アメリカ兵による無差別殺人
アフガニスタンで、タリバンとは無関係の一般市民を殺し続けてるアメリカ軍だけど、4月5日付のイギリスの「タイムズ紙」の記事を読んで、あたしは愕然とした。今までも、少年や少女、果ては赤ちゃんまで、どう考えても「タリバンと間違えて射殺した」なんて理屈は通らないような残酷な殺戮が繰り返されて来たけど、今回、発覚したのは、アメリカ軍が一般市民を射殺した上に、証拠を隠滅して事件をもみ消してたと言うのだ。
「タイムズ紙」の記事、「US special forces 'tried to cover-up' botched Khataba raid in Afghanistan」、直訳すれば「アメリカの特殊部隊はアフガニスタンのハタバ村の襲撃の失敗をもみ消そうとした」って意味の見出しだけど、この記事によると、今年の2月12日の夜、アフガニスタン東部のガルデス郊外のハタバ村の一軒のお家では、生まれたばかりの赤ちゃんの命名をお祝いするために、3人の音楽家と25人以上のお客を招待して、パーティーが行なわれてた。もちろん、タリバンとは無関係の一般市民たちだ。そして、新たな命の誕生をみんなでお祝いしてるところに、アメリカ軍の特殊部隊が突入して来て、ダレカレ構わずに銃を乱射した。
その結果、2人の妊婦さんと、十代の少女と、現地人の警察官と、その警察官の兄弟が射殺された。つまり、妊婦さんのお腹の赤ちゃんも含めて、7人の一般市民が殺されたのだ。そして、驚くべきことは、ここから先だ。タリバンの隠れ家と間違えて一般宅を襲撃したことに気づいたアメリカ兵たちは、その場で射殺した人たちの遺体から銃の弾丸を抜き取って回収して、傷口をアルコールで洗って、自分たちが誤射した証拠を隠滅した。そして、アメリカ兵たちは全員で口裏を合わせ、カブール本部に戻ると、「我々が到着した時には、民家にいた女性たちは、すでに何者かに撃たれて死んでいた。死後、数時間たっていた」って、スタンリー司令官に大ウソの報告をしたのだ。
‥‥そんなワケで、内容が内容だから、今日も「いかがお過ごしですか?」はナシにしてくけど、アメリカ軍によるイラクやアフガニスタンでの民間人殺害事件は、あまりにも残酷すぎる。今回、発覚したケースでも、新しい命の誕生をお祝いしてたパーティーの席が、一瞬のうちに血の海に染まった惨状になったから、それこそ「天国から地獄」だけど、アメリカ軍は、イラクでも、民間人の結婚式を武装勢力の集会と間違えて攻撃して、新郎と新婦を含む多くの人たちを殺害したことがあった。
だけど、アメリカのイラク戦争やアフガニスタン侵攻を支持して、全面的に協力して来たニポン政府としては、こうしたニュースを国民の耳に入れるワケには行かない。だから、これまでもほとんど報じられて来なかったけど、あたしは、海外メディアの報道をチェキして、できる限り「世田谷通信」で配信して来た。だから、今回のニュースも、最初は「世田谷通信」で取り上げるつもりだった。だけど、今回のケースは、民間人を殺害しただけじゃなくて、現場のアメリカ兵たちが、その証拠を隠滅して、上官にウソの報告をしてたってんだから、まるで高知県警や愛媛県警みたいなデタラメが炸裂してる。だから、ただ単に「起こった出来事」を伝えるだけじゃなくて、あたしの個人的な思いも含めて、「日記」のエントリーとして書くことにした。
で、まず最初に説明しとくけど、アフガニスタンでタリバンの掃討作戦を行なってるのは、アメリカ軍じゃなくてNATO(北大西洋条約機構)軍だ。だけど、このNATO軍てのは、アメリカ軍が中心になってて、司令官もスポークスマンもアメリカ軍の軍人で、作戦もアメリカが立ててる。そして、タリバンの隠れ家を襲撃して、間違えて民間人を殺し続けてるのも、みんなアメリカ軍の特殊部隊だ。だから、あたしは、分かりやすいように「アメリカ軍」て言葉を使ってる‥‥ってことで、これまでに「世田谷通信」でお伝えして来た事件だけを抜き出してみる。
2009年12月26日、11才から17才までの少年8人を含む計10人の民間人を射殺。(クナール州の村)
2010年1月30日、赤ん坊を含む5人の民間人を射殺。(ウルヅガン州の村)
2010年2月14日、アメリカ軍のロケット弾が民家を直撃、民間人12人が死亡。(ヘルマンド州の村)
2010年2月15日、道路工事中の作業員をタリバンと間違えて空爆、民間人5人が死亡。(カンダハル州の道路)
2010年3月21日、自宅にいた高齢者の男性を射殺。(ワーダック州の村)
もちろん、これは氷山の一角で、公式に発表されてるだけでも、アメリカ兵に殺された民間人の数は、アフガニスタンだけでも年間に400人以上、これまでに1000人以上が犠牲になってる。こちらのサイトに、去年1年間のアメリカ軍による民間人殺害事件がマトメてあるので、ぜひ見て欲しい。あまりの酷さに言葉を失うハズだ。そして、今回、発覚した2月12日の事件は、卑劣で残酷なアメリカ兵たちによってもみ消されてて、2ヶ月も経ってからようやく発覚したんだから、おんなじようにもみ消されたまま、未だに発覚してない事件もたくさんあるだろう。
‥‥そんなワケで、こうした無差別殺人を続けてるアメリカ軍に対して、ニポンは莫大な支援を続けてるんだから、あたしたちの税金が海の向こうの国の人たちを殺し続けてるってことになる。アメリカ軍に基地を提供し、気が狂うほどの爆音や流れ弾に耐え続け、アメリカ兵やその家族による数え切れないほどの凶悪犯罪にも目をつぶり、莫大な「おもいやり予算」を上納し続け、そして何が行なわれてるのかって言えば、他国の何の罪もない女性や子供やお年寄りを殺し続けてるだ。だけど、多くのニポン人には、そんな自覚はない。それは、実際の現場を見てないからだと思う。
だから、今日は、アメリカ兵が民間人を射殺する実際の映像を紹介する。これは、2007年7月、イラクのバグダッド郊外で、アメリカ軍のアパッチヘリコプターが、イラクの民間人やジャーナリストたちを低空から機関銃で射殺する衝撃映像だ。先に状況を説明しとくと、ロイター通信のイラク人のフォトジャーナリストが2人、現地の民間人を路上で取材してるんだけど、そのジャーナリストの持ってるカメラを武器だとカン違いしたヘリコプターのアメリカ兵が、ロクに確認もしないで機関銃を乱射するってものだ。
そして、1人のジャーナリストはその場で死亡し、負傷して路上に倒れてるもう1人のジャーナリストは、現地の人たちに助けられて運ばれたんだけど、ワゴン車に乗せられるとこで、また銃撃される。結局、この2人のジャーナリストの他に、現地の民間人も10人以上が射殺された。この映像は、軍の内部の人間が、真実を訴えるために持ち出して流出させたものだけど、アメリカ軍も事実だって認めてて、5日付で、「ヘリ部隊は2人の記者がいることに気付かなかった。罪のない人たちの命が失われたことは遺憾だが、われわれはこの事実をインペイしようとしたわけではない」って声明を発表した。
‥‥そんなワケで、YOU TUBEの映像だけを紹介するよりも、記事も一緒のほうが分かりやすいので、YOU TUBEの映像を含めて取り上げてるイギリスの「ガーディアン紙」の記事を紹介する。ちなみに、映像の前半は説明だけで、なかなか始まらないけど、しばらくすれば映像がスタートする。そして、もうひとつ、この無差別攻撃で奇跡的に生き残った子供2人と、ジャーナリストの遺族による涙の訴えも紹介する。遺族らは、アルジャジーラ放送のインタビューに対して、「アメリカ兵は人間じゃない!やつらは殺人鬼だ!」って訴えてる。また。こちらの映像にも、アメリカ軍による民間人を殺害するシーンがたくさん映ってるので、こうした映像が苦手な人は見ないで欲しい。だけど、こうした無差別殺人が、あたしたちの税金で行なわれてるってことを現実的に受け止めるために、あたしたちには「見る責任」があると思う今日この頃なのだ。
「アメリカ軍によるイラクの民間人射殺」
http://www.guardian.co.uk/world/2010/apr/05/wikileaks-us-army-iraq-attack
「遺族らの訴え」
http://english.aljazeera.net/news/middleeast/2010/04/20104705310123161.html
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