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2010.04.25

怒りの黄色いリボン

今日の「沖縄県民大会」は素晴らしかった。あたしは例によって日曜日はお仕事だったんだけど、1本目のお仕事が午後1時すぎに終わって、2本目のお仕事が夕方からだったので、何とかネット配信で観ることができた。ネットでは、「琉球新報」と「沖縄タイムズ」が生中継で配信する予定だった上に、会場のある読谷村の「FMよみたん」が1時から中継してくれるって言うので、オープニングイベントから観られると思って、すごく期待してた。何しろ、あたしのリスペクトしてる「沖縄のインディーズの母」、改め、「沖縄のエコ番長」のKEN子さんが司会だからだ。

今回の沖縄県民大会は、去年の衆院選の時に「最低でも県外、できれば国外」って約束したのに、未だに迷走を続けてる鳩山政権にイエローカードを出す!‥‥って意味から、参加者は、黄色いリボンとか、黄色いバンダナとか、黄色いシャツとか、黄色い帽子とか、みんな黄色いものを身につけて来るってことになってた。沖縄県民大会に合わせて全国各地で開催された同時アクションでも、大会やアクションに参加できない人たちも、気持ちをひとつにしてる人たちは、みんな黄色いものを身につけることになってた。だから、あたしは、ゆうべのうちにツイッターのアイコンを黄色い背景のものに替えて、今日は黄色のニットのワンピでお仕事に行った。

で、午後1時すぎに1本目のお仕事が終わったので、車の中で「FMよみたん」のサイトを見てみたんだけど、2つある画面の右側に会場が無音で映ってるだけで、まだ何も始まってない。時計を見ると1時10分だけど、あたしは「うちなータイム」なんだろうって思って、そのまま待ってた。実は、この時、ホントは3時からの大会だけを中継するハズだった「琉球新報」が、中継の準備が整ったので、すでに配信を始めてたのだ。でも、これを知ったのはアトからで、オープニングイベントは「FMよみたん」でしか配信しないと思ってたあたしは、そのまま待ち続けてた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、結局、「FMよみたん」で音が流れ始めたのは、DUTY FREE SHOPとカクマクシャカのコラボの途中からだった上に、カメラはステージを映してなくて、テントの放送ブースを映してるから、ステージの様子は音しか分からない。そして、ブースには東浜夏希さんがいたんだけど、すでに東浜夏希さんは歌い終わって、このブースに来てたってことが分かった。そして、あたしは、まだ「琉球新報」がステージの様子を中継してるってことに気づいてなかったから、そのままステージ上の演奏をBGMにして、「FMよみたん」の放送や東浜夏希さんのお話を聞いたりしてた。

ステージでは、胸にジーンと沁みる「非戦」を歌った村吉茜さんに続いて、テノール歌手の伊波惟行さんが迫力の歌声を響かせてた。だけど、画面に映ってるのは、ステージを映すカメラの調整が間に合わなくて困ってる「FMよみたん」の人たちで、そののんびりした様子が「ザ・沖縄」って感じで楽しかった‥‥と思ったのもトコノマ、画面が消えちゃった。それで、ツイッターを見てみたら、親切な人が「琉球新報」の中継が始まってるってことを教えてくれたので、すぐにアクセスした。そしたら、ちゃんとステージが映ってて、会沢芽美さんが澄んだ美しい声で、基地はいらないと言う子供たちの思いを代弁して歌ってた。

そして、小林流妙武館の子供たちによる可愛らしいけど勇ましい空手の演武と、勝連城十代目城主の「阿麻和利(あまわり)」の半生を演じる現代版組踊、「肝高(きむたか)の阿麻和利」がトリをつとめた。あたしは、こんなに素晴らしい伝統文化がある勝連の沖を埋め立てて巨大な人殺しのための基地を造ろうだなんて、計画するだけでもトンデモないことだって思った。で、オープニングイベントがすべて終わり、KEN子さんの「県民大会を盛り上げて行こーーー!!イエローカーーード!!」って掛け声に、広大な会場を埋め尽くした何万人もの人たちが「おおーーー!!」って応えて、いよいよ大会が始まった。

‥‥そんなワケで、約束の時間に1時間くらい遅れるのが当たり前の「うちなータイム」の沖縄で、3時ピッタリに大会が始まったってことが、すでに、この問題に対する県民の強い思いが全面に表われてたワケだけど、司会の読谷高校の女子高生が、プロの司会者も顔負けの素晴らしい進行をしてくれた。そして、まずは、共同代表の翁長(おなが)雄志那覇市長が開会の挨拶をした。翁長市長は、保守派も改革派も関係なく、超党派で集まったみんなが基地に反対してること、そして、保守派の仲井真弘多沖縄県知事までもが参加してくれたことに感謝を示し、「沖縄県民の心が、ここで、まさにひとつになった!」 「心をひとつにして沖縄の意思を発信して行こう!」 って言った。会場からは「おおーーー!」という歓声。

続いて、実行委員会の池間淳県議会議員が、決意表明してから、新聞やテレビやラジオで沖縄のメッセージを発信してくために、会場に集まった人たちにカンパのお願いをした。そして、共同代表の高嶺善伸(ぜんしん)県議会議長が、これまでに沖縄では米軍、米兵による事故や事件が「5634件」も起こって来たことから、政府案とされてる複数の県内移設先は、すべての場所の人たちが「NO!」と言ってること、北マリアナ連邦のテニアンでは「歓迎する」と言ってることなどをあげてから、国防長官だったラムズフェルド氏が「歓迎されない場所に基地は置かない」と明言したことを引いて、誰も歓迎してない沖縄ではなく、歓迎すると言っているテニアンにすべきだってことを示唆した。当然の理屈だ。高嶺議長の「これほど沖縄に米軍基地が集中しているのに、どうして普天間飛行場ひとつ返還できないのか!」って言葉には、会場から賛同の声があがった。

そして、会場のボルテージも上がって来たとこで、いよいよ、仲井真弘多沖縄県知事の登場。仲井真知事は、開口一番に、「私は日米安保を保持する立場ですが」って切り出して、それでも今回ばかりは黙っていられなかった、政府に言いたいことがあるから参加させていただいた、と話し始めた。会場からは大きな声援。仲井真知事は、政府に対する要望として、「政府は普天間飛行場の危険性を1日も早く除去すべき」&「沖縄だけに押しつけ続けてきた過剰な基地負担の抜本的な軽減」を訴えた。一応、条件付きで県内移設にも応じる構えを見せて来た仲井真知事だから、他の人たちのように「県内反対」とは明言しなかったし、民主党が「最低でも県外、できれば国外」ってことをマニフェストに掲げてないことを知った上で、あえて「鳩山首相は公約に沿ってネバーギブアップで進めて欲しい」っていう「逃げ場を作った物言い」にとどめた。だけど、それでも、最後には、「21世紀のビジョンは基地のない平和な沖縄を目指すことだ」って締めくくった。この決意表明は大きいだろう。

続いては、普天間基地のある宜野湾市の伊波洋一宜野湾市長が登場したんだけど、やっぱり、この人の演説が一番盛り上がった。伊波市長は、以前から、アメリカ側のロードマップを詳細に調べたり、実際にグアムの基地を視察したりして、在沖米軍の海兵隊のほとんどがグアムとテニアンに移転する計画になってることや、沖縄にヘリ部隊は残らないのに基地だけを造らせようとしてることなどを訴え続けて来た。だけど、ニポンの中央のマスコミは、伊波市長の訴えを封殺して、ガンとして報じないようにして来た。だから、この問題の本質を知らない人たちは、「沖縄から海兵隊がいなくなったら日本の防衛はどうするんだ?」なんてズレまくったことを言ってたワケだ。

だいたいからして、普天間飛行場は、沖縄に34ヶ所もある米軍施設の中のひとつに過ぎないのに、それが無くなって34ヶ所が33ヶ所になったら、トタンに防衛力や抑止力がゼロになるって言うのか?34ヶ所が33ヶ所になったら、トタンにヨソの国が攻撃して来るって言うのか?沖縄以外にも、ニポン全国にいくつもの米軍基地があるって言うのに、その中のたったひとつの施設を返還することが、どうして100かゼロかみたいに論じられなきゃならないのか?これほどおかしな話はない。ようするに、防衛利権に絡んでる残党どもが、沖縄の人たちを食い物にしてるだけの話なのだ。

伊波市長は、戦後65年も沖縄にたくさんの基地を押しつけておくことは、「日米両政府の沖縄差別」だって言った。そして、過去に政権交代した世界の国々で、政権交代後に新政権が駐留米軍を撤退させたのは、フィリピンやエクアドルなど、85%もあるって言った。それなのに、ニポンができないハズはない。鳩山首相、今こそリーダーシップを発揮して、沖縄の平和の第一歩を作った首相として、歴史に名前を残して欲しい‥‥って、あたしが、こないだ書いたこととおんなじことを言った。やっぱり、平和を愛する人たちは、みんな思ってることがおんなじなんだね。

‥‥そんなワケで、続いての稲嶺進名護市長は、選挙の時には民主党の鳩山代表が自ら「最低でも県外、できれば国外」と沖縄県民に約束しておきながら、今の迷走ぶりは「沖縄県民を愚弄するものだ!」と一括。そして、「新基地NO!県内移設NO!」と叫び、会場も盛り上がった。そして、次の島袋俊夫うるま市長は、念のために書いとくけど、「しまぶくろ」じゃなくて「しまぶく」って読む。沖縄には「島袋」って名字が多いけど、「しまぶくろ」って読む人がほとんどなのに対して、少しだけ「しまぶく」って読む人もいるのだ‥‥って、「きっこのプチ沖縄情報」も織り込みつつ、このまま進んでく。

島袋市長は、政府が苦し紛れに出して来た「ホワイトビーチ沖案(勝連沖案)」のうるま市の市長だから、怒りも大きい。この案は、かつて住民の反対で廃案になってる上に、現政権の各大臣たちの了解のもとに、勝連を漁業とレジャーとの2本柱で自立させてく計画を進めてる最中だってのに、これをすべてパーにして巨大な埋め立て基地を造るなんて冗談じゃない!って、カンカンになって怒ってた。当たり前の話だ。そして、島袋市長の「沖縄から忌まわしい基地を撤去して行こう!」の声に、会場からも大きな歓声と拍手が上がった。

次に登場したのは、勝連漁協組合の赤嶺博之組合長で、政府が埋め立て案を計画した場所が、勝連の「もずく」の60%を水揚げしてる他にも、沖縄の名産のいろんなお魚が獲れる大切な海だって話した。そして、赤嶺組合長に続いては、壇上に並んでる出席者の紹介が始まったんだけど、沖縄選出の衆議院議員は、オムライス党の照屋寛徳氏、民主党の玉城デニー氏と瑞慶覧長敏氏の3人が出席してて、国民新党の下地幹郎氏だけが欠席した。

他にも、オムライス党の阿部知子氏、山内徳信氏、服部良一氏、民主党の喜納昌吉氏、沖縄社会大衆党の糸数慶子氏、自民党の島尻安伊子氏、日本共産党の志位和夫氏、小池晃氏、仁比聡平氏を始め、他にも多くの議員が参加した。言っちゃ悪いけど、民意を無視して辺野古案を押しつけて来た自民党の議員までもが参加してるのに、沖縄選出の下地幹郎氏がバックレたのには開いた口がふさがらない。ま、沖縄選出のクセに、辺野古の陸上案をゴリ押しして、沖縄の人たちから「裏切り者!」って罵声を浴びた下地幹郎氏が、もしも出席なんかしてたら、「どのツラさげてやって来た!」って言われて、袋叩きにされてただろうけど。

‥‥そんなワケで、このあとに登場したのが、普天間高校の3年生の2人の女子高生だった。最初の子は、夢と希望を持って普天間高校に入学したのに、学校に通い始めてみたら、教室の厚さ6センチの防音ガラスの向こうに見えるのが、大きな軍用機の胴体だった‥‥って話し始めた。授業中でも試験中でもすべてを中断する騒音。頭の上のギリギリを飛び回る軍用機やヘリコプター。あまりの騒音に、軍用機に向かって「うるさい!」って怒鳴ったこともあった。

学校までの通学路は、延々と続く米軍基地のフェンス。このフェンスに囲まれているのは、基地なのか、私たちなのか、分からなくなって来る。1時間目の授業が始まるころには、基地から上がる大きな星条旗が目の前に見えて、ここは日本なのか?って思った。そして、2年生になるころには、無意識のうちに諦めてしまって、怒ることも忘れてしまって、こうした異常な状態を異常と思わなくなって来た。だけど、これじゃいけない。諦めちゃいけない。考えることを放棄しちゃいけない。私たち、ひとりひとりが考えれば、沖縄はきっと変わる!‥‥って感じのことを話した。あたしは、知らないうちに涙が止まらなくなってて、お化粧がボロボロになった。

ここで、あたしは、お仕事の時間になっちゃって、シューマッハでお化粧を直して、一時的に仕事場に戻ったんだけど、リトル予定が変更になったので、また車に戻り、続きを観た。ちょうど、会場で集まったカンパを発表してて、「500万5005円」だって言ってた。上から見ても下から見ても「5005005」って、ナニゲにスーパーラッキーな感じだ。それから、大会の参加者数は、八重山と宮古で同時開催した大会の参加者と、渋滞でまだ到着してない人たちも含めて、約9万3700人だって発表された。10万人を目標にしてたから、ちょっと足りない数だけど、それでも、全国各地で行なわれた同時アクションや、あたしみたいに参加できなくても黄色いものを身につけて心をひとつにしてた人たちが数え切れないほどいたんだから、すべてを合わせたら、ものすごい人数になると思う。

‥‥そんなワケで、大会は大成功した上に、保守派も革新派も関係なしに、国民新党の下地幹郎氏を除いて、すべての党派の議員が集まって「基地反対」を訴えたってことは、沖縄としても、ニポンとしても、歴史的な出来事だった。だから、沖縄のテレビはNHKも民放も生中継してたし、沖縄の新聞社もライブ映像を配信したり「速報」で報じたりした。そして、AFP通信も、ロイター通信も、AP通信も、すぐに世界へ発信したし、イギリスのBBCも、オーストラリアのSBSも、大会の詳しい内容をソッコーで報じた。さらには、イランのテレビやアルジャジーラまでもが大々的に報じたのだ。そして、世界中が注目してるこのニュースだけど、カンジンのニポンの報道がどうかと言えば、午後6時からのNHKのニュースを見たら、1~2分だけチョロっと報じただけで、そのあとには、「アラスカのおりこうなワンちゃん」の話題だの、「男性が通う料理教室」の話題だのをタップリと報じてたので、あたしは「ダメだこりゃ!」って思った。だけど、中央のマスコミがどんなに機能してなくても、もう、この流れは止められない。あとは、ハトポッポが、これほど大きな民意に後押しされて、「テニアン」という最善の英断をするだけだと思う今日この頃なのだ。


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★ 沖縄県民大会はこちらで録画が視聴できます!
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