母さんと「梅まつり」/前編
今日、日曜日は、久しぶりに母さんとデートの日だった。梅が丘の羽根木公園で、2月5日から開催してた「せたがや梅まつり」が最終日だったので、母さんと一緒に行く約束をしてた。だけど、元気マンマンで「自転車で行こう!」って言ってる母さんに対して、あたしは体調が悪くて、サスガに自転車は厳しかった。それで、車で行こうと思ったんだけど、あたしの車は左ハンドルで、ギアチェンジが右手なので、右手の調子もイマイチなあたしは、これまた厳しかった。で、いろいろと考えた結果、今の状態のあたしでも運転できる「国産のオートマ車」があれば何とかなるってことで、いつもお世話になってる自動車工場に電話してみた。そしたら、「何台かあるから使っていいよ」っていうアリガタイザーなお返事をいただき、さっそく借りに行った。
自動車工場まで運転したら、あたしの車は、やっぱりギアチェンジが厳しくて、ずっとサードで走ってたら、何度もエンストしそうになった。エンストしそうになるたびに、クラッチを切ってアクセルをあおって回避するんだけど、溜まった生ガスがバックファイヤーでパンパン鳴って、まるで北関東のヤンキーみたいだった(笑)‥‥なんてのも織り込みつつ、いつもの日産マーチを貸してもらえると思ってたら、マーチは貸し出し中で、代わりにホンダのフィットを貸してくれた。マーチは旧型で、ボディーもあちこちにキズがあるから、借りても気楽だったんだけど、ホンダのフィットはほとんど新車でピカピカだったから、あたしはビビッた。
だけど、運転してみたら、これがまるで自動で走ってるみたいで、メチャクチャ楽チンだった。ギアをドライブに入れとけば、あとは何もやることがない。たまにハンドルを切るくらいしかやることがないんだけど、それも指1本でクルクル回るほどの軽さだから、これこそ、まさに「自動車」だ!‥‥なんて感動しつつ、これなら猿でも運転できると思い、あたしはウッキッキー!って喜びながら帰ってきた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、「足」も用意できたし、あとは日曜日までに少しでも体調を良くしとくことが、あたしに与えられた任務だったんだけど、あっちを立てればこっちが立たずってワケで、どうも体調が良くならない。まあ、右手の具合が悪いのは仕方ないとしても、あたしの「本体」の具合が悪い。あたしがエヴァンゲリオン弐号機だとしたら、右手が使えないのは、第14使徒ゼルエルに腕を切断されたようなもんだから、痛くても命に別状はない。だけど、あたしの「本体」の具合ってのは、その次の第15使徒アラエルに、成層圏上から精神汚染を食らったようなもんで、外見上の物理的な被害はなくても、完全に活動停止に追い込まれちゃう。
調子のいい日は、朝はベッドから飛び起きられるし、ご飯はモリモリ食べられるし、ピョンピョンと走りまわることもできる。だけど、調子の悪い日は、目が覚めてもベッドから起き上がれない。ベッドに横になってても天井がグルグルする。何かにつかまらないと立ち上がれない。立ち上がるとメマイがして倒れそうになる。体を動かしていないのに急に心臓がドキドキする‥‥って感じで、どこかが悪いってよりも、それこそエヴァンゲリオンで言うところの「精神汚染」の状態だ。病院では、こないだのMRIを始め、順番にいろんな検査をしてるんだけど、未だにハッキリしたことが分からなくて、それぞれの症状に対応した薬を処方されてるだけなので、根本的な解決には至ってない。
で、これが、寒い日と暖かい日が3~4日ずつ繰り返される「三寒四温」のように、調子のいい日と悪い日とが繰り返されてく。それで、今回は、金曜日くらいから調子が悪くなり始めて、土曜日にヘビーになって、そのまま日曜日の朝を迎えたって感じだった。それで、あたしは、日曜日の朝まで、どうしようか考えてた。正直言って、日曜日の朝の時点では、「どこにも出かけずに横になって休んでたほうがいいと思う」って雰囲気の体調だったからだ。だけど、どうしても母さんと梅まつりに行きたい。今日が最終日だったから、この日を逃したら来年まで待たなきゃなんない。どうしても、今日行きたい。
今まで、羽根木公園に梅を見に行く時は、人出の多い梅まつりの期間は避けて、その前後に行くようにしてたんだけど、これは、母さんを気づかってのことだった。通院中や手術後に、人出の多い場所に母さんを連れ出すのが心配だったから、梅がまだ三分咲きでも、見ごろを過ぎてても、梅まつりの前後の人出が少ない時期に羽根木公園に行ってた。だけど、手術が成功して、術後の経過も良くて、今じゃ電動アシスト付き自転車で走り回れるほど元気になってくれたから、あたしは、どうしても母さんを梅まつりに連れてってあげたかった。それなのに、こんな時に限って、あたしのほうが体調を悪くしちゃうなんて、ホントに情けない話だ。
‥‥そんなワケで、2月5日から始まった「せたがや梅まつり」は、今日、最終日の27日を迎えたワケだけど、今日は最後ってことで、いつものお茶の野点(のだて)の他に、警視庁の騎馬隊による子供たちの体験乗馬があった。だから、あたしは、馬が見られると思って、これも楽しみにしてた。そして、お茶の野点にしても、子供たちの体験乗馬を見るにしても、遅くても11時くらいまでには到着してないと間に合わないので、あたしは、遅くても10時半には出発するつもりでいた。
だけど、朝9時にプリキュアを観終わった時点でも、あたしは、ソファーから起き上がるのが辛い状態で、とても車の運転なんかできそうもない感じだった。せっかく楽チンな車を借りてきてるのに、これじゃあ無理だと思った。それで、あたしは、母さんに電話して、「ちょっと体調がすぐれないから、お昼ころまで様子を見て、それで行くかどうか決める」って伝えた。母さんは、「梅なんかいつでも見られるんだから、今日はゆっくり休んでなさい。これからそっちへ行ってあげるから」って言ってくれたんだけど、あたしは、「ちょっと休めば大丈夫だから」って言って電話を切った。
だけど、あたしがベッドに横になって休んでたら、30分もしないうちに、母さんが様子を見にきてくれた。そしたら、不思議なことに、あたしは一瞬で元気になった。母さんの顔を見たトタンに、それまで鉛みたいに重くてダルビッシュだった全身がフワッと軽くなって、両手、両足の先までエネルギーが満ち溢れて、充電し終わった直後のケータイみたいにアンテナがピンピンになった。それで、あたしは、「生めまつりに行こう!」って言った。
母さんは心配してくれたけど、あたしは無理してるんじゃなくて、ホントに元気になったからオッケーだ。だけど、自分のことを客観的に見てみると、母さんの顔を見て一時的に元気になってるだけって可能性もある。運転中に急に具合が悪くなったりしたら、あたしはともかく、事故を起こして母さんにケガをさせちゃうかもしれない。そんなことになったら大変だから、あたしは、バスと電車で行くことを提案した。母さんも、「それなら」って言って納得してくれた。
‥‥そんなワケで、母さんとあたしは、2人でお弁当を作ることにした。「梅まつり」だから、あたしは梅のおにぎりを作ろうと思って、カリカリ小梅とジャコを準備してたのだ。カリカリ小梅から種を出して、実の部分をミジン切りにして、ジャコと一緒にご飯に混ぜる。あとはそれを俵型のおにぎりにするだけなんだけど、あたしは右手の調子がイマイチだから、母さんに握ってもらった。数日前にはおにぎりを握れたのに、あたしの右手の具合も、体調とおんなじように波がある。調子のいい日は、パソコンのキーボードも両手で打てるんだけど、調子の悪い日はペンを持つこともできない。それで、調子の悪い今は、左手だけでキーボードを打ってるので、日記を書くのも苦労してる。この日記も、「梅まつり」に行った日曜日の夜から書き始めたのに、今日はもう水曜日だ‥‥ってなワケで、カンジンの「梅まつり」の様子は、明日の日記へ続く‥‥って感じの今日この頃なのだ。
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