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2010.11.01

夢で会えたら

睡眠中に見る「夢」のことだけど、たいていの人は、「よく見る夢」ってのが何パターンかあって、おんなじ夢を何度も見たことがあると思う。そして、さらに細かく言えば、「精神的に疲れてる時によく見る夢」とか、「幸せな気分の時によく見る夢」とか、自分の精神的な状況による影響もある場合が多い。それで、これはあたしの場合の話なんだけど、子供のころにはよく見てたのに、いつのころからか、大人になるにつれて見なくなった夢もあれば、子供のころから何度も繰り返して見てて、未だに1年に何度かは見る夢もある。そして、未だに見る夢では、その夢に登場する一人称のあたしが、子供のころは子供だったけど、今は大人になってる。だから、夢の内容も、微妙に変化してきてる。

たとえば、あたしがスーパーマンみたいに空をすごいスピードで飛びまわったり、人魚みたいに海の中を自由自在に泳いだりするシーンでは、自分の目線からの映像と同時に、自分を客観的に映してる映像も流れるから、あたし自身が空を飛んだり海の中を泳いだりしつつも、その姿を第三者として見ることができる。そして、その姿を見ると、子供のころは子供のあたしだったけど、高校生の時は高校生のあたしになり、今は今のあたしの姿になってるのだ。

だから、基本的にはおんなじ夢でも、そのストーリーの中で、あたしが誰かと出会って何かのやりとりをするシーンでは、子供の対応から大人の対応に変わってる。子供ころに出会った青鬼は、見上げるような大きな体で、ものすごく恐かったけど、子供のあたしは身長が130cmくらいだから、どんなに大きくても青鬼の身長は2mから2m50cmの間くらいで、今で言えばチェ・ホンマンくらいの大きさだったと思う。そして、身長が160cm以上になった今は、青鬼のほうもおんなじ比率で大きくなってて、たぶん3mを超えてると思う。ようするに、あたしが「うわっ!」と思って見上げる感じは子供のころと一緒なのだ。ただ、子供のころは単純に恐がってただけだけど、大人になった今は、何とか青鬼の弱点を見つけて反撃してやろうって気持ちになってる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、子供のころから何度も見てきた「オナジミの夢」でも、年月の経過とともに少しずつ変化してくるワケで、登場人物が代わったり、ストーリーがビミョ~にズレてったり、短かった夢に続編ができて長くなったりと、そのバリエーションは無限だ。そして、さっきは「夢の中の自分も現実の自分と一緒に成長した」ってパターンを書いたけど、夢によっては、子供のころのままの自分が登場するものもある。あたしの場合は、渋谷のデパートの屋上に行く夢で、これは子供のころの記憶が元になってるんだけど、その時によって、母さんと一緒だったり、父さんと一緒だったり、おばあちゃんと一緒だったりする。だけど、母さんと父さんとあたしの3人、みたいなパターンはなくて、いつも3人のうちの誰か1人が、あたしをデパートの屋上へ連れてってくれる。そして、あたしはと言えば、必ず小学1年生で、おんなじ服を着てるのだ。

内容的には、たいして面白くない夢なので、説明するのもモウシワケナイザーなんだけど、話を先に進める上で、簡単に説明しとかなきゃなんない。で、どんなのかって言うと、小学1年生のあたしは、母さんか父さんかおばあちゃんに連れられて、渋谷の東急デパートの東横店で、お買い物をしてる。もちろん、お買い物をしてるのは親で、あたしは迷子にならないように手を引かれて人ゴミを連れまわされてるだけだ。それで、佃煮を買ったり、お惣菜みたいなものを買ったりして、ひと通りお買い物が終わると、屋上に連れてってくれる。

屋上には、馬が5頭くらいしかいない小型の回転木馬とか、5人くらいしか乗れない小型のコーヒーカップとか、無料で遊べるトランポリンとか、100円で動くパンダカーとか、ソフトクリームやポップコーンを売ってる売店とか、ガチャガチャとかが並んでて、プチ遊園地って感じになってる。もちろん、これは、当時の実際の屋上とは違って、いろんな遊園地で見たものをあたしが脳内でひとつにマトメちゃった空想の屋上だ。そして、夢の中のあたしは、いつもオレンジジュースにアイスが乗ったオレンジフロートを買ってもらって、端っこのベンチに座って飲んでるんだけど、ジュースを飲んでる最中にハッと気づくと、あたしを連れてきてくれた母さんか父さんかおばあちゃんがいなくなってて、ここからヘンテコなストーリーが始まるってワケだ。

で、ここからは、その時によって違うんだけど、あたしがトランポリンで跳ねて、どんどん高くなってって、そのうちに雲の高さくらいまでジャンプできるようになって、砂粒よりも小さくなった地上の人たちの中から、虫メガネを使って母さんを探し出す‥‥とか、あたしが回転木馬に乗ると、その木馬が台から外れて動き出して、その木馬に乗って父さんを探しに行く‥‥とか、おばあちゃんが「困った時にはこれを使いなさい」って言って渡しといてくれた100円を使ってパンダカーに乗って、それでおばあちゃんを探しに行く‥‥とか、いろんな展開がある。

たいていはこんな感じで、いなくなった母さんか父さんかおばあちゃんをあたしが探しに行くってストーリーなんだけど、10回か20回に1回くらい、「探しに行かずに屋上で待つ」ってパターンがある。この夢が、またまたちょっと変わってて、屋上の一角が小さなステージになってるのだ。よく、着ぐるみショーとか戦隊ヒーローショーとかをやるステージのミニ版で、ステージの幅は5mくらいしかなくて、客席も3人掛けのベンチが横に2つ、縦に3列で、合計6つ並んでるくらいの感じだ。それで、ステージの部分にだけ、黒い幕みたいなので日除けの屋根ができてる。

それで、屋上の端っこのベンチでオレンジフロートを飲んでたあたしが、連れてきてくれた母さんか父さんかおばあちゃんがいなくなったことに気づいて、オレンジフロートを持ったまま屋上をウロウロしてるうちに、ほとんどの場合は、トランポリンでジャンプするか、回転木馬に乗るか、パンダカーに乗るか‥‥っていう方向へ進むんだけど、10回か20回に1回くらい、このステージが現われるのだ。トランポリンはたくさんの子供たちが遊んでて使えなくて、回転木馬も満員で、パンダカーも他の子供が乗ってて、仕方なく先へ進むと、いつもは無いハズのステージが現われて、黒いシルクハットと燕尾服の手品師みたいなカッコをしたお兄さんが真ん中に立ってるのだ。

だけど、このお兄さんも、ケース・バイ・ケースで、ヒゲを生やしてたり生やしてなかったり、スマートだったり太ってたり、シルクハットと燕尾服の色が黒じゃなかったり、いろんなパターンがある。でも、やってることはおんなじで、10回のうち9回は「見世物小屋」の演目をやってるのだ。ステージの真ん中に、縦3m、横2mくらいの大きな額縁みたいなのがあって、それに真っ黒いカーテンが掛かってて、その司会者みたいな人がカーテンを開けると、ろくろっ首とか、のっぺらぼうとかが現われる。もちろん、これは、人間がやってるもので、子供ながらに、あたしにもちゃんと分かってる。

だから、あたしは、ちっとも恐くなくて、ろくろっ首はきっと後ろの壁の隙間から女の人が頭を出して上下してるんだろう‥‥とか、のっぺらぼうはゴムのマスクをかぶってるだけだろう‥‥とか、タネ明かしを考える。それで、自分の考えたタネが当たってるかどうかを確かめるために、ステージの横に行って、その額縁みたいな箱をナナメから見ると、思った通り、箱の後ろで妖怪役の人たちが準備をしてる。そして、「やっぱり!」って思うと、司会者のお兄さんがあたしのことをキッとした目で見て、無表情のまま、おいでおいでをする。

あたしは、見世物の秘密を見ちゃったから、ものすごく叱られるか大変な罰を受けると思ってビビリまくるんだけど、逃げることができなくて、何かに吸い寄せられるようにステージに上がる。ま、何度も見てる夢なので、頭のどこかでは、この司会者のお兄さんが「実はいい人」で「実は味方」だってことを分かってるんだけど、おんなじ夢を見るたびに、ある程度は頭がリセットされた状態になってるから、やっぱりビビる。

そして、ステージに上がったあたしは、「小さな子供なのに、ろくろっ首やのっぺらぼうの秘密をあっと言う間に見抜いたのはすごい」ってことを評価されて、その司会者の弟子として芸をすることになる。シルクハットから鳩が出る手品をしたり、大きなトランプの中のキングの絵が動き出す手品をしたり、白いシーツをかぶってお化けになったまま一輪車に乗ったり、いろんな芸をやらされる。そして、いくつかの芸が終わると、数人しか座ってなかった客席のベンチが、いつの間にか満席になってて、座りきれない人たちが後ろや周りにも立ってて、みんなが盛大な拍手をしてくれる。

あたしは、まんざらでもない気持ちになって、ポーズをつけてお辞儀をしながら、ふと客席の後ろのほうを見ると、たくさんの人たちの中に、いなくなってたハズの母さんか父さんかおばあちゃんがいて、ニコニコ笑いながらあたしに手を振ってくれてる。それで、あたしは、自分が人探しをしてたことを思い出すと同時に、ホッと安心して、客席の真ん中のベンチとベンチの間を走って母さんか父さんかおばあちゃんのとこに行く。そして、抱き合って安心してると、横に司会者のお兄さんがいて、こんなことを教えてくれる。


「お母さんとはぐれた時には、自分から探しにいっちゃダメなんだ。自分は動かずに、このステージで一生懸命に芸をやっていれば、お母さんのほうで見つけてくれるんだよ」


‥‥そんなワケで、このステージのバージョンに限らず、トランポリンでも、回転木馬でも、パンダカーでも、とにかく、このデパートの屋上の夢では、あたしは必ず小学1年生に戻ってて、母さんや父さんやおばあちゃんも、あたしが小学1年生のころの姿に戻ってる。だから、夢の中のあたしは、子供のころの気持ちに戻って考えたり行動したりしてる。若いころの母さんや父さんに甘えられるのも嬉しいし、ずっと前に亡くなったおばあちゃんに会えるのも嬉しいし、変な夢だけど好きな夢のひとつだ。

だけど、今までずっとこのパターンで見てきた夢なのに、数日前、生まれて初めて、新しいバージョン‥‥ていうか、この夢の存在意義を根底から覆すようなパターンを見ちゃったのだ。それは、現在のあたしが、現在の母さんと一緒に、30年前のデパートに買い物に行くって夢だ。現在のあたしと母さんなら、現在の玉川高島屋とかに行く夢を見るのが普通だし、30年前のデパートに行く夢なら、あたしは小学1年生に戻ってなきゃおかしいし、母さんも若返ってなきゃおかしい。ま、夢なんだから、何でもアリなのは仕方ないけど、今までに数え切れないほど見てきた夢だから、自分と母さんの年齢だけが変化したのが不思議な感覚だった。

それで、買い物が終わった母さんとあたしは、自然な流れで屋上へ行き、夢の中で見慣れてる回転木馬やコーヒーカップの横を通って、中央にある売店のとこまで行って、大人になってるからアイスコーヒーを買うんだけど、どこかにいつもの感覚が残ってるからなのか、アイスを乗せてコーヒーフロートにしてもらう。そして、屋上の端っこのベンチに並んで座り、一緒にコーヒーフロートを飲んでたんだけど、しばらくしてハッと気づくと、横にいたハズの母さんがいなくなってる。それで、あたしは、最初は「おトイレにでも行ったのかな?」って思うんだけど、「おトイレに行くなら何も言わずに行くハズがない」って思い、母さんを探し始める。

でも、トランポリンは子供たちがいっぱい遊んでる上に大人は使用禁止だし、回転木馬もパンダカーも大人は乗れない子供サイズだ。それで、キョロキョロしながら進んでくと、そこには、あのステージがあって、あの司会者がステッキの先からお花を出す手品をやってた。あたしは、とりあえず、一番前のベンチの端っこに座って、その手品をボンヤリと見てたら、突然、ステッキの先があたしの顔の前にきた。そして、トンボを捕まえる時みたいにグルグルと回り始めて、あたしの意識はボーッとしてきて、気づいた時にはステージの上にいた。

正直、この辺で、「あたしが何かの芸をやらされるんだな」ってことはウスウス分かってたけど、後ろに下がった司会者が、50ワットくらいのギターアンプをゴロゴロを滑らせてきた。そして、それをステージの真ん中に置くと、今度はステージの袖から白いテレキャスターを持ってきた。司会者は、白いテレキャスをあたしに手渡して、無言でギターアンプを指差したので、あたしは、今日の芸はギターを弾くことなのかって思う。

すると、知らないうちにドラムとベースが登場してて、リズムを刻んで演奏がスタートしてる。2人とも外国人のロック兄ちゃんで、イカニモって感じのビジュアルだ。それで、あたしは、慌ててセッティングを始めるんだけど、どこにもシールドが見当たらない。もちろん、こんなに小さなステージでの演奏なんだから、ワイヤレスのワケはない。それで、アンプの後ろとか、どこを探してもシールドが見つからないので、ステージの袖に引っ込んでた司会者のとこに行って、「シールドはどこですか?」って聞くと、ナナナナナント! 無言で15cmのパッチケーブルを渡されたのだ!

分からない人のために説明しとくと、ギターとアンプをつなげるのは、3mとか5mとかのシールドだけど、そのギターの音を変化させるためにエフェクターを挟む場合には、ギター、シールド、エフェクター、シールド、アンプって順番になる。そして、複数のエフェクターを挟む場合、たとえば2個なら、ギター、シールド、エフェクター、シールド、エフェクター、シールド、アンプっていう順番になるんだけど、このエフェクターとエフェクターをつなぐ短いシールドがパッチケーブルだ。だから、ジャックのタイプはギター用のシールドとおんなじだけど、複数のエフェクターを並べて使うために短くできてる‥‥ってワケで、あたしが渡されたのは、この15cmのパッチケーブルだったのだ。

これが、通常のライブとかだったら「ふざけんな!」って話なんだけど、この場合は、不思議な夢の途中だから、とにかく、あたしは、渡された道具でお客さんを楽しませる芸を披露して、ガラガラの客席が満席になるほど人を集めないと、母さんも戻ってこない。だから、あたしは、その15cmのパッチケーブルの片側をテレキャスに差して、もう一方をアンプに差して、ギターのお尻の部分がアンプに乗っかってる異様なポジションで、ものすごく無理のある姿勢でギターを弾き始めた。こんなことしたら、ホントならハウリングの嵐になっちゃうけど、そこは夢ってワケで、ハウリングは起こらないで音が出た。

だけど、あまりにもポジションが悪い。それで、あたしは、アンプの前にしゃがんでみたり、アンプにまたがってみたり、いろいろと工夫しながらギターを弾き続けるんだけど、どうしても巧く弾くことができない。巧く弾けないから、お客さんも集まってきてくれない。その上、ストラップに頼れないから、ギターの重さが辛くなってきた。そして、「せめて、この倍の長さ、あと15cmあれば、ギターの自由度が上がって、もうちょっとマトモに弾けるんだけど‥‥」って思ってたら、司会者が、ロケットのディストーションと15cmのパッチケーブルをもう1本、持ってきてくれたのだ。

それで、ギター、パッチケーブル、ディストーション、パッチケーブル、アンプってつないだら、パッチケーブル2本ぶんの30cmの他に、ディストーションの幅のぶんまで長くなり、格段に弾きやすくなった。普通に考えたら、これでも尋常じゃないんだけど、さっきまでの窮屈さと比べたら、まるで背中に翼が生えたような自由度だ。もちろん、これは、夢の中だからの話なんだけど、シールドの長さが倍になったことで、ストラップを思いっきり長くしてギターをモモのとこまで下げて、脚をひらいてアンプの前に立てば、いつものようにちゃんと弾ける体勢になった。オマケに、ロケットのディストーションもプラスされたから、もう恐いものなしだ。

‥‥そんなワケで、30年前の渋谷の東急東横店の屋上のステージで、無我夢中でギターを弾き続ける現在のあたし。すると、ジョジョに奇妙にお客さんの数が増えてきて、知らないうちに、目の前にマイクスタンドがセットされてる。それで、あたしが、ジョーン・ジェットの「アイ・ラブ・ロックンロール」を弾いて歌いだすと、どんどんお客さんが集まってきて、さっきまで座ってたお客さんたちも総立ちになった。3人掛けのベンチが6つだけの客席のスペースで、2000人くらいが熱狂してる。物理的にはアリエナイザーでも、夢の中だからアリエールなのだ。そして、興奮しながら歌い続けてたら、一番後ろの人の列の中に、笑顔で手を振ってる母さんがいた‥‥っていう夢を見た今日この頃なのだ(笑)


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