「内閣改造」という最後の悪あがき
今、「直人」と言えば、養護施設にランドセルをプレゼントしてる全国の心やさしい「伊達直人」ってワケで、すっかり影の薄くなっちゃった「菅直人」のほうはと言えば、無能な総理大臣が危険水域まで落ち込んだ支持率を回復させるためのお約束、「内閣改造」へと乗り出した‥‥ってなワケで、今さら何をやっても無駄だと思うけど、オツムがカラッポの菅直人の最後の悪あがきに対して、久しぶりにアンケートを実施してみた。もちろん、公正を期すために、アホだのバカだのとはヒトコトも書かずに、次のようにマジメな設問にした。
「緊急アンケートです!」
菅首相が、14日、内閣改造、党役員人事を行ないます。13日夜の時点で、すでに、仙谷官房長官を代表代行に、枝野幹事長代理を官房長官に、安住防衛副大臣を国対委員長に、大畠経産相を国交相に、江田前参議院議長を法相に、海江田経済財政担当相を経産相に、また、たちあがれ日本を離党した与謝野元財務相を経済財政担当相に、それぞれ内定しています。
そこで質問です。
あなたは、今回の菅首相の内閣改造に期待していますか?
1.期待している
2.期待していない
3.どちらとも言えない
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2011/01/post-1097.html
で、このアンケートの結果だけど、この日記を書いてる16日の朝の時点で、有効投票8877票のうち、「期待している」が542票で全体の6%、「期待していない」が7966票で全体の89%、「どちらとも言えない」が369票で全体の4%っていう、あたしの予想を遥かに超えたワンサイドゲームになった。でも、これは、そんなに特別な結果じゃないと思う。だって、一般の新聞の世論調査でも、支持率こそわずかに上昇したけど、内閣改造直後の支持率なんてご祝儀みたいなもんで、同時に行なった「新内閣に期待しているか」って設問に関しては、70%以上もの人たちが「期待できない」って答えてる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、今回の悪あがき‥‥じゃなくて、今回の内閣改造で多くの国民を唖然とさせたのが、何と言っても与謝野馨の入閣だろう。これに関しては、与謝野なんかに打診した菅も菅だけど、大臣のイスに釣られてホイホイとやってきた与謝野も与謝野だってワケで、多くの人たちは両方のツラの皮の厚さにビックル一気飲みしちゃったと思う。だって、与謝野って、民主党を倒すために「たちあがれ日本」に参加したんだよ。それが、憎き民主党政権の仲間入りだなんて、これじゃあまるで星野仙一や落合博満がジャイアンツのコーチになるようなもんだよ。
その上、与謝野って、わずか数ヶ月前には、民主党政権の経済政策について、「成長戦略に具体性がなく、財政健全化を無視している」って言って激しく批判してたんだよ。それなのに、菅からお声が掛かったらホイホイとやってきた上に、「民主党の経済政策は私の考えと共通点が多いので、ぜひ協力させていただきたい」ってノタマッたんだよ。いくら大臣になりたいからって、ここまで露骨な「必殺 手のひら返し」を炸裂させられたら、サスガのあたしも開いた口からエクトプラズムが流れ出して幽体離脱しちゃうよ、まったく。
菅にしたって、あれほど小沢一郎のことを叩きまくってて、新年の挨拶でまで小沢バッシングを繰り広げて、「クリーン」「クリーン」「クリーン」「クリーン」って、まるでレレレのおじさんみたいに「クリーン」って言葉を連呼してたのに、よりによって「政治とカネ」の問題で真っ黒な与謝野なんかを連れてくるなんて、言ってることとやってることが正反対じゃん。与謝野って言えば、「みんなの党」の渡辺喜美とおんなじで、先物取引会社「エイチ・エス・フューチャーズ」(当時のオリエント貿易)などのグループ会社から、5530万円もの莫大な企業献金を受けてたことでもオナジミだ。そして、与謝野の場合は、ダミーの政治団体「政経政策研究会」を利用して、その献金を自分の政治資金管理団体「駿山会」へと迂回させてフトコロに入れてたんだよね。
ま、ここまでは、政治資金規正法の網の目をくぐった方式で、自民党の議員なら9割がやってることだから目をつぶるとしても、与謝野の場合は、この莫大な献金の見返りとして、寄付者の所得税の一部が控除される団体として、この「政経政策研究会」を推薦してたんだよね。つまり、自分に献金をした者だけが特別に減税されるっていうシステムを作ったんだから呆れ返る。そして、当時のNHKの「日曜討論」で、共産党の小池晃議員が「迂回献金の全面禁止」を訴えたら、必死になって「何から何まで法律で縛る必要はない。迂回献金については政治家ひとりひとりの良識に任せるべきだ」って反論したんだよ。だから、与謝野の「良識」では、「政治家が特定の企業から迂回献金を受け取り、その相手に見返りを与えること」は正しいことなワケだ。まさに「カネの亡者」だね。
ちなみに、「みんなの党」の渡辺喜美も、この「政経政策研究会」を通して、オリエント貿易からの3540万円もの企業献金を自分の政治資金管理団体「温故知新の会」へと迂回させてたから、渡辺喜美へ献金した相手も特別に減税されてたんだよね。それなのに、こんなヤツが、「みんなの党」の公約に「企業・団体献金の全面禁止」を掲げてるんだから、どんだけ分厚いツラの皮をしてんだか「ノギス」で測りたくなっちゃうよ。
‥‥そんなワケで、渡辺喜美みたいな小悪党のことはほっといて、今日は大悪党の与謝野についてだけど、与謝野って、去年の2月12日の国会で、当時の総理大臣の鳩山由紀夫のことを「ヤクザ」だの「平成の脱税王」だのって誹謗中傷してたよね。先物取引会社から、長年に渡って莫大な迂回献金を受け取ってたようなカネの亡者のブンザイで、よくもまあ人様のことを言えたもんだよ。一般的な感覚で見たら、ママから莫大なお小遣いをもらってた鳩山由紀夫のほうが、お前よりはマシだろう。つーか、この時って、与謝野は、まだ自民党に所属してたんだよね。そして、自民党には、鳩山由紀夫と同額のお小遣いをもらってた鳩山邦夫がいたんだよね。そんな状況で鳩山由紀夫を誹謗中傷するなんて、お前は丸川珠代か?
だいたいからして、鳩山由紀夫がママからもらってたのって、月に1500万円だって話だったけど、与謝野なんて、たった30万円の元手でテキトーな政治セミナーを開いて、1400人の参加者から、わずか数時間で6600万円も荒稼ぎしてるんだよ。数時間で6600万円も荒稼ぎしてるヤツが、1ヶ月で1500万円もらってた相手を「ヤクザ」呼ばわりできる神経が理解できない。もちろん、鳩山由紀夫だって最悪だけど、与謝野なんかに言われたら鳩山だってたまったもんじゃない。鳩山を批判していいのは、あたしたち裏切られた国民だけだ。
で、そんなカネの亡者の与謝野を引っぱってこなけりゃならないほど、菅内閣は人材が不足してるってワケだ。400人を超える国会議員がいる民主党なのに、この400人の中には1人も「経済財政担当相」を任せられる人材がいなかったってワケだ。そして、今まで「経済財政担当相」をつとめてた海江田万里は、与謝野に大臣のイスを譲ることになり、「経産相」へと横すべりさせられた。おんなじ東京1区で戦ってきた宿敵の与謝野なんかに、自分の大臣のイスを明け渡さなきゃならなかっただなんて、いくら菅内閣の延命のためとは言え、政治家としてのプライドがズタズタにされた思いだろう。
‥‥そんなワケで、今回の内閣改造には、「延命」の他に、2つの目的があった。1つは、野党からガンガン攻撃されてる仙谷と馬淵の問責決議を回避することだ。とにかく、国会が始まった時点で、この2人の顔が閣僚席にあったらマズイから、内閣改造というタテマエを利用して、この2人には表舞台からは消えてもらう。これが最大の目的だろう。そして、もう1つの目的は、財務省の言いなりになって菅が水面下で進めてきた「消費税の大増税」を他人事にするって作戦だ。すべて民主党議員だけで組閣された内閣で大増税へと突き進めば、ヘタしたら次の選挙まで持たないかもしれないし、持ったところで選挙で大惨敗することウケアイだ。だけど、無所属の与謝野を中心に政策を進めれば、菅は他人事みたいな顔をしてられると思い込んでるのだ。
あたしが何でこんなふうに思ったのかって言うと、これは去年の5月にさかのぼる。鳩山内閣末期の5月6日のこと、迷走し続けてきた普天間基地の問題について、鳩山由紀夫は記者会見で「国外、最低でも県外と言ったのは、党の公約ではなく、党代表としての私自身の発言だ」って言ったんだよ。つまり、この「最低でも県外、できれば国外」っていう約束が守れなかったとしても、公約違反にはならないってことを念押ししたんだよね。そして、この翌日の5月7日、当時は「副総理」の立場だった菅は、記者会見で、迷走してる普天間問題について質問されると、こんなことをノタマッたんだよ。
「非常に難しい状況が続いているというふうに思っております。私自身はこの問題にほとんど内閣の中でもかかわりを持っておりません。総理からもこの問題は私までも煩わさないでやりたいということを以前に言われておりましたし、持っておりませんが、状況は大変難しい状況が続いているというのが私の印象であります。」
この無責任きわまりないセリフは、ちゃんと「内閣府」のログに残ってるから、質問内容や前後の脈絡も知りたい人は、こちらを読んでみてほしい。とにかく、一国の総理大臣が責任をとって辞任するかもしれないほどの大きな問題なのに、就任順位第1位で「副総理」の立場だった菅は、当たり前のような顔をして「私自身はこの問題にほとんど内閣の中でもかかわりを持っておりません」てノタマッたんだから呆れ返る。そして、自分が次の総理大臣になったら、今度は普天間基地の問題を質問されるたびに、「鳩山前首相が決めた日米合意に基づいて~」「鳩山前首相の決定を踏まえて~」って、すべて鳩山のセイにし始めちゃった。
‥‥そんなワケで、この無責任具合を見れば分かるように、菅が与謝野なんかを連れてきたのは、自分が代表戦の時にウッカリと口にしちゃって大ブーイングを浴びた「消費税の大増税」に対して、できるだけ自分に火の粉が掛からないように遂行するための身代わりってワケなのだ。もちろん、こんな子供騙しは国民には通用しないけど、普天間基地の問題の時の他人事ぶりを見れば、菅という人間の軽薄さと単純さが分かるだろう。そして、「消費税の大増税」はもちろんのこと、菅はもう1つ、「子ども手当の廃止」っていう念願も持ってるから、それも与謝野にやらせる算段だ。だから、与謝野は、就任早々、「子ども手当も見直します」なんてボソッとこぼしちゃったのだ。ま、何にせよ、ここまで国民をバカにした内閣改造なんて前代未聞だから、高級料理の食べすぎで脳みそに血液が回らなくなってる菅は、あとわずかな総理大臣のイスの感触を楽しんでればいいと思う今日この頃なのだ。
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