竜巻注意情報
今年の「梅雨明け」は、例年とおんなじか数日早くて、九州北部、四国、中国、近畿、東海、関東甲信、北陸は、7月17日だった。そして、梅雨が明けたら一気に暑くなって、連日、35度以上の猛暑が続くようになった。今年は、5月のゴールデンウィークのころから30度を超える真夏日が多かったけど、梅雨が明けてからの猛暑は段違いの暑さだ。全国では、37度、38度を超えた地域もあるし、東京でも、35度を超える猛暑が1週間も続いた。
そして、驚いたことに、梅雨明けしてから26日までの10日間で、熱中症のために救急車で搬送された人が全国で1万人もいて、そのうち、109人もの人が亡くなったんだって!それも、亡くなった人のほとんどが、炎天下の外で倒れたんじゃなくて、自宅の室内にいて熱中症になったんだって!そして、何よりも驚いたのが、亡くなった109人のうち39人が埼玉県に集中してるってことだ。確かに、埼玉も暑い日が続いてるだろうけど、全国には、もっと暑い地域もある。それに、関東ってことで言えば、埼玉県に限らず、東京だって、千葉だって、神奈川だって、群馬だって、おんなじように暑い。それなのに、亡くなった109人のうち39人が埼玉に集中してるってのは、ちょっと不思議だ。
きっと、いろんな要因があるんだと思うけど、とりあえず、今、分かってることは、亡くなった人の半数以上が高齢者だってことと、その多くが「エアコンが好きじゃないお年寄り」だったってことだ。そして、熱中症ってのは、ノドが乾いたと思ってから水分を補給しても間に合わないそうだ。ふだんは、ノドが乾いたと思ってから何か飲むけど、熱中症の場合は、ノドが乾いたと思った時には手遅れらしいので、エアコンが嫌いで、エアコンをつけずに自宅にいる人たちは、ノドが乾かなくても、一定時間ごとにお水やスポーツドリンクを飲んだり、お塩を舐めたりして、水分と塩分の補給だけは怠らないようにして欲しいと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしも、エアコンを使わない生活を続けてる上に、今は病気療養中なので、自宅にいる時間が長い。だから、ミネラルウォーターの2リットルのペットボトルをキッチンのテーブルの上に出しといて、それをゴクゴク飲んでる。こんなに暑いんだから、冷蔵庫で冷やしたお水を飲みたくなっちゃうとこだけど、冷たい飲み物はタマに飲むアイスコーヒーや麦茶くらいにして、あとは室温のミネラルウォーターか、熱いお茶にしてる。そして、お茶を飲みながら、塩分補給のために、梅干しを食べるようにしてる。あとは、塩分補給も兼ねて、梅昆布茶を飲んでる。
いくら暑いって言っても、夏なんだから、暑いのは当たり前だ。東京で35度以上の猛暑が何日間も続くのは十何年ぶりだとかって言っても、それほど特別なことじゃない。これが、40度を超えたりしたら異常だけど、今くらいなら「普通の夏」の範疇だ。去年の夏も、オトトシの夏も、その前の夏も、エアコンを使わずに乗り切って来たあたしにしてみれば、今年の夏だけが特別ってワケじゃない。エアコンなんかつけなくても、水風呂に入ったり、脚だけ水風呂に浸けたり、冷たいタオルを首に巻いたりすれば、何とか過ごせる。
だけど、世界的に見ると、ナニゲに不安になって来る。ロシアでは、全土で記録的な猛暑が続いてて、この時期、モスクワの気温が35度を超えたのは、過去130年の観測史上でも初めてだと言う。テレビや新聞では、暑さに耐えかねた市民が、ウォッカを飲んで酔ったまま公園の噴水の池や川に飛び込んで、1ヶ月で1200人もの人が心臓マヒで亡くなったとか、こうした「お茶の間の興味を引くこと」しか報じないけど、現実には、全土に広がってる干ばつや山火事の被害のほうが問題だ。6月の半ばから記録的な猛暑が続いてるロシアでは、7月の半ばの時点で、すでに1000万ヘクタール以上の田畑が干ばつで壊滅状態になり、山火事の被害は3万ヘクタールに及ぼうとしてる。
ヘクタールって言っても、ピンと来ないと思うから、一例をあげると、東京都の面積が約20万ヘクタール、沖縄県の面積が約10万ヘクタールだ。つまり、東京都の面積の500倍の田畑が壊滅状態になったワケで、沖縄県の面積の3分の1の面積の山林が火事で消失したってワケだ。そして、この被害は、今も広がり続けてる。いくら広大なロシアだって言っても、これは大きな被害だろう。
そして、中国では、豪雨による被害が続いてる。ニポンでも、九州を始めとして、豪雨による災害が起こり、亡くなった人もいるけど、中国は規模が違う。1週間前の7月20日の時点で、豪雨による被災者は1億1300万人に上り、700人以上の人が亡くなってる。ニポンの全人口とおんなじくらいの人たちが被災してるのだ。だけど、いつものことながら、ニポンのマスコミは、こうしたニュースはほとんど報道しない。ニポンのマスコミにとっては、中国人が豪雨で700人亡くなったことよりも、スイスの電車が脱線してニポン人が1人亡くなったことのほうが大事件なのだ。
‥‥そんなワケで、ニポンの熱中症も、ロシアの干ばつや山火事も、中国の豪雨も、すべては気象による災害だけど、これほど「暑さ」による被害が起こってるのは、夏に暑くなる「北半球」だからだ。これも、ほとんど報じられないから、知らなかった人も多いと思うけど、夏に寒くなる「南半球」では、正反対のことが起こってる。今が真冬の南米では、猛烈な寒波による被害が拡大してて、多くの死者も出てる。アルゼンチンでは、南極の寒気団の影響で気温がマイナス14度まで下がり、7月20日の時点で、少なくとも43人のホームレスが死亡した。このうち、10人は凍死、33人は暖をとろうとしての一酸化炭素中毒による死亡だそうだけど、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスには、多くのホームレスがいるから、まだまだ被害は拡大しそうだ。
他にも、パラグアイでは、十数人が低体温症で亡くなった上に、1000頭以上の牛が凍死した。また、例年なら、今の時期でも気温が20度以上はあるハズのボリビアの熱帯地域で、気温が0度近くまで下がり、分かってるだけでも4人が死亡した。もともと寒くなる地域ならともかく、冬でも暖かい熱帯地域で凍死者が出るのは、どう考えても異常だろう。あたしは、ボリビアって言うと、ラスタカラーの国旗とか、チェ・ゲバラとか、漠然とだけど「暑いイメージ」や「熱いイメージ」があったから、いくら冬でも、熱帯地域で凍死者が出たことに驚いた。
ま、南半球のことよりも北半球のこと、ヨソの国のことよりも自分の国のことってワケで、あたしとしては、何よりも優先して今のニポンの暑さに対応しなきゃなんないワケだけど、ここに来て、またひとつヤッカイなものが登場しちゃった。それは、「竜巻」だ。竜巻なんて、アメリカとかでしか発生しない「対岸の火事」的な現象だと思ってたから、もしもニポンで起こるとしても、北海道の広大な原野とか、そんなとこでしか起こらないと思ってた。それなのに、東京に「竜巻注意情報」ってのが出ちゃったのだ。
突然、「竜巻」だなんて言われても、あたしの頭に浮かんだのは、野茂英雄のトルネード投法と、藤波辰爾のドラゴン・スクリューと、イカ天バンド「AURA」の竜巻のピーくらいで、他には何も浮かばなかった。だから、「竜巻に注意しろ!」って言われても、いったいぜんたい、どう注意すればいいのか分かんなかった。だけど、この「竜巻注意情報」は、3日も続けて東京に出ちゃったのだ。
ちなみに、あたしは、最初は「大雨洪水注意報」や「津波注意報」とおんなじに、「竜巻注意報」だと思ったんだけど、ツイッターで専門家の人が「竜巻の場合は注意報じゃなくて注意情報です」って教えてくださった。フランク・ザッパに説明すると、「注意報」が文字通り「注意しろ」って意味なのに対して、この「注意情報」ってのは「補足」の意味になる。「竜巻注意情報」の場合は、まず「雷注意報」が出て、これを補足する形で「竜巻注意情報」が出るそうだ。これは、雷が発生する積乱雲の下に、竜巻や突風も発生する可能性があるからで、「竜巻注意情報」が出た時に具体的にどうすればいいのかって言うと、「雷の音が聞こえたり、黒い雲が近づいて来たら、コンクリートの丈夫な建物の中から出ないこと」ってのが基本になるそうだ。
他には、自分のいる建物が竜巻に直撃された場合、窓ガラスが割れて飛び散ることがあるので、窓ガラスの近くにはいないようにするとか、カーテンを閉めておくとか、細かい注意事項もある。だけど、現実問題として、築50年のボロボロの野中の一軒家みたいなとこに住んでたら、近くにはコンクリートの丈夫な建物もないんだから、自分の家にいるしかない。そして、もしも巨大な竜巻の直撃を受けちゃったら、アメリカのニュース映像で観たことがある光景みたいに、家ごと飛ばされちゃうか、最低でも屋根を飛ばされが全壊しちゃうと思う。そんなことになったら死んじゃうから、あまりにもボロボロの家の場合は、家の中にいるよりも、家から離れたとこの大きな木とかに、ロープで自分の体を縛っといたほうがいいようにも思う。
ま、こんなこと言ってるのも、サスガにアメリカのニュース映像で観るような巨大な竜巻なんて起こらないだろう、起こってもニポンサイズのプチ竜巻だろう‥‥つていう根拠のない思い込みがあったからなんだけど、今日、テレビのニュースを見てたら、茨城県の霞ヶ浦で発生した竜巻の映像を流してた。近くに住む主婦がホームビデオで撮影したもので、ものすごく大きい竜巻だった。アナウンサーが「霞ヶ浦の水を巻き上げた」って言ってたから、あたしは、たくさんのブラックバスやブルーギルやチャネルキャットフィッシュが空高く巻き上げられて、周辺に降ったんじゃないかと思った。
‥‥そんなワケで、幸運にも、あたしが住んでるのはコンクリートのマンションだから、もしも、また「竜巻注意情報」が出ても、自分のお部屋から出なきゃいいワケだし、カーテンを閉めて窓から離れた場所にいれば安全てワケだ。だけど、外にいる猫たちは大丈夫だろうか?駐車場のあたしの車は大丈夫だろうか?アメリカの巨大な竜巻の映像を観ると、牛やトラックまでもがクルクルと飛ばされてるから、猫たちやフィアット・パンダなんて楽勝で飛ばされちゃうだろう。ま、猫たちは頭がいいから、竜巻が通り過ぎるまで安全な場所に隠れてると思うけど、車の場合はそうもいかない。あたしが運転しない限り、駐車場の定位置から動かない。だから、自分の安全だけを考えるなら、お部屋から出なきゃいいんだけど、車のことも考えるなら、車に乗って竜巻の来ないほうへ走り続けなきゃなんない。つーか、それ以前に、自宅にいる時に「竜巻注意情報」が出るとは限らない。車を運転してる時に「竜巻注意情報」が出ちゃったら、それこそ、竜巻と追いかけっこをしなきゃならなくなる。だから、あたしの竜巻対策は、いつでも逃げ回れるように、コマメにハイオクを満タンにしとくことだと思った今日この頃なのだ(笑)
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