初めての「二宮金次郎予想」
いつもなら、遅くてもG1レースの前日の夜には日記をアップしてるんだけど、今回は、土曜日の深夜、あとちょっとで日付が変わって日曜日になっちゃうって時に書き始めてる。何でかって言うと、石川喬司先生からいただいたメールをヒントに、いろいろと調べ物をしてたら、時間が掛かっちゃったからだ。で、どんなメールなのかって言うと、以下、ご紹介するけど、とっても興味深い内容なのだ。
(前略)
きっこのブログのTwitter欄で川上弘美の名前を発見、奇縁を感じました。私が昔『SFマガジン』に発表した『箱舟の行方』という短編に、こんなくだりがあります。
「‥‥その夜は芥川賞・直木賞の授賞パーティがあり、私はかなり酔っていた。ごった返す会場で友人に紹介された川上弘美に初対面の挨拶をしたとたん、いきなり彼女から「先生のお隣のお家のお庭に二宮金次郎の銅像があるでしょう」と悪戯っぽく切り出されたのだ。「え、どうしてそんなことを‥‥」と聞き返そうとしたときには、早くも彼女はこちらを向いたまま別のグループに雑踏の彼方へと連れ去られつつあった。私は彼女を紹介してくれた仲間を振り返って首を傾げた。「たしかに隣の家の庭には二宮金次郎の像があるけど、いや十年ほど前まではあったけど‥‥」
授賞パーティの常連たちと談笑しているうちに謎が解けてきた。川上弘美は御茶ノ水女子大でSF研究会に入っていたと聞いたことがある。わが家は同大学の裏門のすく近くにある。何かで私の住所を知ったSF研の仲間たちと面白半分で<偵察>に来て、隣家の庭の柴束を背負って歩きながら読書をしている金次郎のアナクロな像を発見したのだろう。それはもしかしたら彼女ひとりの偵察行だったかもしれない‥‥。
この上なく笑顔の優しい才女との思わぬ人生の交錯を知ったことで、私の酔いは加速した」
それ以来、彼女の作品は愛読していますが、すれ違ってばかりで個人的に話し合ったことはありません。
(後略)
これは、あたしがツイッターで、「最近は商業小説ばかりで純文学がなくなった」「川上弘美さんの『真鶴』は純文学である」「川上弘美さんの作品は普通の小説でも純文学の匂いがする」って感じのことをつぶやいたのをたまたま石川先生がご覧になってて、そこから不思議な連鎖が始まった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、川上弘美さんの小説が大好きで、ほとんど読んでるし、川上弘美さんは俳人でもあるので、句集「不機嫌な犬」も楽しく読ませていただいた。川上弘美さんは、小説では行間にイメージを置くのが得意なので、「言わずに感じさせる」のが本意の俳句に向いてて、とってもイイ俳句を詠む‥‥って、こっちに行っちゃうと競馬から離れてっちゃうから、川上弘美さんの魅力については、今度タップリと書かせていただくとして、今回は、待ちに待った「春の天皇賞」だ!
5月1日 京都11R
「天皇賞(春)」(G1)
4歳上オープン 芝3200m
1枠1番 ビートブラック/岩田康誠
1枠2番 ヒルノダムール/藤田伸二
2枠3番 ナムラクレセント/和田竜二
2枠4番 ローズキングダム/武豊
3枠5番 〔外〕ジェントゥー/D.ブフ
3枠6番 ペルーサ/横山典弘
4枠7番 (地)マカニビスティー/小牧太
4枠8番 マイネルキッツ/松岡正海
5枠9番 トゥザグローリー/四位洋文
5枠10番 トーセンクラウン/江田照男
6枠11番 ゲシュタルト/藤岡佑介
6枠12番 コスモヘレノス/中谷雄太
7枠13番 ジャミール/C.ウィリアムズ
7枠14番 トウカイトリック/川田将雅
7枠15番 エイシンフラッシュ/内田博幸
8枠16番 オウケンブルースリ/浜中俊
8枠17番 フォゲッタブル/丸山元気
8枠18番 (外)コスモメドウ/丹内祐次
で、あたしは、石川先生のメールの内容から、まずは川上弘美さんのこれまでの作品を順番に思い出してみたんだけど、コレと言って、今回の出走馬につながるキーワードは見つからなかった。それで、今度は、二宮金次郎からの発想に切り替えてみた。だけど、これまた、ビビッと来るキーワードは見つからなかった。たとえば、二宮金次郎の「二」が付く2人、藤田伸二騎手と和田竜二騎手の組み合わせとか、石川先生のお宅は「二宮金次郎の像があった家の隣り」ってことから、この2人の騎手の隣りのローズキングダムとかって考えてみたんだけど、あまりにもシンクロ率が低すぎる。
これなら、前回の最後に書いた、「JRAの天皇賞のCMはメジロマックイーン」→「スティーヴ・マックイーンの親友はブルース・リー」→「オウケンブルースリ」ってほうが、よっぽどコジツケに味わいがある。あとは、ウィリアム王子が結婚したから、ウィリアムズ騎手が騎乗するジャミールと「王国」を意味するローズキングダムの組み合わせとか、単なるコジツケなら、いくらでも思い浮かぶ。だけど、あたしは、前回の「皐月賞」からの流れで、どうしても石川先生のメールの中に「正解」があるって信じてるから、何とか川上弘美さんか二宮金次郎に関係する馬はいないか、川上弘美さんの作品をすべてチェキして、二宮金次郎の生涯もおさらいして、土曜日の深夜まで調べてたってワケだ。
それなのに、嗚呼それなのに、それなのに‥‥って、ヒサビサに五七五で嘆いちゃうけど、結局、コレと言ったキーワードは見つからなかった。それで、あたしは、インターネットで二宮金次郎の像の写真を見ながらボンヤリとしてたら、頭の上で100ワットの電球がパッと点灯した! これは、もしかしたら、「二宮金次郎のように勤勉に予想せよ!」っていう暗示なんじゃないのか? つまり、今回は、コジツケ予想はやめにして、これまでに培ってきた競馬の知識を総動員して、マジメに予想をしてみろ!‥‥ってことなんじゃないかって思ったのだ。
あたしは、これまでずっと、「エヴァンゲリオン予想」に代表される「コジツケ予想」と、夢のお告げに頼る「シンクロニシティー予想」だけでやってきたけど、それでも、昔のレースをYOU TUBEで観まくったりしてるうちに、ナニゲに、レース展開だとか、いろんなことが分かってきた。だから、今回は、勤勉だった二宮金次郎のように、偶然なんかに期待しないで、マジメに予想をしてみようと思う。もちろん、わずか2年ほどの経験だから、トンチンカンな予想になっちゃうかもしれないけど、あたしなりに競馬のことを勉強してきた2年間の結果として、どれくらい予想力が身についたのかを知るチャンスでもある。
‥‥そんなワケで、今回は先行タイプの馬がいないから、全体的にスローペースの展開になって、体力を温存したローズキングダムやトゥザグローリーが差す!‥‥って考えてる人が多いと思う。だけど、あたしは違う。あたしは、マイネルキッツが勝つと思ってる。それは、4月27日に栗東CWで行なわれたトゥザグローリーとの3頭併せの結果からだ。この3頭併せでは、ロリンザーユーザーが先行して、マイネルキッツが2番手で、トゥザグローリーは後ろから4コーナーで横一線になり、一気にマイネルキッツを抜き去った。
これで、「春の天皇賞」でのトゥザグローリーの人気が、マイネルキッツを上回ることは確定したっぽいけど、時計を見てみると、それほどの差はない。つーか、マイネルキッツは抑え目に走ってたことが分かる。「デイリースポーツ」の記事には、マイネルキッツの調教師の国枝栄師の言葉が書かれてた。
『実戦さながらのケイコで、トゥザグローリーに後れを取ったマイネルキッツ。見守った国枝師は「調教駆けするタイプじゃないから遅れ自体は問題ないさ。それにしてもいい併せ馬だったよ」と不敵な笑みを浮かべた。』
そう、国枝師は「不敵な笑みを浮かべた」のだ。そして、国枝師は、ツイッターでも、こんなことをつぶやいてる。
国枝栄さんのつぶやき
http://twitter.com/SakaeKunieda
キッツくんの追い切りが無事に終了。池江さんの粋な計らいでトゥザグローリーと本番の予行演習。良い競馬をお見せできればと思います。
9:53 PM Apr 27th Twitter for iPadから
う~ん、つぶやきの内容もさることながら、あたし的には「iPadから」ってとこにも「おおっ!」って思っちゃった。で、これらから分かる国枝師の「余裕」の正体、それが、あたしが最初に書いた「今回は先行タイプの馬がいないから」ってことなのだ。先行タイプの馬がいないからスローペースの展開になる‥‥ってことなら、競馬の初心者のあたしでも分かる。だけど、国枝師の「余裕」から、あたしが気づいたことは、3200もある「春の天皇賞」を2回も走ってて、オトトシは1着、去年は2着っていう好成績を上げてるマイネルキッツには、8歳と言えども、そこらの4歳馬とは格が違う「スタミナ」があるってことだ。
スローペースの展開になると、トゥザグローリーみたいに鋭い末脚を持ってる馬たちが最後までスタミナを温存して、最後に一気に突っ込んでくるから、マイネルキッツに勝ち目はなくなる。それなら、どうすればいいか? それは、マイネルキッツ自身が先行して、全体のペースをビミョ~に上げちゃうって作戦だ。「みどりのマキバオー」でも出てきたけど、長距離の場合は、ライバルたちのスタミナをどう奪うか?ってのがポイントになる。「勝手知ったる京都の3200」って感じのマイネルキッツ陣営なら、若干先行して、ジョジョに奇妙に全体のペースを上げてって、知らず知らずのうちにライバルたちの末脚を奪うって作戦を考えてて当然だ。
‥‥そんなワケで、マイネルキッツがこの作戦を遂行して、トゥザグローリーやローズキングダムが沈んだとしても、それでも爆発的なパワーで突っ込んでくるのが、大外からのエイシンフラッシュと、スタートを成功した場合のペルーサだ。この2頭の潜在能力はものすごいし、ペルーサに至っては、ある意味、「みどりのマキバオー」のベアナックルみたいなとこもあるから、フタを開けるまで分からない。だから、あたしは、1着マイネルキッツ、2着エイシンフラッシュ、3着○○○○ってのと、1着エイシンフラッシュ、2着マイネルキッツ、3着○○○○っていう3連単を何パターンか決めて、あとはペルーサがスタートを成功した場合のことを考えて、マイネルキッツとペルーサの組み合わせ、エイシンフラッシュとペルーサの組み合わせも抑えとく。これが、あたしが初めてマジメに取り組んでみた「二宮金次郎予想」の結果だって感じの今日この頃なのだ。
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