アフガンで米軍が民間人の老人を射殺
「アフガンで米軍が民間人の老人を射殺」(世田谷通信)
アフガニスタンの首都カブールの南西にあるワーダック州の村で、21日、自宅にいた高齢者の男性が米軍の兵士に射殺されるという事件が起こった。この日、米軍を中心としたNATO(北大西洋条約機構)軍は、この村にタリバンのリーダーが隠れているとの情報を元に捜査しており、ダリー語やアルドゥー語など複数の現地の言葉で「すみやかに住居から出ろ」と呼びかけたが、この男性だけが出て来なかったため、射殺したという。結局、この男性はタリバンとは無関係の民間人だったことが分かり、村のすべての民家を調べたがタリバンのリーダーやメンバーは1人も発見されなかった。米軍によるアフガニスタンの民間人の射殺事件は毎月のように続いており、昨年の年末にはクナール地区の東の村の民家を襲撃した米軍が、タリバンとは無関係の11才から17才までの少年8名を含む計10名の民間人を射殺した。また今年の1月30日にはウルヅガン州の村を襲撃して赤ん坊を含む5人の民間人を射殺。2月14日にはヘルマンド州のタリバンの隠れ家を狙ったアメリカ軍のロケット弾が、目標を外れて民家を直撃、民間人12人が死亡。翌日の15日にはカンダハル州で道路の脇に穴を掘る作業をしていた民間人の作業員を「爆弾を仕掛けているタリバン」と勘違いして空爆、民間人5人が死亡した。米軍を中心に行なっているタリバンの掃討作戦は、タリバンを攻撃することによってタリバンを支持している民間人の気持ちを引き離すことが目的のひとつだが、これではまったくの逆効果である上に、単なる無差別殺人でしかない。そのためアフガニスタン各地で起こっている反米デモは、ますます大規模になって来ている。(2010年3月25日)
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