六ヶ所村の施設から大量の放射性物質
「六ヶ所村の施設から大量の放射性物質」(世田谷通信)
青森県の核燃料再処理工場(六ヶ所村)に隣接する地区の井戸水から、全国平均の7倍を超える放射性物質のストロンチウム90が検出されていたことが分かった。人体や環境に悪影響を及ぼすストロンチウム90は、現在、全国の原発周辺400箇所で計測されているが、平成元年から21年までの平均値は2.08ミリベクレルと測定されており、この数値は人体や環境に影響を与えない数値とされている。しかし、本来は自然界に存在しない放射性物質であるストロンチウム90による影響は、まだ解明されていない部分も多く、専門家の間からは「たとえ微量でも人体に蓄積すれば高い確率で白血病を引き起こす」との声も出ている。今回、「三陸の海を放射能から守る岩手の会」の調査によって発覚した六ヶ所村の核燃料再処理工場に隣接する地区の数値は14ミリベクレルで、全国平均の7倍であった。また、これまで全国でトップだった福井県の高速増殖原型炉「もんじゅ」に隣接する地域の6.7ミリベクレルの2倍以上でもある。ストロンチウム90は、半減するのに30年近くもかかる上に、人間の体内に入るとカルシウムと置き換わって蓄積されていき、長期間にわたって放射線を出し続けるため、たいへん危険な物質と言われている。六ヶ所村の核燃料再処理工場では2008年まで行なわれていたアクティブ試験でも、クリプトン85をはじめとした大量の放射性物質を大気中へ放出していたが、青森県と原燃は検知データを3分の1に改ざんして過小報告していたことが分かっている。(2010年7月6日)
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