« 700万円への道 | トップページ | ラスト3日になりました! »

2010.05.10

田村でも金、谷でも金、政治家だと金(かね)?

10日、民主党は、つーか、小沢一郎は、夏の参院選で、ヤワラちゃん、こと、谷亮子(34)の擁立を発表した。このニュースを聞いた時、多くの人は、ヤワラちゃんが柔道をやめて政治家に転身するんだと思っただろう。だけど、小沢一郎と一緒に記者会見をひらいたヤワラちゃんは、当たり前のような顔をして、こうノタマッた。


「現役はもちろん続けます。そしてロンドンオリンピックで金メダルを目指します」


このセリフを聞いた瞬間、全国のお茶の間から、「はぁ?」って声が湧き起こったハズだ。もちろん、あたしも、「はぁ?」って思った。だって、オリンピックで金メダルを目指すだけでも、普通は命懸けの努力をしなきゃならない上に、ヤワラちゃんは子育ての真っ最中で、「子育てとオリンピックの両立」とかって言ってたのに、その合間に国会議員もやるつもりなの? 子育てしながらオリンピックを目指してたら、普通は近所のスーパーでパートするんだって大変なハズなのに、そんな腰掛け気分で参院選に出馬するの?

その上、これは単に国語力が低いだけだとは思うけど、「ロンドンオリンピックで金メダルを目指します」って言ったあとに、「また国政のほうにも携わって政治のほうでもがんばります」って言ったんだよね。「国政でも」「政治でも」だけでも有権者をバカにした表現なのに、「国政のほうでも」「政治のほうでも」とはナニゴトだ! レストランで何かを注文した時に、「サラダのほうはいかがですか?」とかっていうバカ店員がいるけど、「サラダのほう」ってどっちの方向なんだか聞いてみたくなる。「きっこの日記」では、あえて「○○のほう」って表現を使ったりすることもあるけど、それは面白さを狙ってのもので、あたしだって社会人なんだから、サスガに正式な場では使わない。

とにかく、友達と雑談してる時ならいいけど、自分の立候補を発表する記者会見の場で、ちゃんとしたニポン語もマトモに話せないような無知な人間が、知名度だけで国会議員になるのって、あたしは、なんだかなぁ~って思う。中学生レベルの漢字も読めないフロッピー麻生のセイで、ずいぶん国会議員の国語力のハードルが下がっちゃったけど、せめて義務教育レベルの国語力くらいは持った人間じゃないと立候補できないようにして欲しいと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、自民党が擁立した三原じゅん子や堀内恒夫、国民新党が擁立したプロレスラーの西村修、たちあがれ日本が擁立した中畑清や杉村太蔵、ドイツもコイツも小学校から勉強し直したほうがよさそうな脳みその持ち主みたいだけど、民主党だって負けてない。今回のヤワラちゃんと一緒に、歌手の庄野真代の擁立も発表したし、その前には、体操選手の池谷幸雄や、タレントの岡部まりの擁立も発表してる。ま、庄野真代は、NPO法人「国境なき楽団」の代表として、音楽による平和活動を続けて来たし、岡部まりも、このメンツの中じゃズバ抜けて賢いとは思うけど、ヤワラちゃんだの池谷幸雄だのは、他の党から出馬するスポーツバカどもと同レベルだろう。

そして、多くの有権者は、こうした各党の「タレント候補者擁立合戦」を見て、ウンザリしながら「有権者をバカにするのもタイガイにしろ!」って思ってるハズだ。事実、あたしが、ヤワラちゃんの出馬会見の前後に、ツイッターで次のようにつぶやいたら、それぞれのつぶやきに対して、ものすごく多くの「賛同」の返信があったからだ。


「なに?ヤワラちゃん、柔道の現役を続けてロンドンを目指しながら国会議員もやるつもりなの?そんな腰掛け気分で出馬すんなよ! 」

「ヤワラちゃん、自民党の三原じゅんこよりは遥かにマシだけど、それでもオリンピックと政治家のカケモチは有権者を舐め過ぎ。せめて「現役を引退して国政に我が身を捧げる」くらいのことを言ってくれないと応援する気になれない。」

「とにかく、ひとつだけ言えるのは、ヤワラちゃんの擁立で、またまた民主党の支持者が減ったということ。」


政治に無知なばかりか、ニポン語もマトモに読み書きできないようなスポーツバカを知名度だけで擁立すれば、有権者の反感を買うことは必至なのに、小沢一郎ほどの選挙の天才が、どうしてこんなにもバカなことを続けてるのか?‥‥ってワケで、民主党に限らす、多くの政党が、「見た目は子供、頭脳は大人、その名は名探偵コナン!」‥‥じゃなくて、「見た目は大人、頭脳は子供以下、その名はタレント候補!」なんかを擁立しまくってるのかっていう謎を「頭脳は子供、ベッドでは大人、その名は迷探偵キッコナン!」が解説しちゃおうと思う。

‥‥そんなワケで、まずは、衆議院と参議院の違いだけど、衆議院議員が選挙で裏ばれた「国民の代表」なのに対して、参議院は、もともとは「貴族院」て言って、爵位を持ってる貴族が、選挙ナシで議員になってた。そして、「国民の代表」である衆議院に対する「お目付け役」みたいな立場だった。だから、戦後に「貴族院」が廃止されて、こっちも選挙で選ばれる参議院になってからも、「衆議院を通過した法案を参議院で採決する」って形がとられて来たってワケだ。

そして、衆議院と参議院の選挙における違いだけど、衆議院は、議席数が480で、任期が4年、全員いっぺんに任期が切れるから、全員いっぺんに選挙をする。だから、衆院選のことを「総選挙」って呼んでるのだ。そして、衆院選には、任期の途中での「解散」がある。2005年8月に、コイズミが発狂した「郵政解散」→「総選挙」ってのが記憶に新しいだろう。

一方、参議院は、議席数が242で、任期が6年、3年ごとに半数の選挙をする。だから、夏の参院選では、この半分の121人の任期が切れて選挙をするワケだけど、残りの121人は、あと3年の任期が残ってるから、今回の選挙には関係ない。そして、こんなふうに「半分だけの入れ替え」の選挙だから、全員いっぺんに選挙をする衆院選を「総選挙」って呼ぶのに対して、参院選のことは「改選」と呼ぶ。ちなみに、あと3年の任期が残ってて選挙をしない半数の議員のことを「非改選組」と呼ぶ。それから、衆議院には、任期途中での「解散」があるけど、参議院には「解散」はない。つまり、一度、参議院に当選しちゃえば、どんなスポーツバカだろうと杉村太蔵だろうと、6年間は国民の血税をタップリともらってゼイタクな生活が約束されるってワケだ。

‥‥そんなワケで、基本的な講釈が終わったとこで、いよいよ「有権者をバカにしたタレント候補乱立の謎」についてだけど、これは、参院選の選挙のシステムに理由があるのだ。参院選は、さっきも書いたように、242議席のうち、今年に任期が切れる半数、121議席について行なわれるんだけど、これは、選挙区が73議席、比例代表が48議席に分けられてる。あたしたちが投票に行くと、支持する候補者の名前を書く投票用紙と、支持する政党の名前を書く投票用紙があることはオナジミで、去年の衆院選の時には、比例代表の投票用紙に「民主党」って書いた人も多いと思うし、それを今、後悔してる人も多いと思う(笑)

ちなみに、あたしは、公約通り、まだ民主党を支持してる。あたしが民主党の応援をやめて攻撃に転じるのは、普天間飛行場の問題を政府が公式に「県内移設」って発表した瞬間からだ。だから、まだ分からない‥‥ってワケで、話をクルリンパと戻すけど、衆院選の比例代表は、あたしたちは支持する政党の名前を書いて投票する。そして、全国で集計して、それぞれの政党の獲得議席数が決まる。衆院選の比例代表は、それぞれの政党で候補者の名簿が作られてて、その候補者には順位が与えられてるから、たとえば、民主党が30議席を獲得したとすれば、名簿の1位から30位までの候補者が当選になり、31位以下は落選になる。だから、衆院選に比例代表で出馬した候補者は、何よりも名簿の順位を気にすることになるし、政党側としては、絶対に当選させたい候補者を名簿の上位にするってワケだ。

だけど、これは、あくまでも衆院選だけの話で、参院選の場合は、比例代表の名簿が作られないのだ。これは、「非拘束名簿式比例代表制」っていうヘンテコな方式のためで、参院選の比例代表の投票用紙には、政党の名前を書いても、候補者の名前を書いても、どっちもOKになる。たとえば、「民主党」って書いても、「谷亮子」って書いても、果ては「ヤワラちゃん」て書いても、ぜんぶ「民主党への投票」ってことになっちゃう。そして、候補者の名前が書かれてる投票用紙だけを別枠で集計して、それぞれの政党別に、名前の多い順に、アトから名簿を作る。つまり、多くの政党が、頭はバカでも知名度だけはあるスポーツ選手だのタレントだのを擁立しまくってるのは、すべては「票集め」のための「魚釣りのエサ」ってワケだ。

まだピンと来ない人のために、分かりやすく例をあげてみるけど、たとえば、比例代表の議席数を「3」てことにして、民主党と自民党だけで「プチ参院選」が行なわれたとする。民主党からは、ヤワラちゃんの他に、あたしと猫のもんじゃが出馬したとする。そして、自民党からは、三原じゅん子と堀内恒夫が出馬したとする。で、田舎のお年寄りとか、政治のことなんて何も分かってないおばちゃんとか、全国で多くの人たちが、「谷亮子」とか「ヤワラちゃん」とか書いて投票したオカゲで、こんな結果になったとする。


「民主党」
ヤワラちゃん 200万票
きっこ 5万票
もんじゃ 3万票

「自民党」
三原じゅん子 10万票
堀内恒夫 10万票


この結果をそれぞれの候補者の獲得投票数で見れば、議席は3つなんだから、当選するのは、ヤワラちゃん、三原じゅん子、堀内恒夫の3人で、あたしともんじゃは落選だ。そして、この「プチ参議院」は、自民党が過半数を確保することになる。だけど、そうは行かないのが、この「非拘束名簿式比例代表制」ってワケで、参院選の比例代表では、その政党の候補者の名前を書いた投票用紙も「政党への投票」としてカウントされるから、この選挙の結果は、民主党が208万票、自民党が20万票ってことになる。そして、この政党ごとの獲得票数で議席を振り分けると、3つの議席がすべて民主党のものになる。

そのため、獲得票数で名簿の1位になったヤワラちゃん、2位になったあたし、3位になったもんじゃの3候補が全員当選になり、自民党の2人が落選になる。これが、参院選の変則的な比例代表なのだ。だから、実際には、あたしの2倍、もんじゃの3倍以上の票を集めた自民党の候補者たちが落選して、票の少ないあたしやもんじゃが当選するっていう現象、つまりは、民意に反した当選者が誕生しちゃうってワケだ。

‥‥そんなワケで、民主党が擁立した岡部まりは、大阪の選挙区で正々堂々と戦うから何も問題ないけど、他のほとんどのタレント候補は「比例代表」だから、田舎のお年寄りや政治に無知なおばちゃん連中を騙して投票させるための「魚釣りのエサ」でしかないってことが分かったと思う。だから、選挙の天才である小沢一郎が、ますます有権者の「民主離れ」が加速することを承知の上で、それでもヤワラちゃんなんかを擁立したのは、確実に票集めの効果があると判断したからなのだ。そして、ヤワラちゃんていう「エサ」を使って、他の比例代表の候補者にも獲得議席を振り分けようってスンポーなのだ。ま、小沢一郎は、選挙だけが仕事なんだからそれでも構わないけど、こんなコソクな手段なんか使わなくても、ハトポッポが「普天間飛行場はテニアンに移設します」ってヒトコト言っただけで、ヤワラちゃん100人ぶんくらいの効果があるのに‥‥なんて思った今日この頃なのだ。


★ 今日も最後まで読んでくれてありがとう!
★ 「いいかげん知名度だけのタレント候補にはウンザリ!」って人は賛同のクリックをお願いしま~す♪
  ↓


|

« 700万円への道 | トップページ | ラスト3日になりました! »