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2010.06.08

期待値ゼロの菅内閣

民主党の代表のハトポッポと、幹事長の小沢一郎が辞任したんだから、菅さんが自動的に繰り上がって次の代表になるのは当たり前だと思うんだけど、コレをやっちゃうと、「国民の信を得ていない人」がこの国の代表になっちゃうワケで、これは民主主義とは言えない。野党の代表の場合は、あくまでも、その政党の中での話だからいいけど、与党の場合は、党の代表がイコール総理大臣になっちゃうワケだから、あたしたち国民から見たら「こんな人なんて選んでないのに」ってことになっちゃう。

だから、民主党は、国民に少しでも民主主義っぽくアピールするために、菅さんが次の代表になることが決まってるのに、わざわざタルトコ議員なんていうぜんぜん知らないアテ馬を不思議なダンジョンから連れて来て、くだらないデキレースを行なった。こんな見え見えのデキレースでも、何もしないで自動的に菅さんを代表にしちゃうよりは、多少でも「選ばれて代表になった」ってイメージを演出できるからだ。

でも、これまでの自民党の場合は、アベシンゾー、フクダちゃん、フロッピー麻生と、すべて「国民の信を得ていない人」がこの国の代表になって来た上に、前任者が1年で政権を丸投げするたびに、何人もの候補者を立てて、1ヶ月もかけてマスコミに露出を続けて、国民をウンザリさせる茶番劇を続けて来た。だから、おんなじ茶番劇とは言え、前任者の辞任からわずか2日で次の代表を決めた今回のデキレースは、自民党と比べたら遥かにマシだったと言える今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、ハトポッポの次は、村野武範‥‥じゃなくて、菅直人がこの国の総理大臣になったワケだけど、菅さん、よっぽど総理大臣になりたかったみたいで、会見を見たら、完全に舞い上がっちゃってた。菅さんと言えば、今まで、怒ってるとこか眠ってるとこかカイワレ大根を食べてるとこしか見たことなかったから、こんなに舞い上がってる姿は異様だった。そして、突然の就任で、まだ何のビジョンもないみたいで、何を言いたいのか、何を伝えないのか、話してる内容に掴みどころがなかった。

あたしとしては、まずは何よりもハトポッポの失敗について、国民に謝罪するとこからスタートするかと思ってたのに、前任者の失敗に関する謝罪はいっさい無し。通り一編、当たり障りのないことをしゃべって終わり。それも、その場で考えながらしゃべってるみたいで、単語と単語の間に、ヤタラと「ある意味」とか「基本的には」とかの文脈に合わない言葉を織り込んでた。ハトポッポの場合は、「むしろ」とか「すなわち」とか「だからこそ」とかが異常に多かったけど、自分の考えがキチンと確立してる人なら、ヨケイな言葉で時間稼ぎなんかする必要はないだろう。

それにしても、総理大臣になれて舞い上がってる菅さんも見るに耐えないけど、あたしが激しくムカついたのは、肩の荷を放り投げた開放感から、急に笑顔になり、急に饒舌になったハトポッポだ。辞任を発表した翌日に、満面の笑みで周りの人たちと握手してる姿にもムカついたけど、何よりもムカついたのが、5日に菅さんの母校の東京工業大学で行なった講演会だ。「(菅さんは)私よりも10倍も1000倍も頭が切れる。時々キレ過ぎる時もありますけど」って言って会場を爆笑させた。あたしは、この様子をテレビのニュースで見て、「この人の頭の中からは、もう沖縄の人たちのことはキレイサッパリと消えちゃったんだな」って感じた。

ハトポッポは、3日の常任理事会で辞任の意向を発表した時に、その理由として、「沖縄の普天間基地の問題で県外移設を果たせなかったこと」と「自身の政治とカネの問題」を挙げた。普天間基地の問題に関しては、「結果として沖縄の人たちに基地を押しつける形になってしまったこと」「3党合意も沖縄との合意も取れずに日米で合意してしまったこと」「連立を組む社民党の福島党首を罷免する結果になってしまったこと」などが辞任の理由だって発言した。

「政治とカネ」の問題に関しては、検察とマスコミの餌食にされてダーティーなイメージを刷り込まれちゃってる小沢一郎はともかくとして、ハトポッポに関しては、ほとんどの国民は何とも思ってないだろう。検察も起訴しなかったし、検察審査会でも「不起訴相当」になったんだから、こんなどうでもいい問題でハトポッポを批判してたのは自民党くらいだった。ハトポッポに対して、国民の多くが不満に思ってたのは、その場その場で二転三転する発言を初めとした「リーダーシップの無さ」であって、親から莫大な「子ども手当」をもらってたとしても、リーダーシップが備わってたら誰も文句なんて言わなかっただろう。

つまり、本人は、普天間基地の問題と「政治とカネ」の問題を辞任の理由に挙げたけど、現実的には、普天間基地の問題での失敗が最大の理由ってことになる‥‥ってワケで、あたしが呆れ果てたのが、菅さんの組閣だ。何でかって言うと、普天間基地の問題の失敗で総理大臣が辞任したのなら、官報長官の平野、外務大臣の岡田、防衛大臣の北澤、沖縄担当大臣の前原、この4人も辞任に値する同罪なのに、菅さんは、平野以外の3人を再任させたからだ。

もともと、何で普天間基地の問題が迷走したのかって言えば、鳩山政権が発足したトタンに、この4人がそれぞれ好き勝手なことを言い始めたからだ。岡田は無責任に「嘉手納基地に統合」とか言い出すし、北澤はロクに調べもしないで「グアムはありえない」とか言い出すし、平野に至っては最初から「県内移設しかない」とか言い出すし、もうメチャクチャだった。だけど、カンジンのハトポッポは、閣僚が好き勝手な発言を繰り返す様子を「これが民主主義だ」とか言ってゴマカシた挙句に、「沖縄の皆さんの民意を聞いてから決めます」なんてトンチンカンなセリフで惑わし続けた。

だけど、「最低でも県外、できれば国外」って何度も明言しちゃった手前、ハトポッポも、4月までは何とか「県外、国外」を模索してた。そして、そのハトポッポを「辺野古案」へと追い込んで行った実行犯が、平野、岡田、北澤、前原の4人なのだ。民主党内部にも、「グアムテニアン移設」を訴える議員が150人以上もいたのに、こうした内部の声をすべて封殺して、グアムや北マリアナの州知事からハトポッポへの面会の申し入れも阻止して、徹底的に「辺野古案」をゴリ押ししたのは、この4人なのだ。

つまり、普天間基地の問題の失敗がハトポッポの辞任の理由である以上、この4人の再任は絶対にアリエナイザーなワケで、どっちかって言えば、この4人には、ハトポッポよりも厳しい処分が必要なのだ。それなのに、こんな悪党どもをそのまま再任させるなんて、沖縄の人たちをバカにするのもいい加減にしろ!‥‥って言いたくなる。ハトポッポ1人に罪をなすりつけて、実行犯の4人はホクソ笑んでるなんて、これほど無責任な組閣があるだろうか? これほど沖縄の人たちを愚弄した組閣があるだろうか?

ようするに、菅さんは、沖縄のことなんか1ピコグラムも考えてないってワケだ。菅さんが考えてるのは選挙のことだけで、沖縄の問題は、ハトポッポの辞任でチャラになったと思ってるのだ。その証拠に、菅さんは「鳩山内閣での日米共同声明の内容を踏襲する」ってノタマッた。ハトポッポが辞任に追い込まれたのは、連立3党の合意も取らず、沖縄の人たちとの合意も取らず、アメリカとだけ合意したことが原因なんだから、このこと自体が「5月末までにすべての合意を取りつけた上で結論を出す」って公言してた約束に反してる。つまり、筋から言えば、こんな日米共同声明なんて無効なワケで、これがちゃんと筋を通したものだったら、ハトポッポは辞任する必要なんてなかったのだ。

‥‥そんなワケで、菅さん自身も、鳩山内閣の副総理として出演した去年の12月27日の「サンデープロジェクト」で、普天間基地の問題は「日本」「アメリカ」「沖縄」「連立3党」のすべてが合意しないといけないってハッキリと発言してる。鳩山内閣の副総理の立場で、わずか半年前にこんなことを明言してた人が、自分が総理大臣になったトタンに、沖縄の合意も連立の合意も無視して、アメリカとだけ合意したデタラメな共同声明の内容を踏襲するだなんて、まるで自民党のペテン師どもと五十歩百歩のご都合主義だ。こんないい加減な人間が代表だなんて、今すぐに「民主党」から「ご都合党」に名前を換えるべきだと思う。

だって、ハトポッポだけじゃなくて、菅さん自身も、過去の参院選で、沖縄で「基地の海外移転」を訴えて来た事実があるからだ。これは、池田香代子さんのブログの「6月5日のエントリー」を読んで知ったんだけど、菅さん自身が書いたものはこちらにある。

この文章を読めば分かるように、民主党は基本政策で「沖縄の米軍基地の整理縮小のため、国内外への移転を含め積極的に推進していく」「アメリカの東アジア戦略構想を再考し、米海兵隊の他地域への移駐を積極的に議論する」って述べてる。そして、菅さんは「私の参院選挙中の沖縄での発言はそうした背景のもと行われたもので、その場の思いつきでもリップサービスでもなく、民主党の基本政策と矛盾してはいない」って書いてる。

さらには、結論として「沖縄にとって重い負担になっている沖縄海兵隊の日本国外移転について真剣な検討が必要」だって結んでる。つまり、菅さんが、過去の参院選の時に沖縄で「基地の海外移転」を訴えたのは、「その場の思いつきでもリップサービスでもなく」、自分自身の政治家としての思いだって自分で言ってるのだ。

‥‥そんなワケで、ハトポッポしかり、菅さんしかり、お気楽な野党の時には何でも思ったままのことを好き勝手に口にして来たけど、イザ、自分が政権与党の代表になり、この国の総理大臣になったトタンに、厳しい現実の壁にぶち当たった。そこで試されるのが、今まで単なる理想として口にして来たことをどんなふうに実現させるのかっていう政治家としての資質や力量で、残念ながら、ハトポッポにはその力がなかったってワケだ。それでも、何とか沖縄の人たちの負担を軽減させようと、それなりの努力をしたハトポッポはともかくとして、これほどご立派なことを言っておきながら、さらには、わずか半年前にも「沖縄との合意」の重要さについて発言しておきながら、こんなデタラメな日米合意を「踏襲する」だなんて、最初からこの問題を投げちゃってるような無責任オヤジには、とてもじゃないけど何も期待できない今日この頃なのだ。


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