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2010.11.23

深夜のアニメライフ

ここ10年くらいなのかな? テレビの深夜枠で、新作のアニメを放送するようになったのは。昔は、深夜のアニメっていうと、たいていは再放送だったんだけど、今はちゃんと新しい作品を放送してる。昔みたいに夕方に放送してた子供向けのアニメの再放送じゃなくて、最初から深夜枠で放送するために制作してるから、対象は子供じゃなくて大人だ。それも、どんどんエスカレートしてきて、今や各局が週に何本も放送してる。

あたしは、今でこそいろんなアニメを観るようになったけど、それは、ここ2~3年のことだ。何しろ、「エヴァンゲリオン」も「サクラ大戦」もリアルタイムじゃ一度も観たことがなかったし、それどころか、こうしたアニメのタイトルすら聞いたことがなかった。「エヴァンゲリオン」は社会現象になったって言われてるけど、それは、あたしとは無関係の人たちの社会の話であって、あたしの生きてる社会では、「エヴァンゲリオン」の「エ」の字も聞いたことがなかった。

たとえば、「ガンダム」くらいメジャーなら、観たことはなくても名前くらいは聞いたことがあった。あたしが「サイボーグ・クロちゃん」を読むために毎月買ってた「コロコロコミック」にも、「ガンダム」をギャグマンガみたいにしたのが連載されてたし、それ以前に、「サイボーグ・クロちゃん」に登場する鈴木先生が「ガンダムおたく」って設定だった。だから、アニメに疎いあたしでも、「ガンダムっていうロボットみたいなのが出てくる子供向けのアニメがある」ってことくらいは認識してた。

そんなあたしだから、「エヴァンゲリオン」を知ったのも、「サクラ大戦」を知ったのも、すべてはパチンコが最初で、よりパチンコを楽しむために、あとからアニメを観たってワケだ。「サムライチャンプルー」も、最初にパチンコで知って、それからアニメを観た。だから、「サムライチャンプルー」が放送されてたのは、もう6年も前の2004年のことだけど、あたしがアニメを観たのは、パチンコがリリースされたあとの2008年のことだった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、「エヴァンゲリオン」にしろ、「サクラ大戦」にしろ、「サムライチャンプルー」にしろ、パチンコで知るまでは、その存在すら知らなかったワケで、2004年にフジテレビの深夜枠で「サムライチャンプルー」を放送してたことも、まったく知らなかった。たぶん、「テレビブロス」の番組欄でタイトルを目にしたことはあっただろうけど、まさかアニメだとは思わずに、深夜のくだらない低予算バラエティーか何かだと思い込んで、無意識のうちにスルーしてたんだと思う。

だけど、パチンコを打ってみたらメチャクチャ面白くて、キャラのビジュアルもあたし好みだったので、ネットで検索してみたら、アニメだってことが分かった。それで、「エヴァンゲリオン」や「サクラ大戦」の時とおんなじに、世の中に遅ればせながらアニメを観てみたら、これまたメチャクチャ面白かったってワケだ。特に、とてもアニメとは思えないレベルの殺陣が圧巻で、あたしは、自分の知らないうちに、ニポンのアニメはここまで進化したのかと驚いた。

それで、「サムライチャンプルー」のことをいろいろと調べてみたら、これが「マングローブ」って会社の作品だってことが分かり、この会社が今度は「ミチコとハッチン」ていうアニメを放送するってことも分かった。それで、あたしは、その「ミチコとハッチン」も観てみようと思ったのだ。これが、あたしが深夜枠のアニメをちゃんと観た最初で、あまりにも面白かったから、毎週の放送日を待ち遠しく感じるようになった。それまでは、たいていのアニメはビデオやGyaOでマトメて観てたんだけど、「ミチコとハッチン」はリアルタイムで最終話までちゃんと観た。そして、最終回のエンディングで号泣して、「深夜枠のアニメって凄い!」ってことを知ったのだ。

それからのあたしは、新しい深夜アニメが始まるたびに、とりあえず第1話だけは観てみて、それで面白そうだったら次の週も観る‥‥って感じになった。だけど、深夜枠のアニメをカタッパシから観てみたら、あたしが「深夜枠のアニメって凄い!」って思ったのは間違いで、ほとんどは観る価値のないアニメだってことが分かった。あたしは、リアルタイムでちゃんと観たのが、たまたま最高レベルの「ミチコとハッチン」だったからそう思っただけで、深夜アニメが10作あれば、そのうちの7作くらいは、同人誌ノリのイカ臭い駄作だってことが分かった。

ま、どっちにしても、毎週毎週10作も20作もアニメを観続けることなんて物理的に無理なので、あたしは、1シーズンに2~3作、お気に入りの深夜アニメがあればいいや‥‥って形に落ち着いた。そして、こんな感じで気楽に観てると、1年に2~3作くらい、「おおっ!」って感じの秀作に出会うことができる。「蟲師」しかり、「青い花」しかり、「墓場の鬼太郎」しかり、深夜まで起きてても観る価値のある素晴らしいアニメに出会えると、次の放送日を楽しみにして1週間がんばることができるようになる。

去年の夏に放送してた「青い花」なんて、女の子同士のほのかな恋愛感情をテーマにしつつも、それだけじゃなくて、「鎌倉」っていう背景が素敵すぎて、あまりにもハートの内角高めにストライクだったから、誇張じゃなくて、もう20回くらいは観てる。そして、こんなに何度も観てるのに、毎回おんなじように、最終回で号泣しちゃう。最初に観た時は、最終回のエンディングの最後の最後で号泣したんだけど、何度も観てるうちに、最終話の頭からウルウルが始まるようになり、エンディングの前から号泣しちゃうようになった。

「青い花」は、背が高くておとなしい「ふみちゃん」と、ちっちゃくて元気な「あーちゃん」ていう幼馴染の女の子2人が主人公で、鎌倉にある別々の女子高に通ってる。そして、いろんなことがありつつ、最後の最後に、ふみちゃんはあーちゃんのことを好きだったって気づく‥‥って物語だ。それで、あたしは、「ふみちゃんとあーちゃんに初代プリキュアをやらせたらサイコーなのに」だなんて妄想をツイッターでつぶやいたら、「青い花」の作者の志村貴子先生が「私も書いてみたい!」ってコメントをくださったので、パソコンの前でビックル一気飲みしちゃった。

そして、あたしが、「青い花」の最終回で号泣したってことを伝えたら、貴子先生も「私も最初から泣きっぱなしでした」ってコメントをくださった。貴子先生いわく、「アニメの監督さんをはじめ制作スタッフの皆さんのおかげてここまで素晴らしく仕上げていただいた」とのことだった。そうだよね。そうだよね。いかに原作の漫画が素晴らしくても、アニメ化して最悪になっちゃった作品もマウンテンだもんね。

‥‥そんなワケで、深夜アニメは、1クールだけの短い作品も多くて、この「青い花」もぜんぶで11話だ。だから、20回も観られるんだけど、こうした11話か12話の1クールのアニメの他に、24回前後の2クールのアニメもある。だから、今、放送してる深夜アニメも、10月からスタートしたアニメの他に、7月からスタートして、まだ続いてる「屍鬼(しき)」みたいのもある。ちなみに、あたしは、この「屍鬼」もずっと観てるんだけど、お恥ずかしいことに、つい、こないだまで、ずっと「しかばねおに」って読むんだと思ってた。それが、13話か14話くらいの時に、登場人物の1人が「しき」って言ったのを聞いて、初めて正しい読み方を知ったってワケだ。

で、現在のあたしは、この「屍鬼」の他に、「テガミバチ リバース」と「荒川アンダーザブリッジ×ブリッジ」と「おとめ妖怪ざくろ」っていう4作の深夜アニメを観てる。でも、「屍鬼」は7月から続いてるから今シーズンの新作じゃないし、「テガミバチ リバース」も「テガミバチ」の続編だし、「荒川アンダーザブリッジ×ブリッジ」も「荒川アンダーザブリッジ」の続編だから、10月からスタートした新作のアニメってことだと、あたしが観てるのは「おとめ妖怪ざくろ」だけってことになる。

7月からのクールは、「世紀末オカルト学院」がスーパー面白かったので、これだけで楽しむことができた。それで、あたしは、10月からのクールも、「世紀末オカルト学院」とおんなじくらい楽しめるアニメが1作でもあればいいや!って思って、新しくスタートしたアニメをカタッパシから観たんだけど、あれもダメ、これもダメ、それもダメ‥‥って結果で、今シーズンは不毛だな~って思ってたら、最後のほうにスタートした「おとめ妖怪ざくろ」が、オープニング映像からあたしのツボで、「おおっ!」ってなったのだ。

とにかく、絵がキレイなのと、キャラのビジュアルが素敵なのとで、すぐに気に入ったんだけど、問題はストーリーだ。「おとめ妖怪ざくろ」は、明治や大正あたりの時代設定で、人間社会の中に妖怪も混じって暮らしてて、そこで悪さをする妖怪を退治するために、人間の軍人と半妖とがチームを組んで戦うっていう物語だ。だから、状況としては「機動新撰組 萌えよ剣」みたいだし、キャラや背景や小道具なんかは「はいからさんが通る」みたいな感じだ。

それで、最初のころは、あたしの好きなバトルシーンに重心を置いてないこととか、主人公のざくろのキャラがよく分からないこととかで、「あれっ?」って思ったんだけど、第2話、第3話と観てくうちに、あたしは、このアニメのポイントが分かってきて、すごく楽しめるようになった。これは、「悪い妖怪を退治する」ってことがテーマなんじゃなくて、「恋愛」こそがテーマのアニメだったのだ。それも、妖怪と人間のハーフである半妖の女の子と、人間の男性との恋愛の物語だったのだ。

悪さをする妖怪を退治するための「妖人省」には、半妖の女の子と人間の軍人との3組のチームがある。登場人物の名前が凝ってて覚えるのが大変なんだけど、主人公のざくろとコンビを組むのは、帝国陸軍少尉の総角景(あげまき けい)、見た目は少女漫画の王子様タイプだ。そして、ざくろの幼馴染でおとなしい性格の薄蛍(すすきほたる)とコンビを組むのは、おなじく帝国陸軍少尉の芳野葛利剱(よしのかずら りけん)、無口で男らしいタイプだ。最後に、双子の半妖の雪洞(ぼんぼり)と鬼灯(ほおずき)とコンビを組むのは、おなじく帝国陸軍少尉の花桐丸竜(はなきり がんりゅう)、小柄で可愛らしいタイプだ。そして、この3組が、それぞれ力を合わせて事件を解決したり敵と戦ったりするんだけど、その中で、それぞれが自分のパートナーに対する思いを深めてく‥‥ってとこがポイントになってる。

元気で強いけど恥ずかしがり屋で頑固なざくろと、見かけによらず情けないとこがある総角、おとなしくて内気な薄蛍と、無口だけどやさしくて強い利剱、2人とも明るいけど、それは悲しい過去の裏返しな雪洞と鬼灯と、力は弱くても2人を守るために必死になる丸竜、それぞれの恋愛模様が絡み合いながら、物語は進んでく‥‥って書くと、なんだかよくあるパターンみたいに思うかもしれないけど、「バトル」じゃなくて「恋愛」に重心を置いて観てると、あまりにも繊細で秀逸な表現に胸がジーンとして、毎回ウルウルしちゃうのだ。

たとえば、最新の第8話では、ざくろのパートナーの総角が、偶然に街でバッタリと薄蛍と会い、一緒にいるところを敵に拉致されちゃう。それで、その2人を助け出すために、ざくろと、薄蛍のパートナーの利剱が向かう。つまり、捕らわれてるほうも、助けに行くほうも、一時的にパートナーが入れ替わってるってワケだ。そして、利剱は薄蛍を、ざくろは総角を、それぞれのパートナーを何とか助け出すんだけど、助け出した瞬間、利剱が薄蛍をギュッと抱きしめたのに対して、ざくろはと言えば、お礼を言う総角に冷たく「別に‥‥」って言ってソッポを向いちゃう。沢尻エリカ以来の「別に」の炸裂だ。ホントは、ものすごく心配してたクセに、ざくろの性格がよく出てるシーンだ。

実は、総角は、ざくろと約束してた「笹まき」を調達しにいった帰りに、薄蛍と会い、敵に拉致されちゃったのだ。そして、その「笹まき」の包みに、ざくろと約束した時の「笹まき」って書いたチケットがさしてあって、それが拉致現場に落ちてたことから、ざくろは、自分のために総角が出かけ、自分のセイで総角が拉致されちゃったと思ってる。だから、「妖人省」の自宅に戻ってきてからも、ずっと機嫌が悪い。2階の部屋の窓辺に2人で並んでるのに、ざくろは、自分の感情をどう表現していいのか分からなくて、総角の顔を見ることができない。

そんなざくろを見て、総角は、届いてた「笹まき」の包みを渡そうとする。だけど、包みの中身を言わずに渡して、ざくろを喜ばせようとした総角の考えとは裏腹に、ざくろは「笹まき」だってことを知ってた。怪訝な顔をする総角に、ざくろは自分の帯にはさんでた「笹まき」のチケットを取り出して見せ、そこで感情が爆発する。


「バカじゃないの!!」


突然のことに、ワケが分からない総角。ざくろは、決して総角と目を合わせようとはせず、下を向いたまま続ける。


「あんな約束、律儀に守っちゃって、それでさらわれて、あんな目にあって、もしかしたら、し‥‥死んでたかもしれないのに‥‥」


ボロボロと大粒の涙が、ざくろの目から流れ落ちる。


「‥‥なのに‥‥バカじゃないの!!」

「ざくろ君‥‥」

「見ないで!」


自分の泣いた顔を見られたくないざくろは、総角に背を向け、下を向いたまま泣き続ける。


「もう、わけ分かんない‥‥」


総角は、そっと近づき、泣いているざくろを後ろからギュッと抱きしめた。その瞬間、ハッとするざくろ。そして、安堵の涙があふれる。


「ごめんね、心配させて、ごめん」


ざくろの耳元で囁く総角。


「心配なんかしてない、してないんだから‥‥」


まだ意地を張るざくろ。


「うん」


やさしい笑顔で静かにうなずく総角。


‥‥って流れだから、当然のことながら、あたしは、テッシュの箱を抱えて号泣。今、このシーンのセリフを書くために、録画してたビデオでこのシーンだけを観直したんだけど、またまた号泣。だから、今、あたしは、泣きながらコレを書いてる。とにかく、負けん気が強くて意地を張ってる女の子を後ろからギュッて、これほどのツボは他にない。あたしは、まるで自分がギュッてされたみたいな気持ちになって、何枚も何枚もティッシュを涙で濡らした。もちろん、あとから、ぜんぶ広げて乾かしてリサイクルしたけど(笑)

で、今回は、主人公のざくろと総角のコンビがメインだったけど、その時によって、薄蛍と利剱のコンビにスポットを当ててたり、雪洞&鬼灯と丸竜のコンビ‥‥って言うか、トリオにスポットを当ててたりで、それぞれにホントによく作られてるから、胸がジーンとしちゃう。その上、あまりにも贅沢三昧な話なんだけど、作者の星野リリィ先生が、ブログの「星野日記」で、これまでに2回も、アニメの補足として、特別に原稿を描いてアップしてくださったのだ。ざくろと総角の夜会でのシーンと、薄蛍と利剱のビスケットのシーン。どっちも胸がキュンとしたシーンだったから、とっても嬉しかった。

‥‥そんなワケで、今シーズンの深夜アニメの新作は、この「おとめ妖怪ざくろ」だけで、あたしは十分だ。これほどクオリティーの高い作品が楽しめるのなら、他に何作も観なくても満足できるからだ。あたしの場合は、アレもコレもって観るよりも、気に入ったアニメを何度も繰り返して観るほうが好きなので、「ミチコとハッチン」や「青い花」のように、この「おとめ妖怪ざくろ」も、何度も繰り返して観てる。あとは、ここまで観たから意地でも最後まで観ようと思ってる「屍鬼」と、毎回のエピソードに無理があることには触れずに観てる「テガミバチ リバース」と、気楽に四コマ漫画を見る気分で楽しんでる「荒川アンダーザブリッジ×ブリッジ」で、あたしの深夜アニメライフは充実してる今日この頃なのだ。


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