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2011.01.20

続・同姓同名のサジ加減

昨日の日記で「同姓同名」について書いたけど、「同姓同名辞典」をあれからまた眺めてたら、とっても面白いことを発見しちゃった。それは、ニポンで一番多い同姓同名が「田中実」さんで、2位が「鈴木茂」さんで、3位が「鈴木実」さんていう部分だ。昨日の日記を書いてる時点では、ぜんぜん気づかなかったんだけど、名前のランキングをぼんやりと眺めてたあたしは、ハッ!っと気づいちゃったのだ。

何がって、「田中実」さんがニポンで一番多いってことは、下の名前は「実」が人気あるってことになる。それなのに、人気のある名前をつけた「鈴木実」さんは3位で、それよりも「鈴木茂」さんのほうが多い。ここで、あたしの頭の上で、100ワットの電球がパッ!と点灯した。「田中」さんは「田んぼ」だから「(稲が)実る」だけど、「鈴木」さんは「木」だから「実る」よりも「茂る」のほうが苗字にマッチしてるのだ‥‥ってワケで、上位34位までを見てみると、すごく面白いことが分かった。


1 田中 実 2620
2 鈴木 茂 2470
3 鈴木 実 2301
4 佐藤 清 2272
5 高橋 清 2248
6 佐藤 正 2231
7 佐藤 進 2178
8 鈴木 清 2164
9 田中 稔 2071
10 鈴木 博 2039
11 佐藤 勇 2017
12 佐藤 博 1978
13 鈴木 勇 1954
14 佐藤 実 1947
15 小林 茂 1942
16 伊藤 博 1896
17 田中 博 1835
18 佐藤 茂 1774
19 高橋 勇 1713
20 佐藤 誠 1703
21 佐藤 弘 1699
22 高橋 進 1658
23 鈴木 隆 1636
24 高橋 正 1629
25 佐藤 隆 1626
26 渡辺 清 1599
27 吉田 稔 1578
28 吉田 茂 1571
29 田中 茂 1544
30 田中 勇 1544
31 山本 茂 1513
32 高橋 博 1483
33 鈴木 正 1466
34 高橋 弘 1465


‥‥そんなワケで、今日は「いかがお過ごしですか?」は割愛しちゃうけど、この一覧の下の名前だけを見ると、1位が「実」、2位が「茂」、3位が「実」なのに、4位からは「清」「清」「正」「進」「清」って続いてて、人気があるハズの「実」も「茂」も出てこない。9位になって、ようやく「田中稔 」さんが登場するけど、これは、「田んぼ」だから「実る」だとストレートすぎるから、ちょっとひねって「稔」にした‥‥って推測すべきで、どっちかって言うと、1位の「田中実」さんとおんなじカテゴリーになる。

そして、その先は、「博」「勇」「博」「勇」と続き、14位になって初めて「佐藤実」さんが登場する。つまり、1位と3位の「実」も、2位の「茂」も、名前の単体としての人気で言えば、「清」や「勇」よりも下なのだ。だけど、苗字が「田中」だからこその「実」とか、苗字が「鈴木」だからこその「茂」ってパターンにだけ人気が集中してるのだ。事実、名前だけのランキングを見てみたら、こんなふうになってた。


1 清 165439
2 勇 146640
3 茂 145897
4 博 141030
5 実 136630
6 進 130399
7 弘 113874
8 正 111327
9 勝 105862
10 隆 102138


下の名前だけの人数では、「実」は5位なのに、苗字と組み合わせた形になると、1位と3位になってるんだから、これは、やっぱり、あたしの推測通り、「田んぼ」だから「実る」っていう意味で名づける人が多いのだろう。そして、もう1つ分かったことは、3位の「鈴木実」さんについてだ。1位が「田中実」さんで、2位が「鈴木茂」さんで、3位が「鈴木実」さんなのに、「田中茂」さんはどうしたのかって言うと、驚いたことに29位だ。それで、あたしは、いろいろと考えてみたんだけど、これは「果実」のことだって気づいた。

最初に、あたしは、「鈴木」さんは「木」だから「実る」よりも「茂る」のほうが苗字にマッチしてる‥‥って書いたけど、それだけじゃなくて、この「木」を「リンゴの木」とか「柿の木」とかって想定すれば、「鈴木」でも「実」が似合うことになる。その証拠に、「田んぼ」は「茂る」ことがないから、「田中茂」さんは29位なのだ。さらに言えば、「小林」さんも「林」だから「茂る」ワケで、「小林茂」さんが15位に入ってる。下の名前だけのランキングだと、1位が「清」、2位が「勇」、3位が「茂」なんだから、このままストレートに考えたら、「小林茂」よりも「小林清」や「小林勇」のほうが上位に入ってないとおかしいことになる。だけど、実際には、34位までの中で、「小林」さんは、15位の「小林茂」さんだけなのだ。

こうして考えると、ギャグやダジャレみたいな話になっちゃうけど、実際に、「田中」は「田んぼ」だから「実る」とか、「鈴木」や「小林」は「木」や「林」だから「茂る」とかってふうに名づけてる人がいっぱいいるってことになる。だから、下の名前で1位の「清」や2位の「勇」は、「佐藤」や「高橋」っていう苗字との組み合わせが最上位に入ってる。つまり、苗字と名前とに一貫した意味を持たせずに、単に好きな名前をつけたってパターンだ。ちなみに、苗字のランキングはこうなってる。


1 佐藤 446662
2 鈴木 394339
3 高橋 328106
4 田中 309340
5 伊藤 251059
6 山本 250495
7 渡辺 250010
8 中村 244921
9 小林 237059
10 加藤 198992


‥‥そんなワケで、ニポンで一番多い苗字が「佐藤」で、ニポンで一番多い名前が「清」なんだから、普通に考えたら、この2つを組み合わせた「佐藤清」さんが、ニポンで一番多い同姓同名ってことになる。でも、実際には、「佐藤清」さんは4位なのだ。そして、それよりも多いのが、苗字では4位、名前では5位の「田中実」さんや、苗字では2位、名前では3位の「鈴木茂」さんてワケだ。これは、どう考えても、「田んぼ」だから「実る」、「木」だから「茂る」ってふうに名づけてる人が多いってことの現われだと思う。

そして、これを証明してるのが、「山田」さんだ。「山田」さんの中で、もっとも上位にランクインしてるのが、48位の「山田実」さんなのだ。 そして、その次が、77位の「山田稔」さんで、「山田茂」「山田清」「山田勇」さんたちは、どれも100位以下だ。つまり、「山田」さんも「田中」さんとおんなじで、「田んぼ」だから「実る」ってふうに名づけてる人が多いことになる。だけど、あたしのこの推理を否定してるのが、「吉田」さんだ。「吉田」さんも、「田中」さんや「山田」さんと一緒の「田んぼ」の仲間だけど、「吉田」さんの上位5位を見てみると、こんなふうになってる。


27 吉田 稔 1578
28 吉田 茂 1571
46 吉田 実 1374
105 吉田 博 1053
115 吉田 弘 1024


「吉田」さんの場合は、「実」が1位じゃないのだ。だけど、おんなじ読みの「稔」が1位になってる。そこで、あたしは、これを「吉田現象」と呼ぶことにした。どんなことかって言うと、「田中」さんは「田んぼの中」だし、「山田」さんは「山の田んぼ」だし、田んぼ自体の優劣は分からない。だから、たくさん稲が実るようにと、ストレートに「実」って名前をつける人が多い。だけど、「吉田」さんの場合は、すでに苗字だけで「よい田んぼ」って意味なんだから、たくさん稲が実るのは当然だ。それなのに、さらにストレートに「実」なんてつけちゃうと、ちょっと「言いすぎ感」が強くなっちゃう。そこで、ちょっとひねって「稔」にする人のほうが多いんじゃないか?‥‥ってことだ。

それで、あたしは、この仮説を検証するために、他の「田」のつく苗字の人たちで、それぞれ一番上位にランクインしてる名前を拾ってみた。


323 池田 稔 705
374 福田 稔 657
379 前田 実 653
413 岡田 実 627
517 森田 茂 562
531 太田 実 555
538 藤田 進 553
645 原田 実 503
932 田村 博 425
972 上田 実 417
980 高田 実 415
1037 内田 実 404


これを見ると、「前田」さん、「岡田」さん、「太田」さん、「原田」さん、「上田」さん、「高田」さん、「内田」さんが、みんな「実」さんだ。そして、「池田」さんと「福田」さんだけが「稔」って字を使ってる。これは、「池」が近くにある条件のいい「田んぼ」と、その名の通り「福をもたらす田んぼ」ってワケで、「吉田」さんとおんなじように「実」だとストレートすぎるから、ちょっとひねって「稔」にしたって考えられる。

そして、「森田」さんに関しては、「田」より「森」のほうを優先して「茂」にした。「藤田」さんに関しては、「田」よりも「藤」のほうを優先して、藤の枝が藤棚に巻きつきながら進んでく様子から「進」にした。「田村」さんに関しては、「田のある村」なんだから、広さを表わすために「広」にしたかったけど、それだと「吉田」に対する「実」と一緒でストレートすぎるから、ちょっとひねって「博」にした‥‥って推測できる。

もちろん、これは、あくまでもあたしの考えた仮説だけど、下の名前で一番多いのが「清」さんで、2番目が「勇」さん、3番目が「茂」さん、4番目が「博」さんで、「実」さんは5番目だってことから考えれば、全国1位の「田中実」さんを筆頭に、苗字に「田」がつく人たちのほとんどが、「清」でも「勇」でも「茂」でも「博」でもなくて「実」さんが最多数になってる事実。そして、苗字だけで豊作を予感させる苗字の場合だけは「稔」って字が最多数になってる事実。これらを踏まえれば、あたしの発見した「田んぼ」だから「実る」っていう名づけ方の仮説は、やっぱり間違いないんじゃないかと思う。

‥‥そんなワケで、今回は、「田」のつく苗字だけを調べてみたワケだけど、「鈴木」さんのように「木」のつく苗字だけをピックアップしてみると、今度は「茂」さんが台頭してくるような気がする。「山」のつく苗字なら「登」さんや「昇」さん、「川」のつく苗字なら「渡」さんや「渉」さんが勢ぞろいするかもしれない。こんなことを調べてみると、人の名前なんて、ワリと単純につけられてるケースが多いんだなってことが分かる。もちろん、画数だの何だのって考えてつけてるんだろうけど、これだけ「田んぼ」と「実」の組み合わせが乱立してる現状を知っちゃうと、「実」を「稔」に変える程度のひねり方じゃなくて、もうちょっとスパイラルにひねってほしくなる今日この頃なのだ。


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