろうと思う。だけど、これまでの自民党政権の時と比べてみるとどうだろう。安倍内閣、福田内閣、麻生内閣の発足時と半年後の支持率と不支持率を見てみると、こんな数字になってる。
安倍内閣の発足時(2006年9月)、「支持する」63%、「支持しない」18%
安倍内閣の半年後(2007年3月)、「支持する」36%、「支持しない」43%
福田内閣の発足時(2007年9月)、「支持する」57%、「支持しない」25%
福田内閣の半年後(2008年3月)、「支持する」30%、「支持しない」51%
麻生内閣の発足時(2008年9月)、「支持する」45%、「支持しない」33%
麻生内閣の半年後(2009年3月)、「支持する」16%、「支持しない」76%
一方、現在のハトポッポ内閣はこうだ。
鳩山内閣の発足時(2009年9月)、「支持する」75%、「支持しない」17%
鳩山内閣の半年後(2010年3月)、「支持する」43%、「支持しない」45%
偏向的なマスコミの世論調査だってことは別にしても、こうして数字だけで比較すれば、ハトポッポ内閣は、これまでの自公政権よりも遥かにマシだってことが分かる。特に、発足時から支持率が過半数割れしてた前麻生内閣と比べると一目瞭然だ。それも、麻生内閣の半年後の2009年3月てのは、急落し続ける内閣支持率を何とかするために、東京地検特捜部を使って小沢一郎の元秘書を逮捕するっていうなりふりかまわない「国策捜査」まで炸裂させたあとなんだから、それでも麻生内閣の支持率はわずか16%、不支持率が76%ってのは、自公政権に対する国民のガマンの限界がトックに過ぎてたからだろう。
だけど、ハトポッポ内閣にしても、こんな史上最悪の「3バカ内閣」なんかと比較して、自分のほうが上だからなんてことで喜ばれたらたまんない。ハッキリ言わせてもらうけど、未だに43%もの支持率があるのは、この半年間のハトポッポ内閣の業績を評価してるからじゃないんだよ。支持者の多くは、期待が大きかっただけに、フタを開けてみた新政権のテイタラクに失望してるんだよ。だけど、あの最低最悪な自民党政権に逆戻りするのだけはカンペンして欲しいと思ってるから、仕方なく今でも支持してるってだけなんだよ。ようするに、今でもハトポッポ内閣にそこそこの支持率が残ってるのは、「自民党よりはいくらかマシだろう」ってだけの理由なんだよ。
そして、もう1つの視点としては、「自分たちが政権交代を望んだんだから、少しくらい思い通りにならなかったからって、わずか数ヶ月で手のひらを返したように批判するんじゃなくて、もう少し長い目で見てやろう」とか、「ゼロからのスタートじゃなくて、長年の自公政権の遺した『負の遺産』が山積みのマイナスからのスタートなんだから、せめて4年間はあたたかく見守ろう」とかって見方をしてる人たちだ。実際、あたしもそう思ってたし、今でもギリギリそう思ってる。でも、あたしの場合は、こないだのハトポッポの「原発の推進」発言で呆れ果てた上に、いつまでもイライラさせてる「普天間飛行場」の問題があるので、5月まではガマンするけど、5月になって、もしも「県内移設」に決定した場合には、完全にサジを投げる。
フランケン岡田やヌラリヒョン平野は、口をひらくたびに「民主党のマニフェストには『県外国外移設』なんてヒトコトも書いてない!」ってアジのヒラキナオリを連発してるけど、党の代表であるハトポッポが、沖縄の人たちの前や全国放送のテレビで「最低でも県外移設、できれば国外移設」って何度も約束したんだし、だからこそ沖縄の人たちは民主党を支持したんだから、こんなペテンは絶対に許されない。もちろん、沖縄の人たちだけじゃなく、あたしみたいに他府県の人間でも、このハトポッポの言葉を信じて支持した有権者は数え切れないほどいるだろう。
たとえば、この映像を見て欲しい。これは、ハトポッポが民主党の幹事長だった時のものだけど、自民党による辺野古への移設計画を厳しく批判して、何度も「われわれは県外移設、できれば国外移設」って繰り返してる。あたしたち地球人には理解できないシャツの趣味はともかくとして、言ってることだけは極めてマトモだ。そして、これだけのことをずっと言い続けて来たハトポッポが党の代表になり、選挙中にも「最低でも県外移設、できれば国外移設」って連呼して政権交代を果し、そして総理大臣になったんだから、今になって「民主党のマニフェストにはヒトコトも書いてない!」なんて言い出すのは、詐欺がバレた時の詐欺師の逆ギレでしかない。
それに、「原発の推進」にしたって、ハトポッポ内閣のやってることは、完全にマニフェスト違反だ。だって、去年の選挙の時に掲げた民主党のマニフェストには、次のように書いてあるからだ。
「安全を第一として、国民の理解と信頼を得ながら、原子力利用について着実に取り組む。」
これを書いてある通りに解釈すると、政権交代が実現したアカツキには、まずは既存の原発の安全性について徹底調査して、危険な点に関してはすみやかに改善する。そして、原発の利用に関しては、「国民の理解と信頼」を得た上で取り組んでく‥‥ってことになる。だけど、ハトポッポ内閣は、連日あちこちの原発で事故が起きてることもスルーして、全国の原発の周りで奇形の動植物が増加したり白血病が増加してることもスルーして、福井県の高速増殖炉「もんじゅ」を始めとした全国の原発での天下り問題もスルーして、さらには「国民の理解と信頼」をまったく得ずに、勝手に「原発の推進」を宣言しちゃったのだ。
その上、連立を組んでるオムライス党が、温暖化対策の基本方針を定める「地球温暖化対策基本法案」に「原発の推進」を盛り込まないようにって要求したのに、これまたスルー。そして、ハトポッポの「原発の推進」宣言と時を同じくして、東京電力による「青森県と福島県に原発4基を新設します」発言&経済産業省の資源エネルギー庁による「現在計画してる14基の原発がすべて完成しても2030年以降の20年間にさらに20基の原発の新設が必要」発言。あまりにもワンダホーなチームプレーが炸裂しちゃったのだ。「企業献金の全面禁止」どころか、「記者クラブの廃止」も「取調べの可視化」も手をつけずに先送りにしてるチキン内閣のぶんざいで、なんで問題がマウンテンな原発だけは、こんなにも大慌てで推進しようとしてるのか、あまりにも癒着の構図が見え見えだ。
‥‥そんなワケで、何としてでも自民党に返り咲いて欲しいと熱望してるマスコミは、現在のハトポッポ内閣の支持率低下の原因を「政治とカネ」の問題にしたくてたまらない。何でかって言うと、選挙の天才、小沢一郎を幹事長のままにして夏の参院選に突入することだけは避けたいからだ。だからこそ、トックの昔に「小沢一郎は潔白」って結果が出てるのに、消えかかった火種をウチワであおぎ続けて、未だに煙を立ちのぼらせてる。
だけど、国民のほうはと言えば、世論調査でハトポッポ内閣を「支持しない」って答えた人たちのほとんどが、「政治とカネ」の問題なんてどうでもいいと思ってる。ハトポッポ内閣を「支持しない」って答えた人たちの理由は、どの新聞やテレビの世論調査でもダントツの1位が「首相に指導力がない」で、2位以下は「景気対策が進んでいない」とか「公約を守らない」とかが並んでる。「政治とカネ」の問題を理由として「支持しない」って答えてる人は、わずか1ケタだ。
ようするに、国民の多くは、「政治とカネの問題なら自民党もおんなじじゃん」って思ってるワケだ。何しろ、前の麻生内閣の時なんか、閣僚の9割が違法献金まみれの顔ぶれだったんだから、それと比べたら、今の内閣のほうが遥かにマシだろう。もちろん、「政治とカネ」の問題を肯定するつもりはないけど、自民党だって民主党だって企業献金を受け取ってた以上、多かれ少なかれどこかで便宜供与してるに決まってんだから、国民の多くは、そんなことを与野党で突っつき合って国会を空転させるよりも、1日も早く「国民のための政治」をやって景気を良くしてくれ!って思ってるワケだ。
で、ハトポッポ内閣の支持率低下の原因をどうしても「政治とカネ」の問題にしたいマスコミとは違って、実際の原因はと言えば、「ハトポッポのリーダーシップの無さ」や「景気対策の遅れ」や「公約の反故」が大マカなとこだと思うけど、あたしは、もう1つ、大きな原因があると思ってる。それは、「政権交代後の右傾向化」だ。ハトポッポは、「政治を国民の手に取り戻そう!」って連呼して、あたしたち国民の側に立った選挙戦から政権交代を果たしたのに、政権の座についたトタンに、何だか自民党とおんなじようなことを言い始めた。「普天間飛行場」の問題だけでなく、先日の「自衛隊のイラク派遣は違憲とは言えない」っていう閣議決定しかり、あまりにも民意とはカケ離れた暴走を連発してる。
‥‥そんなワケで、ニポンよりも一歩早く政権交代を実現したアメリカでも、オバマ政権の支持率の低下が続いてるけど、その推移が、ハトポッポ内閣の支持率の推移に酷似してる。2009年1月20日にオバマ大統領が誕生してから、しばらくは70%前後の高い支持率をキープしてたけど、オバマ政権もニポンとおんなじで、前ブッシュ政権が遺した「負の遺産」がマウンテンだった。ブッシュが起こしたイラクとアフガンの2つの戦争による天文学的な借金問題しかり、デタラメな政策が招いた失業問題しかり、そうそう解決できるワケはない。だけど、オバマを支持した人たちの多くは、すぐに結果が出なくても、自分たちの望んだ政権交代なんだし、何よりも、あの最低最悪な共和党政権に逆戻りすることだけは避けたかったから、しばらくはあたたかく見守ってたんだと思う。
なかなか結果が出ずに、ジョジョに奇妙に支持率が下がり始めたオバマ政権だったけど、それでも60%前後の高い数字をキープしてた。だけど、これがガクッと下がったのが、去年の11月に、オバマがアフガニスタンへの3万5000人規模の増派を発表した時だ。アメリカの世論調査機関「ギャラップ」によると、この時に初めて支持率が50%を割ってるのだ。それまでは、「支持する」が60%前後、「支持しない」が30%前後だったのに、一気に10ポイント以上も動いて、「支持する」が49%まで落ち、「支持しない」が43%まで上昇してる。もちろん、アフガニスタンへの増派を発表したことだけが原因じゃなくて、経済政策などの失敗も原因になってるだろうけど、この増派の発表が支持率急落のキッカケになったんだと思う。
ブッシュの起こした戦争によって、数え切れないほどの人たちが亡くなり、天文学的な借金を背負わされたのに、何の根本的解決にもつながらないばかりか、テロ組織をパレスチナへ分散させるためだけに増派するなんて、言っちゃ悪いけどオッペケペーだ。分かりやすく言えば、自分の家の前に落ちてるゴミを隣りの家の前へ掃くってだけの話で、こんなことのために戦争を続けるなんて、ほとんどブッシュと変わらない。それも、「核無き世界を!」とかノタマッて「ノーベル平和賞」を授賞した直後に「アフガンへの増派」だなんて、全米からブーイングの嵐が巻き起こったのも当然だろう。
だいたいからして、オバマは、「イラクの駐留米軍の全面撤退」を公約に掲げてて、就任直後に実際の撤退計画を発表したことが、その後の高い支持率につながったって経緯がある。それなのに、イラクの米軍を撤退させても、アフガンの米軍を増派したら、何の意味もないじゃん。マスコミが報じる偏向報道なんかじゃなくて、実際にアフガンでどんなことが行なわれてるのかは、あたしが何度も紹介して来た「冬の兵士」を読んだ人ならご存知だと思うけど、こうして実際にアフガンでの地獄を体験して来た帰還兵たちの証言を読めば、作り物の映画なんかじゃ分からない真実の重さを感じることができるだろう。
ちなみに、「冬の兵士」は、現在発売中の「SIGHT」(ロッキングオン)の42号で発表された「ブック・オブ・ザ・イヤー2009」で、文芸評論家の斎藤美奈子さんが、5冊の中の1冊として選んでる。そして、斎藤美奈子さんは、作家の高橋源一郎さんとのこの本に関する対談の最後で、こんなふうに言ってる。
高橋 「まだやってるからね、戦争。」
斎藤 「まだやっててさ、オバマはまだ増派するって言ってるわけじゃない。そういう時にこの本が出る意味は大きいなあと思いますね。」
で、去年の11月に、アフガニスタンへの増派を発表して、ついに支持率が50%を割っちゃったオバマ政権だけど、年が明けても下降を続けて、とうとう今月には政権発足から最低の46%まで落ちた上に、不支持率が48%まで上昇して、初めて支持と不支持が逆転しちゃった。そう、ハトポッポ内閣とおんなじだ。そして、「支持しない」と答えた人たちの理由は、「景気対策の遅れ」や「失業問題」などニポンとおんなじような理由をあげてるけど、街の人たちの声としては「アフガニスタンへの増派」をあげる人たちが多い。さらには、オバマが就任直後にパキスタンへの空爆を指示したことにも触れて、「戦争に関してはオバマもブッシュと変わらない」って言って批判してる人たちも多い。
‥‥そんなワケで、あたしは、戦争でお金儲けをしてる兵器企業や防衛企業の関係者以外は、どこの国にも「戦争が好き」なんて人は1人もいないと思ってる。だから、ハトポッポも、心して普天間飛行場の問題に向き合って欲しいと思う。「どこに移設するか」なんてことで右往左往してるけど、戦後のドサクサに紛れてアメリカがニポンから強奪した土地を日米合意の通りにキチンと「返還」してもらうことこそが問題の本質なんだから、自分の家の前のゴミを隣りの家の前へ掃くようなマネだけはしないで欲しい。そして、そんなことをした日にゃあ、ハトポッポ内閣の支持率は麻生内閣並みに急落して、夏の参院選で大幅に議席数を減らすことは間違いないと思う今日この頃なのだ。
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