火を噴くバット
数日前、車を運転しながらラジオを聴いてたら、宇宙飛行士の山崎直子さんのことを話してた。それで、「スペースシャトル」って言葉が出た時に、あたしは、ふと、「そう言えば、バドミントンのアレのこともシャトルって言うんだよな」って思った。たぶん、前日の夜に「報道ステーション」で、松岡修造がバドミントン選手のことを取り上げたのを観てたから、その影響だと思うんだけど、あたしの場合、何か思いつくと、どんどん妄想が膨らんでく。それで、あたしの頭の中のスクリーンには、地球を見下ろす宇宙空間で、宇宙服を着た巨大なバドミントン選手が2人、スペースシャトルを打ち合ってる映像が浮かび上がった。
そして、ここから思いついたのが、スペースシャトルの形をしたバドミントンのシャトルだ。もちろん、本格的なバドミントンじゃなくて、ラケットが2本とシャトルが2個くらいセットになってるヤツで、ドンキホーテとかで980円くらいで売ってるヤツ。あんな感じのお遊びのセットで、シャトルをスペースシャトルの形にして、ラケットもNASAっぽいデザインにして、1280円から1580円くらいで売り出したら、ケッコー売れるんじゃないか?って思った。それで、「お遊びなんだからラケットは楕円形じゃなくてもいいんだよな」とか、「NASAって文字を使うとマズイだろうから、中国のパクリ商品を見習ってNASUとかにしといたほうがいいな」とか、しょうもないことを考え始めた。
それから、「どこかに宇宙ステーションも使いたいな」って思って、宇宙ステーションとスペースシャトルを想像したら、ここで、あたしは、「スペースシャトルってサンダーバード4号に似てるよな」ってことに気づいた。サンダーバード4号は小型の潜水艦だから、空は飛ばないけど、宇宙ステーションとスペースシャトルを想像したら、サンダーバード5号と4号に似てるって思ったのだ。それで、あたしは、サンダーバードの形のシャトルのバドミントンのセットを作ったらどうだろう?って思って、それから、シャトルは1号と3号と4号にして、2号は楕円形っぽいからラケットにしたらどうだろう?‥‥って考えてるうちに、車は目的地に到着した今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、こんなふうに、ある言葉から変なことを考え始めると、それがどんどん膨らんでって、とんでもないとこまで発展しちゃう。そして、たいていの場合は、その時だけで終わっちゃうんだけど、長年、おんなじネタを考え続けてるケースもある。それが、スポーツニュースで、アナウンサーがプロ野球の結果を伝える時に、次から次へと登場する常套句の数々だ。どの放送局のどのニュース番組でも、プロ野球の結果を伝える時には、まるでマニュアルがあるんじゃないかって思うくらい、おんなじ表現を使ってる。
たとえば、ヒットを打った時に使う「バットが火を噴いた」とか、打てない時に使う「バットが湿りがち」とか、特によく使われる「反撃の狼煙(のろし)を上げる」とか、他にもいっぱいあるけど、あたしが子供のころから耳にして来た表現だ‥‥って言うか、あたしが生まれるずっと前から使われて来たと思う。ゴルフの場合も、「ガマンのゴルフ」なんていう常套句があるけど、野球の場合は数が多すぎる。そして、こうした常套句の数々は、どれも現実にはアリエナイザーなことばかりだ。ホントにバットが火を噴いたら大変なことになっちゃうし、いくらヒットが打てないからって、バットが水で湿ってるワケがない。そして、反撃するたびに狼煙をあげてたらシャレにならない。
そして、こうした使い古された常套句を耳にするたびに、あたしは、この悪しき伝統を何かに利用できないか?‥‥って、いつも思ってた。だけど、これは、モノじゃなくて言葉だから、バドミントンのシャトルみたいに商品化することもできないし、どうしたら有効に利用できるかって、いつも考えてた。だけど、コレと言って具体的なアイデアも出なくて、そのまま、長い長い年月が過ぎてった。たけど、とうとう、この「スポーツニュースのプロ野球の常套句」っていう無用の長物を生かすアイデアを思いついたのだ。
あたしは美女が好きなので、朝は中田有紀ちゃんを見るために「おはよん」を観ることが多い。それで、「今日のブラウス、ステキだな~」とか、「おおっ!美容院に行ったんだ!」とか思いながら、有紀ちゃんだけをウォッチしてる。そのため、他の人が担当してるお天気やスポーツのコーナーは、画面から目を離して音声だけを聴いてるんだけど、こないだ、前日のプロ野球の結果とサッカーの結果を続けて放送してた。ま、これはよくあることだけど、野球の「や」の字も知らないような女の子が、何十年間も使われ続けて来た「バットが火を噴いた」とか「反撃の狼煙をあげた」とかって、カビの生えた常套句を使ってるのを聴いて、いくら渡された原稿を棒読みしてるだけだとは言え、あたしは、何とも言えないブルーな気分になった。
そして、その次のサッカーの結果を聴いてる時に、「サッカーの場合はそんなに常套句は使わないのに、何で野球の時だけ、こんなにも耳障りな常套句を連発するんだろう?野球もサッカーみたいにサッパリとした表現をしてくれればいいのに‥‥」って思った。で、「野球もサッカーみたいに」って思った瞬間、あたしの頭の上で、100ワットの電球がパッと点灯して、ひとつの言葉が浮かんだ!
「少林サッカー」
そう、あの、とんでもない映画だ。あたしが、スポーツニュースのプロ野球の常套句を耳障りに感じてるのは、ドイツもコイツもバカのひとつ覚えみたいにおんなじ表現を繰り返してるからってだけじゃなくて、実際にはアリエナイザーな大ゲサな表現ばかりだから原辰徳‥‥じゃなくて、腹が立つのだ。だけど、映画にしてそれを実際にやっちゃったら、腹も立たなくなる。たとえば、強力な4番バッターがヒットを打ったら、ホントにバットから火が噴き出る。それなら、実況アナが「おおっと!○○選手のバットが火を噴いた~!」って言っても大ゲサじゃないし、翌日のスポーツニュースで女子アナが「バットが火を噴いた」って言っても問題はない。事実をありのままに伝えてるんだから、サンケイ新聞よりは遥かにマシだ。
だけど、ホントに火が噴き出るバットを作るのは大変だから、当然、「少林サッカー」みたいにCGを使う。5打席ノーヒットで「バットが湿りがち」な選手は、バットを雑巾みたいに絞ると、お水がボタボタと垂れる。負けてたチームが反撃する時には、ちゃんと狼煙をあげる。「弾丸ライナー」は、飛んでくボールが途中で「弾丸」に変わる。「ライトスタンドに突き刺さる特大アーチ」は、ホームランがアーチなってスタンドにバキバキと突き刺さる。「ランナーを2人背負ったピッチャーの○○は」って時には、ピッチャーがホントに2人の選手をおんぶしてる。「走者一掃のホームラン」なら、大きなホウキでランナーを掃いちゃう。「ピッチャーをマウンドから引きずりおろした」って時は、みんなでピッチャーの足を引っぱってズルズルと引きずりおろしちゃう。これはCGを使わなくてもできそうだ。
‥‥そんなワケで、あたしが思いついたのは、多くの人たちがウンザリしてるであろう常套句だらけのプロ野球ニュースの原稿の通りに、実際の試合のほうを作っちゃうって作戦だ。だけど、前日の試合を伝えるスポーツニュースのシチュエーションだと、迫力や臨場感に欠けるから、「常套句ばかり使うオリジナリティーの欠落した実況アナ」って設定にする。そして、「少林サッカー」みたいなノリの野球の試合の映像を作って、それを実況してるアナウンサーが常套句を口にするたびに、その言葉通りのことが実際に起こる‥‥ってワケだ。
こうすれば、聞き飽きた常套句に新鮮さが蘇るどころか、聞き飽きた常套句だからこその面白さが生まれる。それに、「アストロ球団」や「侍ジャイアンツ」みたいなアリエナイザーなプレーの数々が、いくらCGとは言え、マンガやアニメじゃなくて実際の人間がやるんだから、絶対に面白くなる‥‥って、今、思い出したけど、何年か前に、テレビ朝日で夜の11時くらいに、実写版の「アストロ球団」をやってたよな。アレも、ボールが燃えたり選手が燃えたりしてたけど、とにかく低予算だったみたいで、何から何までものすごく安っぽい作りだった。なんか、そこらのグラウンドで草野球みたいなノリでやってたし、変なカツラやメークの人ばかりで「忘年会」か「仮装大会」って感じだった。
「アストロ球団」にしても「侍ジャイアンツ」にしても、昔ならアニメじゃないと原作を再現できなかったけど、今のCG技術なら完璧に実写版で再現できるから、「少林サッカー」のレベルで制作したら、それなりにヒットすると思う。ちなみに、もしも「侍ジャイアンツ」の実写版を作るなら、番場蛮の役は段田男かな?(笑)‥‥なんてのも散りばめつつも、あたしが考えたのは、こうした架空の野球映画じゃない。あくまでも、実際のプロ野球の実況やスポーツニュースでの常套句に腹を立ててるんだから、実際のプロ野球の試合をベースにして作らないと意味がない。
だから、最近の巨人対阪神の打撃戦、たとえば、13日の試合みたいに、巨人の小笠原、亀井、ラミレスが爆発した上に押し出しまでもらって6点も先制したのに、阪神の鳥谷、新井、ブラゼル、桜井、マートンが爆発して大逆転‥‥って、こうした試合の実際の映像を編集して、1時間半くらいにマトメる。そして、これをベースにして、別録りで実況アナに数々の常套句を連呼させて、それに合わせて映像をCG処理する。そして、オマケとして、翌日の「おはよん」で女子アナが常套句を連呼するシーンも付け足す。もちろん、テレビの画面には、女子アナの読み上げてる原稿の通りに、ホントに火を噴いてるブラゼルのバットが映し出されてるってワケだ。これは絶対に面白いと思う。
‥‥そんなワケで、あたしには、資金力も技術力も行動力もないから、スペースシャトル型のバドミントンのシャトルも、ホントにバットが火を噴く巨人阪神戦の映像も、実際に作ることはできない。だけど、世の中には、一生かかっても使い切れないほどのお金を持ってる人たちもいるし、お金はなくても技術力や行動力のある人もたくさんいる。だから、そうした人たちの中で、タマにはヘンテコなことにチャレンジしてみるのも面白いかも?って思った人は、ぜひ、このアイデアを使って欲しい。ただし、あたしは、どんなに大ヒットしても1円もいらないけど、どんなに大損しても、いっさい責任は負わない今日この頃なのだ(笑)
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