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2011.04.30

初めての「二宮金次郎予想」

いつもなら、遅くてもG1レースの前日の夜には日記をアップしてるんだけど、今回は、土曜日の深夜、あとちょっとで日付が変わって日曜日になっちゃうって時に書き始めてる。何でかって言うと、石川喬司先生からいただいたメールをヒントに、いろいろと調べ物をしてたら、時間が掛かっちゃったからだ。で、どんなメールなのかって言うと、以下、ご紹介するけど、とっても興味深い内容なのだ。


(前略)
きっこのブログのTwitter欄で川上弘美の名前を発見、奇縁を感じました。私が昔『SFマガジン』に発表した『箱舟の行方』という短編に、こんなくだりがあります。
 「‥‥その夜は芥川賞・直木賞の授賞パーティがあり、私はかなり酔っていた。ごった返す会場で友人に紹介された川上弘美に初対面の挨拶をしたとたん、いきなり彼女から「先生のお隣のお家のお庭に二宮金次郎の銅像があるでしょう」と悪戯っぽく切り出されたのだ。「え、どうしてそんなことを‥‥」と聞き返そうとしたときには、早くも彼女はこちらを向いたまま別のグループに雑踏の彼方へと連れ去られつつあった。私は彼女を紹介してくれた仲間を振り返って首を傾げた。「たしかに隣の家の庭には二宮金次郎の像があるけど、いや十年ほど前まではあったけど‥‥」
 授賞パーティの常連たちと談笑しているうちに謎が解けてきた。川上弘美は御茶ノ水女子大でSF研究会に入っていたと聞いたことがある。わが家は同大学の裏門のすく近くにある。何かで私の住所を知ったSF研の仲間たちと面白半分で<偵察>に来て、隣家の庭の柴束を背負って歩きながら読書をしている金次郎のアナクロな像を発見したのだろう。それはもしかしたら彼女ひとりの偵察行だったかもしれない‥‥。
 この上なく笑顔の優しい才女との思わぬ人生の交錯を知ったことで、私の酔いは加速した」
 それ以来、彼女の作品は愛読していますが、すれ違ってばかりで個人的に話し合ったことはありません。
(後略)


これは、あたしがツイッターで、「最近は商業小説ばかりで純文学がなくなった」「川上弘美さんの『真鶴』は純文学である」「川上弘美さんの作品は普通の小説でも純文学の匂いがする」って感じのことをつぶやいたのをたまたま石川先生がご覧になってて、そこから不思議な連鎖が始まった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、川上弘美さんの小説が大好きで、ほとんど読んでるし、川上弘美さんは俳人でもあるので、句集「不機嫌な犬」も楽しく読ませていただいた。川上弘美さんは、小説では行間にイメージを置くのが得意なので、「言わずに感じさせる」のが本意の俳句に向いてて、とってもイイ俳句を詠む‥‥って、こっちに行っちゃうと競馬から離れてっちゃうから、川上弘美さんの魅力については、今度タップリと書かせていただくとして、今回は、待ちに待った「春の天皇賞」だ!


5月1日 京都11R
「天皇賞(春)」(G1)
4歳上オープン 芝3200m

1枠1番  ビートブラック/岩田康誠
1枠2番  ヒルノダムール/藤田伸二
2枠3番  ナムラクレセント/和田竜二
2枠4番  ローズキングダム/武豊
3枠5番  〔外〕ジェントゥー/D.ブフ
3枠6番   ペルーサ/横山典弘
4枠7番  (地)マカニビスティー/小牧太
4枠8番  マイネルキッツ/松岡正海
5枠9番  トゥザグローリー/四位洋文
5枠10番 トーセンクラウン/江田照男
6枠11番 ゲシュタルト/藤岡佑介
6枠12番 コスモヘレノス/中谷雄太
7枠13番 ジャミール/C.ウィリアムズ
7枠14番 トウカイトリック/川田将雅
7枠15番 エイシンフラッシュ/内田博幸
8枠16番 オウケンブルースリ/浜中俊
8枠17番 フォゲッタブル/丸山元気
8枠18番 (外)コスモメドウ/丹内祐次


で、あたしは、石川先生のメールの内容から、まずは川上弘美さんのこれまでの作品を順番に思い出してみたんだけど、コレと言って、今回の出走馬につながるキーワードは見つからなかった。それで、今度は、二宮金次郎からの発想に切り替えてみた。だけど、これまた、ビビッと来るキーワードは見つからなかった。たとえば、二宮金次郎の「二」が付く2人、藤田伸二騎手と和田竜二騎手の組み合わせとか、石川先生のお宅は「二宮金次郎の像があった家の隣り」ってことから、この2人の騎手の隣りのローズキングダムとかって考えてみたんだけど、あまりにもシンクロ率が低すぎる。

これなら、前回の最後に書いた、「JRAの天皇賞のCMはメジロマックイーン」→「スティーヴ・マックイーンの親友はブルース・リー」→「オウケンブルースリ」ってほうが、よっぽどコジツケに味わいがある。あとは、ウィリアム王子が結婚したから、ウィリアムズ騎手が騎乗するジャミールと「王国」を意味するローズキングダムの組み合わせとか、単なるコジツケなら、いくらでも思い浮かぶ。だけど、あたしは、前回の「皐月賞」からの流れで、どうしても石川先生のメールの中に「正解」があるって信じてるから、何とか川上弘美さんか二宮金次郎に関係する馬はいないか、川上弘美さんの作品をすべてチェキして、二宮金次郎の生涯もおさらいして、土曜日の深夜まで調べてたってワケだ。

それなのに、嗚呼それなのに、それなのに‥‥って、ヒサビサに五七五で嘆いちゃうけど、結局、コレと言ったキーワードは見つからなかった。それで、あたしは、インターネットで二宮金次郎の像の写真を見ながらボンヤリとしてたら、頭の上で100ワットの電球がパッと点灯した! これは、もしかしたら、「二宮金次郎のように勤勉に予想せよ!」っていう暗示なんじゃないのか? つまり、今回は、コジツケ予想はやめにして、これまでに培ってきた競馬の知識を総動員して、マジメに予想をしてみろ!‥‥ってことなんじゃないかって思ったのだ。

あたしは、これまでずっと、「エヴァンゲリオン予想」に代表される「コジツケ予想」と、夢のお告げに頼る「シンクロニシティー予想」だけでやってきたけど、それでも、昔のレースをYOU TUBEで観まくったりしてるうちに、ナニゲに、レース展開だとか、いろんなことが分かってきた。だから、今回は、勤勉だった二宮金次郎のように、偶然なんかに期待しないで、マジメに予想をしてみようと思う。もちろん、わずか2年ほどの経験だから、トンチンカンな予想になっちゃうかもしれないけど、あたしなりに競馬のことを勉強してきた2年間の結果として、どれくらい予想力が身についたのかを知るチャンスでもある。

‥‥そんなワケで、今回は先行タイプの馬がいないから、全体的にスローペースの展開になって、体力を温存したローズキングダムやトゥザグローリーが差す!‥‥って考えてる人が多いと思う。だけど、あたしは違う。あたしは、マイネルキッツが勝つと思ってる。それは、4月27日に栗東CWで行なわれたトゥザグローリーとの3頭併せの結果からだ。この3頭併せでは、ロリンザーユーザーが先行して、マイネルキッツが2番手で、トゥザグローリーは後ろから4コーナーで横一線になり、一気にマイネルキッツを抜き去った。

これで、「春の天皇賞」でのトゥザグローリーの人気が、マイネルキッツを上回ることは確定したっぽいけど、時計を見てみると、それほどの差はない。つーか、マイネルキッツは抑え目に走ってたことが分かる。「デイリースポーツ」の記事には、マイネルキッツの調教師の国枝栄師の言葉が書かれてた。


『実戦さながらのケイコで、トゥザグローリーに後れを取ったマイネルキッツ。見守った国枝師は「調教駆けするタイプじゃないから遅れ自体は問題ないさ。それにしてもいい併せ馬だったよ」と不敵な笑みを浮かべた。』


そう、国枝師は「不敵な笑みを浮かべた」のだ。そして、国枝師は、ツイッターでも、こんなことをつぶやいてる。


国枝栄さんのつぶやき
http://twitter.com/SakaeKunieda
キッツくんの追い切りが無事に終了。池江さんの粋な計らいでトゥザグローリーと本番の予行演習。良い競馬をお見せできればと思います。
9:53 PM Apr 27th Twitter for iPadから


う~ん、つぶやきの内容もさることながら、あたし的には「iPadから」ってとこにも「おおっ!」って思っちゃった。で、これらから分かる国枝師の「余裕」の正体、それが、あたしが最初に書いた「今回は先行タイプの馬がいないから」ってことなのだ。先行タイプの馬がいないからスローペースの展開になる‥‥ってことなら、競馬の初心者のあたしでも分かる。だけど、国枝師の「余裕」から、あたしが気づいたことは、3200もある「春の天皇賞」を2回も走ってて、オトトシは1着、去年は2着っていう好成績を上げてるマイネルキッツには、8歳と言えども、そこらの4歳馬とは格が違う「スタミナ」があるってことだ。

スローペースの展開になると、トゥザグローリーみたいに鋭い末脚を持ってる馬たちが最後までスタミナを温存して、最後に一気に突っ込んでくるから、マイネルキッツに勝ち目はなくなる。それなら、どうすればいいか? それは、マイネルキッツ自身が先行して、全体のペースをビミョ~に上げちゃうって作戦だ。「みどりのマキバオー」でも出てきたけど、長距離の場合は、ライバルたちのスタミナをどう奪うか?ってのがポイントになる。「勝手知ったる京都の3200」って感じのマイネルキッツ陣営なら、若干先行して、ジョジョに奇妙に全体のペースを上げてって、知らず知らずのうちにライバルたちの末脚を奪うって作戦を考えてて当然だ。

‥‥そんなワケで、マイネルキッツがこの作戦を遂行して、トゥザグローリーやローズキングダムが沈んだとしても、それでも爆発的なパワーで突っ込んでくるのが、大外からのエイシンフラッシュと、スタートを成功した場合のペルーサだ。この2頭の潜在能力はものすごいし、ペルーサに至っては、ある意味、「みどりのマキバオー」のベアナックルみたいなとこもあるから、フタを開けるまで分からない。だから、あたしは、1着マイネルキッツ、2着エイシンフラッシュ、3着○○○○ってのと、1着エイシンフラッシュ、2着マイネルキッツ、3着○○○○っていう3連単を何パターンか決めて、あとはペルーサがスタートを成功した場合のことを考えて、マイネルキッツとペルーサの組み合わせ、エイシンフラッシュとペルーサの組み合わせも抑えとく。これが、あたしが初めてマジメに取り組んでみた「二宮金次郎予想」の結果だって感じの今日この頃なのだ。


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2011.04.29

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2011.04.27

生まれて初めての体験

人間、いくつになっても、「生まれて初めての体験」ってのはワクワクするもんで、あたしは、今回の疎開で、この「生まれて初めての体験」がメジロマックイーンのメジロ押し状態になってる。まず、生まれて初めて新幹線に乗ったし、生まれて初めて新幹線の中のおトイレに入ったし、生まれて初めて新幹線の中でガラガラ押してくるお姉さんからコーヒーを買って飲んだし、そしたら「次回50円引き」の割引券をくれたから、京都から乗った次の新幹線で、生まれて初めてその券を使って50円安いコーヒーを飲んだし‥‥ってふうに、新幹線ひとつを見ても「生まれて初めての体験」がいくつもあった。


Sk13
(※鉄っちゃんにツッコミを入れられないように書いときますが、これは品川駅じゃなくて、急用で姫路から新大阪に戻る時に姫路駅のホームで撮った写メです。品川駅で撮ったのはブレまくりで失敗してしまいました。)


そして、生まれて初めて足を踏み入れた県もいくつもあるし、生まれて初めて見たものもたくさんあるし、生まれて初めて食べたものもいっぱいある。たとえば、ひとつだけ具体的に言うと、ずいぶんお世話になった山陽本線は、もちろん、乗ったのも生まれて初めてだったけど、小田急線の駅に「箱根そば」があるように、主要の駅に「まねき食品」の駅そばがある。たとえば、姫路駅なら、こっちのホームにもあっちのホームにもおんなじ形の四角いお店があって、外に面した部分では駅弁を売ってる。

中に入ると、東京の立ち食いそば屋さんと変わらない造りなんだけど、頭上に並んでる写真のメニューを見て、あたしが理解できなかったのが、「うどん」と「そば」の2種類じゃなくて、「うどん」と「そば」と「えきそば」の3種類があったのだ。その上、天ぷらなら、「うどん」が390円、「そば」が380円、「えきそば」が350円‥‥ってふうに、「そば」より「えきそば」のほうが30円安い。それで、あたしは、最初、天ぷらそばをお持ち帰りすると380円で、このお店で食べる、つまり、「駅」で食べると「えきそば」になって30円安くなるのかな?って思ったんだけど、そうすると「えきうどん」がない。で、お店のおばさんに聞いてみたら、ナナナナナント!「えきそば」ってのは、おそばのダシに中華麺を入れるっていう「未知との遭遇」だった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、母さんは無難に普通の「天ぷらそば」にしたんだけど、「生まれて初めての体験」の連続にワクワクしっぱなしだったあたしは、当然、「きつねえきそば」にチャレンジしてみた。そしたら、中華麺て言っても、ラーメンの麺とは違って、ちゃんと和風のおそばのダシに合うように、腰を抑え目にした細麺になってて、中華麺て言うよりも「おそばの太さにしたお素麺」て感じだった。ダシは透き通ってて上品な関西特有のダシで、大きなキツネの上に細切りした青ネギがタップリと乗ってて、なかなか美味しかった。その上、たまたま入ったのが午後2時すぎだったから、午後2時から5時までの50円引きになるタイムサービス中で、母さんと2人で100円も得しちゃった。


Sk12


三ノ宮から姫路、姫路から岡山、岡山から三原、三原から広島と、お友達のお家に一泊ずつしながら、3泊4日かけて移動したあたしは、この区間だけは山陽本線を使ったワケで、この「まねき食品」の駅そばにも2回ほどお世話になった。ちなみに、あたしは2回とも「えきそば」を食べたんだけど、母さんは2回とも普通の「そば」を食べてた(笑)

で、ちょっと話が前後しちゃうけど、あたしは、大阪にはお仕事で行ったことがあるけど、神戸には行ったことがなかった。だから、今回、生まれて初めて神戸に立ち寄ってみて、「大阪が東京なら、神戸は横浜」って言われてることがよく分かった。東京に住んでると、大阪も神戸もイッショクタにして「関西」で片づけちゃうけど、実際に行ってみると、大阪と神戸はぜんぜん違ってた。神戸はホントに横浜に似た雰囲気で、「ポートアイランド」は横浜の「みなとみらい」みたいだったし、ちゃんと「モトマチ」まであった。それに、そうした有名な場所だけじゃなくて、道路の感じとか、電車のガード下の感じとか、そうしたナニゲない風景が横浜によく似てた。


Sk10


姫路駅では、サスガに観光旅行じゃないから、姫路城までは行けなかったけど、駅の周辺を1時間ほどウロウロと散策して、あまりにも都会なので驚いた。あたしが降りた時は、ちょうど姫路城方面の出口までの通路が改装工事中で、白いパネルで両側を覆われた通路をジグザグに進んだんだけど、とにかく何もかもが広いから、駅から出るだけでも疲れちゃった。今まで、あたしは、「姫路=姫路城」ってイメージしかなかったから、静かな城下町で、高いビルなんてほとんどなくて、老舗の旅館とか和風のお店みたいなのがポツンポツンとあるような風景を想像してた。


Sk8


それが、まったく違ってて、東京で言うと、新宿レベルの都会だった。何しろ、駅のどっちの出口を出ても、ずっと先まで大きなビルが並んでるし、何本もあるアーケード街にはいろんなお店がいっぱいあったし、キャバクラのお姉ちゃんの看板もあちこちにあった。駅の近くのビルの前には、見たことのない自販機があったから、何かと思って近寄ってみたら、新幹線のキップを安売りしてた。つまり、この自販機でキップを買えば、駅で買うよりも得するってワケだ。


Sk7


それから、岡山駅では、降り立ったのが夜だったんだけど、地元のお友達が車で迎えにきてくれるまでの30分、「西日本横断ブログ旅」で稲垣早希ちゃんがはしゃいでた駅前の「桃太郎の像」を見たり、そのすぐ先にある噴水を見たりしてた。岡山駅の周辺は散策できなかったけど、駅前の様子を見ただけの感じで言えば、姫路駅よりも、さらに都会だった。広い道路の向こうには大きなビルが並び、サラ金の巨大な看板が煌々と輝き、ビルのどの階にもいろんなお店がひしめき合ってて、「ザ・繁華街」って感じだった。


Sk11


それに比べて、三原駅は、駅や道路や周辺の建物はキレイだったけど、一気に都会臭さがなくなって、思わず「遠くに来たんだなあ‥‥」って気持ちになれた。何よりも、駅のすぐ後ろに大きな山が見えたし、とにかく、人の数が少なくてホッとできた。だけど、これは、一時的なことで、次の目的地の広島駅に到着したら、姫路駅よりも岡山駅よりも遥かに「新宿」だった‥‥ってワケで、ここから先のルートは秘密だけど、今回、あたしが、いくつもの「生まれて初めての体験」をした中で、この「地方都市はどこも新宿テイストだった」っていう発見が、それなりの収穫だった。

もちろん、姫路駅と岡山駅と広島駅の3ヶ所だけを見て「地方都市はどこも」って決めつけるのは乱暴だけど、大阪から西には、中国地方も四国も九州も飛ばして沖縄にしか行ったことがなかったあたしとしては、この未知の領域である「中国地方の山陽サイドの雰囲気」を初体験できたことが貴重だった。そして、何となく漠然と、「いくら都会って言っても、地方なんだから東京みたいにゴチャゴチャしてることはないだろう」って想像してた脳内の「地方都市像」が、ガラガラと音を立てて崩れ去った。

‥‥そんなワケで、ここまでは移動中の「生まれて初めての体験」で、今の場所に腰を落ち着けてからも、ジャガイモを植えたり、キャベツを収穫したり、シカの角を拾ったり、田んぼの溝さらいのお手伝いをしたりって、「生まれて初めての体験」は、ここに来てからのほうが遥かに多い。だから、ここでの体験については、そのうちマトメて発表しようと思って、何かあるたびにチョコチョコと書き溜めてる。だけど、今は、こんなに長いこと母さんと一緒の時間を過ごしてるっていう体験こそが何よりも嬉しいから、まずは、1日1日を大切に暮らしてる今日この頃なのだ。


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2011.04.24

ひとり反省会

今日の競馬は、もちろん「皐月賞」がメインだけど、あたし的には、ひそかに応援してるネコパンチが東京の10R、「メトロポリタンS」に出走するのと、今日から5レースぶんの1着を予想する「WIN5」がスタートするのと、東京の12Rが被災地支援競走だってことで、バタバタと忙しかった。結局、10Rはネコパンチの複勝を100円買って、メインの「皐月賞」は、1番、17番、18番の3連単を6通りと、中山から府中へ開催地が変更になったってことから、「ナカヤマナイト(中山無いと)」を絡めた3連複を2点、弱気のワイドを3点の合計1100円、あとは、12Rを枠連で3点、「WIN5」を2点、ぜんぶで1700円の勝負だった。

金額は少なくても複数のレースを買ってたから、あたしのワクワク感も上昇してて、3時から競馬の放送を見始めたら、すぐに始まった「メトロポリタンS」で、ネコパンチががんばって2着に入った!複勝の配当は280円だったけど、1点だけ買っての的中だから、こりゃあサイサキがいい!‥‥って喜んだのもトコノマ、あとはすべてカスリもしない文字通りの「全滅」だった。特に、あれほど完璧なコジツケ予想をして自信マンマンだった「皐月賞」は、1着がオルフェーヴル、2着がサダムパテック、3着がダノンバラードで、あたしの予想した3頭は、9着、10着、16着っていうナサケナイザーな結果だった。

オトトイ、ツイッターをしながら「皐月賞」のことを考えてたら、ふと、ドリームジャーニーのことが頭に浮んだので、あたしは、「ナニゲにドリームジャーニーの弟が来そうな気がする」ってつぶやいたんだげど、それっきり、オルフェーヴルのことは考えなかった。で、こんな結果になっちゃったんだけど、あたしは、優勝したオルフェーヴルについて、そんなに注目してなかったから、漠然と「ドリームジャーニーの弟」って思ってただけで、それ以上は深く考えてなかった。だけど、1着でゴール板を駆け抜けたオルフェーヴルを見て、2年前の「有馬記念」でのドリームジャーニーの姿が蘇って来て、大変なことに気づいちゃった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、競走馬の場合は、お母さんがおんなじで、お父さんが違う兄弟や姉妹のことを「半兄」「半弟」「半姉」「半妹」って言う。そして、これと区別するために、お母さんもお父さんもおんなじ兄弟や姉妹のことを「全兄」「全弟」「全姉」「全妹」って言うんだけど、ドリームジャーニーとオルフェーヴルは、お母さんもお父さんもおんなじなので、「全兄」と「全弟」ってことになる。ま、「半」でも「全」でも、どっちにしても、兄弟であれば「お母さんはおんなじ」ってことで、何であたしはココに気づかなかったのかー!!‥‥って思った。

だって、ドリームジャーニーのお母さんはオリエンタルアートで、オリエンタルアートと言えばメジロマックイーンの子供だからだ。つまり、ドリームジャーニーの弟であるオルフェーヴルも、メジロマックイーンの血を引いてる馬だったのだ。予想してる段階で、ココに気づいていれば‥‥ってワケで、あたしが何を言いたいのか、それは、オトトイの日記で展開したコジツケ予想が、あと一歩だったってことだ。オトトイの予想は、石川喬司先生からいただいたメールの内容と、JRAの「皐月賞」のCMの「ミホノブルボン」とのシンクロから発展させたものだったけど、ここまでは正解だった。だけど、「自粛ムード」から「被災地の復興」へと持ってたのが間違ってたのだ。

あたしが疎開に持ってきた唯一の本が、石川先生の「ターフの誘惑」(廣済堂)だ。正確に言うと、いつも持ち歩いてる俳句の歳時記も持ってきたけど、読み物としての本は「ターフの誘惑」だけだ。これは、「東京新聞」の金曜日の夕刊に、93年の春から2年間、「ターフ百景」として連載されてた競馬エッセイをまとめたもので、「百景」と言いながら「101話」ある。どのエッセイも深くて面白いので、何度読んでも楽しめるし、1話が2~3ページと短いので、ちょっとした時に、パッとひらいたページを読むことができる‥‥ってワケで、この本の45話に、今回の「皐月賞」の答えがあった。

「ターフの誘惑」の45話は、現役を引退した競走馬の中から、「名馬の殿堂」入りをさせる馬を1頭だけ選ぶ話で、JRAの顕彰馬委員会の12名の委員の1人である石川先生も参加してるから、ようするに「裏話」ってことだ。で、当時の対象期間内に引退した13頭のG1勝馬の中で、「原則としてG1競走を3勝以上」っていうラインをクリアしてたのは、ニシノフラワー、ミホノブルボン、メジロマックイーン、ヤマニンゼファーの4頭だけだった。それで、石川先生を含めた12名の委員で話し合った結果、メジロマックイーンが「名馬の殿堂」入りを果たした。

だけど、競馬ファンの中には、この結果を不満に思った人もいた。もちろん、メジロマックイーンが選ばれたことを不満に思ったんじゃなくて、ミホノブルボンが選ばれなかったことを不満に思ったのだ。エッセイの中で、石川先生は、次のように書いてる。


「若いファンにとっては、なぜミホノブルボンが選ばれなかったのか、不満に思う向きもあるだろうなあ、と考えていたら、案の定、このニュースが発表されたあと、わが家に何人かから問い合わせ電話があった。」


このあと、これまでに殿堂入りした歴代の顕彰馬や過去の選考について、選考委員ならではの興味深い話題が続き、まとめとして、委員の1人、元調教師の稲葉幸夫さんの言葉を紹介してる。


「私のところのタケホープは、ダービーでも菊花賞でも天皇賞でもハイセイコーに勝ったのに、残念ながら顕彰馬にはなれなかった。でもハイセイコーは≪話題性、大衆性において中央競馬の発展に特に貢献があった≫という規定にふさわしい馬で、牧場に帰ってからもいい産駒を送り出してタケホープを負かしたので、いまでは納得しています。そういう意味でも、ミホノブルボンにはぜひ素晴らしい子供を作って、再び名声を高めてもらいたい」


そして、石川先生は、次のように結んでる。


「ミホノブルボンの殿堂入りが見送られた背景には、そうした期待もこめられているのである。戸山為夫という名伯楽に徹底的に鍛えぬかれて「素質と訓練の結実」の見事さでファンを酔わせた同馬が、種牡馬としてこれからどんな成績を残すか、きわめて興味深いものがあるといえよう。」


‥‥そんなワケで、オトトイの日記で紹介した石川先生のメールには、石川先生に日本ダービーの新聞広告の出演の話があったことと、それがコンペで負けてしまってボツになったことが書かれてた。そして、あたしは、「広告」→「CM」→「ミホノブルボン」っていう流れでコジツケ予想を展開したんだけど、ここから、ミホノブルボンのお父さんの「マグニテュード」→「被災地の復興」っていう方向に行っちゃったのが間違いだったのだ。

この時に、「ターフの誘惑」の45話を思い出してたら、「ミホノブルボンを選ばずに、メジロマックイーンを殿堂入りさせた12人の中の1人が石川先生」ってことから、今回の石川先生の新聞広告のボツ話が、まるで、20年近くも前に殿堂入りを逃したミホノブルボンのリベンジのようにも思えてくる。そして、20年近くも前のミホノブルボンの落選と、今回の石川先生のボツ話とがシンクロしてたワケで、そうなると、ミホノブルボンを破って殿堂入りしたメジロマックイーンこそが、今回の「皐月賞」の勝馬のヒントだってことが導き出されてた。つまり、最大のヒントは「メジロマックイーンの血を引く馬」ってことで、それが、ドリームジャーニーの弟であるオルフェーヴルだったのだ。

今回の「皐月賞」では、メジロマックイーンの血を引く馬は、オルフェーヴルとフェイトフルウォーの2頭だけだったから、ここから、さらにコジツケ予想を展開してけば、きっと今回の勝馬、オルフェーヴルにたどり着いてたと思う‥‥ってワケで、レースが終わったあとなら何とでも言える。でも、これは、麻雀で「上がれなかった役満」についてウダウダと解説する無意味な行為とは違う。これは、あたしのコジツケ予想を確立するための「ひとり反省会」ってワケで、さらに言えば、今度の日曜日の「春の天皇賞」で勝つための第一歩なのだ。

‥‥そんなワケで、「皐月賞」が終わったトタンに、昨日までOAされてた「皐月賞」のCMが、来週の「春の天皇賞」のCMへと切り替わった。まったくおんなじ作りで、T REX の「20th Century Boy」のイントロとともに、モノクロの画面に馬の横顔が映し出されて、「91年 春の天皇賞」と来れば、全国津々浦々の競馬ファンが予想してた通り、メジロマックイーンの登場だ。こうなって来ると、今日の「皐月賞」での敗北は、「春の天皇賞」での勝利のための布石みたいなもんで、すべてはメジロマックイーンに導かれてるような気がして来た。単純に「芦毛」が来るかもしれないし、メジロマックイーンの相棒だった「武豊」が来るかもしれないし、ハタマタ、俳優のスティーヴ・マックイーンと親友だった「ブルース・リー」に関係した馬が来るかもしれない。だから、感覚を研ぎ澄ませて正解に到達するために、明日からの1週間は「春の天皇賞」のことだけを考えて生活してみようと思ってる今日この頃なのだ(笑)


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2011.04.22

不謹慎な予想

あたしと母さんが最初にお世話になってた山の中腹の農家は、あたしたちが到着した時点では2組の家族が疎開に来てて、あたしたちは3組目だった。だけど、それから2組が増えて、合計で5組、総勢17人になった。それで、あたしと母さんは、山のふもとの農家のほうにいることが多くなり、今や「きっこさんはパソコンがないと不便だろうから、この部屋を使っていいよ」って、居間の隣りのパソコンのある部屋に寝泊りさせてもらってる。

だから、今はいつでもインターネットができる環境になったけど、それまでは大変だった。何しろ、山の中腹の農家は、ケータイの電波もブツ切れになるからだ。アンテナのマークが、1本、2本、1本、圏外‥‥って感じに動くから、インターネットはもちろんのこと、電話をしてても途中で何度も切れちゃう。だから、用事はすべてメールで済ませてたんだけど、1週間もすると、ある程度、精神的に落ち着いてきたので、東京を出発してから連絡をとってなかった人たちにメールを送ってみた。そんな中で、石川喬司先生にもメールで近況報告をして、それから何度かメールのやりとりをしたんだけど、数日前にいただいたメールの中に、こんなクダリがあった。


『小生、「今年のダービーの新聞広告を<ダービーは文学だ>」というコンセプトで作成したいから出演してほしい」という広告代理店からの打診を受け、もう老人の出る幕ではあるまい、それに自粛の風潮だから、と考えていたら、コンペで電通に負けました、と連絡が届きました。本心はやっぱり少しガッカリ。』


おおっ!あたしが生まれた翌年の昭和48年に、石川先生の競馬仲間だった寺山修司さんが日本中央競馬会のCMに登場して、今年の日本ダービーの新聞広告に石川先生が登場したら、あたしの人生、オセロ的には競馬一色になっちゃうとこだったじゃん!‥‥なんて思った今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、石川先生の登場する新聞広告が見られなくなったのは残念だけど、ここで、3歳馬のマツリダキッコは、「ヒヒ~ン!」と思いついた。それは、今度の日曜日は「皐月賞」だってことだ。そう、今までの例からすると、G1レースの前に石川先生からいただいたメールの中に、高い確率で勝馬を暗示するキーワードが隠されてた。だから、今回もその流れで行くと、このメールの中に、大きなヒントがあるってことになる。

石川先生からいただいたメールは、マクラで紹介した部分の他は、時候の挨拶や日常的なことなので、やっぱり、ポイントになるのは、この新聞広告のクダリだと思う。それで、あたしが脊髄反射的に脳裏に浮んだのが、今、ОAしてるJRAの「皐月賞」のCMだった。やたらとカッコイイから印象に残ってるんだけど、まずは観てほしい。


「今年の皐月賞のCM」
http://www.youtube.com/watch?v=Ape5ER-TgT0


92年 皐月賞

そのモンスターの名は
ミホノブルボン。

常識は、敵だ。


「皐月賞が来る!」‥‥ってワケで、91年9月のデビュー戦から一度も負けずに、4戦4勝のまま「皐月賞」に挑んだミホノブルボンは、戸山為夫調教師のスパルタ調教によって作り上げられたサイボーグのような馬体で、他を圧倒した。だけど、「皐月賞」「日本ダービー」「京都新聞拝」と無敗のまま勝ち進んだモンスターは、次の「菊花賞」でライスシャワーに敗れ、その後の骨折で惜しまれつつ現役引退、種牡馬生活へと入ってった。

現役では、わずか2年間しか活躍できなかったミホノブルボンだけど、多くの人たちの脳裏に刻み込まれた異次元の強さと、鍛え上げられた馬体の美しさとで、現役引退後も、96年のJRAのCMシリーズの中で起用されて、本木雅弘や鶴田真由と競演してる。


「96年のJRAのCM」
http://www.youtube.com/watch?v=HVMXg8NbCws


‥‥そんなワケで、この96年のCMみたいに長い期間ОAできるJRAの競馬全体のCMなら、お金をかけて凝った作りにしてもいいけど、「皐月賞」のCMみたいに特定のレースのCMの場合は、そのレースの開催日までの1週間だけしかОAしないから、そんなに凝ってもモッタイナイ。以前は、大泉洋とかマツコ・デラックスとかが出てたけど、今は震災の自粛ムードもあるから、あんまり芸能人を何人も起用したCMだと「不謹慎」だとか言われかねない。そこで、こんなCMにしたんだろうけど、これが、石川先生のメールの中の「それに自粛の風潮だから」っていう部分とシンクロしてるのだ。

つまり、今回の「皐月賞」のCMは、「競馬」「広告」「自粛ムード」っていう3つのキーワードが、石川先生のメールとシンクロしてるワケだ。そして、その上、ミホノブルボンが「皐月賞」と「日本ダービー」の二冠から「京都新聞杯」まで無敗だったことを考えると、ミホノブルボンが「皐月賞」のCMに使われて、石川先生が「日本ダービー」の「新聞広告」の話題をメールで知らせてくれたってのは、あまりにも出来杉くんなほどのシンクロ率だ。

だから、今回の「皐月賞」の勝馬のヒントが、このCMの中にあることは間違いない。あとは、頭脳は子供でもベッドでは大人、迷探偵キッコナンが、その謎を解明すればいいだけだ。頼んだぞ!キッコナン!‥‥って、3歳馬のマツリダキッコも、迷探偵キッコナンも、ぜんぶあたしなんだけど(笑)

だけど、最初のヒントは、意外にも簡単に見つかった。あたしは、まず、ミホノブルボンの血統を調べてみたんだけど、競走馬にとって何よりも重要なお父さんの名前が、ナナナナナント! 「マグニテュード」だったのだ! この、震災の自粛ムードを逆撫でしそうな名前を見て、あたしの全身に小さい鳥肌実が立った。それで、あたしは、頭の中をリセットして、もう一度、このCMを観てみた。そしたら、何よりも印象に残ったのが、BGMとして使われてる T REX の「20th Century Boy」だった。

グラムロックを聴かない人でも、映画「20世紀少年」のCMで、耳にタコヤキが詰まるほど繰り返し繰り返し流れてたから、アーティスト名や曲名は知らなくても、音楽だけは聞き覚えがあると思う。で、T REX と言えば、マーク・ボラン‥‥マーク・ボラン‥‥マーク・ボラン‥‥マーク・ボランティア!‥‥ってワケで、リトル強引だけど、ここにも震災に関連したワードが見つかった。

だけど、CMで使われてるのは、ほぼイントロ部分で、マーク・ボランが歌いだしたトタンにレース実況の声がかぶって聴こえなくなる。でも、だからこそなのだ。今回の「皐月賞」の次に行われる最終レースは、震災のための特別登録の「被災地支援 きずな賞」なのだ。こないだの「桜花賞」の時も、最終レースは「被災地支援 マーチS」だったし、今度の「春の天皇賞」の日は「被災地支援 いぶき賞」だし、「NHKマイルC」の日は「被災地支援 みらい賞」だし、「ヴィクトリアM」の日は「被災地支援 きぼう賞」だし、6月いっぱいまで、G1レースがある日の最終レースをすべて「被災地支援競走」として、売り上げの5%が支援のために搬出される。

で、予想に戻るけど、「皐月賞」のCMで流れる「20th Century Boy」がイントロと歌い出しの部分だけってことは、その次の最終レースが本番になるワケで、そのレースが「被災地支援 きずな賞」ってことは、もう完全に流れが見えて来た。すべては、被災地の支援、被災地の復興がキーワードになる。そこで、あたしは、出走登録馬の一覧を見てみた。これは、3日前の水曜日のことだから、まだ枠順が確定してなかったからだ。

そしたら、あまりにもテンポイント‥‥じゃなくて、あまりにもピンポイントな馬がいた。それは、「ホッコーガンバ」と「メルトアウェイ」だ。「ホッコーガンバ」は、東北の復興を応援してるみたいな名前だし、「メルトアウェイ」は、原発のメルトダウンを追い出しちゃうみたいな名前だ。それで、あたしは、この2頭の馬単を買うことにして、その日は寝た。そして、次の日、木曜日の午後になって、マチカネタンホイザーだった枠順が発表になった!


4月24日 東京11R
「皐月賞」(G1)
3歳上オープン 芝2000m

1枠1番  ステラロッサ/川田将雅
1枠2番  ダノンバラード/武豊
2枠3番  ノーザンリバー/四位洋文
2枠4番  サダムパテック/岩田康誠
3枠5番  ナカヤマナイト/柴田善臣
3枠6番  ダノンミル/内田博幸
4枠7番  ロッカヴェラーノ/吉田豊
4枠8番  ビッグロマンス/北村宏司
5枠9番  カフナ/丸山元気
5枠10番 エイシンオスマン/後藤浩輝
6枠11番 ベルシャザール/安藤勝己
6枠12番 オルフェーヴル/池添謙一
7枠13番 リベルタス/横山典弘
7枠14番 フェイトフルウォー/田中勝春
7枠15番 デボネア/佐藤哲三
8枠16番 トーセンラー/蛯名正義
8枠17番 プレイ/松岡正海
8枠18番 オールアズワン/藤田伸二


のあ~!「ホッコーガンバ」も「メルトアウェイ」もいないのねん!‥‥ってなワケで、いつも言ってるように、あたしは獲得賞金とかまでチェキしないから、枠順が発表になるまでは、確実に出走権を持ってる馬以外は分からないのだ。でも、それはそれ。今回は、これまでにないほどの高いシンクロ率を誇ってあるから、とにかく、被災地の支援、被災地の復興につながる馬を見つけるだけだ。

‥‥そんなワケで、それぞれの馬名の意味だけど、1番のステラロッサは「イタリア語で赤い星」、2番のダノンバラードは「冠名と母名の一部」、3番のノーザンリバーは「生産牧場の歴史を脈々を引き継ぎ、大海へ通じる願いを込めて」、4番のサダムパテックは「冠名とスイスの時計の名」、5番のナカヤマナイトは「冠名と騎士」、6番のダノンミルは「冠名と母母名の一部」、7番のロッカヴェラーノは「イタリアのピエモンテ州の地名」、8番のビッグロマンスは「大きな恋愛」、9番のカフナは「ハワイ語で神官、学者」、10番のエイシンオスマンは「冠名とオスマン帝国」、11番のベルシャザールは「劇音楽「ベルシャザールの饗宴」のバビロニア王」、12番のオルフェーヴルは「フランス語で金細工師」、13番のリベルタスは「ラテン語で自由」、14番のフェイトフルウォーは「重大な戦い」、15番のデボネアは「優雅で快活な」、16番のトーセンラーは「冠名とエジプトの太陽神ラー」、17番のプレイは「祈り」、18番のオールアズワンは「すべてはひとつ」ってことだ。

前回の日記で紹介したオンライン英語学習サイトの「COCONE」で楽しんでる人なら、17番のプレイは、「遊ぶ」とか「(スポーツを)する」とか「(楽器を)演奏する」とか、いろんな使われ方をすることを知ってると思う。そして、その「プレイ」がどんな意味なのかは、前後の脈絡から判断するしかないから、この馬の名前みたいに、ただ単に「プレイ」だけだと、どんな意味なのかは特定できない。

でも、JRAの「登録馬の馬名の意味」の一覧を見たら、「祈り」って書いてあった。ようするに、ちゃんと馬主さんに聞いて、どんな意味で名づけたのかが書いてあるワケだ。だから、これは「祈り」で間違いない。で、これを知って、すぐに頭に浮んだのが、今、いろんなとこで目にする「Pray for Japan」ていうメッセージだ。そう、「日本のために祈る」ってことだ。もうちょっと詳しく言うと、キリスト教の教会とかだと、「pray」は「礼拝する」って意味で、単に「祈る」ってよりも「神様にお祈りする」ってニュアンスとして使われてる。

それから、18番のオールアズワン、「すべてはひとつ」ってのも、今の復興ムードにピッタリだと思う‥‥って言いつつも、外枠が不利な府中で、よりによって大外の2頭が候補になっちゃうなんて、あたしは、ヒサビサにアセリマクリスティーになった。でも、あたしは、「府中は良馬場なら大外が不利だけど、雨が降って重馬場になると逆に大外は有利になる」って言った父さんの言葉を思い出した。それで、すぐに東京の週間天気予報を見てみたら、土曜日は「曇り時々雨」だったけど、日曜日は「晴れ」だった。う~ん‥‥。

‥‥そんなワケで、あたしは、もう一度、他の馬の名前を見てみた。そしたら、プレイやオールアズワンみたいな英語名の他に、イタリア語やハワイ語やフランス語など、いろんな国の言葉が使われてることが気になった。そして、その中でも、イタリア語の名前の馬が2頭もいることが気になった。1番のステラロッサと7番のロッカヴェラーノだ。それで、あたしは、イタリアのことを調べてみたら、2年前に起こった「ラクイラ地震(イタリア中部地震)」の記事に行き当たり、当時のことを思い出した。

2009年4月6日、イタリア中部のアブルッツォ州で発生したマグニチュード6.3の大地震は、6つの県に被害をもたらして、多くの犠牲者が出た。数々の建物が倒壊し、あちこちの街が惨状になり、イタリア政府は国家非常事態宣言を通告した。家を失った人は6万人に達し、長い避難所生活を余儀なくされた。もちろん、ニポンも復興を支援したし、多くの国々が支援してるけど、復興は遅々として進まず、2年経った今も避難所で生活してる人もいるそうだ。

ここまで書いて来て、今回の競馬の予想は、ナニゲに「不謹慎」かな?‥‥って空気になって来たけど、中穴が的中した場合には全額、大穴が的中した場合には配当によって何割かを義援金として送るつもりだから、あんまり厳しいツッコミはしないでほしい。で、イタリア語の2頭の馬だけど、7番のロッカヴェラーノは「イタリアのピエモンテ州の地名」ってワケで、これはイタリアの北西のハシッコの州だから、ラクイラ地震が発生した中部のアブルッツォ州とは離れてる。つまり、どっちかって言うと、1番のステラロッサのほうが匂ってくる。

それで、ステラロッサの血統を見てみたら、本日二度目のナナナナナント! お父さんが、あの、ハーツクライだったのだ! 競馬ファンにはオナジミだと思うけど、2004年のデビュー戦から一度も負けずに、すべてのレースを1着で勝ち進んできた怪物、ディープインパクトに、2005年の「有馬記念」で、初めて勝ったのがハーツクライだ。でも、ディープインパクトは、その後も連勝街道をまっしぐらで、海外遠征した2006年の「凱旋門賞」で失格になったのを除けば、引退するまで国内では勝ち続けた。つまり、国内でディープインパクトよりも先にゴール板を駆け抜けた馬は、後にも先にもハーツクライただ1頭だってことだ。

ここで、他を圧倒する強さを誇ってたディープインパクトが、たった一度だけハーツクライに負けたってことと、「皐月賞」のCMのミホノブルボンが、たった一度だけライスシャワーに負けたってことがシンクロし始めた。そして、今回の「皐月賞」には、そんなディープインパクトの子供が3頭も出走する。2番のダノンバラード、13番のリベルタス、16番のトーセンラーだ。だけど、ハーツクライの子供は、ただ1頭、1番のステラロッサだけだ。このシチュエーションから推測すれば、これはどう見ても、ハーツクライの子供、ステラロッサがやってくれるだろう。

‥‥そんなワケで、今回のあたしの「不謹慎」なコジツケ予想は、17番プレイ、18番オールアズワン、1番ステラロッサ、この3頭の3連単を全種類、つまり、6通りで行く。これくらいのちぉレンジをしなかったら、2007年の「皐月賞」の3連単、162万円の配当を超えることができないからだ。だけど、これだけだと心細いから、あと、復興のイメージがする2頭、「生産牧場の歴史を脈々を引き継ぎ、大海へ通じる願いを込めて」って意味の3番ノーザンリバーと、「重大な戦い」って意味の14番フェイトフルウォーも、3連複で絡めてみようと思う。そして、これはオマケだけど、最終レースの「被災地支援 きずな賞」は、ダートだからアフリートの子供2頭、2番ビヨンドマックスと3番オシャレキングを馬連かワイドで、あとは予算に余裕があれば、芦毛の4番バロンビスティーも絡めるつもりの今日この頃なのだ。


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2011.04.19

原子力より英語力!

3月17日に母さんと東京を脱出して、京都、奈良、神戸、岡山、広島‥‥って、西へ西へと移動してきたあたしは、全財産8000円でスタートするっていう、違った意味での「冒険」をしてきたワケだけど、新幹線はクレジットカード、宿泊はお友達や知り合いのとこを点々として、何とか福島原発から1000キロくらは離れることができた。で、東京を出発してから1週間目に今の場所にたどり着き、ここに腰を落ち着けて3週間、東京を出てからだと、ちょうど1ヶ月になった。

だけど、今後の予定は、まだ何も分からない‥‥って言うか、すべては原発次第だ。すべての原子炉の水素爆発の危険が回避されて、放射性物質の垂れ流しが収束すれば、いったん東京へ戻り、引越しも含めて今後のことを考える。逆に、今よりも原発がヤバイ状況になれば、さらに西へ、つまり、沖縄のお友達のとこへ移動して、引き続き様子を見守る‥‥って感じだ。すでに中国地方や九州、果ては沖縄にまで、微量の放射性物質が飛んできてるから、ホントは海外にでも疎開したいとこだけど、そんなお金はないし、母さんとあたしをタダで泊めてくれる人なんていないし‥‥って思ってたら、「カナダ de 日本語」のミニーちゃんが、こんな嬉しいことを言ってくれた。


「きっこちゃん、田舎の生活には慣れたの?Twitterやブログを読む限り、楽しくやっているみたいだから安心しているけど、日本が本当に危なくなったら、ぜひ、お母さんと一緒にカナダに逃げてきてね♪家ならいつでもOKよ~。」


こんな状況だから、実際に行くか行かないかは別にしても、「いつでも来ていいよ」って言ってるくれる人が1人でも多いと、それだけで気持ちがホッとする。あたしは、ホントにお友達に恵まれてて、国内なら北海道から沖縄まで、すごくたくさんの人が「いつでも来ていいよ」って言ってくれてるから、ものすごく感謝してるんだけど、サスガに海外在住のお友達から言われたのはミニーちゃんが初めてな今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしが今いる場所からカナダへ行くとしたら、福岡空港から行くのが最短ルートなので、念のために一番気になる航空券のお値段をネットで調べてみたら、それこそピンキリだった。もちろん、ピンでもキリでもあたしにゃ買えないけど、イザとなればクレジットカードって手がある。で、キリのほうは5万円くらいだったから、母さんとあたしで10万円てワケで、あとの支払いのことなんか考えなければ、とりあえずクレジットカードで楽勝だ。

そして、あとはパスポートだ。あたしのパスポートは、とっくの昔に切れちゃってるし、母さんはパスポートなんて持ってないから、なるべく早めにパスポートを作っとく必要がある。あたしのお友達の中にも、もしもの時に備えて、家族全員ぶんのパスポートを取った人もいる。常に最悪の場合を考えて行動してるあたしとしては、一応、母さんと自分のパスポートだけは取っといたほうがいいだろう。17日の日曜日の阪神競馬のメインレース、「阪神マイラーズカップ」で17番のシルポートが逃げ切ったのも、「パスポートを用意しとけ」っていう神様のお告げかもしれない。

パスポートの発行はクレジットカードが使えるし、ちょっとメンドクサイヤ人だけど、こっちに住んでる理由を書いた書類を作れば、東京へ戻らなくても、こっちで申請できる。パスポートさえ用意しとけば、いつでもカナダへ行けるし、カナダの公用語は英語とフランス語だから、フランス語はチンプンカンプンなあたしでも、自己流の英語だけで何とかなるだろう。ちなみに、カナダに入国した瞬間から、カナダのことは「キャナダ」って言わなきゃなんない。「カナダ」ってのはフランス語の発音だから、カナダに入国してから「カナダ」って言っちゃうと、フランス語を話せるニポン人だとカン違いされて、フランス語で話しかけられちゃうかもしれないからだ。

英語ならギリギリ何とかなるあたしだけど、フランス語なんて「ジュ・ネ・パ・ダルジャン」しか知らないから、会話が成り立たない。「ジュ・ネ・パ・ダルジャン」てのは、英語なら「アイ・ハブ・ノー・マネー」ってワケで、「あたしはお金を持ってません」て意味だ。あたしの場合、この言葉はどこの国へ行っても生活必需品だから、この言葉だけは5ヶ国語で言えたりする(笑)‥‥ってなワケで、実際、数千円しか持ってない状態でカナダに入国したとしたら、誰かにフランス語で話しかけられた場合には「ジュ・ネ・パ・ダルジャン」、誰かに英語で話しかけられた場合には「アイ・ハブ・ノー・マネー」って答えつつ、ひたすらミニーちゃんのお家を目指して歩き続けるしかないワケで、稲垣早希ちゃんの上を行く「カナダ縦断ブログ旅」ってことになる。

でも、いつも思うんだけど、この「アイ・ハブ・ノー・マネー」って面白いよね。ニポン語なら、「私はお金を持っていません」て言うとこなのに、英語の場合は「私は『ノー・マネー』を持っています」って言い回しを使う。何でかって言うと、これは、「money」が「数えられない名詞」だからだ。専門用語だと「不加算名詞」って言うんだけど、ようするに、「a(an)」をつけて「a money」って使い方もできないし、最後に「s」をつけて複数形にすることもできない名詞ってことだ。細かいことを言えば、「money」を複数形にした「monies」って言葉もあるんだけど、これは、お金の複数形じゃなくて、「財産」とか「資産」とかの意味で使われてる別の言葉だ。

で、これとは逆に、「数えられる名詞」、「加算名詞」ってのも、世の中にはマウンテンだ。「pencil」が複数になって「pencils」、「cat」が複数になって「cats」ってふうに、単純に「s」がつくだけの名詞もあれば、「knife」が複数になって「knives」、「child」が複数になって「children」みたいに、小技の利いたのもある。そして、これらは、みんな、ニポン語とおんなじで、「I don't have any pencils. (私は鉛筆を持っていません)」「I don't have any knives. (私はナイフを持っていません)」て言う。「money」の時みたいに「I have no pencil.」とは言わない。

ようするに、この「アイ・ハブ・ノー・なんとか」ってのは、複数形のない「不加算名詞」に使われる言い回しってワケで、「money」の他にも、身の回りにたくさんある。たとえば、朝食のテーブルに並んでるものを見回してみると、「bread(パン)」、「butter(バター)」、「cheese(チーズ)」、「soup(スープ)」、「bacon(ベーコン)」、「coffee(コーヒー)」、「sugar(砂糖)」、「cream(クリーム)」、「honey(蜂蜜)」、「juice(ジュース)」、「water(水)」、「salt(塩)」、「pepper(コショウ)」‥‥って、他にも、まだまだあるけど、これらはみんな、複数形のない「不加算名詞」だ。コーヒーが1杯なら「a cup of coffee」だし、2杯なら「two cups of coffee」ってワケで、カップのほうは「s」がついて複数になるけど、コーヒーのほうは複数にならない。

さらに言えば、複数形がある「加算名詞」でも、状況によっては、この「アイ・ハブ・ノー・なんとか」を使うケースがある。たとえば、「tail(尻尾)」っていう名詞は「tails」っていう複数形がある「加算名詞」だけど、「その猫には尻尾がない」って言う時には、「アイ・ハブ・ノー・なんとか」の言い回しを使って、「The cat has no tail.」って言う。猫には尻尾が1本しかないのが普通なので、ここでは尻尾の本数は意識しないで、単純に「尻尾があるかないか」ってことになる。だから、「ない」場合には「不加算名詞」とおんなじ言い回しを使う。ようするに、「1人に1つ」って決まってるモノに対しては、それが「可算名詞」であっても、この言い回しを使うってワケだ。


‥‥そんなワケで、何で突然、中学1年生の英語の授業みたいなことを始めちゃったのかって言うと、あたしは、最近、遊びながら知らず知らずのうちに英語が上達しちゃう「COCONE(ココネ)」にハマッてるからだ。「COCONE」は、誰でも自由に登録して利用できるオンライン英語学習サイトなんだけど、とにかく、どのコンテンツも面白くて、「勉強してる」ってよりも、完全に「遊んでる」って感覚なのだ‥‥ってなワケで、ここからは「COCONE」とのタイアップ企画として書いてくけど、このサイトの楽しさは、実際にやってみるとすぐに分かる。

「遊びながら知らず知らずのうちに英語が上達」って謳ってても、実際にやってみるとぜんぜん楽しくなくて、途中で挫折しちゃうような英語教材ってたくさんある。だけど、「COCONE」は、そういうのとは一線を画してて、マジでめっちゃ楽しい。ハッキリと言っちゃえば、ミクシーのアプリで遊ぶのよりも楽しい。「サンシャイン牧場」で害虫を駆除するのはメンドクサイヤ人なだけだけど、「COCONE」でいろんなゲームをやってると、ゲーム自体の面白さだけじゃなくて、自分の英語力がメキメキと上達してくのが実感できる嬉しさがある。

だから、「英語が上達したい」って理由じゃなくて、単に「面白いゲームで遊びたい」って理由でも始められる。初級の一番下は、「cat」は猫、「dog」は犬‥‥ってくらいのことを知ってれば誰でも楽しめるレベルなので、中学1年生で初めて英語を習うみたいな内容だ。だけど、上級になると、大学受験のための英語、高校3年生のレベルになる。だから、ちゃんと勉強したい受験生にもバッチリだ。

最初からの流れをサクッと説明すると、まず、無料会員登録をするんだけど、ヤフーだのツイッターだのにアカウントを持ってる人は、そのアカウントでも入室できる。それで、登録すると、通常は、サイト内で使える「ココ」っていうお金が「400ココ」もらえるんだけど、4月30日まではキャンペーン期間なので、2倍の「800ココ」ももらえる。

無料会員登録をしたら、最初に何をするかって言うと、自分のアバターを作る。性別を選んで、顔の輪郭やヘアスタイル、目や口などのパーツを選んだら、自分のクローゼットの中にあるお洋服の中から好きなものに着替える‥‥って言っても、最初は手持ちが少ないから、とりあえずテキトーなのを着とく。それから、自分の「おうち」へ行って、室内を洋風にするか和風にするか、屋根の色は何色にするかを選択する。これで、一応、サイト内の自分と居場所ができたってワケだ。

それから、ショップに行けば、登録した時にもらった800ココで、ヘアスタイルやお洋服、お部屋のインテリアなんかが買える。ちなみに、あたしは、最近ヘアスタイルを変えたので、アバターも今のヘアスタイルに一番近い感じにして、いつもの「濃いメイク」をして、ハデなドレスを着て、真っ赤なパンプスを履いた上で、自分のお部屋を和風にしてみた。そしたら、アバターとお部屋とがアンバランスになりすぎちゃった。何しろ、畳の上を真っ赤なパンプスで歩いちゃってるし(笑)


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そんなこんなで、自分のアバターとお部屋が出来たら、まずはサイトのトップページへ出かけて行き、たくさんあるコンテンツの中から、興味のあるゲームをやってみる。あたしは、「基礎英語ゲーム」をやってミルコ・クロコップ‥‥じゃなくて、やってみることにした。これは60階建てのビルになってて、単語ゲーム、文法ゲーム、リスニングゲームの3つのコンテンツで構成されてる。下から上に行くに従って、ジョジョに奇妙に難しくなってって、大きく分けると、初級、中級1、中級2、上級ってなってる。

あたしは、最初に単語ゲームの1階に入ってみた。そしたら、ナナナナナント! あたしが想像してたマジメなゲームとは大違いな、ヤタラと楽しそうな「スイカパニック」ってゲームが現われた!それで、10ココを払ってチャレンジしてみたら、それこそ「cat」は猫、「dog」は犬‥‥ってレベルの内容だったので、楽勝で全問正解、ダイヤメダルがもらえた。


Cocone21


だけど、すごく面白かったので、調子に乗ってやってたら、3回目で1問間違えちゃった。あたしの場合、英語は、中学と高校の授業よりも、洋楽の歌詞カードを読んだり、英語圏の人とお友達になったりして、ほとんど独学で覚えた。だから、日常会話くらいなら何とか話せるし、難しい専門用語とかが使われてない文章なら何とか読めるけど、何よりも単語のスペルに自信がない。洋楽の歌詞を読んだり、英語圏のお友達とお手紙でやりとりしてると、「You」を「U」とか、「night」を「nite」とかみたいに省略して書いてあることが多いから、ついついスペルはイイカゲンになっちゃうのだ。だから、こうしたゲームをやると、中学生でも知ってるような単語でも、パッと見た瞬間にピンと来なかったりする‥‥って、ナニゲに長嶋茂雄みたいな説明になっちゃったけど(笑)

このゲームのワンダホーなとこは、必ず復習できることだ。普通のゲームだと、10問中9問正解でクリアできたら、そこで終わっちゃう。だけど、このゲームは、間違えた問題が最後にスイカになって登場して、スペルを正しく打ち込んで終わりってふうになってるから、ここで身に付くってワケだ‥‥ってことで、続いての文法ゲームも、「GO!ファクトリースクランブル」っていう楽しいゲームだった。たとえば、「私はペンを持っています」って問題が出て、下のスペースに「a pen」「I」「have」ていう3つのパーツが出て、これを順番にクリックして出題通りの文章にすればOK。だから、どんなに難しい問題が出ても、「パーツの中で1文字目が大文字になってるヤツが一番最初」っていうヒキョ~な小技が使えちゃったりもする(笑)


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そして、最後のリスニングゲームは、これまた「ステルスキャット~時限爆弾を解除せよ~」っていうバンバンジーなタイトルで、英文を読む音声を聞いて、その英文の虫食いになってるスペースに単語や熟語をタイピングするって内容だった。「I have a pen.」ていう音声を聞いて、「I ( ) a pen」て書いてある( )の部分に「have」って打ち込めばいいんだけど、あんまりモタモタとタイピングしてると、たとえ完璧に知ってる単語でも、タイトルから想像がつくように、時間切れで時限爆弾が爆発しちゃう。


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‥‥そんなワケで、この3つのゲームの他にも、自分の目的に合わせて、いろんなゲームを選択して遊ぶことができる。単に「面白いゲームをやってみたい」って人はもちろんのこと、たとえば、簡単な日常会話だけを身に付けておきたい人、海外旅行へ行こうと思ってる人、これから英語の学校へ行こうと思ってる人、大学受験のために本格的な英語力を身に付けたい人、勤めてる会社の社長が突然、「これからは社内言語を英語にする」とか言い出しちゃってオロオロしてる人(笑)‥‥ってふうに、自分の目的に合わせてゲームの種類やレベルを選択することができる。

さらには、あたしみたいに「リスニングも会話も何とかできるけどスペルに自信がない」とか、逆に「英語の読み書きは何とかできるけどリスニングや会話に自信がない」とかって人は、自分の苦手な部分のゲームを自分のレベルに合わせて選択して遊ぶことができる。で、このサイトのすごいとこは、今までに自分がチャレンジしたゲームのすべてで、その人がどんな単語を間違えたのか、その頻度はどれくらいなのかってことをチェキしてくれてて、その「今までに間違えた単語」だけをランダムに出題してくれる「にぎって!寿司ポン!」ていうゲームまで付いてることだ。


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自分が今までに間違えたことのある単語が、回転寿司になって流れてくるから、それを順番に答えてくってゲームだ。だから、定期的に「握って!寿司ポン!」で遊んでれば、間違えたまま通りすぎてきちゃった単語も、知らないうちに覚えてる‥‥ってなワケで、ひとつひとつ紹介してたら終わらないから、あとはザクッとマトメて紹介しちゃうけど、日常会話でよく使う表現を声に出したりマウスでクリックして覚える「ドキドキ通訳天国」、自分の好きなテーマを選んで英会話が学べる「GOGO!英語トラベラー」、簡単な英会話を聞いて自分のリスニング力を鍛える「リスニングキャッスル」、英文を読んで理解力を確かめられる「リーディング神殿」など、1人で遊びながら英語が身に付くゲームが目白押しだ。

あたしが特に楽しかったのは、「GOGO!英語トラベラー」だ。これは、自分のアバターが海外旅行へ出発して、単語、スペリング、リスニングの3つのゲームをクリアすると、次の国へ進める‥‥っていうバーチャル世界旅行だ。行った先の国でゲームをクリアすると、自分のアバターが有名な観光地をバックに記念写真を撮ることができて、それが自分のアルバムに溜まってく。こういうの、あたしは大好き!


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その上、クリアしたら「20ココ」がもらえた!


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で、このゲームのいいとこは、これまた自分の目的に合わせて、出題の傾向を選択できることだ。あたしの場合は、あくまでも希望だけど、海外へお洋服とかのお買い物旅行に行きたいと思ったので、「ブティックで買い物」ってジャンルを選択してみた。そしたら、実際にお店でお洋服を選ぶ時に必要な単語や会話から出題された。他にも、グルメ旅行をしたい人とか、お仕事で海外へ行く人とか、それぞれ自分の目的に合った出題のジャンルを選べるから、実際に海外旅行の予定がある人は予行演習になるし、予定がない人はバーチャルで世界旅行を楽しむことができるってスンポーだ。ただし、現実問題として、あたしに一番必要な「疎開」ってジャンルはなかったけど(笑)

‥‥そんなワケで、「COCONE」にはアバターがあるワケだから、こうして自分1人で遊んだり勉強したりするだけじゃなくて、他の人たちとチャットや掲示板で交流してお友達になったり、他の人のお家を訪ねたりして、仮想空間で遊ぶこともできる。他の人たちと対戦する「ゐんぐりっしゅカルタ」も熱いし、他にもいろんなコンテンツがあって、とにかく、痒いとこに猫の手が届きまくっちゃってる。それで、何でこんなにスゴイのかと思ったら、本日2度目のナナナナナント! あの田中茂範先生が監修をしてたのだ!


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皆さん、ご存知のように、あたしはNHK教育テレビのマニアなので、深夜の再放送まで見逃さない「高校講座」を始めとして、いろんな番組を楽しんでるんだけど、クチビルがセクシーなBENIちゃん(安良城 紅)も出てた田中先生の「新感覚☆キーワードで英会話」や、可愛い和希沙也ちゃんが生徒役だった「新感覚☆わかる使える英文法」も大好きで、チョクチョクと観てた。田中先生は、「コロンビア大学大学院博士課程修了」だとか「慶応義塾大学環境情報学部教授」だとか、他にもたくさん立派な肩書きがあるんだけど、単なる英語の先生じゃなくて応用言語学者だから、ものすごく言語のツボを心得てて‥‥って、こんな書き方したら失礼だけど、とにかくホントに分かりやすい。つーか、田中先生ってば、ツイッター( @shigetanaka )もやってるし!

たとえば、ヤミクモに単語を1000個覚えるよりも、田中先生がセレクトした単語を200個覚えたほうが、遥かに役に立つ。熟語や文法にしてもおんなじだ。旅行にしろ、仕事にしろ、受験にしろ、必要なシチュエーションに合わせて、確実に必要な英語を教えてくださるから、覚えることも必要最低限で済む。そして、そんな田中先生が監修した「COCONE」だからこそ、どのコンテンツも、どのゲームも、こんなに楽しい上に、知らず知らずにうちに英語力がアップしちゃうんだと思う。で、「英語力」と言えば「TOEIC(トーイック)」ってワケで、「TOEIC」ってのは「Test of English for International Communication (国際コミュニケーション英語能力テスト)」のことだけど、「COCONE」に新しく「TOEIC」の対策のための「TOEICステートビル」が完成した!

あたしの英語力は、まあ何とか日常会話ができるレベルだけど、「ニューヨークタイムズ」や「ワシントンポスト」の記事を読んでると、必ず分からない単語がいくつが出てくるから、そのたびに辞書を引く。特に、最近の原発事故関連の記事になると、普通に生きてたら一生に一度も目にしないであろう専門用語とかが出てくる。だけど、英語圏の人は、この記事を普通に読んでるんだよね?‥‥ってワケで、あたしは、自分の英語力がどれくらいなのかを確認してみるために、この「TOEICステートビル」にチャレンジしてみた。

‥‥そんなワケで、「TOEICステートビル」は50階建てで、単語、リスニング、リーディングの3つのゲームがあったので、やっぱり、まずは単語ゲームの「スイカパニック」をやってみた。そしたら、サスガに「TOEIC」は手強くて、一番最初の1階だってのに、「忠誠」だの「公表」だの「会議」だの「会計検査官」だの「懸命な努力」だのって単語が出てくる。さっきの「猫」や「犬」とは雲泥の差だ。だけど、「懸命な努力」ってのは、例の有名なスペースシャトルの名前だったりするし、このレベルならソコソコ分かるから、何とか20問中17問正解のギリギリでクリア、金、銀、銅の下の「厚紙メダル」(笑)ってのがもらえた。


Cocone28


続いてのリスニングゲームも、最後のリーディングゲームも、1階は何とかギリギリでクリアできたんだけど、最初の階からこんなことじゃ先が思いやられる。


Cocone29


たぶん、今のあたしの英語力だと、3階か4階くらいが精一杯だろう‥‥ってなワケで、あたしは、カナダのミニーちゃん家まで疎開する時のことを考えて、1日1回は「COCONE」にアクセスして、いろんなゲームで楽しみつつ、英語力をアップさせとこうと思う。だって、2日続けてログインすると「10ココ」、3日続けてログインすると「15ココ」、4日続けてログインすると「20ココ」‥‥ってふうに、もらえるボーナスが「FUETEC (フエテック)」感じの今日この頃だからだ♪


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2011.04.15

チェルノブイリ・ネックレス

ウクライナやベラルーシを始め、チェルノブイリの周辺の国や町では、25年前の1986年に起こった原発事故で、多くの子供たちの体内に放射性ヨウ素が入ってしまい甲状腺ガンを発症してしまったため、多くの人たちの首に10cmほどの三日月形の傷がある。これは、甲状腺ガンの手術痕で、通称「チェルノブイリ・ネックレス」って呼ばれている。

放射性ヨウ素による甲状腺ガンは、子供に発症するんだけど、特に女の子に多く発症する。こちらの「チェルノブイリの事故後のウクライナとベラルーシの甲状腺ガンに関する報告書」(PDF資料)は、英文の資料なんだけど、26と27ページの統計表だけでも見て欲しい。26ページが「女性」、27ページが「男性」で、事故当時に1歳から18歳までだった子供たちを男女別にして、原発からの位置関係で3つのエリアに分類して、その子供たちが何歳になった時に甲状腺ガンを発症して手術を受けたのかがマトメてある。

細かい項目はそれぞれ見てもらうとして、ザクッと言えば、女の子は、放射性ヨウ素の影響が高かったエリアで1320人、影響が中度だったエリアで1167人、影響が低かったエリアで345人、合計で2832人もの子供が甲状腺ガンを発症して手術を受けてる。一方、男の子のほうは、影響が高かったエリアで495人、影響が中度だったエリアで454人、影響が低かったエリアで93人、合計で1042人と、女の子の約3分の1の発症率だ。もともとの総数は分からないけど、最初から女の子が男の子の3倍もいたとは考えにくいし、実際、男の子よりも女の子のほうが甲状腺ガンを発症するリスクが2倍以上あるって言われてるから、この統計は、そのまま素直に解釈していいと思う。


‥‥そんなワケで、今日は「いかがお過ごしですか?」は割愛してくけど、この統計は、あくまでも特定の地域だけを調査したもので、チェルノブイリの被害に遭った全域を調べたものじゃない。そして、この調査したエリアにしても、この統計をマトメた2001年までのデータであって、このあとに甲状腺ガンを発症した人たちもたくさんいる。だから、チェルノブイリの事故が原因で甲状腺ガンを発症した子供の総数ってことになると、遥かに大きな数字になるだろう。

チェルノブイリの事故で被曝して亡くなった人の総数は、IAEA(国際原子力機関)の公式見解では「推定4000人」、WHO(国際保健機構)の公式見解では「推定9000人」てことになってるけど、これは「確実にチェルノブイリが原因」という人数だ。たとえば、ウクライナで事故から10年後に肺ガンで亡くなった大人がいたとしても、それがチェルノブイリが原因であることを立証することは難しい。たまたま喫煙者だったとしたら、タバコが原因て言われるだろう。民間団体の調査にしても、「推定1万5000人」て発表してるとこもあれば、「推定4万人以上」って発表してるとこもある。だから、現在でも、チェルノブイリの事故の被害者数はまったく分かっていない。

だけど、ひとつだけハッキリしてることは、現在の東ニポンよりも遥かに人口が少なかった国や町の子供たちが、ものすごくたくさん甲状腺ガンを発症して、そのうちの何割かは亡くなってしまったと言うこと。そして、何とか命は取りとめたけど、大人になった現在も苦しみ続けてて、子供を作ることができなくなってしまったということだ。

子供たちが放射性ヨウ素で内部被曝した経路は、大気、土壌、井戸水、牛乳、野菜、魚、母乳など様々だけど、甲状腺ガンを発症した子供が母乳だけを飲んでた乳幼児じゃない限り、その子供が何を口にしたことによって内部被曝したのかは特定できないだろう。それに、現在の東ニポンと同様に、大気も土壌も飲み水も野菜も魚も汚染されてる状況なんだから、複合的な経路だって考えるのが妥当だろう。

‥‥そんなワケで、ニポンの政府は、今回の福島第一原発の事故が起こったわずか6日後の3月17日付で、水道水の放射線基準値を大幅に引き上げた。正確に言えば、ニポンの水道水には独自の放射線基準値が設定されてなかったため、これまではWHOが定めた国際基準値をニポンの基準値にしてた。大マカに言うと、ヨウ素131もセシウム137も1リットルあたり10ベクレルだった。だけど、「緊急措置」だとして17日に政府が大慌てで引き上げた数字は、ヨウ素131が30倍の300ベクレル、セシウム137が20倍の200ベクレルだった。そして、「乳幼児に限り、100ベクレルを超えた場合は飲ませないこと」っていう但し書きがついた。

今になって知らされたけど、原子炉建屋が次々と水素爆発して、何万テラベクレルとかって言う想像を絶する量の放射性物質が撒き散らされたのが3月14日と15日で、その翌日の16日に水道水の放射線基準値を大幅に引き上げる要請が出て、わずか1日で認可されて17日から施行だなんて、あまりにも出来杉くんな話だ。ようするに、知らぬは国民ばかりなりってワケだ。

「緊急措置」だか何だか知らないけど、一気に基準値を20倍だの30倍だのにされて、昨日までは10ベクレルを超えたら「危険だ」って言われてたものが、今日からは299ベクレルでもゴクゴク飲んでもかまわないだなんて、普通の神経ならビビッちゃって飲めないよ。つーか、「赤ちゃんには100ベクレルを超えたら飲ませるな」って言ってるものを、大人の自分はともかくとして、幼稚園児や小学生の子供に飲ませられる親がいるだろうか? それに、赤ちゃんに母乳を飲ませてるお母さんだって、自分が飲んだらマズイと思うのが普通だろう。

で、まるで政府のシナリオ通りに進んでるかのように、基準値を大幅に引き上げた翌日の18日、文部科学省が首都圏の1都5県の水道水を検査したところ、77ベクレルの栃木県を筆頭に、群馬県、東京都、千葉県、埼玉県、新潟県の順でヨウ素131が検出された。そして、翌日の19日に、この検査結果を公表した枝野ちゃんは、トンデモないことを口にした。


「1都5県のうち、最大の77ベクレルが検出された栃木県でも、国の定めている基準値の300ベクレルを大幅に下回っておりますので、健康にはまったく影響がございません」


おいおいおいおいおーーーーい!「国の定めている基準値の300ベクレル」って、昨日、国民に分かんないようにコッソリと決めたんじゃないかよ!つーか、今までの基準値の10ベクレルを楽勝で超えちゃうことが事前に分かってたから、その前に大慌てで基準値を引き上げたんだろが!‥‥ってなワケで、テレビの前でひっくり返っちゃったあたしは、枝野ちゃんの次のセリフを聞いて、さらにひっくり返って一回転しちゃったよ。


「今後、もしも基準値を上回った場合には、なるべく飲用を控えるべきですが、他に飲むものがない場合には、飲んでも健康には差し支えありません。仮に基準値ちょうどの放射性物質を含んだ水を1リットル飲んだとしても、東京からニューヨークへ飛行機で移動した時に浴びる放射線の影響よりも遥かに低いのです」


出ました!幼稚園児も首をかしげる矛盾&危険度の高い内部被爆の比較としてレントゲンや飛行機など危険度の低い外部被曝を持ってくるペテンが炸裂!‥‥ってなワケで、17日に政府がコッソリと基準値を引き上げたのは、水道水だけじゃない。牛乳を始めとした乳製品は、ヨウ素が300ベクレル、セシウムが200ベクレル、根菜、芋類を除いた野菜類は、ヨウ素が2000ベクレル、セシウムが500ベクレル、穀物類、肉類、魚介類、鶏卵などは、セシウムが500ベクレルと、それぞれ大幅に引き上げられた。

ちなみに、ニポンは、輸入食品に関して、「セシウム134とセシウム137の合計が370ベクレルを超える食品は輸入禁止」っていう規定がある。どこかの国から輸入した野菜とかを計測して、セシウム134が200ベクレル、セシウム137が180ベクレルだったとしたら、相手の国へ送り返してるのだ。それなのに、自分とこの野菜なら、ヨウ素が2000ベクレル、セシウムが500ベクレルでもOKってことになっちゃったんだから恐ろしい話だ。

‥‥そんなワケで、百歩ゆずって、この大幅に引き上げられた「緊急措置」の基準値にしても、キチンと守られてるなら、まだギリギリセーフなんだけど、悲しいことに、これがそうでもないみたいなのだ。こちらの4月12日付の「女性自身」の記事によると、4月4日付で厚生労働省が発表した震災後の食品調査結果で、912件のうち75%にあたる702件で放射性物質が検出されてたそうだ。

もちろん、この702件のほとんどは、大幅に引き上げた基準値の範囲内なんだから、3月16日までは問題になったけど、今は問題にならない。何しろ、そのために政府は基準値を引き上げたんだから。だけど、この記事によると、少なくとも5件は基準値を超えたものが流通してたって書かれてる。以下、その部分だけを引用する。


「東京都で流通していた千葉県旭市産の春菊は、放射性ヨウ素が規制値の2倍強の4300ベクレル。長野県では、茨城県鉾田市産のほうれんそうが2倍強の4100ベクレル。愛知県や京都府でも茨城県産の規制値越え野菜が検出されるなど、判明しているだけで5件もあった。」


そして、今度は、民主党の岡田克也幹事長の実家としてもオナジミの「イオン」が、基準を超える放射性物質が検出されたために千葉県が出荷自粛を要請していたサンチュを1都6県の57店もの「イオン」のスーパーで販売してたことが発覚した。「イオン」の広報の説明によると、仕入れ担当者が千葉県旭市の集荷業者「グリーンファーム」と直接交渉して、本部と相談せずに、独自の判断で仕入れたそうだ。ようするに、農協を通したら出荷自粛を守ってないことがバレちゃうから、農協を通さずに直接買い付けたんだけど、本来なら出荷できない野菜なんだから、そうとう買い叩いたんだと思う。

このサンチュは、合計で2200パックが、東京を始めとした「イオン」のスーパー57店に並び、何も知らない人たちが買ってった。イオンの広報は、「仕入れ担当者の処分については検討中です。お買い上げくださったお客様には、お申し出いただければ料金をお返しいたします」とかって言ってたけど、ほとんどの人は食べちゃったと思うし、今さら200円だか300円だかを返されてもジンジャエールだろう。

そして、さらに、この「グリーンファーム」は、こちらの続報に書いてあるように、「イオン」だけじゃなくて、大阪や広島を始めとした各地の小売業者、合計十数軒にも出荷してたそうだ。あたしは、ハッキリ言って、最初にご紹介した規制値の2倍以上の春菊やほうれん草が流通してた件とか、このサンチュの件とかは、氷山の一角だと思ってる。だって、今までずっと指摘してきたように、震災が起こる前から、野菜や魚や肉の産地偽装なんて日常的に行なわれてきたからだ。それが、今になってピタッと止まるワケがない。逆に、せっかく作った野菜が出荷規制や出荷自粛にされちゃう今だからこそ、大部分のマジメな農家が泣く泣く廃棄処分してる裏で、ほんのひと握りの悪どいヤツラは、裏で流通させてるに決まってる。

今回の件にしたって、スーパーだの小売店だのに出荷したから発覚したけど、たとえば、外食チェーンとか加工食品メーカーとかに大量に出荷してたとしたら、消費者は何も知らずに口にしてることになる。「風評被害」で苦しんでる農家の人たちは、ホントに気の毒だと思うけど、消費者の立場から言わせてもらえば、こんな事件が次々と発覚してる状態なんだから、こっちは何を信じていいのか分からない。特に、小さな子供を持つ親なら、なおさらだろう。

‥‥そんなワケで、大気も、水道水も、食品も、次から次へと放射性物質の基準値が大幅に引き上げられちゃったけど、今度は、あろうことか、文部科学省が、福島県の幼稚園や小学校の屋外で子供たちが遊んだり運動したりする時の許容量を、これまでの年間1ミリシーベルトから、20倍の20ミリシーベルトに引き上げる方針を示したのだ。ちなみに、さっきまで使ってた「ベクレル」ってのは、水や食品に含まれてる放射性物質の量を示す単位で、この「シーベルト」ってのは、人間が放射線の影響で受ける単位だ。だから、おんなじ100ベクレルのヨウ素とセシウムがあったとしても、人間が影響を受けるシーベルトは大きく違ってくる。

で、そんなシーベルトだけど、今までは大人も年間1ミリシーベルトだったんだけど、今回の事故を受けて、政府はさっそく20倍の20ミリシーベルトに引き上げた。まあ、大人は仕方ないとしても、4歳や5歳の幼稚園児まで大人とおんなじ20ミリシーベルトだなんて、まるで「子供なんか死んでもいい」って考えてるとしか思えない。だって、放射線を直接扱う専門職の男性でも、年間の許容量は50ミリシーベルトで、これを超えたら現場には出られなくなるからだ。さらに言えば、こけだって極めて危険な数値で、事実、50ミリシーベルトの被曝で亡くなった人もいる。

詳しくは、こちらのブログの記事を読んでもらえば分かると思うけど、浜岡原発に勤務してたSさんは、別に何の事故も起こってない原発の計測装置の点検作業をしてただけで、累積で50.63ミリシーベルトの放射線を浴びて、白血病を発症して、29歳の若さで亡くなってしまってる。記事に書かれてるように、労災認定されてるんだから、点検作業中の被曝が原因だって認められてるのだ。

他にも、70ミリシーベルトの被曝で多発性骨髄腫を発症した人もいるんだから、小さな子供たちの年間許容量を20ミリシーベルトまで引き上げることが、どれほど危険なことなのか分かるだろう。これは、専門家でも何でもないあたしが勝手に言ってるだけのテキトーな感覚の話じゃなくて、専門家もおんなじことを言ってる。原子力安全委員会の代谷誠治委員は、15日の今日、大人とおんなじ20ミリシーベルトへの引き上げを決めた高木義明文部科学大臣に対して、「せめて成人の半分に当たる年10ミリシーベルト以下の被爆量に抑えるべきだ」っていう申し入れをした。そしたら、高木大臣は、平然とこう言い放って、代谷委員の申し入れを突っぱねたのだ。


「代谷委員の発言は、安全委員会全体の見解ではない。目標は20ミリシーベルトで、学校を頻繁に移動させることはできない」


ようするに、子供たちの命を守るために年間許容量を設定するんじゃなくて、実際の放射線値のほうに子供たちの年間許容量をムリヤリに合わせただけってことだ。それは、オトトイの13日付の、この記事を見れば分かるだろう。


「福島県の20小学校で土壌検査、19校から検出」(読売新聞)

福島県災害対策本部は13日、福島第一原発の放射能漏れ事故を受け、県内の小学校20校で実施した土壌検査の結果を発表した。4月5、6日、各校で校庭の表層5センチの土壌を採取し、放射性ヨウ素とセシウムの濃度を測定。19校で土壌1キロ・グラムあたり874ベクレル~5万9059ベクレルを検出し、最高は川俣町立山木屋小で土壌1キロ・グラムあたり5万9059ベクレル。南会津町立田島小では検出されなかった。(2011年4月13日)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110413-OYT1T00503.htm


‥‥そんなワケで、20校のうち19校からヨウ素とセシウムが検出された上に、最高は1キロあたり6万ベクレル近くもある。もちろん、校庭の土を1キロも食べる子供なんていないけど、これほど濃度の高い場所で遊んだり運動したりしてたら、口や鼻から吸い込むこともあるかもしれないし、ケガをして傷口から体内に入る可能性だってある。それでも、多くの学校の子供たちをすべて安全な地域の学校へ転校させることなんて無理だから、子供たちの年間許容量のほうを放射能汚染された学校のレベルに合わせて引き上げたってワケだ。この、とても文部科学省のやることとは思えない、あまりにも残酷な決定によって、5年後、10年後に、「チェルノブイリ・ネックレス」をつけたニポン人の若者たちを見ることにでもなったら、あたしは、これほど悲しいことはない。未来は子供たちのものなのに、その子供たちから未来を奪うようなことをするなんて、ホントにこの国の政府って、いったいどこを向いて政治をやってるんだろう?‥‥って思った今日この頃なのだ。


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2011.04.13

世界最悪の原発事故を起こした自民党の総理大臣

とうとうチェルノブイリとおんなじ「最も深刻なレベル7」になっちゃった福島第一原発の大事故だけど、チェルノブイリが事故発生から9日目にコンクリートで固めて「とりあえず収束」したのと比べると、すでに事故から1ヶ月も経過してるのに、未だに収束のメドも立ってないどころか、震災からちょうど1ヶ月目の昨日なんて、大きな余震で外部電源が切断して、1号機から3号機までの注水ポンプが停止して、ヘタしたら原子炉が水素爆発を起こすとこだった。今までの爆発は、原子炉から漏れた放射性物質を含んだ水素が建屋の中に溜まり、それが爆発して建屋の屋根や外壁を吹き飛ばしただけだから、原子炉そのものは無事だった。だけど、現在は、原子炉の格納容器の中に水素が溜まってて、原子炉そのものが爆発する危機にある。

 

だから、アメリカの専門家のアドバイスに従って、冷却のための注水と並行して窒素も注入してるんだけど、2号機と3号機は原子炉自体も破損してて、どんなに窒素を注入しても破損部からダダ漏れしてる状態だ。だから、このまま行けば、チェルノブイリのように、原子炉自体が爆発して、これまでとは比べ物にならないほどの膨大な放射性物質が、一気に拡散する。それも、地球上で最も恐ろしいプルトニウムまでもが拡散するんだから、ニポンが全滅するのは当然として、北半球は全滅するだろう。

 

スリーマイルにしても、チェルノブイリにしても、事故を起こした原子炉は1基だけだ。だけど、福島第一原発の場合は、1号機から3号機までの3つの原子炉が危機的状況な上に、3号機はプルサーマルだ。そして、その上、数百本もの使用済み核燃料を冷却してるプールが、それぞれの原子炉の建屋の中に設置してあり、4号機を始め、どれも冷却水がなくなって危険な状態になってる。ようするに、もしもどれか1基でも水素爆発を起こしたら、それだけで北半球は全滅するし、他の原子炉まで連鎖爆発したら、地球はジ・エンドってことだ。何しろ、チェルノブイリのたった1基の原子炉でも、ヒロシマ型の原爆400発ぶんだったんだから、6つの原子炉と合計で1000本近い使用済み核燃料が連鎖爆発で飛び散ったら、地球を100個くらい死滅させられるほどの放射性物質が拡散しちゃう今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?

 

 

‥‥そんなワケで、こんなことになったら、もう、どこへ逃げても一緒だけど、だからこそ、あたしは、今のうちに言っておきたいことがある。それは、「誰のせいでこうなったのか」ってことだ。最初は、「犯人探しなんてあとでいい!今はとにかく事故を収束させることだ!」って思ってた。だけど、東電も政府も保安院も、国民の生命よりも原子炉を守ることを優先した。最初から廃炉覚悟で対応してれば、水素爆発も防げたし2号機や3号機の格納容器の破損も防げた。だけど、東電は、とにかく廃炉だけは避けようとして、原子炉を殺さずに事態を収束させようとした。政府もおんなじだった。ようするに、原発利権を守ろうとしたってワケだ。

 

そして、このアリサマだ。事態はどんどん悪くなり、とうとう海に大量の放射能汚染水を廃棄するっていうキチガイ沙汰まで炸裂させて、それでもまったく進展しないどころか、今度は原子炉そのものが水素爆発の危機に直面してる。それも、複数の原子炉がだ。こうなったら、もう国民は‥‥って言うか、地球上の生命体はすべて、腹をくくるしかない。だから、あたしは、数え切れないほどの人たちが、誰のせいなのかも分からずに死んで行くなんてガマンできないから、今のうちに、それを発表しとくことにした‥‥って言っても、今日の日記のタイトルを見れば分かるように、自民党の歴代の総理大臣のせいなんだけどね。

 

そんなこんなで、あんまり長くなっちゃうのもアレだから、ここからはサクサクと書いてくけど、日本共産党に、吉井英勝議員っていう国対副委員長をやってる人がいる。京都大学工学部原子核工学科を卒業してる原子力の専門家で、現在68歳だけど、自民党が推進してきたデタラメな原発政策について、何年も前から警鐘を鳴らし続けてきた。5年前の2006年3月には、全国の原発の8割が、地震で津波が発生した時には冷却できなくなり、炉心溶融の恐れもあるって指摘してる。リンクに飛ぶのがメンドクサイヤ人な人も、短い記事なので、まずは読んでみて欲しい。

 

 

「原発8割冷却不能も/津波引き波5メートル取水できず炉心溶融の恐れ」(2006年3月2日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-03-02/2006030201_01_0.html

 

 

そして、翌月の4月には、指摘した全国8割の原発の中で、最も危険度が高い福島第一原発を視察して、ひび割れた制御棒や地震による津波が起こった場合の危険性を指摘してる。

 

 

「福島第一原発/津波時の対策ただす/取水問題 吉井議員ら視察」(2006年4月18日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-04-18/2006041804_03_0.html

 

 

‥‥そんなワケで、この2つの記事を読めば分かるように、吉井議員は、何年も前から、ニポンの原発の危険性、とりわけ、大地震が起こって津波が発生した時の危険性を訴えてきたワケだ。それも、もしも地震や津波によって冷却できなくなった場合には、「崩壊熱が除去できなければ、炉心溶融や水蒸気爆発など、最悪の場合を想定しなければならない」とまで指摘してきたのだ。まさに、今、福島第一原発で起こってることじゃないか。そして、吉井議員は、この年、2006年の12月13日に、国会で当時の総理大臣である安倍晋三に対して、次のような質問主意書を提出してる。

 

 

「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」(2006年12月13日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a165256.htm

 

 

そして、これに対する安倍晋三の答弁書は次のものだ。

 

 

「衆議院議員吉井英勝君提出巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書」(2006年12月22日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b165256.htm

 

 

これらはそこそこ長いので、読むのがメンドクサイヤ人たちのために、ポイントになる部分の質疑と答弁とを抜き出して、セットにして掲載してみる。

 

 

【質疑 1-1】
原発からの高圧送電鉄塔が倒壊すると、原発の負荷電力ゼロになって原子炉停止(スクラムがかかる)だけでなく、停止した原発の機器冷却系を作動させるための外部電源が得られなくなるのではないか。

 

【答弁 1-1】
我が国の実用発電用原子炉に係る原子炉施設(以下「原子炉施設」という。)の外部電源系は、二回線以上の送電線により電力系統に接続された設計となっている。また、重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器がその機能を達成するために電源を必要とする場合においては、外部電源又は非常用所内電源のいずれからも電力の供給を受けられる設計となっているため、外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。(以下略)

 

【質疑 1-6】
大規模地震によって原発が停止した場合、崩壊熱除去のために機器冷却系が働かなくてはならない。津波の引き波で水位が下がるけれども一応冷却水が得られる水位は確保できたとしても、地震で送電鉄塔の倒壊や折損事故で外部電源が得られない状態が生まれ、内部電源もフォルスマルク原子力発電所のようにディーゼル発電機もバッテリーも働かなくなった時、機器冷却系は働かないことになる。この場合、原子炉はどういうことになっていくか。原子力安全委員会では、こうした場合の安全性について、日本の総ての原発一つ一つについて検討を行ってきているか。また原子力・安全保安院では、こうした問題について、一つ一つの原発についてどういう調査を行ってきているか。

 

【答弁 1-6】
地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、原子炉の設置又は変更の許可の申請ごとに、「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」(平成二年八月三十日原子力安全委員会決定)等に基づき経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。

 

【質疑 1-7】
停止した後の原発では崩壊熱を除去出来なかったら、核燃料棒は焼損(バーン・アウト)するのではないのか。その場合の原発事故がどのような規模の事故になるのかについて、どういう評価を行っているか。

 

【答弁 1-7】
経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。

 

 

で、この3つの質疑と答弁を見ただけでも、長年の調査によってホントに危険だと思って質問をしてる吉井議員と、何も考えずに官僚が書いた原稿を棒読みしてるだけの河野議員(安倍晋三の代弁者)の様子が見て取れたと思うけど、3つの質疑と答弁から分かることは、当時の安倍内閣が原発の安全対策についてどんなふうに認識してたのかってことで、それは、次の3点だ。

 

 

1.何らかの事故で原発の冷却系の外部電源が切断された場合でも、非常用の電源に切り替わるから何も問題ない。

 

2.地震や津波に関しては、申請ごとに経済産業省(原子力安全保安院)が審査して、それを原子力安全委員会が確認してるので何も問題ない。

 

3.地震や津波で原子炉が停止したあとに電源が切断されるというような事態は絶対に起こらないように万全を期しているので、起こった場合のことなど考えていない。

 

 

‥‥そんなワケで、呆れ返って開いた口からエクトプラズムが出てきて幽体離脱しちゃいそうになるけど、「地震や津波などの災害で冷却系の電源が切断されて、さらに予備の電源も使えなくなった場合にはどんなことになるのか?」って質問に対しては、ハッキリと答弁書に明記してあるように、安部内閣は「そんなことにはならないように気をつけてるから、どんなことになるかなんて考えてないよ」って言ってるのだ‥‥ってワケで、たった1年でお腹が痛くなって政権を丸投げしちゃった無責任な安倍晋三の前はと言えば、次々と繰り出すペテンで国民を騙し続けたアメリカの飼い犬、小泉純一郎が総理大臣だった。そして、吉井議員は、小泉内閣時代にも、原発の安全性に関する質疑をしてる。

 

 

「原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」(2005年10月31日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a163072.htm

 

「衆議院議員吉井英勝君提出原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する」(2005年11月11日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b163072.htm

 

 

で、これまたメンドクサイヤ人たちのために、痒いとこに猫の手が届く「きっこの日記」が解説しちゃうけど、かつてニポンには、香川県に「多度津工学試験所」っていう世界最大の起震台を備えた耐震実験施設があった。これは、地震の多いニポンで原発を推進するにあたり、原子炉の耐震性をテストするための施設で、1982年に「原子力発電技術機構」が建設したものだ。ようするに、新型の原子炉とか、何十年も稼動させてきて老朽化した原子炉とかが、もしも大地震が起こった時に大丈夫なのか、ここで実際に起震台に乗せて、「震度いくつ」ってふうに設定して、地震とおんなじ揺れを起こして、その耐震性を調べるための施設だった‥‥ってことを予備知識として踏まえた上で、さっきとおんなじようじ、ポイントになる質疑と答弁をセットで掲載してみる。

 

 

【質疑 4-3】
原発の老朽化が進行する下で、巨大地震災害と重なった時、どのような事態が発生するかについて、予め検討することが原発の危険から国民の生命と安全を守る上で最も大事な課題である。運用開始後三十年経っている老朽原発の、巨大地震発生時の安全性の検証は、多度津の起振台を使って実証試験を行うことにより、これから解明されていかなければならない問題である。ところが、この多度津の施設は、「年間約十億円の維持費がもったいない」として、すでに今年になってから、運転を中止している。来年度には運転してきた原子力発電機構を廃止して、世界的にも最高水準をいく起振台も解体・撤去してしまう動きが強まっている。(中略)老朽化のすすむ原発の機器類を起振台に乗せて、実物で実証試験を行うことは、巨大地震に備える原発の安全対策にとって欠かせないことではないのか。原発の持っている危険から国民の安全を守ることは、政府の第一義的責務ではないのか。来年度以降も引き続き多度津の起振台を運用して、老朽原発の巨大地震対策に必要な実証試験を行う考えに立つべきと思うが、政府の見解を問う。

 

【答弁 4-3】
必ずしも多度津振動台を用いた実物大の試験体による試験を行わなくても、他の研究機関の試験設備による試験及びその試験結果のコンピュータ解析によって、安全上重要な設備の地震時の挙動を把握することが十分に可能であると考えており、今後、多度津振動台を用いた御指摘のような試験を行う考えはない。
 
【質疑 5】
巨大地震時に津波が発生すると、発電所内へ進入する遡行してくる高波とともに、逆に潮が引いて海面が下がることによって冷却水が異常を来す場合がある。そこで、総ての原発のそれぞれの冷却水の取水口の位置(標準水面から幾らか)と波が引いた時の海水面の高さが標準水面から幾ら下にきているかの関係を明らかにして、巨大津波の発生時にも機器の冷却がうまくいくのか、国内の総ての原発について示されたい。

 

【答弁 5】
いずれの原子力発電所についても、津波により水位が低下した場合においても必要な海水を取水できるよう設計され、又は必要な海水を一時的に取水できない場合においても原子炉を冷却できる対策が講じられているものと承知している。

 

 

‥‥そんなワケで、吉井議員は、他にも、ニポンが保有してるナガサキ型の原爆4000発ぶんのプルトニウムについてとか、六ヶ所村の核燃料リサイクル施設の危険性とか、各地の電力会社が強引に進めてるプルサーマル計画とかについても厳しく質問をしてるんだけど、そのすべてに対して、小泉内閣は、官僚の書いた原稿そのままに「安全だ」「問題ない」と無責任に回答してるだけだ。そして、抜粋した2つの質疑と答弁を見れば分かるように、老朽化した原発と大地震に関しても、小泉内閣は、「ちゃんとやってるから問題ない」って答えてる。老朽化した原発をいちいち起震台でテストする必要はないって答えてるし、全国すべての原発が津波で冷却できなくなった時の対策をとってるから何も問題ないって答えてる。

 

そして、小泉純一郎は、ニポンで唯一、原子炉の耐震性をテストできる起震台を備えた「多度津工学試験所」を「必要ない」として、廃止にしちゃったのだ。それも、5年もの歳月と310億円もの予算をかけて建設した、地震大国には必要不可欠の施設だったのに、建設費の100分の1以下の2億7700万円で民間業者へ叩き売っちゃったのだ‥‥ってワケで、この質問主意書の冒頭で、吉井議員は、次のように述べている。

 

 

「政府は、「原子力政策大綱」を決定して、プルトニウムを循環して使用する方式の原発推進政策を改めて決定した。このプルサーマル自体に多くの危険性があることとともに、これを燃焼させる軽水炉の老朽化と近づく巨大地震の発生やその時の巨大津波の発生が重なった時の危険性が問題になってくる。さらに、原発を積載する艦船が原子炉規制法にもとづく設置工事許可申請も承認もないまま東京湾に「設置」される問題など、国民の安全にとって看過しがたい問題が続出してきている。そこで、原発の安全性に関する問題について、次のとおり質問する。」

 

 

少なくとも今から6年前の段階で、原子力の専門家である吉井議員は、危険なプルサーマルを老朽化した原子炉で行なう「さらなる危険性」と、来たるべき「巨大地震の発生やその時の巨大津波の発生が重なった時の危険性」を指摘していたのだ。しかし、今回ご紹介した質疑と答弁を読めば分かるように、小泉内閣も、安倍内閣も、国民の生命に関わる大問題なのに、官僚に丸投げしたまま、まったく真剣には対応して来なかったのだ。

 

中曽根康弘を始め、最近では、森喜朗、小泉純一郎、安倍晋三、麻生太郎と、自民党の歴代の総理大臣は、東京電力から献金を受け取った見返りとして、常に原発政策を推進し続けて来た。そして、その実体はと言えば、これらの答弁がハッキリと表わしてるように、すべて官庁に丸投げ‥‥と言うよりも、すべて官庁の言いなりで、自民党の歴代の総理大臣は、政治主導で国民の安全を守ろうなんて意識はミジンも持ち合わせて来なかった。危険極まりないプルサーマルを最終的に決定し、老朽化した原子炉の耐震性をテストする唯一の施設を廃止にした小泉純一郎しかり、地震や津波で原子炉の冷却系の電源が切断されるなんてことは起こらないようにしてるから、起こった場合のことなんて考えてないと言い放った安倍晋三しかり、自民党の歴代の総理大臣こそが、人類史上最悪の原発事故を引き起こした張本人なのだ。

 

‥‥そんなワケで、吉井議員が安倍内閣に質問主意書を提出した翌年、2007年7月16日に、あの新潟県中越沖地震が起こり、柏崎刈羽原発が事故を起こした。それまで東京電力が「大地震が起こっても絶対に安全だ」と言い続けて来た原発は、排気管が壊れ、大量の冷却水が飛散し、黒煙を上げて燃え続けた。この事故を受けて、8日後の7月24日、日本共産党の福島県委員会と福島県議会議員団は、「原発の安全性を求める福島県連絡会」と連名で、東京電力の当時の社長、勝俣恒久に対して、「福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ」を行なった。

 

 

「福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ」
http://www.jcp-fukushima-pref.jp/seisaku/2007/20070724_02.html

 

 

これは、ずっとニポンの原発の危険性を訴え続けて来た吉井議員が、大地震や大津波が発生した場合の「最も危険度の高い原子炉」として、福島第一原発の6基と福島第二原発の4基を挙げてたからだ。そのため、この申し入れ書にも、こう書かれてる。

 

 

「福島原発はチリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなることが、すでに明らかになっている。これは原子炉が停止されても炉心に蓄積された核分裂生成物質による崩壊熱を除去する必要があり、この機器冷却系が働かなければ、最悪の場合、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険がある。そのため私たちは、その対策を講じるように求めてきたが、東電はこれを拒否してきた。柏崎刈羽原発での深刻な事態から真摯に教訓を引き出し、津波による引き潮時の冷却水取水問題に抜本的対策をとるよう強く求める。」

 

 

でも、東京電力は、これまで通りに、この申し入れを拒否して、何の対策も取らなかった。そして、今回の大事故に至ったってワケだ。これは、誰がどう見ても「人災」だろう。だけど、今、すべきことは、最初に言ってたことと激しく矛盾しちゃうけど、犯人探しでもなければ責任の所在の追及でもない。今、すべきことは、全国の原発の危険度の高いものから、順次、停止させて行き、せめて「第二の事故」だけは起こさないようにすることだ。福島第一原発の事故を受けて、世界各国の原発が停止の方向へ動いてる時に、世界中に大迷惑をかけてる加害国のニポンが、毎日のように大きな余震が続いてる中で、何十基もの原発を稼動させ続けてるなんて、国民の生命を守るためだけじゃなく、国際的にもキチガイ沙汰だ。

 

‥‥そんなワケで、細かいことを言うと、吉井議員は「津波の引き波によって海面が取水口よりも低くなった時に取水できなくなって冷却できなくなる」ってことを指摘してるんだから、大津波が電源をショートさせて冷却ポンプが止まっちゃった今回の事故とはケースが違う。だけど、「地震や津波によって冷却ポンプが止まった場合の対策が不十分」っていう吉井議員の指摘については、まさに、指摘通りのことが起こったことになる。そして、吉井議員は、ニポンの原発の8割にあたる43基が、津波による5メートルの引き波で冷却できなくなるって指摘してるんだから、これほど連日、大きな余震が続いてる現状で、さらには、福島第一原発の事故も収束のメドが立ってない状態で、絶対に「第二の事故」を起こすワケには行かないだろう。そんなことにでもなったら、ホントにニポンも世界も終わりになっちゃう。だから、まずは、吉井議員が福島原発の次に危険だって指摘してる静岡の浜岡原発だけでも、今すぐに停止すべきだと思う今日この頃なのだ。

 

 

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2011.04.10

桜の乙女たち

また、いつものパターンで、獲ったけど負けたど~~~!!‥‥ってなワケで、今日の「桜花賞」は、1着が2番人気のマルセリーナ、2着が1番人気のホエールキャプチャ、3着が4番人気のトレンドハンターって結果だった。あたしは、期待してた「夢のお告げ」がなかったので、金曜日の日記に書いた通り、16番ホエールキャプチャを「戦艦に殲滅される使徒」ってことで3着に固定して、1着と2着を7番エーシンハーバーと12番ウッドシップの組み合わせと、2番デルマドゥルガーと17番トレンドハンターの組み合わせの3連単で4パターン、あとは、この5頭を3連複でフォローした。

それから、芦毛3頭の組み合わせ、クロフネの子供3頭の組み合わせ、ディープの子供3頭の組み合わせを3連複で買い、ここまでで1100円だったから、あと、最初の3連単のうち、2頭だけが入った時のことを考えて、エーシンハーバー、ウッドシップ、デルマドゥルガー、トレンドハンターの4頭と、ホエールキャプチャとの組み合わせのワイドを買った。ぜんぶで1500円、これで勝負した。

何で、いつもの「2000円」じゃないかって言うと、実は、昨日の土曜日の競馬で、あたしは300円負けちゃってたからだ。昨日の阪神の1Rに、トリニダートって馬が出るのを発見しちゃって、「おおっ!『みどりのマキバオー』に出てくる伝説の野生馬、トリニダートだ!」って思って、買わずにはいられなくなっちゃったのだ。それで、あたしは、複勝を100円だけ買うことにしたんだけど、わざわざ「即 PAT」にアクセスしたのに100円だけってのもアレなんで、他のレースも見てみることにした。

そしたら、パソコンのある隣りの部屋のテレビで、NHKの朝ドラが始まって、その時に、いつものクセでツイッターにアクセスしたら、最初に目に飛び込んできたのが松尾貴史さんのツイートだった。それで、「そう言えば松尾さんは朝ドラの『ちりとてちん』に磯七の役で出てたなあ」って思い、ナニゲに阪神と小倉の7Rを見てみたら、ナナナナナント! 小倉の7Rに「チリトテシャン」ていう地方馬を発見!それで、あたしは、そのチリトテシャンの複勝と、ついでに阪神メインのサワヤカラスカルの複勝も買っちゃった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、複勝だから3着までに入ればいいんだけど、期待してたトリニダートは10着、チリトテシャンはビリから2番目の15着、そして、サワヤカラスカルは7着だった。これで、あたしの300円はパーになり、必然的に、今日の「桜花賞」に使える予算が1700円になっちゃったってワケだ。それで、今回は1500円で勝負したんだけど、いつものようにカンジンの1着がハズレたもんだから、この時点で3連単も3連複も消滅しちゃった。


Os1


だけど、念のために買っといた「弱気のワイド」の中に、2着のホエールキャプチャと3着のトレンドハンターの組み合わせがあって、これが470円の配当になったから、1500円全額がパーにはならず、何とかマイナス1030円で済んだ。それで、あたしは、ツイッターで自虐的なギャグを叫んでみた。


@kikko_no_blog ワイドの16-17が470円の配当になったから、「マイナス1030円」の勝ちだ!(笑)


そしたら、「みどりのマキバオー」や「たいようのマキバオー」の作者、つの丸先生からレスが来た。


@ge_ha_mob オレ3連単当てたけどもっとマイナスだったよ…。

@kikko_no_blog 先生、マジですか!それは手を広げすぎたということですか?

@ge_ha_mob オレいっつも2頭軸で3連単総流しマルチだから。とんでもないやつが紛れ込んでくれないとダメなんだよ。

@kikko_no_blog 男前な買い方ですね!かっこいいです!

@ge_ha_mob いや、でっかい網張って待ってるようなセコい買い方だよ。男前でかこいいのは弓矢で射止める人だよ。


‥‥そんなワケで、大好きなマキバオーの作者、つの丸先生とこんな会話ができちゃうのもツイッターの魅力なんだけど、これは、あたしとつの丸先生とのやりとりなので、ホントは、あたしのツイートの頭につの丸先生のIDの「@ge_ha_mob」が、つの丸先生のツイートの頭にあたしのIDの「@kikko_no_blog」がついてる。だけど、そのままだと紛らわしいので、それぞれのツイートにそれぞれのIDをつけて並べてみた‥‥ってワケで、つの丸先生は、前日の夜に、こんなことをつぶやいてた。


@ge_ha_mob 明日、誰に投票すっか決めたずら。マルセリーナずら。


ツイッターのTL(タイムライン)に流れてくる競馬ファンのツイートは、ほとんどの人がマルセリーナを選んでたんだけど、あたしは、てっきり、つの丸先生だけは、マキバオーのモデルのタマモクロスの血を引くマルモセーラを買うと思ってた。それなのに、つの丸先生もディープインパクトの子供のマルセリーナなの?って思ったので、すぐに質問してみた。


@kikko_no_blog つの丸先生だけはタマモクロスの血を引くマルモセーラって言ってくれると思ってたのに、結局ディープなんですか?

@ge_ha_mob 上がり重視したんだよ。


んあーっ!つの丸先生も「ちゃんとした予想」だったのねん!‥‥ってなワケで、結果は、つの丸先生の言ってた通りにマルセリーナが1着になったワケだ。ま、あたしみたいなトンチンカンな「コジツケ予想」よりも、ちゃんとデータを見て予想する「ちゃんとした予想」のほうが、遥かに的中率が高いことは分かってる。だけど、あたしが狙ってるのは、よしもとのお笑いコンビ「シャンプーハット」のてつじさんのように、100円が700万円になるようなセカンドインパクト並みの大穴だから、正攻法じゃ無理なのだ。

そう言えば、てつじさんが700万円を獲ったのも、3年前、2008年の「桜花賞」だった。てつじさんは、5番人気だったソーマジック1頭を軸にした3連単総流しで、100円ずつ126通りも買ってた。つまり、1万2600円も投資したワケで、1頭軸だから、ソーマジックが3着までに入賞しなかったら全滅っていうギャンブルだった。だけど、そのソーマジックがミゴトに3着になった上に、1着には12番人気だったレジネッタ、2着には15番人気だったエフティマイアが入っちゃったもんだから、当時で「JRA史上第6位」の高配当、100円が700万2920円になっちゃったのだ。

てつじさんは、関西ローカルの「サタうま!」のレギュラーで、この予想も番組の中でやったので、配当金の700万円を受け取りに行った様子も番組やワイドショーでOAされた。特別室みたいなとこに通されて、係の女性がカゴに札束を入れて運んできたこの映像は、前にも紹介したことがあるから、覚えてる人もいると思う。で、あたしの場合は、サスガに1レースに1万円以上も賭けられないけど、それでも、いつかは、こんなチョー大穴を的中させてみたいって夢があるから、毎回、2000円までの予算で、データを無視した「コジツケ予想」で買い続けてるってワケだ。

だけど、それなら、2000円ぶん、ぜんぶ3連単を買うべきなのに、ここがあたしのダメなとこで、どうしても「できるだけ損はしたくない」っていうセコビッチな面もあるから、3連単は数点だけで、あとは、3連複や枠連や馬連やワイド、挙句の果てには複勝にまで手を出しちゃう始末。でも、今日の「桜花賞」の場合なんかは、そのオカゲでキズが少しだけ浅くなったワケだし、何とも言えないビミョ~な部分なのだ。だって、ハイリターンを狙ってるのにローリスクで行きたいだなんて、あまりにも虫が良すぎるからだ。

‥‥そんなワケで、話はクルリンパと戻るけど、あたしがつの丸先生に「男前な買い方ですね!」って言ったのは、銀座の高級なお寿司屋さんに行って、板前さんの後ろに掛かってる札を指差して、「端から端までぜんぶ握ってくれ!」って言うような意味での「男前」だった。つの丸先生の言うように、それこそピンポイントで的中させるほどカッコイイことは他にないけど、いつも少ない予算で遊んでるあたし的には、「2頭軸で3連単総流しマルチ」ってのも憧れちゃう買い方だ。ようするに、的中したとしても、ぜんぶの組み合わせの数よりも配当の倍率のほうが上じゃなかったら収支でマイナスになっちゃうワケだ。

今回の場合は、2番人気、1番人気、4番人気の組み合わせだったから、3連単でも5880円しかつかなくて、的中したけどマイナスになっちゃっただけなのだ。もしも、軸にした2番人気のマルセリーナの1着がそのままだったとしても、2着と3着に人気の低い馬が入ってたら、それなりの配当になって、何万円とか、場合によっては何十万円とかって単位で儲かってたことになる。だから、大穴を獲るためには、少なくともあたしよりは、ずっと確率の高い方法ってことだ。

これは、前にも書いたと思うけど、あたしがちっちゃかったころ、父さんに連れられて競馬場や場外馬券売場へ行ってた時には、まだ、3連単だの馬連だのワイドだのって買い方がなくて、単勝、複勝、枠連の3種類しかなかった。もちろん、当時はそんなこと分からなかったけど、中学生ころには分かるようになった。それで、あたしは、「100%的中する買い方」を考えついた。それは、「全部の馬の単勝を買う」って作戦だ。18頭のレースなら、18頭ぜんぶの単勝を買う。そうすれば、その中の1枚は絶対に的中する。そして、配当が18倍以上だったら儲かる。

だけど、1日の12レースぜんぶの結果を見てみると、単勝の配当が18倍以上になるのなんて、たいてい2レースか3レースくらいしかなかった。つまり、この作戦を使う場合は、全レースを買ったら損をする確率がさらに高くなっちゃうのだ。今なら、たとえば、「弱くて人気のない馬にも勝機があるハンデ戦とか、大荒れしそうなレースとかだけを選んで、この作戦を決行する」っていうレベルの知識くらいは身についた。でも、母さんと離婚して出てった父さんと、1ヶ月に1回だけ電話で話すことしか許されてなかった中学時代のあたしは、父さんと電話で話す時のために、父さんの好きな競馬の話題を仕入れておきたくて、そのために日曜日にテレビで競馬を見てた。だから、馬券の買い方に関する知識なんて皆無だった。

この「全部の馬の単勝を買う」って作戦も、父さんに「すごいこと思いついちゃった!」って言いたくて、それで考えたものだった。他にも、単勝や複勝よりも配当がいい枠連で、全パターンを買ってみるって作戦も考えた。1枠から8枠までの枠連の全パターンは、7+6+5+4+3+2+1=28だから、ぜんぶの組み合わせを買っても、配当が28倍以上になれば儲かっちゃう。枠連の場合は、1日の12レースのうち、28倍以上になるのが5レースくらいあるから、少なくとも単勝よりは確率が高くなる。だけど、そのぶん、投資金額も多くなるから、失敗した時のキズも大きくなる。

たとえば、1番人気と2番人気がそのまま1着、2着になっちゃうと、良くても4倍くらいの配当しかつかないから、100円ずつ買ってたとしたら、2800円の投資で400円の配当、マイナス2400円だ。単勝の場合は、18頭でも1800円の投資だから、どう転んでも2400円もマイナスすることはない‥‥ってなワケで、こんなくだらないことを考えてた中学時代のあたしだけど、人間、そんなに進歩しないみたいで、それから25年も経った今でも、あたしは、3連単で全パターンを買ったら何倍の配当がつけば儲かるのか? 3連複の場合は? 馬単の場合は? 馬複の場合は? ワイドの場合は?‥‥って、ひと通り、ケータイについてる電卓機能で計算しちゃったよ(笑)

‥‥そんなワケで、あたしは、てつじさんみたいな700万円馬券を夢見ながらも、実際には弱気な買い方を続けてるワケで、このまま、一生ずっとG1を買い続けて行っても、よくてトントン、ダメな場合はジワジワとマイナスって予感がマンマンだ。だけど、結果的にジワジワとマイナスだったとしても、今回だって、土曜日と日曜日でいっぱい楽しんだのに、トータルで1330円のマイナスで済んでるし、全滅したって2000円のマイナスなんだから、他の娯楽と比べたら安上がりだ。それでいて、一攫千金のチャンスもあるんだから、こんなにワクワクすることはない。自分の好きな馬が1着でゴールを駆け抜けた時の感動は言葉にできないほどだし、そして、何よりも、あたしが競馬を続けてれば、今はあんまり会うことができなくなっちゃった父さんと、いつでもつながっていられる。競馬が大好きな父さんは、どこにいたって競馬を見てるはずだから、今日の「桜花賞」だって、絶対にどこかのテレビで見てたと思う。離れてる父さんと、たった数分でも、おんなじレースを見てるってことが、あたしにはかけがえのない時間なのだ。そして、もしかしたら、あたしが見てるテレビの中の競馬場の群集の中に父さんがいるかもしれないと思うと、年齢的には古馬の部類に入りそうな牝馬マツリダキッコも、「桜花賞」を走ったうら若き3歳の桜の乙女たちのように、レース前から落ち着きがなくなってきちゃう今日この頃なのだ(笑)


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2011.04.08

レッツ桜花賞!

久しぶりのG1レース、今年の3歳の女王が決まる「桜花賞」がやってきたワケだけど、今回の「桜花賞」は、あたしはリトル複雑な気分だ。だって、生粋の芦毛マニアな上に、ついつい牝馬を応援しちゃうあたしにとって、芦毛の牝馬なのにバツグンに強いレーヴディソールが、今回の「桜花賞」に向けての調整中に骨折が判明、全治6ヶ月って診断されちゃったからだ。去年の9月のデビュー戦、10月のデイリー杯、12月のジュべナイルフィリーズ、今年3月のチューリップ賞と、4戦すべてで1着というシンクロ率100%の強さもさることながら、ジュべナイルフィリーズでは、1着がレーヴディソール、2着がホエールキャプチャ、3着がライステラスっていう芦毛のワンツースリーまで炸裂させてくれて、あたしはミゴトに3連複を的中させることができた。

だから、今回の「桜花賞」も、1着は当然、レーヴディソールに決まってるから、あとは2着と3着を予想するだけだと思ってた。それなのに、大好きなレーヴディソールが骨折しちゃったなんて、ものすごく悲しいし、かわいそうで仕方ない。とにかく、今は何とか脚を直してほしいってことだけで、他には何も望まないけど、そんなレーヴディソールは、今日、4月8日が3歳のお誕生日なんだよね。だけど、骨折して「桜花賞」に出られなくなったレーヴディソールに「おめでとう」なんて言えないから、そのぶん、1日も早く脚が治るように、お祈りしようと思う。

で、気持ちを切り替えて、ヒサビサの「エヴァンゲリオン予想」をスタートしちゃうけど、「桜花賞」と言えば「桜」、「桜」と言えば「稲垣早希」、「稲垣早希」と言えば「アスカ」ってワケで、今回のレースは、アスカが初めて登場する第八話「アスカ、来日」から勝ち馬を引き出そうと思う。ちなみに、ゆうべは毎日放送で「ロケみつ」がOAされる予定だったのに、始まる直前の午後11時半すぎ、東北から関東にかけて大きな地震が起こり、急きょ「報道特番」が放送されることになって、「ロケみつ」は延期になった。あたしは、骨折で「桜花賞」に出走できなくなったレーヴディソールと、地震で「ロケみつ」の放送が延期になった早希ちゃんとが、すでにシンクロし始めてるような気がした今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、まずはサクッと枠順と顔ぶれを行ってみよう!


4月10日 阪神11R
「桜花賞」(G1)
3歳上オープン 芝1600m

1枠1番  フォーエバーマーク/吉田豊
1枠2番  デルマドゥルガー/内田博幸
2枠3番  (外)カフェヒミコ/柴田善臣
2枠4番  ダンスファンタジア/横山典弘
3枠5番  マルモセーラ/田中健
3枠6番  ハブルバブル/藤田伸二
4枠7番  (外)エーシンハーバー/武豊
4枠8番  マルセリーナ/安藤勝己
5枠9番  ラテアート/松岡正海
5枠10番 スピードリッパー/蛯名正義
6枠11番 サクラベル/吉田隼人
6枠12番 ウッドシップ/藤岡佑介
7枠13番 ライステラス/四位洋文
7枠14番 メデタシ/浜中俊
7枠15番 フレンチカクタス/北村宏司
8枠16番 ホエールキャプチャ/池添謙一
8枠17番 トレンドハンター/岩田康誠
8枠18番 マイネショコラーデ/和田竜二


パッと見て気づくことって、やっぱり人それぞれだと思う。たとえば、競馬の知識のない人なら、「カフェヒミコとラテアートとマイネショコラーデってナニゲにスタバのメニューみたいだな」とか、「マルモセーラとマルセリーナって紛らわしいな」とか、「メデタシよりもメデタシメデタシにしたほうがいいのにな」とかって感じだと思う。そして、ちょっと競馬の知識のある人なら、「ディープインパクトの子はハブルバブルとマルセリーナとメデタシの3頭か」とか、「芦毛はエーシンハーバーとライステラスとホエールキャプチャの3頭か」とかって感じだと思う。

あたしは芦毛マニアだし、ジュべナイルフィリーズで芦毛3頭の3連複も的中させてるから、今回の3頭も100円だけ買うつもりではいるけど、それはそれ、「エヴァンゲリオン予想」とは関係ない。何よりも重要なのは、第八話「アスカ、来日」の内容とのシンクロ率だ。「アスカ、来日」は人気のある回なので、観た人も多いと思うけど、何と言ってもスゴイのが、テレビで放送された日付が、1995年11月22日、あたしのお誕生日なのだ。

で、どんなストーリーかって言うと、アメリカ艦隊がエヴァンゲリオン弐号機とアスカをドイツからニポンへと輸送してくるんだけど、その途中で第6使徒ガギエルが海中から襲来してくる。弐号機にアスカとシンジが2人で乗り込んで戦って、海中へ引きずり込まれた弐号機はB型装備だったために使徒に食べられちゃうんだけど、弐号機に接続してあった外部ケーブルを巻き上げて、弐号機が使徒の口をひらかせたとこに戦艦が一斉掃射して殲滅する‥‥って流れだ。

‥‥そんなワケで、実際に「アスカ、来日」を観てみると、初めて登場したアスカは、黄色いサマードレスを着てる。だけど、インターフェイスと靴と腕時計はシンボルカラーの赤だ。だから、色だけで考えると、黄色の5枠と赤の3枠がアスカってことになる。だけど、弐号機だから「2番」とか、アスカだから「赤の3枠」とかって言ってると、毎回毎回「2番」や「3枠」になっちゃうワケで、あまりにもアバウトだ。やっぱり、もっとディープにインパクトのあるKT(コジツケ)フィールドを展開しないと、使徒を殲滅することはできない。

そこで、まずは「殲滅すべき使徒」なんだけど、これはどう見たって16番のホエールキャプチャだろう。弐号機を丸呑みしちゃうほどの大きな魚型の使徒なんだから、やっぱりクジラがピッタリだ。その上、第6使徒ガギエルも白いし、ホエールキャプチャも芦毛なんだから、バッチリだと思う。つまり、ホエールキャプチャは、絶対に1着にはならないってことになる。

そして、この使徒を倒す弐号機は?‥‥ってのが、いつものパターンなんだけど、ここで落ち着いて考えてみると、今回の場合、直接的に使徒を倒したのは弐号機じゃなくて、2隻のアメリカ軍の戦艦なのだ。マニアックなことを言えば、戦艦イリノイと戦艦ケンタッキーの2隻による攻撃で使徒は殲滅した。だから、今回は、弐号機に該当する馬じゃなくて、2隻の戦艦に該当する馬を見つけなきゃなんない。

で、一覧をザッと見ると、おおっ!12番のウッドシップがいた!「木の船」だから戦艦ぽくはないけど、これは、お父さんがクロフネで、お母さんがブライドウッドだから、両方の名前を合体ロボさせてウッドシップになったワケだから、重要なのは「クロフネの血を引いてる」って部分になる。だって、クロフネと言えばペリーの黒船だから、完全に戦艦のイメージになるからだ。そして、そんなウッドシップに騎乗する藤岡佑介騎手は、デビュー後の初勝利が2004年3月13日の中京の1Rなんだけど、この時に乗ってた馬が、ナナナナナント! その名もアスカクイーンなのだ!これは、もう完全に鉄板だな。

そして、もう1頭はと言えば、やっぱり7番のエーシンハーバーだろう。「船」に関する名前の馬はウッドシップだけだったけど、「船」と言えば「港」ってワケで、この2頭はピッタリの組み合わせだと思う。その上、エーシンハーバーは外国馬だから、外国の戦艦のイメージともシンクロしてる。

だけど、ここで、問題が発生した。ウッドシップのお父さんのクロフネってのは、名前とはウラハラに芦毛の馬で、今回の「桜花賞」だと、ウッドシップの他に、マルモセーラとホエールキャプチャのお父さんでもある。そして、ウッドシップとマルモセーラは芦毛じゃないけど、ホエールキャプチャは芦毛なのだ。つまり、この3頭の中で、もっともお父さんの血を濃く引いてるのが、あたしが使徒に選んだホエールキャプチャってことになっちゃうのだ。

さらに言えば、マルモセーラは、お父さんがクロフネだってだけじゃなくて、お母さんのほうが、あたしの大好きだったシービークロスやタマモクロスの血筋なのだ。つまり、両親ともに芦毛の血を引いてるってワケで、「エヴァンゲリオン予想」と関係なく選ぶとすると、あたし的には絶対に外せない馬ってことになる。

‥‥そんなワケで、ジョジョに奇妙にシンクロ率が低下してきちゃったから、ここでいったん、別の角度から見てみるけど、一番最初に書いた、「桜花賞」と言えば「桜」、「桜」と言えば「稲垣早希」、「稲垣早希」と言えば「アスカ」‥‥って部分の原点に回帰すると、単純に11番のサクラベルが気になってくる。何しろ、サクラベルのお父さんはサクラプレジデント、お母さんはサクラレイリで、お母さんのお父さんがサクラバクシンオー、お母さんのお母さんがサクラスイートキスで、さらには、サクラバクシンオーのお父さんがサクラユタカオー、お母さんがサクラハゴロモで、サクラスイートキスのお母さんがサクラメグミ、その上、サクラプレジデントのお母さんのお母さんがサクラセダンと、3代前までの血統の合計14頭のうち、8頭の名前に「サクラ」がついてる。

そして、トドメとして、このサクラベルの馬主は、「株式会社 さくらコマース」なのだ。ここまで「サクラ尽くし」だと、「桜花賞」にも、早希ちゃんの「桜」にもディープにインパクトしてて、名前のイキオイだけで勝っちゃいそうな気がしてくる。だけど、「桜」と言えば、9番のラテアートもサクラバクシンオーの子供だから、ここで一発、パッと花を咲かせてくれそうな気もしてくるし、どんどん迷いが生じてくる。

でも、また別の角度から見てみると、第6使徒ガギエルを殲滅したのは、戦艦イリノイと戦艦ケンタッキーで、両方ともアメリカの州の名前の戦艦だ。そして、2番のデルマドゥルガーのお父さんはリンカーン、そう、第16代アメリカ合衆国大統領、エイブラハム・リンカーンの名前をつけた馬なのだ。で、アメリカの空母には、歴代の大統領の名前をつけたものがあるけど、あたしが言いたいのは、そんなことじゃない。あたしが言いたいのは、エイブラハム・リンカーンがケンタッキー州の出身だってことだ。

それから、もう1頭、17番のトレンドハンターも気になってくる。トレンドハンターのお父さんはマンハッタンカフェ、マンハッタンと言えばニューヨーク州で、イリノイ州やケンタッキー州とおんなじに北アメリカ大陸の東側にある。つまり、使徒を殲滅したって部分からの発想として、「2隻の戦艦」てことにコジツケすれば、ウッドシップとエーシンハーバーになるけど、「戦艦イリノイと戦艦ケンタッキー」ってことにコジツケすれば、デルマドゥルガーとトレンドハンターになるってワケだ。

‥‥そんなワケで、またまた別の角度から見ると、エヴァンゲリオンの原点である「セカンドインパクト」からのディープインパクトって線も捨てがたくなってくる。ようするに、ディープインパクトの3頭の子供、6番のハブルバブル、8番のマルセリーナ、14番のメデタシだ。特に、ハブルバブルは、こないだのドバイワールドカップで大感動させてくれた「男シンジ」が騎乗する上に、この馬の牧場は「パカパカファーム」ってワケで、普通にパカパカと走ってくれそうだ。

だけど、こんなこと言ってたら、そのうちぜんぶの馬が候補になっちゃいそうなので、コジツケはここまでにして、あとは組み合わせのほうで知恵を絞りたいと思う。とにかく、今までに名前があがった馬の中で、一番シンクロ率が高かったのは、何と言っても12番のウッドシップだろう。馬だけじゃなくて、藤岡佑介騎手もシンクロしてるからだ。そして、次にくるのが、使徒でありながらクロフネの子供でもある16番のホエールキャプチャと、やっぱり気になる7番のエーシンハーバーだ。「エヴァンゲリオン予想」と言いつつも、どうしても芦毛に目が行っちゃうのは運命かもしれない。

だから、今回は、頭数が多くなっちゃったけど、16番ホエールキャプチャを「戦艦に殲滅される使徒」ってことで3着に固定して、1着と2着を7番エーシンハーバーと12番ウッドシップの組み合わせと、2番デルマドゥルガーと17番トレンドハンターの組み合わせにしようと思う。にして、7-12-16、12-7-16、2-17-16、17-2-16ってことだ。そして、最終的に予算に余裕があったら、1着と2着の4頭をシャッフルして、12-17-16とか17-7-16とかってほうにも手を広げたいと思う。じゃなければ、3連複でフォローしようと思う。

それから、これまた気になる11番のサクラベルだけど、この名前を見てて気づいたのが、名前に「べ」が入ってることだった。あたしが「桜花賞」を楽しめるのは、昨日の日記に書いたように、「やべち」に参加したからだ。それで、名前に「や」「べ」「ち」が入ってる馬を探してみたら、「べ」が入ってるのが、このサクラベルだけで、「や」と「ち」が入ってるのが、ホエールキャプチャだけだったのだ。だから、このサクラベルに関しては、「やべち馬券」てことで、ホエールキャプチャとの馬連かワイドを100円だけ買ってみようかと思う。

‥‥そんなワケで、あとは、芦毛3頭の組み合わせとか、クロフネの子供3頭の組み合わせとか、ディープの子供3頭の組み合わせとか、完全に「エヴァンゲリオン予想」からダッフンしちゃうけど、3連複で100円ずつ買っときたいし、まだぜんぜん考えがまとまらない。だから、今日はネタ振りってことにしといて、日曜日の午前中までに、どんな狙い目にするかを絞り込みたいと思う。だって、もしかしたら、久しぶりのG1だから、久しぶりに「夢のお告げ」があるかもしれないと思ってる今日この頃なのだ。


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2011.04.07

やべち初体験

「明日、やべちだから」

「えっ?」

「やべちよ、やべち」

「やべっちって、ナイナイのやべっち?」

「はぁ?みんなで溝の掃除をするのよ」


‥‥ってなワケで、あたしが疎開してる村だけなのか、この地方全体なのかは分からないけど、この辺りでは、みんなで溝の掃除をすることを「やべち」って言うそうだ。詳しく聞いてみたら、「やべち」は漢字で「家別」って書くらしい。溝の掃除に限らず、ため池の掃除とか、土手の雑草刈りとか、こうした「みんなが集まって掃除すること」を「やべち」って言うらしい。だけど、一番多いのが、田んぼに水を引く水路や溝の掃除なので、ふだん「やべち」って言うと、たいていは「溝の掃除」を指すみたいだ。1~2ヶ月に一度、何軒かの農家の人たちだけで小規模に行なって、それを当番制で持ちまわりしてるのが「やべち」で、村の人たちが全員総出で大掛かりに行なうのが「総やべち」って言うそうだ。

それで、今回は、ホントは通常の小規模な「やべち」の予定だったんだけど、あたしたちみたいに関東や関西から疎開してきてる人たちがたくさんいるから、急きょ「総やべち」を行なうことになったそうだ。何しろ、村の人たちの人数の2倍もの人たちが疎開してきてる上に、疎開してる人たちは、それぞれがお世話になってる農家のお手伝いをしてるだけで、他には何もしてない。この村は、村をあげて疎開者を受け入れてくれてて、皆さんとってもやさしくて、「いつまでもいていいんだよ」って言ってくれてるんだけど、やっぱりお世話になってるばかりじゃ肩身が狭い。だから、こうして、少しでも村の役に立つことをさせてもらえると、あたしたちも嬉しくなる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、俳句には「溝浚へ(みぞさらえ)」って季語があって、これは、田植えの準備としての意味合いのものなので、カテゴリーとしては初夏の季語に分類されてる。そして、あたしが参加する今回の「やべち」も、これからの田植えのための準備なんだから、歳時記的には1ヶ月ほど早いけど、立派な「溝浚へ」ってことになる。そう思うと、俳句マニアのあたしとしては、東京で暮らしてたら一生経験できなかったであろう「溝浚へ」を体験できることに、少なからずウキウキしてた。

ひとつだけ心配だったのは、こっちに疎開してきてから一度も病院に行ってないので、右手の具合がイマイチで、今はお箸もうまく動かせない状態だってことだ。でも、あたしの右手が動かないことは、ここの人たちも理解してくれてるし、あたしは、できる範囲でできることをするしかないので、あとは、こっちに来てから元気マンマンになってパワーアップした母さんに期待したいと思う(笑)‥‥って感じだった。

で、今回の「総やべち」は、いくつものグループに分かれて行なわれたんだけど、あたしがお世話になってる農家は、山の中腹の気温が低いとこなので、皆さんには申し訳ないけど、午後からの作業だった。山のふもとのエリアを担当した人たちは、朝からの作業だったんだけど、山の中腹より上のエリアは、午前中は凍ってる場所が多くて作業が進まない。それで、お日様が高くなって、凍ってる場所が溶け始めてから、みんなで一気に掃除をしちゃうって作戦になった。

もちろん、これは、たくさんの疎開者がいるからこその特別な作戦で、村の人たちしかいない例年なら、山の中腹の農家の人たちは、山のふもとのエリアを朝から手伝い、午後になると、今度は山のふもとのエリアの人たちと一緒に、山の中腹の水路を掃除する。こうして、みんなで助け合うのが「やべち」の本意なんだって教えてもらった。

‥‥そんなワケで、あたしが初体験した「やべち」は、山の中腹部の「谷」にあたる部分にある田んぼへの水路の掃除だったんだけど、指導をしてくれる農家の男性が4人、周りのお世話をしてくれる農家の女性が3人、疎開してる男性が6人、疎開してる女性が、母さんとあたしを含めて8人、合計21人だった。それで、これを10人と11人の2つのグループに分けて、あたしのグループはその場に残り、もうひとつのグループは離れた場所の田んぼへと車や軽トラに分譲して移動してった。

あたしたちのグループは、男性3人が溝の中に溜まった枯葉や泥を汲み出す作業をして、男性2人が長いバーの先に回転する刃がついてる草刈機で畦や土手の雑草を刈る作業をした。生まれて初めて草刈機を使った東京からの疎開者は、すごく楽しそうだった。あたしもやってみたかったんだけど、母さんやあたしの女性陣は、男性陣が汲み出した溝の枯葉や草刈機で刈った草を何ヶ所かに集めるっていう、あんまりパッとしない作業だった(笑)

母さんとあたしともう1人の女性は、溝から汲み出した枯葉や草刈機で刈った草を集めて、10メートルおきくらいに点々と小山を作ってく。見た目はジミな作業なのに、ふだん使わない腰やヒザの曲げ伸ばしの繰り返しで、あたしは、1時間もしないうちに体がつらくなってきた。オマケに、右手に力が入らないから、ドジョウすくいのザルみたいなやつも、先が四角くなってるスコップも、どれも右手は添えてるだけで、ほとんど左手だけで作業してたから、左腕もつらくなってきた。

だけど、母さんはと言えば、鼻歌を歌いながら楽しそうに作業してる。おんなじ距離なのに、あたしが2往復する間に、母さんは3往復してる。あたしが必死で水気を含んだ重たい枯葉を運んでる横を、あたしの2倍くらいの枯葉をザルに入れた母さんが鼻歌を歌いながら追い越してく。あたしは、自分が情けないのと、母さんが元気になってくれたことが嬉しいのとで、何とも言えない複雑な気分になった。

結局、へタレなあたしは、人数が余ってることをいいことに、母さんともう1人の女性が運んできた雑草を手押しの1輪車で集めて回るっていう、比較的ラクチンな作業をやらせてもらったんだけど、この1輪車が右に左に蛇行しちゃって何度もひっくり返り、そのたびにみんなが爆笑して、ヨケイに仕事が増えちゃった。でも、何度か笑われてるうちに、そこそこコツをつかんだあたしは、ヨタヨタしながらも何とかひっくり返らずに進めるようになって、そのうち体力も回復したので、また最初作業に戻った。

‥‥そんなワケで、午後1時すぎから始めた「やべち」は、担当するエリアの3分の2ほどが終わった3時半に、休憩タイムになった。畦道に横長にビニールシートを敷いて、農家の奥さんたちが持ってきてくれた魔法瓶の温かいお茶と手作りのおはぎをいただいた。おはぎは汚れた手でも食べられるように、1個ずつラップに包んであって、あたしが今まで食べたおはぎの中で一番美味しかった。こうして、みんなで一緒に田植えの準備をして、畦道に座ってのんびりとお茶を飲んでると、原発事故の恐怖と不安で夜も眠れなかった東京での生活が遠い過去の出来事のように錯覚できて、「これも現実逃避なんだろうな」って思えた。

30分ほど休憩して、温かいお茶と美味しいおはぎのベホイミでHPが回復したあたしたちは、残りの作業をサクサクと1時間半ほどで終えて、それぞれがお世話になってる農家へと順番に送ってもらった‥‥ってワケで、何よりも驚いた上にアリガタイザーだったのは、あたしは、お世話になってることに対する当然の義務としてお手伝いさせてもらったつもりだったのに、ナナナナナント! 1人3000円ずつ手間賃をいただけたのだ! ちなみに、朝からお手伝いしてた山のふもとのグループは、1人5000円だったそうだ。何でも、村の共同作業の場合は、人手が足りなくて他の地域の人たちに手伝いを頼むと、こうして規定の手間賃を払うことが決まりになってて、ちゃんと村の経理から人数分のお金が出るそうだ。

ここに来てから、母さんとあたしは、他の疎開の人たちと一緒に、何度か村の共同作業を手伝わせてもらったんだけど、どれも午前中だけか午後だけの短時間の作業で、その都度、1人2000円の手間賃をいただいた。お世話になってる上にお金までいただくなんて、最初はリトル困惑したんだけど、お金のない状態で疎開してきたあたしたちに少しでも現金が入るようにしてくれてるみたいなので、感謝して受け取ることにした。そして、あたしは、母さんと相談して、手間賃をいただいた時には、半分の1000円をお世話になってる農家へ、せめてもの気持ちとして渡すことにした。

最初、断られたらどうしようかと思ったんだけど、茶封筒に入れた2000円を「せめてもの気持ちなので、食事代の足しにでもしてください」って言って渡したら、農家の奥さんは、ニコッと笑って受け取ってくれたので、あたしはホッとした。だけど、それから何日かして、村で集めた被災地へ送る物資の仕分け作業のお手伝いをしてたら、その奥さんがあたしのとこへ来て、「この下着と靴下はきっこさんとお母様が出してくれたお金で調達したものよ」って言ったので、あたしは「えっ?」って驚いた。その奥さんは、あたしが渡したお金を使わずに取っておいて、被災地へ送る物資を買うために使ってくれたのだ。あたしは、ありがたくて涙が出そうになった。

‥‥そんなワケで、去年の夏に右手が動かなくなり、ほとんどお仕事ができなくなったあたしは、左手でパチンコを打ちに行ったりして何とか生活費を稼いでたんだけど、冬には再発した婦人科の病気が悪化して、パチンコに行くこともできなくなった。それで、元気だった時にコツコツと貯めてた虎の子の貯金を切り崩して、何とかギリギリの生活をしてたんだけど、そのお金もとうとう最後の1万円を銀行から引き出してしまい、「さあ、明日からどうしよう」って思ってた時に、今回の大震災が起こった。そして、あとは、こないだの日記に書いたように、全財産が8000円しかないけど、母さんを連れて、とにかく西へと向かったってワケだ。

で、それから3週間、母さんとあたしは、今は西の果てのほうの農家にお世話になって暮らしてるんだけど、ここに到着した2週間前には、あたしの全財産は3000円ちょいになってた。だけど、ここに来てからは、こうした共同作業のオカゲで、少しずつ手持ちのお金が増えてきて、今日の「やべち」で、ついに1万円になった。農家の奥さんには、母さんとあたしの2人ぶんとして3000円渡したんだけど、残りの3000円を母さんが「きみこが持ってなさい」って言って、ぜんぶあたしに渡してくれたからだ。

ホントのことを言うと、東京のマンションの来月ぶんの家賃だとか、モロモロの支払いだとか、ここに来るまでにクレジットカードを使って乗った新幹線代の引き落としだとか、目の前に迫ってる金銭的な不安は目白押しなんだけど、そんなのは「命あってのモノダネ」ってワケで、もしも支払うことができなくたって殺されはしない。最悪の場合には、クレジットカードの支払日の前にキャッシング枠でお金を借りて、それで一時的に支払っておいて、それから先のことはのんびり考えればいいって思ってる。そんなことよりも、今は「いつどうなるか分からない不安」から遠く離れて、毎晩グッスリと眠ってる母さんの顔を眺めることができる喜びに浸ってる。

‥‥そんなワケで、あたしは、原発の不安からは少しだけ遠ざかることができたけど、その代わりに背負い込んだ今月のモロモロの支払いっていう不安や、通院やお薬を中断してる自分の病気に対する不安を抱えながら、中途半端な現実逃避生活を続けてるワケだ。だけど、どんな不安だって、来る日も来る日も原発に怯えながら生活しなきゃなんない不安に比べたら、天と地の差だ‥‥ってワケで、東京から離れた場所で、どんなにノンキに暮らしてても、あたしは東京生まれで東京育ちだから、故郷は東京だ。だから、今回の東京都知事選は、ここに来てすぐに、世田谷区のホームページから不在者投票に必要な書類をダウンロードして、すぐに手続きをして、ようやく2人ぶんの投票用紙が送られてきたから、母さんと2人で、こっちの役場に行って投票してきた。もちろん、東京都民の最低限の良識として、原発反対を強く訴えてる候補者に投票してきた。そして、今日の「やべち」で、待ちに待ってた「桜花賞」のタネ銭もできたから、週末は久しぶりに「エヴァンゲリオン予想」を楽しんで、大好きな芦毛の馬に投票しようと思ってる今日この頃なのだ。


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2011.04.03

きっこの疎開生活

おとといの日記にもチョコっと書いたし、ツイッターでは何度もつぶやいてるけど、あたしは、今、母さんと2人で、西の果てのほうに疎開してる。最初は、稲垣早希ちゃんの「西日本横断ブログ旅」になぞらえて、稲垣さきっこの「西日本横断ソカイ旅」とかってタイトルにして、旅ブログでも書くつもりでいた。そのつもりで、京都、奈良、神戸、三ノ宮、姫路、岡山、広島って、いろいろと写メも撮ってきた。だけど、しばらく旅をしてるうちに収束するかと思ってた原発事故は、収束するどころかお手上げ状態になり、東京の水道水からも基準値を上まわる放射性物質が検出され、とうとう恐れてたプルトニウムまでが漏洩して、海外メディアの多くは「メルトダウンも時間の問題だ」って報じ始め、マジで沖縄まで逃げないとシャレにならない雰囲気になってきた。

被災地には、不安と悲しみの中でギリギリの生活をしてる人たちがたくさんいるし、関東エリアの被災しなかった人たちの中にも、今すぐに遠くへ逃げたいのに、それぞれの事情によって逃げることのできない人たちがたくさんいる。そんな時に、能天気に旅ブログなんか書いてたら、それこそ不謹慎だ。だから、あたしは、最低限の近況とかはツイッターでつぶやいたりしてたけど、それ以上のことは封印してきた。でも、すごく多くの人たちから、あたしが疎開したことに関する質問を始めとしたメールが届き続けてるし、心配してくださってる人も多い。だから、今日は、書ける範囲で、あたしが東京を脱出したイキサツから現在の状況に至るまで、使い慣れないヨソのパソコンで書いてみようと思う。

で、最初にお断りしとくけど、あたしは、別に不安を煽る気もなければ、楽観視してるワケでもない。あたしがツイッターで今回の原発事故についての情報を流すと、すぐに「不安を煽るな!」って文句を言ってくる一部の人がいて、挙句の果てには、あたしが「西のほうへ疎開した」ってことをつぶやいただけでも「不安を煽るな!」ってイチャモンをつけられた。ようするに、それなりに名前の知れてる人が東京を脱出したってことは、もう東京が危ないってことで、それを公言することが東京に残ってる人たちの不安を煽ることになるっていう屁理屈だ。だけど、それなら、ネットなんかやらずにテレビだけ見て、枝野ちゃんや東電や保安院が繰り返してる「ただちには健康に影響のないレベルです」ってセリフだけを鵜呑みにしてればいいと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしが東京を離れた一番の理由は、母さんのことがあったからだ。母さんは、連日の震災と原発事故の報道を観て、あまりの恐怖と不安で何も食べられなくなってしまい、夜も眠れなくなってしまい、ノイローゼのような状態になってた。「スピッツ」のボーカルの草野マサムネさんも、連日の報道による恐怖と不安で倒れてしまい、「急性ストレス障害」と診断されて、4月からのツアーが中止になったけど、母さんもおんなじような状態だった。そして、あたしも、母さんほど酷くはなかったけど、連日の原発事故の報道による恐怖と不安で、精神的にまいってた。

それは、沖縄の普天間基地が「世界でもっとも危険な米軍基地」なら、福島原発は「世界でもっとも危険な原発」だからだ。あたしは、これまでに、福島原発の危険性と「ずさんな管理体制」について、何度も書いてきたし、マスコミがほとんど取り上げなかった福島原発の事故に関しても「世田谷通信」で報じてきた。たとえば、2008年6月14日の「福島第二原発で放射能を含む水が飛散」や、2010年8月25日の「福島第1原発で作業員が被ばく」などだ。

それもこれも、ずっと強引に進められてきた恐怖のプルサーマル計画を阻止したかったからで、こんなに老朽化した欠陥だらけの原子炉でプルサーマルなんかやられたら、それこそチェルノブイリ以上の大災害が起こると思ってたからだ。9年前の2002年に「週刊朝日」に掲載されたこちらの記事、「福島原発は欠陥工事だらけ」を読めば分かるように、実際に福島原発の建設を担当した当時の技術者が「格納容器内のほとんどの配管が欠陥なのです」って断言してるのだ。こんな「今すぐに停止すべき原発」で、こともあろうにプルサーマルだなんて、ハッキリ言ってキチガイ沙汰だ。

だから、あたしは、建屋の外壁が吹き飛び、白煙や黒煙を上げ続ける原発の映像を見るたびに、恐怖と不安で居ても立ってもいられない状態になってた。福島第一原発から、あたしの住む東京の世田谷区までは、直線距離で約250キロ。最悪のケースでメルトダウンが起これば、風向きにもよるけど、最低でも半径700キロの範囲には人体に影響のあるレベルの放射性物質が拡散するから、東京なんか人間の住める状態じゃなくなる。700キロと言えば、西なら鳥取県や岡山県だから、最低でも島根県や広島県よりも西へ逃げなきゃ助からない。

ちなみに、この日記を書いてる4月3日の時点では、京都大学の原子炉実験所の小出裕章教授が、現状を「本来の日本の法律に従うのであれば、原発から700キロまでを放射線管理区域としなければならない状態になっている」ってコメントしてる。だけど、政府は、今回の事故が起こってから、大気中の放射性物質にしても、水道水や食品の放射性物質にしても、カタッパシから制限レベルを大幅に引き上げたから、小出教授の言うところの「本来の日本の法律」は適用されてない。

‥‥そんなワケで、あたしは、次々と飛び込んでくる原発の事故の報道が恐くて恐くてたまらなかったけど、3月16日までは、東京から脱出することなんか考えてなかった。だから、スーパーを何軒もまわって、マルタイの棒ラーメンを買ったりしてた。だけど、この日の夜、母さんの様子を見に行ったら、母さんは頭からお布団をかぶってガタガタと震えてて、もう、マトモじゃない状態になってた。どうしたのか聞くと、母さんは「とうとう世田谷区まで放射能が飛んできた」って言って青白い顔を上げた。この日、世田谷区や新宿区でも放射性ヨウ素と放射性セシウムが計測されたっていうニュースが流れたのだ。そして、あたしは、この瞬間、母さんを連れて東京を離れる決心をした。だって、このまま東京にいたら、母さんがどうにかなっちゃうと思ったからだ。

だけど、あたしにはお金もないし、すぐに東京を離れられない事情もあった。だから、できるだけ早く東京を離れるために、すぐに自分のマンションに戻って、徹夜で準備をした。まず、焦る気持ちを落ち着かせるために、やるべきことを紙に書き出してから、連絡すべき人たちに連絡して、関西や中国地方、九州や沖縄のお友達にメールを送った。母さんとあたしを泊めてくれるかどうかの打診のメールだ。そして、夜明けとともに、ずっと飼ってきたお魚たちを生まれ故郷の多摩川へ逃がしに行き、朝になってから、一緒に猫たちの世話をしてるマンションの人たちのとこへ行き、あたしの事情を伝えた。そしたら、まだ自分たちは東京から動く予定はない、猫たちのことは自分たちに任せて、今は何よりもお母さんのことを考えてあげてと言ってくれたので、あたしは涙が出た。あたしは、お部屋にあったすべてのキャットフードを渡して、猫たちのことを頼んだ。

それから、マンションの管理人さんのとこにも事情を話しに行ってから、お部屋に戻り、必要最低限の荷物をマトメて、冷蔵庫の整理をして、電気のブレーカーを切って、母さんに「準備OK」の電話をした。一睡もしないで必死に動いたけど、母さんと駅で待ち合わせできたのは、17日のお昼を回ったころだった。しかも、母さんは2万円くらいお金を持ってたけど、あたしの全財産は8000円だ。正確に言うと、「即 PAT」の競馬専用口座に2000円残ってたから、合計で1万円だったけど、病気でずっとお仕事ができない状態が続いてたから、コツコツと貯めてた貯金も使い果たしたとこで、東京にいても「明日からどうしようか?」って感じの状態だった。

だけど、あたしは、「クレジットカードで新幹線のキップが買える」っていう情報を得てたから、とにかく新幹線に乗って東京から西へ向かうつもりだった。新幹線に乗れるかどうか不安だったから、朝から何度も電話予約の窓口に電話してたんだけど、ずっとお話中で通じなかったので、直接、駅に行くことになった。それで、母さんとあたしは、まずは大井町線で大井町まで行って、そこから、ひと駅隣りの品川に行った。品川駅で新幹線の窓口を聞いて、広い通路を突き当りまで歩いて、大きな文字で「新幹線」て書いてあるカウンターに着いた。カウンターのお姉さんに、恐る恐る「あの~クレジットカードでもキップは買えますか?」って聞いたら、笑顔で「はい、大丈夫ですよ」って言ってくれたので、あたしはホッとして、とにかく、京都まで行く一番早い新幹線を聞いたら、15分後に来るのがあるって言うので、言われるままにそのキップを2枚買った。

新幹線のキップは、乗車券と指定席の2枚で、2人ぶんで2万8000円くらいもしたけど、引き落としになるのは来月だから、それまでに何とかすればいいと思った。何よりも、この時は、1分1秒でも早く、母さんを東京から離れた場所へ連れて行き、重くのしかかってる恐怖と不安から開放してあげることしか考えてなかった。渡されたキップでホームの番号を確認して、自分の車両の番号のとこまで歩いてったら、もう、新幹線の来る5分前になってた。母さんをベンチに座らせてから、頭上の案内板を見ると、あたしたちの乗る新幹線の名前が光ってて、ちょっとウキウキした。だって、生まれて始めて新幹線に乗るからだ。

ホームに滑り込んで来た新幹線は、あたしが想像してたヤツじゃなくて、前がグイーンって長くなった今どきの新幹線だった。ドキドキしながら乗り込むと、座席は左右が3席と2席の非対称になってて、母さんとあたしは2席のほうだった。あたしは、2人ぶんの荷物を頭上の棚に乗せてから、母さんのコートと自分のブルゾンも荷物の横に乗せた。母さんを窓側に座らせると、新幹線はすぐに動き出した。あたしは、思ってたよりも狭いシートに座り、後ろに人がいないのを確かめてから、1段階だけリクライニングを倒して、フ~ッと息を吐いた。母さんは、前の座席の背もたれのとこについてる食事をするテーブルみたいなのが珍しいみたいで、パタパタといじってた。

‥‥そんなワケで、母さんとあたしの旅は始まったワケだけど、品川を出発してしばらくすると、すごく見覚えのある景色が見えてきた。多摩川だ。いつもは河川敷から新幹線が通過するのを見上げてるのに、今日は反対だ。いつもの丸子橋のとこの河川敷では、親子連れが普通に遊んでて、焦って東京から脱出した自分との温度差を感じた。だけど、横浜を過ぎてしばらくすると、あたしは、全身の力がスッと抜けて、何とも言えない安堵感に包まれた。あたし自身も、ものすごい恐怖と不安にさいなまれてたから、「新幹線に乗って東京からどんどん離れてる」っていう現実によって、5日間も苦しみ続けてきた状況から抜け出ることができたのだ。

母さんは何もしゃべらないから、寝てるのかと思って隣りを見ると、ポロポロと涙を流してた。流れる涙を拭こうともせずに、窓の外の景色を見るでもなく、宙の一点を見つめたまま、ずっと涙を流してた。あたしは、バッグからティッシュを出して、母さんに渡した。母さんは、ようやく涙を拭いてから、「ホッとしたら涙が出ちゃったよ」って言って、照れくさそうに笑った。母さんがやっと笑ってくれた嬉しさと、自分もホッとできた安堵感とで、今度はあたしの目から涙があふれた。母さんとあたしは、長いこと何も話さずに、新幹線のシートに身を沈めてた。

あたしは、母さんの横顔越しに流れる窓の外の景色をぼんやりと眺めながら、頭の中で、いろんなことを考えた。あたしが東京にいた16日の時点では、ガソリンスタンドは半分以上が閉店してて、ようやく開いてたスタンドを見つけても、1時間くらい並ばないとガソリンを入れられない状態だった。スーパーはどこも品切れで、いつもは安売りしてるカップ麺ひとつも買えない。通院してる病院も計画停電の影響で診察時間が半分になり、高島屋も臨時休業した。駅は入場制限でパニックになってるし、パチンコ屋さんまでもが短縮営業になった。こんな状態で、何度も余震が続いてる上に、とうとう世田谷区まで放射性物質が飛んできたんだから、とてもじゃないけど生活なんかできない。

だから、あたしは、母さんを連れて東京を離れたんだけど、あたしとおんなじに恐怖と不安にさいなまれてる人たちの中には、どうしても東京を離れることができなくて、その代償行為として、ミネラルウォーターだのカップ麺だのを買い占めてる人たちもいるんだろうなって思った。東京から離れられなくても、何週間ぶんかの水や食料を備蓄することによって、最悪の場合は自宅に篭ることができる。そして、こうした選択肢があれば、今すぐに東京から逃げられない不安を多少は解消することができる。テレビとかでは、しきりに「買い占めはやめましょう」って連呼してるけど、これほど恐ろしい状況になってるんだから、誰だって「安心感」が欲しい。それも、こんな状態が何ヶ月も何年も先まで続くんだから、何らかの形で「安心感」を得なかったら、普通の神経の人は、みんな「スピッツ」のボーカルの草野マサムネさんみたいに、「急性ストレス障害」で倒れちゃうだろう。

‥‥そんなワケで、母さんとあたしは、三島を過ぎるあたりまでは、何も話さずに、お互いが自分の安堵感の中に心を浮遊させてた。そして、浜松に差し掛かったころ、やっと気持ちにも余裕が出てきて、2人で海みたいな浜名湖を眺めて、「ウナギが食べたいね」「母さん、ずっと何も食べられなかったから、お腹が空いちゃったよ」なんて、ポツポツと話せるようになった。でも、名古屋を過ぎるまではポカポカの春の陽気みたいな景色だったのに、長いトンネルを抜けると、そこは雪国だった。手前の田畑から遠くの山々まで、視界はすべて真っ白で、まさに川端康成の世界だった。母さんとあたしが、一瞬、駒子と葉子になったような気がした。

一面の銀世界の中をしばらく走り続け、京都の手前の米原駅に着くと、目の前のホームにも大粒の雪が真横に走ってて、吹雪って言ってもいいくらいだった。あたしは、事前に連絡してた京都のお友達から、「こっちは寒いから暖かい服装で来てね」って言われたことを思い出した。米原から京都に近づくにつれて、雪はだんだん少なくなってきて、景色にも白以外の色が見えるようになってきたけど、それでも京都も寒かった。東京にいる時は、あたしは漠然と「西へ行けば東京よりも暖かくなる」って思い込んでたけど、そんなことはなかった。

新幹線に乗った時点で、京都のお友達には到着時間をメールしてたんだけど、いろんな人に聞きながら、メールの返信に書かれてた待ち合わせの場所にたどり着いた時には、もう、お友達は車で迎えにきてくれてた。お友達は、あたしの高校時代の同級生で、結婚してダンナさんの実家がある京都で暮らしてるんだけど、広いマンションを買ったばかりで、母さんとあたしの2人なら何日でも泊めてくれるってことだった。京都に到着したのは午後4時過ぎだったけど、10年ぶりに会ったお友達は、母さんとあたしのために観光案内を兼ねてアチコチ寄り道してくれたので、まっすぐ行けば40分くらいでマンションに着くそうなのに、着いた時には辺りは薄暗くなり始めてた。

で、あんまり細かく書いてると先へ進まないから、ここからは駆け足で行くけど、母さんとあたしは、この日、京都のお友達のとこに泊めてもらい、美味しい晩ご飯やお風呂をご馳走になった。母さんは、ちゃんとご飯を食べられたし、夜はグッスリと眠れたし、たった1日で元気になった。そして、次の日は、生まれて始めての近鉄電車に乗って、奈良のお友達のとこへ行った。それから、いったん京都に戻り、神戸から三ノ宮のお友達のとこへ行き、姫路を経由して岡山のお友達、そして、広島のお友達のとこへと移動した。姫路駅は、構内を工事してて、姫路城のほうへ出る通路が、ずっとパネルで覆われてた。岡山駅では、稲垣早希ちゃんも立った桃太郎の像の前で写メを撮った。

この過程で、ずいぶんお金が減った。短距離でも新幹線はクレジットカードを使ったけど、たとえば、京都から奈良への移動では、普通の電車なのに片道500円以上もして、2人ぶんの往復で2000円以上もかかったし、お昼に母さんと駅そばを食べたりもしたから、あたしのお金は半分の4000円くらいになってた。だけど、母さんが2万円くらい持ってるし、どうしても困ったらクレジットカードでキャッシングって手もあったから、あたしはそんなには心配してなかった。もちろん、こんなにカードを使いまくったら、翌月の支払日に大変なことになっちゃうのは分かってたけど、今はそんなことよりも、少しでも早く、福島原発から700キロ以上離れた場所へ行きたかった。

‥‥そんなワケで、今いる場所についてはハッキリと書けないけど、母さんとあたしは、福島原発から西へ1000キロくらい離れた場所の山奥にいる。もともとは都会で生活をしてたお友達なんだけど、自然の中での暮らしに憧れて、奥さんと2人で山奥の古い農家へ移住して、農業をしながら自分の仕事もやって、のんびりと暮らしてる。広い民家で2人暮らしだから、使ってないお部屋もいくつかあって、母さんとあたしの他にも、関東から疎開してきた2組の家族を受け入れてる。

この村には、疎開してきた人たちを受け入れてくれるお宅がたくさんあって、山間部にポツポツとある民家だけじゃなくて、山のふもとの集落も入れると、ぜんぶで30組以上の家族が疎開してるそうだ。あたしが驚いたのは、東京を始めとした関東エリアだけじゃなくて、大阪などの関西エリアから疎開してきてる家族が何組かいたことだ。その中の1人と農作業のお手伝いの時に話したんだけど、関西エリアでも、今回の原発事故の「最悪のケース」を想定してる人たちは、少しずつ西へと移動してるって言ってた。

で、あたしがお世話になってるお宅は、山の中腹にポツンとある古い民家で、車が1台しか通れない山道を車で30分くらい上ってったとこにある。山道はクネクネしてて、片側が断崖で片側が絶壁、ガードレールなんてないから、落ちたらたぶん死ぬと思う。その上、メッタに来ない対向車と鉢合わせした時には、ところどころにあるリトル広いスペースのとこまで、どっちかの車がバックしてって、そこですれ違うことになってるから、なかなかスリリングだ。あたしは、今、使ってない古い軽トラを足代わりに貸してもらってるんだけど、今ほど軽トラで良かったと思ったことはない。だって、軽トラなら、道幅に余裕があるからだ。

‥‥そんなワケで、あたしは、東京からうんと離れた西の果ての山奥のお宅と、山のふもとのインターネットがあるお宅とを行き来しながら、今、母さんと疎開生活をしてる。昼間は、農作業のお手伝いをしたり、山を越えたとこにある染物の作業場のお手伝いに行ったり、被災地へ送る物資の仕分け作業をしたり、子供たちと三角ベースをしたり、川で魚釣りをしたり、夜は、どっちかのお宅でお酒をご馳走になったり、プラネタリウムよりもすごい満天の星空を眺めたり、まるで林間学校みたいな生活をしてる。母さんは元気で笑顔でのんびりしてるし、何よりも助かるのは、村での共同作業のお手伝いに行くと、1人2000円とかの手間賃までいただけることだ。ちなみに、手間賃をいただいた時は、半分をお世話になってるお宅へ入れることにしてる。こんな感じで、母さんとあたしは、もうしばらくココで暮らす予定だ。だけど、状況によっては、もっと西へ移動するつもりなので、海外メディアの報道を中心に、福島原発の状態を注視してる今日この頃なのだ。


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2011.04.01

「ヤシマ作戦」と「ウエシマ作戦」

シゲル 「目標内部に、高エネルギー反応!」

ミサト 「なんですって!?」

シゲル 「円周部を加速!収束していきます!」

リツコ 「まさかっ!」


‥‥ってなワケで、「新世紀エヴァンゲリオン」の第六話「決戦、第3新東京市」に登場した第5使徒ラミエルは、ジャイアンツのラミレスよりも手ごわくて、一定の距離内に入ってきた外敵を荷粒子砲で攻撃して排除する上に、強力なATフィールドも展開してて、ミサトいわく「攻守ともにほぼパーペキ、まさに空中要塞ね」ってほどの強敵だった。そして、エヴァンゲリオンによる接近戦が無理だってことになり、離れた場所からポジトロンライフルで攻撃することになったんだけど、通常のポジトロンライフルじゃ歯が立たない。そこで、ミサトが立てた作戦は、戦自研(戦略自衛隊研究所)からプロトタイプのポジトロンライフルを借りてきて、それで使徒を撃ち抜くってものだった。


マコト 「しかし、ATフィールドをも貫くエネルギー算出量は、最低1億8000万キロワット、それだけの大電力をどこから集めてくるんですか?」

ミサト 「決まってるじゃない、日本中よ!」


‥‥ってなワケで、テレビの臨時ニュースなどでニポン全国に「本日午後11時30分より明日未明にかけて全国で大規模な停電があります。皆様のご協力をよろしくお願いいたします」っていう広報が繰り返された。シンジは初号機でプロトタイプのポジトロンライフルを構え、時間になるとニポン中の電気が次々と消えていった。そして、全国から集められた電力が太いコードでライフルへと供給された。


ミサト 「シンジ君、日本中のエネルギー、あなたに預けるわ。頑張ってね!」

シンジ 「はいっ!」


‥‥って感じの今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、1発目はミスっちゃうけど、レイの零号機が盾でかばってくれてる間に2発目の電力を供給して、何とか使徒を殲滅することに成功する。これが有名な「ヤシマ作戦」だ。パチンコだと、シンジが1発目をミスして、レイもやられちゃったとこにアスカが弐号機で助けにきて勝利!‥‥っていうワンダホーな演出もあるんだけど、テレビアニメだとアスカが登場するのは第八話「アスカ、来日」で、この第六話「決戦、第3新東京市」の時点では登場してない。だから、パチンコの演出は、実際には時系列的にアリエナイザーな、パチンコファンだけが楽しめるスペシャルバージョンなのだ。ま、パチンコのエヴァンゲリオンには、4号機に乗ったカヲル君とシンジの初号機が戦うリーチとか、他にもいっぱいスペシャルバージョンの映像が満載なんだけど、この「ヤシマ作戦」の場合は、どんな結果になるか分かっちゃうセグのランプを手で隠して楽しむのがお約束だ。

で、この「ヤシマ作戦」てのは、「平家物語」とかでもオナジミの「屋島の戦い」からのネーミングなんだけど、「ヤシマ作戦」の話題が出るたびに、重箱の隅をつつくのが好きな人たちは、得意満面になって「東日本と西日本では電力の周波数が違うんだから日本中の電力を集めて使うことはできない」って言う。そして、「おんなじ周波数に変換すればいいじゃん」て言うと、さらにドヤ顔になって「日本には周波数の変換変電所は3ヶ所しかなくて、容量は100万キロワットしかないから何千万キロワットも同時に変換することはできない」って言う。そこで、あたしは、ポジトロンライフルならぬマシンガンのような早口で一気にまくし立てる。


「それは現実のニポンの話だろ?現実世界の地球では2000年にセカンドインパクトが起こらなかったんだから、その時点で、すでに現実のニポンとエヴァの世界のニポンとは『別の世界』だってことがハッキリしてんじゃん。エヴァは架空のアニメの話なんだから、ニポン全国の電力の周波数が統一されてるって設定かもしれないし、東と西とで周波数が違ってたとしても変換変電所がいっぱいあるって設定かもしれないじゃん。つーか、そんなとこにツッコミを入れるくらいなら、ミサトが乗ってるアルピーヌ・ルノーA310が左ハンドルだったり右ハンドルだったりすることに多くの人たちがツッコミを入れたら、制作サイドが素直に描き間違いを認めずに『ミサトは電動機駆動の右ハンドルに改造したものとオリジナルの左ハンドルの2台を所有してる』なんていう小学生も脱力しちゃうような苦しいイイワケを炸裂させたことにこそツッコミを入れろよ。ホントに最初から『2台を所有してる』って設定なら、視聴者からツッコミを入れられないようにボディーカラーを別々にしとくのが普通だろ?2台ともおんなじブルーのボディーカラーなのに、ハンドルだけが違うからみんながツッコミを入れたんじゃん。たとえば、ミサトがブルーって色にコダワリがある、って言うような背景でもあれば『2台ともブルー』って設定も理解できるけど、全編を観てもそんな描写はひとつもないし、髪の色はムラサキだし、ミサトがブルーって色に特別な思い入れなんかないことは明白だ。さらに言えば、ガソリン車を電動機駆動に改造するのは分かるけど、それをわざわざ右ハンドルに改造する意図がまったく分からない。右ハンドルしか運転できないんならともかく、ミサトはオリジナルの左ハンドルも所有してるんだから、わざわざ大変な思いをしてまで右ハンドルに改造する意味がない。つーか、ミサトの車のことなんかどうでもいいけど、まずは根本的な問題として『エヴァンゲリオンなんて今の人間の科学で作れるワケがない』って部分にツッコミを入れろよ。エヴァや使徒の存在を肯定した上で電力の周波数なんかにツッコミを入れるなんて、単なる幼稚な揚げ足取りじゃん。エヴァンゲリオンの世界観をすべて肯定した上で電力の周波数だけにツッコミを入れるなんて、『ドラゴンボール』で悟空が空を飛ぶことも巨大な猿に変身することも手のひらから『かめはめ波』を出すこともすべて認めた上で、仙豆をひとつぶ食べただけで体力が回復することだけを『非科学的だ』って言ってんのと一緒じゃん」


これで、たいていのヘリクツ君は静かになる‥‥ってなワケで、今回の震災では、とにかく電力が不足してるってことで、東ニポンでは「計画停電」が始まった。そして、停電区域じゃない人たちも自発的に節電しようって空気になったんだけど、「節約」とか「節電」とかってのは暗くて貧乏くさいイメージがある。あたしは、ふだんから節約生活を続けてるから何とも思わないんだけど、中には「節約」とか「節電」とかを「カッコ悪い」って思ってる人もいるそうだ。

そんな時に、ツイッターで流れてきたのが、この「ヤシマ作戦」だった。みんなで節電することを「ヤシマ作戦」て名づけただけで、節電することに連帯感が生まれて、ナニゲに「カッコイイこと」に感じられるようになった。こういうことをすると、すぐに「不謹慎だ!」って言う人もいるけど、あたしは、そうは思わない。それは、あたし自身が、日々の節約生活を楽しんできたからだ。食べたいものをガマンして、欲しいものもガマンして、ギリギリのお金で生活することは苦しいけど、「嫌だ」とか「つらい」とか思ってたら続けられない。だから、あたしは、お散歩がてらに多摩川の土手に行って、俳句を詠みながらヨモギやノビルやツクシを摘んで、楽しみながらタダの食材をGET MY LOVE!したりしてきた。他にも、楽しみながら、いろんな工夫をしてきた。

これとおんなじで、単なる「節電」も、それに「ヤシマ作戦」て名づけて、名前も顔も知らないネット上の人たちとみんなで一緒に始めれば、何だか楽しくなってくる。楽しければ長続きするし、何よりも精神衛生上もマイナスにならない。受験勉強から会社の残業まで、イヤなことをイヤイヤやっててもなかなかハカドラナイけど、どんなことでも楽しみながらやれば効率も良くなる。あたしは、これがすべての基本だと思ってる。そして、あたしとおんなじ感性の人が多かったみたいで、この「ヤシマ作戦」はどんどん広がってった。最終的にはどこまで広がったのか分からないけど、新聞やテレビでも取り上げられるほどになった。


‥‥そんなワケで、まだ、あたしが東京にいた16日のこと、いつものスーパーに行ったら、パンもインスタントラーメンもみんな買い占められてて、どの棚もカラッポになってた。それで、あたしは、ちょっと遠いスーパーに行ったんだけど、そこもカラッポで、結局、5軒目のスーパーで、カラッポの棚のハシッコにマルタイの棒ラーメンを見つけて、残ってた5つをぜんぶカゴに入れた。この時は、まだ東京にいるつもりだったから、少しでも食料が欲しかったからだ。

だけど、あたしが残ってた棒ラーメンをぜんぶカゴに入れた瞬間、後ろで「ああっ」って声がした。振り向くと、おばあちゃんが残念そうな顔をしてた。それで、どうしたのか聞いてみると、そのおばあちゃんも非常用の食料を探して、商店やスーパーを回ってたって言うから、あたしは、カゴに入れた5つの棒ラーメンのうち、3つをおばあちゃんに譲った。そして、お家に帰ってきてから、このことをツイッターでつぶやいた。


「きっこさんのつぶやき」
5軒目のスーパーで、ようやくマルタイの棒ラーメンを5つ発見。1袋2食入りで125円は高いけど、他に何もないから5つカゴに入れたら、あたしの後ろにいたおばあちゃんが「ああっ」って言った。仕方ないからおばあちゃんに3つ譲った。
3:09 PM Mar 16th webから


念のために言っとくけど、これは決して「あたしってイイ人でしょ?」っていうアピールじゃなくて、「都内のスーパーで買い占めが横行してる」ってことが報道されてたから、その現状報告の意味でつぶやいたものだ。だけど、このつぶやきをしたら、すぐにこんなコメントが届いた。


「おおっ!ウエシマ作戦ですね!」


あたしは、この意味が分からなくて、その場で「ウエシマ作戦」を検索して調べてみた。そしたら、クルリンパでオナジミのダチョウ倶楽部の上島竜兵さんのことだった。何か嫌なことをさせられそうになった竜兵さんが渋り、リーダーの肥後さんとジモンさんが「それなら俺が」と手をあげ、とたんにそのことが美味しく思えた竜兵さんが「俺がやるよ」と手をあげると、肥後さんとジモンさんが「どうぞ、どうぞ」っていうお約束のギャグだ。つまり、自分だけが買い占めをせずに、他の人にも商品を譲ろうってことで、これを誰かが「ヤシマ作戦」になぞらえて「ウエシマ作戦」て名づけたのだ。あたしは、「ウエシマ作戦」のことは知らずに、おばあちゃんが気の毒だったから普通に譲っただけだったけど、結果として「ウエシマ作戦」を実行してたってワケだ。

で、こういうことって、すぐに第3弾、第4弾を考え出す人がいるみたいで、「ヤシマ作戦」と「ウエシマ作戦」に続いて、「踊る大捜査線」の「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きているんだ!」ってセリフから、現場を応援する「アオシマ作戦」、原爆の大被害から復興した広島のように東日本の被災地の復興を応援する「ヒロシマ作戦」、風評被害に苦しむ福島県を応援する「フクシマ作戦」、監督時代の長嶋茂雄のように「メークミラクル」を起こそうという「ナガシマ作戦」、サッカーの日本代表のゴールキーパー、川島永嗣選手にちなんだ「ゴールを守る=命を守る」っていう「カワシマ作戦」など、次々と新しい作戦が発動された。

でも、実際に広まったのは「ヤシマ作戦」と「ウエシマ作戦」だけで、他のは単なる語呂合わせ的な側面が強かった。「ヤシマ作戦」の「節電」や「ウエシマ作戦」の「譲り合い」みたいに目的と具体性が明確なら参加しやすいけど、「アオシマ作戦」みたいに「現場を応援しよう」って言われても、「カワシマ作戦」のように「命を守る」って言われても、実際には何をすればいいの分からない。とりあえず、わずかなお金を義援金として送っても、それがどの作戦に当てはまるのかが分からない。

だけど、これらの第3弾、第4弾、第5弾‥‥ってのも、無駄だったワケじゃないと思う。あとから生まれたこうしたネタが、最初の「ヤシマ作戦」や「ウエシマ作戦」を後押しする形になって、面白がって参加する人がさらに増えたんだと思う。ようするに、これらの作戦はそれぞれが独立したものじゃなくて、みんなマトメて「節電」や「譲り合い」などのムードを高める結果になったんだと思う。

‥‥そんなワケで、あたしは、こうした行動に「ヤシマ作戦」とか「ウエシマ作戦」とかって名前をつけて、楽しみながら協力することは素晴らしいことだと思ってる。中には「不謹慎だ!」って言ってる人もいるけど、あたしから見たら「バッカじゃないの?」って感じだ。震災時の協力って、お通夜みたいにしなきゃいけないの? 周りの人たちはみんな「いつも通り」の生活をしてるのに、被災地じゃない地域の人たちまでが、被災地とおんなじようにしなきゃいけないの?‥‥って思う。

あたしは、京都、奈良、神戸、三ノ宮、姫路、岡山、広島‥‥って移動してきて、今はもっと西に疎開してるけど、どの街の人たちもみんな普通に生活してた。高校生くらいの年齢の女の子たちは電車の中で大声で笑い合い、夜の繁華街ではたくさんの人が酔っ払ってドンチャン騒ぎをしてた。若いカップルは駅前の噴水のとこでキスしてたし、ネットカフェではエロ動画に見入ってる人がいたし、飲み屋やカラオケボックスは満員だったし、キャバクラはギンギラにネオンをつけてピンクのハッピを着たお兄さんたちが派手に呼び込みをしてた。みんな、東ニポンのことなんか関係なく、普通に生活してた。

もちろん、西ニポンの人たちの中にも、被災地のことを思っていろいろと行動してる人たちもいるけど、朝から晩まで被災地のために動いてる人なんてメッタにいない。みんな、自分の仕事をして、自分の生活をしてる中で、ほんの少しの時間、被災地のために自分のできることをしてるだけだろう。昼間、被災地へ送る荷物を発送した人が、夜はキャバクラや風俗へ行ってるかもしれない。ようするに、多くの人たちは「いつも通りの生活」をしてるのだ。果たして、これが「不謹慎」なんだろうか?

‥‥そんなワケで、口をひらけば「不謹慎だ!」とか「自粛しろ!」とか言ってる人がいるけど、あたしは、これほどトンチンカンなことはないと思う。震災直後の深夜にテレビ東京がアニメを放送したら批判が相次いだとか、東京ディズニーランドが再開したら批判が相次いだとか、挙句の果てには「今年は花見を自粛しろ!」とか言い出したバカまで出てきたから呆れ返る。だって、「自粛」ってのは自分の意志で行なうものであって、他人から強制されて行なうものじゃないからだ。テレビでアニメを放送することが不謹慎だと思う人は、自分が見なきゃいいだけの話だし、東京ディズニーランドが不謹慎だと思う人は、自分が行かなきゃいいだけの話だろう。「不謹慎だ!」「不謹慎だ!」って騒いでるだけの人よりも、そんな声なんか無視して「ヤシマ作戦」や「ウエシマ作戦」を楽しみながら実行してる人たちのほうが、あたしは、よっぽど世の中の役に立ってると思ってる今日この頃なのだ。


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