自分へのベホイミ
少し遅くなっちゃったけど、お誕生日のお祝いのメールをくださった皆さん、どうもありがとうございました♪‥‥ってワケで、11月22日の日記で、メールをくださった皆さんにお礼を言ったり、38歳になった抱負を語ったりしようと思ってたんだけど、お誕生日の当日は、ちょっと体調が悪くなっちゃった。食欲もなくて、朝は冷凍してた食パンの最後の1枚を焼いて、何もつけずに食べただけだし、お昼は何も食べられなかったし、夜はこれまた最後の1個のサッポロ一番にモヤシを乗せて食べただけだった。それで、病院に行った以外は、ほとんど横になってたので、日記もお休みしちゃった。
昨日の「きっこさんのつぶやき」にもチョコっと出てくるけど、あたしは、お誕生日なのに、ご馳走を食べたワケでもなく、ケーキを食べたワケでもなく、何もなく過ぎちゃった‥‥って言うか、地元のお友達が居酒屋さんとカラオケに誘ってくれてたんだけど、体調が悪かったので断った。それで、深夜に日付が変わるころに少し体調が良くなったので、とっておきの1個150円の高級なサバの味噌煮の缶詰を開けて、業務用の赤ワインを飲んで、GyaOで「みどりのマキバオー」を観て、1人でお祝いした。
今月から完全に収入がなくなった上に、唯一の生活の糧であるパチンコにも体調不良でなかなか行けない日が続いてるので、お誕生日だからどうとかってワケじゃなくて、あんまりお友達と会って飲んだり騒いだりする気分にもなれない。それで、1人でぼんやりと本を読んだりして過ごしてたんだけど、この次の日のこと、これも昨日の「きっこさんのつぶやき」にチョコっと出てくるけど、朝、目が覚めたら、あまりの寒さで、ずいぶん回復してた右手の指が、また完全に動かなくなってた。結局、お湯に手を浸けて温めて、マッサージしたら動くようになったんだけど、あたしは、ものすごく不安になった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、7月に右手が動かなくなってから、「場合によっては半年も1年も掛かる」ってことを知ったので、完治までに時間が掛かることは覚悟してた。だけど、お医者様の「絶対に治ります」って言葉を希望の光にして、何とか下を向かずにがんばってきた。そして、何よりの希望の光だったのが、8月よりは9月、9月よりは10月って、カタツムリが進むほどのスピードでも、着実に良くなってるってことだった。
それなのに、7割か8割くらい指が動くようになって、「もうちょっとだ」って思ってた矢先に、いくら急に寒くなったからとは言え、朝、目が覚めたら、またぜんぜん動かなくなってるなんて、あたしは、目の前が真っ暗になった。「西日本縦断ブログ旅」で、早希ちゃんがサイコロの「1」を2回続けて出しちゃって、たった1枚の「フルカード」を使ってサイコロを振り直したのに、それでも「1」を出しちゃって、スタート地点に戻ることになった時も、きっとこんな気分だったんだろうな‥‥って思った。
もちろん、あたしの場合は、手を温めてマッサージしたら動くようになったんだから、7月の振り出しに戻ったワケじゃない。だけど、それでも、今までずっと、良くはなっても悪くはならなかったから、初めての「後退」を経験して、精神的にものすごく凹んじゃった。そして、テレビをつけると、先週、作詞家の星野哲郎さんが亡くなったことで、ヤタラと「365歩のマーチ」が流れてる。星野哲郎さんは「人生の応援歌」として、この歌を書いたそうだけど、「3歩進んで2歩下がる」ってフレーズは、1日も早く手を治してお仕事に復帰しないとヤバイと思ってるあたしにとっては、焦る気持ちを増幅させるだけだった。
‥‥そんなワケで、あたしは、いろんなことを考えてるうちに、なんか、自分のことがかわいそうに思えてきた。ここ最近、節約しすぎで、ロクなものを食べてないことも、その一因みたいに思えた。土曜日に母さんとデートした時は、母さんがご馳走を作ってくれたけど、他の日は、お米を節約するために小麦粉を主食にしたり、お茶碗1杯ぶんのご飯をタップリのお水でコトコトと煮て、3倍くらいの量のお粥にして、2食に分けて食べたりしてるからだ。
それで、あたしは、これまた昨日の「きっこさんのつぶやき」にチョコっと出てくるけど、「自分へのベホイミ」を発動することにした。昨日の「きっこさんのつぶやき」を読んでない人のために説明しとくと、あたしは「自分へのご褒美」って言葉が大嫌いなので、その代わりに、がんばった自分に対して何かしてあげることを「自分へのベホイミ」って呼んでるのだ。もちろん、これは、「ドラクエ」の回復系の呪文のことで、回復力の小さい順に、「ホイミ」→「ベホイミ」→「ベホイム」→「ベホイマ」→「ベホマ」、複数のメンバーを回復できるのは「ベホマラー」→「ベホマズンで」だ。ちなみに、「ベホイムとかベホイマなんてあったっけ?」って思った人は、最近のドラクエのモンスターズをやってない人だ。
そんなこんなで、今のあたしにとっての「ベホイミ」は、やっぱり食べ物だろう。ずっと食べたくてガマンしてたものを食べれば、元気も出るし体力もつく。つまり、精神的にも肉体的にもプラスになるってワケで、まさにHPの少なくなった戦士に「ベホイミ」の呪文を唱えることとおんなじだ。だけど、いくら精神的にも肉体的にもプラスになるって言っても、その前に金銭的な問題が立ちはだかってる。あたしは、お金がないから節約生活をしてるワケで、お金があれば最初から食べたいものを食べてる。だから、この点が解決できなければ、あたしは、「自分へのベホイミ」を発動することはできないのだ。
‥‥そんなワケで、あたしが1ヶ月くらい前から食べたかったものは、ひとことじゃ言えない。それは、「天丼」とか「お寿司」みたいに正式な名前がついてないからだ。あたしがずっと食べたかったのは、フランスパンを切って、バターを塗って、魚肉ソーセージとレタスとトマトをはさんで、からしマヨネーズをかけたものだ。つまり、ベーコンとレタスとトマトをはさんで、その頭文字で「BLT」って呼んでるサンドイッチとかのベーコンの部分を魚肉ソーセージに代えたものってワケだ。
これは、あたしがお肉を食べないからだけど、そういう思想的なことを抜きにしても、パンにはさむなら、ベーコンやハムなんかよりも魚肉ソーセージのほうが遥かに美味しい。で、あたしが食べたかったのは、見た目で言うと、「サブウェイ」の「BLT」みたいな感じで、ベーコンの代わりにスライスした魚肉ソーセージがはさまってるもの、そして、パンはフランスパンだ。「サブウェイ」のパンもフランスパンに近いけど、あたしは、もっと歯応えのあるのが食べたいのだ。
だいたいからして、パンが「サブウェイ」のパンでもいいのなら、いろんなお野菜がタップリとはさまってる「サブウェイ」の「ベジーデライト」を290円で買ってきて、それにスライスした魚肉ソーセージをはさめば、あたしの理想に近いものができる。それでも、1食に300円以上もかかっちゃうけど、月に1回くらいなら、このくらいの贅沢はノープラモデルだ。だけど、カンジンのパンが理想じゃないから、あたしは1食に300円以上もかけることなんてできなくて、この方式はとらなかった。
で、自分の理想は自分で作るしかないってワケで、あたしは、いつものスーパーをウロウロしながら、ひとつひとつの食材の値段を見て、ザッと計算してみた‥‥ってのは嘘だ。わざわざ値段なんか見なくても、神戸屋のフランスパンは180円で、パン全品が割引の曜日に買いにくれば150円だ。魚肉ソーセージは、ここのスーパーは4本で250円もするから、いつも別のスーパーで買ってる。そっちのスーパーなら、普段でも4本198円で、安売りの曜日なら158円、さらに安売りの日と重なれば126円になる。だから、あたしは、この時にマトメて買ってる。
つまり、あたしが自分の理想としてる「BLT」ならぬ「魚(ぎょ)LT」を作るために必要なのは、魚肉ソーセージ以外の食材なのだ。そして、あたしは、神戸屋のフランスパンが割引の日に150円だってことを知ってるから、あとはレタスとトマトってことになる。だけど、いつものスーパーに入ると、まず最初の野菜コーナーに、小さいクセに198円もするレタスだの、小さくて硬そうなのに2個で298円もするトマトだのが並んでるから、これらを見ただけで、計算するのがバカバカしくなっちゃって、あたしは「魚LT」を諦めた。
‥‥そんなワケで、あたしは「諦めた」と言いつつも、何かの間違いでレタスやトマトが50円とかになってる可能性も考えて、スーパーに行くたびに、お野菜のコーナーもザッと眺めてた。だけど、半分に切ったレタスの処分品が50円になってたことはあったけど、トマトは常に高かった。2個で298円とか、3個で398円とかで、とてもじゃないけど手がでない。そして、一度だけ、トマトをバラ売りしてて、1個105円だった時があったんだけど、この時は、レタスが198円だった上に、カンジンの神戸屋のフランスパンが180円の日だったのだ。
こんな感じだったから、あたしは「魚LT」を食べたい食べたいと思いつつも、この1ヶ月、ずっと食べることができずに、いつしか「頭の中に思い描くだけの空想の食べ物」と化しちゃってた。だけど、今回、あたしは、「自分へのベホイミ」として、この憧れの「魚LT」を作ってみようって思い立ったのだ。でも、自慢じゃないけど予算はない。お財布に3000円くらいは入ってるけど、これは病院代だ。だから、あたしが「自分へのベホイミ」を発動するためには借金をしなくちゃなんない。病院代とか、月末に支払う光熱費とか、猫たちのご飯代とか、どこからか一時的に借金するしかない。
いつも、あたしは、自分の食べたいものをガマンして、優先順位の高いほうからお金を振り分けてきた。だけど、今回は、あまりにもガマンしすぎてて、自分がかわいそうになっちゃったから、「自分へのベホイミ」を発動することにしたワケだ。だから、「明日の風は明日の風が吹く」ってことで、一時的に借金しても「魚LT」を作って食べることにした‥‥ってワケで、あたしは、いつもより気合いの入った状態で、パン全品が割引になる今日、いつものスーパーへと欽ちゃん走りしたのであった。めでたし、めでたし‥‥って、こんなとこじゃ終わらない。
スーパーに到着したあたしは、まずはパンのコーナーに行って、150円になってた神戸屋のフランスパンをカゴに入れた。どれもおんなじパンなのに、何本かを見比べて、一番大きそうな感じのを選んじゃうとこが貧乏性全開だ。そして、入り口のとこの野菜コーナーに戻ろうとした時、あたしは、大変なことに気づいちゃったのだ。家には、バターがなかったのだ。母さんが退院した時に、エビグラタンを作るために、半分のサイズのバターを買ったのが最後で、それを使い切ってからは、バターなんて高価なものは一度も買ってなかった。
でも、あたしの理想とする「魚LT」には、どうしてもバターが必要だ。パンにバターが塗ってあるのと塗ってないのじゃ、味は雲泥の差になる。ひと昔前のあたしなら、安いマーガリンを平気で使ってたんだけど、危険な食品の本を読んで、マーガリンに含まれてるトランス脂肪酸が危険だってことを知ったので、それ以来、絶対に口にしないようにしてる。だから、バターじゃないとダメなのだ。
それで、あたしは、普段は素通りしてる乳製品のコーナーに行ってみたんだけど、普通のバターは1個380円もするし、一番安い割引品でも330円だったので、10分くらい悩み続けた結果、ハーフサイズの220円のを買うことにした。マーガリンなら、何倍も大きなのが180円だったけど、体に害のあるものなんかにお金を払いたくない。それに、体に害があったら「ベホイミ」にならない‥‥ってワケで、パンとバターだけで、すでに370円、いつもの4食ぶんの食費に匹敵するほどの金額になっちゃって、ジョジョに奇妙に後ろ髪を引かれ始めたあたしだけど、パンとバターを元の場所に返そうと思う気持ちを強引に押さえつけて、そのままお野菜のコーナーへと突進した。
そしたら、レタスが198円で、トマトは2個で298円のと、産直で2個250円のとがあった。ここで、サスガのあたしも、くじけそうになった。せめて、ぜんぶで500円以内に収まれば、「久しぶりの贅沢」ってことで納得もできるんだけど、これじゃあ高すぎだ。こんなにお金を使っちゃったら、「自分へのベホイミ」どころか「自分へのベホマ」になっちゃう。順調にお仕事をしてる時ならともかくとして、お仕事ができなくて収入が途切れてる時に、これはあまりにも無謀な行為だ。だけど、お誕生日にも何もしなかったんだし、何よりも凹んでる自分を元気づけたい。そのための「自分へのベホイミ」なんだから、ここで諦めるワケにはいかない。
そこで、あたしが考えたのが、「レタスを諦める」って作戦だった。「魚LT」におけるレタスとトマトの必要性の比率は、1対9くらいの大差でトマトに軍配が上がる。レタスが入ってなくても何とかなるけど、トマトが入ってなければお話にならない。そこで、あたしは、産直の2個250円のトマトを買って、レタスはガマンしようと考えた。こうすれば、500円は超えちゃうけど、600円ちょいで済むから、何とか「予算を少しオーバー」って雰囲気になる。レタスまで買って800円を超えたらシャレにならないけど、600円ちょいなら許容範囲だ。
だけど、この食材で作ったパンを脳内シミュレーションしてみたら、魚肉ソーセージもやわらかいし、トマトもやわらかいので、レタスのシャキシャキした食感が必要なんだってことに気づいた。でも、レタスは198円もするから、やっぱり無理だ。レタスの隣りには、100円のサラダ菜があったけど、サラダ菜はやわらかいからレタスの代わりにはならない。あとは、かいわれ大根が58円だったけど、これも違う‥‥って思ってたら、キュウリを発見! それも1本50円でバラ売りだ! キュウリを薄くスライスすれば、レタスのシャキシャキとは違っても、全体的な食感を複雑にしてくれるし、魚肉ソーセージとの相性もいい。それで、あたしは、キュウリを1本買うことにした。
‥‥そんなワケで、あたしは、ナンダカンダで30分以上もかけて、スーパーで食材を買ってきた。総額670円ていう、いつものあたしじゃ考えられない金額だし、さらには、病院代からの借金ていう無謀とも思えるチャレンジだけど、それもこれも「自分へのベホイミ」のためだ。これで精神的にも肉体的にも元気になって、明日からまたがんばれるようになれば、それは先行投資ってことになる。
それに、フランスパンは3つに切って、3食ぶんの「魚LT」‥‥じゃなくて、「魚KT」を作れるから、何も1食に670円も使うワケじゃない。この他に魚肉ソーセージやマヨネーズなんかも使うけど、逆に、バターは大半が残るから他のことに使えるし、トマトだって2個ぜんぶは使わない。さらには、ガスも電気も使わないから光熱費はゼロだ。だから、概算で、1食あたり250円ほどで、あたしにとっては贅沢だけど、「自分へのベホイミ」としては適正だと思う。
で、3分の1に切ったフランスパンに切れ目を入れて、温めたバターナイフでバターを溶かしながら塗り、スライスしたトマト、キュウリ、魚肉ソーセージをはさみ、からしマヨネーズと粗挽コショウで味つけして、1ヶ月も夢に見てた理想のパンが完成した。レタスの代わりにキュウリになっちゃったから、名前は「魚KT」になっちゃったけど、限りなく理想に近いブルーってワケで、あたしにとっての「魚KT」は、「AKB48」よりも「sengoku38」よりも遥かにキラキラと輝いてる希望の星となった。
‥‥そんなワケで、あたしは、完成した「魚KT」を記念にケータイで写メしてから、コーヒーをいれて、さっそく食べ始めた。ずっと夢に見てた理想のパンは、あたしが思い描いてた以上に美味しくて、大切に大切に食べたのに、アッと言う間に食べ終えちゃった。だけど、あと2回も作れるんだよね。だから、明日の朝も、明日のお昼も、あたしは「魚KT」を楽しむことができるってワケだ。1回食べた今の状態で、あたしはすでにHPが満タンになって元気になれたから、あと2回も食べたら、確実にレベルアップできると思う。そして、勇者きっこは、また新たな冒険へと旅立つのであった!‥‥なんて感じの今日この頃なのだ(笑)
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