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2011.05.23

原発利権に群がる大人たち

3月11日に東日本大震災が発生し、翌12日に福島第一原発が冷却不能に陥って水素爆発を起こしたことを受けて、2日後の14日には、ドイツのメルケル首相が国内の原発の運転期間延長計画を凍結したし、スイスのロイトハルト環境相も進行中だった原発計画の中止を発表した。原発大国のアメリカでさえも、多くの議員から現行計画の見直しの声が出て、福島原発と同型の原子炉はすべて総点検することになった。ま、これがマトモな感覚だろう。

だけど、これほどの大事故を起こした張本人であるニポンでは、ずいぶん感覚が違う。事故から1ヶ月半が過ぎても、原子炉のひとつも止められないどころか、連日、空と海へ大量の放射性物質を垂れ流している状態で迎えた4月24日の「統一地方選挙」では、百害あって一利なしの「高速増殖炉原型炉もんじゅ」を始め、3基もの原発を林立させて「原発銀座」と呼ばれてる福井県敦賀市を筆頭に、ほぼすべての選挙区で、原発推進派や容認派が議会の過半数以上を占める結果となった。幸いにも、東京の世田谷区では、反原発の保坂展人さんが区長に当選したけど、原発に依存して生きてきた全国各地の「原発城下町」では、原発推進派の現職候補が次々と当選した。国際社会から見れば、これほど恥ずかしいことはないだろう。

こないだ、菅首相が、アメリカに言われて仕方なく静岡県の浜岡原発の停止を発表した時も、浜岡原発がある御前崎市の石原茂雄市長はブーブー文句を垂れてたし、東京電力の柏崎刈羽原発を抱える新潟県柏崎市の会田洋市長までもが、自分のとこまで飛び火されたら困るからって、ブーブー文句を垂れてた。そりゃあ、原発のオカゲで過疎化してた町が発展して、お金もタップリともらえるようになり、それ以来、ずっと原発に依存して生きてきたんだから、ここで原発を止められたら困るって理屈は分かるし、悪魔に魂を売った市長としては「毒を食らわば皿まで」の心境なんだろう。だけど、これほどの大事故が起こっても、まだ「命」よりも「お金」だなんて、完全に人としての感覚がおかしくなっちゃってると思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、ニポンイチの「原発銀座」である福井県敦賀市には、5900億円もかけて造った「世界一危険な粗大ゴミ」の異名を持つ「高速増殖炉原型炉もんじゅ」があるワケだけど、皆さん、ご存知のように、「もんじゅ」は壊れたままで、発電量はゼロ。だけど、安全な状態になるまでは最低でも50年掛かり、毎年500億円もの維持費が掛かってる。これまでに掛かった予算は2兆4000億円で、これから50年間で2兆5000億円も掛かる。発電量がゼロの粗大ゴミを安全な状態にするために、合計で5兆円も掛かるってワケだ。

で、福井県敦賀市が、どうしてこんなバカバカしいものを造ったのかって言うと、歴代の敦賀市長がどんな人物だったのかを見れば、よく分かる。たとえば、この「もんじゅ」の場合は、福井県選出の自民党議員、熊谷太三郎が経営する「熊谷組」が建設を担当して、1983年1月25日に準備工事に着工、1985年に本体工事が開始したんだけど、この着工日の翌日、1983年1月26日に、当時の敦賀市長だった高木孝一は、石川県羽咋郡志賀町で開催された「原発推進の講演会」で、こんな講演を行なってる。内橋克人著『原発への警鐘』(講談社文庫)から引用させていただく。


「原発と地域振興」

只今ご紹介頂きました敦賀市長、高木でございます。えー、今日は皆さん方、広域商工会主催によります、原子力といわゆる関係地域の問題等についての勉強会をおやりになろうということで、非常に意義あることではなかろうか、というふうに存じております。ご連絡を頂きまして、正しく原子力発電所というものを理解していただくということについては、とにもかくにも私は快くひとつ、馳せ参じさせて頂くことにいたしましょう、ということで、引き受けた訳でございます。

一昨年もちょうど4月でございましたが敦賀1号炉からコバルト60がその前の排出口のところのホンダワラに付着したというふうなことで、世界中が大騒ぎをいたした訳でございます。私は、その4月18日にそうしたことが報道されましてから、20日の日にフランスへ行った。いかにも、そんなことは新聞報道、マスコミは騒ぐけれど、コバルト60がホンダワラに付いたといって、私は何か(なぜ騒ぐのか)、さっぱりもうわからない。そのホンダワラを1年食ったって、規制量の量(放射線被曝のこと)にはならない。そういうふうなことでございまして、4月20日にフランスへ参りました。事故が起きたのを聞きながら、その確認をしながらフランスへ行ったわけです。ところがフランスまで送られてくる新聞には毎日、毎朝、今にも世の中ひっくり返りそうな勢いでこの一件が報じられる。止むなく帰国すると、“悪びれた様子もなく、敦賀市長帰る”こういうふうに明くる日の新聞でございまして、実はビックリ。ところが敦賀の人は何食わぬ顔をしておる。ここで何が起こったのかなという顔をしておりますけれど、まあ、しかしながら、魚はやっぱり依然として売れない。あるいは北海道で採れた昆布までが‥‥。

敦賀は日本全国の食用の昆布の7~8割を作っておるんです。が、その昆布までですね、敦賀にある昆布なら、いうようなことで全く売れなくなってしまった。ちょうど4月でございますので、ワカメの最中であったのですが、ワカメも全く売れなかった。まあ、困ったことだ、嬉しいことだちゅう‥‥。そこで私は、まあ魚屋さんでも、あるいは民宿でも100円損したと思うものは150円貰いなさいというのが、いわゆる私の趣旨であったんです。100円損して200円貰うことはならんぞ、と。本当にワカメが売れなくて、100円損したんなら、精神的慰謝料50円を含んで150円貰いなさい、正々堂々と貰いなさいと言ったんでが、そうしたら出てくるわ出てくるわ、100円損して500円欲しいという連中がどんどん出てきたわけです(会場爆笑、そして大拍手?!)。

100円損して500円貰おうなんてのは、これはもう認めるもんじゃない。原電の方は、少々多くても、もう面倒臭いから出して解決しますわ、と言いますけれど、それはダメだと。正直者がバカをみるという世の中を作ってはいけないので、100円損した者には150円出してやってほしいけど、もう面倒臭いから500円あげるというんでは、到底これは慎んでもらいたい。まあ、こういうことだ、ピシャリとおさまった。

いまだに一昨年の事故で大きな損をしたとか、事故が起きて困ったとかいう人は全く一人もおりません。まあ言うなれば、率直に言うなれば、一年一回ぐらいは、あんなことがあればいいがなあ、そういうふうなのが敦賀の町の現状なんです。笑い話のようですが、もうそんなんでホクホクなんですよ。

(原発ができると電源三法交付金が貰えるが)その他に貰うお金はお互いに詮索せずにおこう。キミんとこはいくら貰ったんだ、ボクんとこはこれだけ貰ったよ、裏金ですね、裏金!まあ原子力発電所が来る、それなら三法のカネは、三法のカネとして貰うけれども、その他にやはり地域の振興に対しての裏金をよこせ、協力金をよこせ、というのが、それぞれの地域である訳でございます。それをどれだけ貰っているか、を言い出すと、これはもう、あそこはこれだけ貰った、ここはこれだけだ、ということでエキサイトする。そうなると原子力発電所にしろ、電力会社にしろ、対応しきれんだろうから、これはお互いにもう口外せず、自分は自分なりに、ひとつやっていこうじゃないか、というふうなことでございまして、例えば敦賀の場合、敦賀2号機のカネが7年間で42億入ってくる。三法のカネが7年間でそれだけ入ってくる。それに「もんじゅ」がございますと、出力は低いですが、その危険性‥‥、うん、いやまあ、建設費はかかりますので、建設費と比較検討しますと、入ってくるカネが60数億円になろうかと思っておるわけでございます(会場感嘆の声と溜息がもれる)。

で、実は敦賀に金ケ崎宮というお宮さんがございまして(建ってから)随分と年数が経ちまして、屋根がボトボトと落ちておった。この冬、雪が降ったら、これはもう社殿はもたんわい、と。今年ひとつやってやろうか、と。そう思いまして、まあたいしたカネじゃございませんが、6000万円でしたけれど、もうやっぱり原電、動燃へ、ポッポッと走って行った(会場ドッと笑い)。あっ、わかりました、ということで、すぐカネが出ましてね。それに調子づきまして、今度は北陸一の宮、これもひとつ6億で修復したいと、市長という立場ではなくて、高木孝一個人が奉賛会長になりまして、6億の修復をやろうと。今日はここまで(講演に)来ましたんで、新年会をひとつ、金沢でやって、明日はまた、富山の北電(北陸電力)へ行きましてね、火力発電所を作らせたる、1億円寄付してくれ(ドッと笑い)。これで皆さん、3億円既に出来た。こんなの作るの、わけないなあ、こういうふうに思っとる(再び笑い)。まあそんな訳で短大は建つわ、高校は出来るわ、50億円で運動公園は出来るわね。火葬場はボツボツ私も歳になってきたから、これも今、あのカネで計画しておる、といったようなことで、そりゃあもうまったくタナボタ式の街づくりが出来るんじゃなかろうか、と、そういうことで私は皆さんに(原発を)お薦めしたい。これは(私は)信念を持っとる、信念!

えー、その代わりに100年経って片輪が生まれてくるやら、50年後に生まれた子供が全部片輪になるやら、それはわかりませんよ。わかりませんけど、今の段階では(原発を)おやりになった方がよいのではなかろうか‥‥。こいうふうに思っております。どうもありがとうございました。(会場、大拍手)

※内橋克人著『原発への警鐘』(講談社文庫)より引用。


‥‥そんなワケで、当時の敦賀市長だった高木孝一が、「原発を造ればカネが儲かる」「電力会社はいくらでもカネを出してくれる」と得意満面に語るのは構わない。こんなこと、原発に限らず、道路だってダムだって基地だっておんなじ構図だからだ。だけど、あたしは、最後の部分だけは絶対にゆるせない!さんざん「原発を造ればカネが儲かる」と大宣伝しておいて、最後の最後に、「その代わりに100年経って片輪が生まれてくるやら、50年後に生まれた子供が全部片輪になるやら、それはわかりませんよ」とは、この守銭奴は人の命を何だと思ってるのか!未来を担う子供たちのことを何だと思ってるのか!

そして、さらに許せないのは、こんなにも酷い言葉に対しての「(会場、大拍手)」だ。ここに集まってるのは、地元の商工会の人たちだから、みんなお金儲けのことしか考えてないんだろうけど、「原発を造ればカネが儲かる」「でも、その代わりに、50年後、100年後にはカタワの子供だらけになる」と言われて、よくもまあ拍手なんかできたもんだ。自分たちにだって子供がいるだろうに、どうしたら、こんなにも心の醜い人間になれるんだろう?だけど、これこそが、「原発利権に群がる大人たち」の本心なのだ。

もちろん、当時の敦賀市長だった高木孝一のみならず、現在の市長の河瀬一治だって、原発利権にドップリと浸かった原発推進派で、「全国原子力発電所所在市町村協議会会長」までつとめてるほどだ。たとえば、これは、去年の3月の「世田谷通信」の記事だけど、こんなことが発覚しても、ちゃんと今年の市長選で再選しちゃうんだから、敦賀市の人たちは「50年後、100年後にはカタワの子供だらけになる」ことよりも「カネ儲け」が好きな人たちのほうが多いんだろう。


「敦賀市長がもんじゅの運転で根回し」(世田谷通信)

その危険性が多方面から指摘されているのにも関わらず、原発利権に絡んだ民主党と自民党の議員が強引に推し進めている高速増殖炉「もんじゅ」だが、その「もんじゅ」がある福井県敦賀市の河瀬一治市長(58)が、もんじゅを運営する「日本原子力研究開発機構」の下請けをしている地元の企業2社に、長年に渡って高額のパーティー券を買ってもらっていたことが分かった。河瀬市長のパーティー券を買っていた地元の企業は、福井県敦賀市の「高速炉技術サービス(FTEC)」と「TAS」の2社で、河瀬市長が代表をつとめる政治資金管理団体「グローバルビジョン」の政治資金収支報告書によると、市長は2004から2008年までの5年間に複数回の政治資金パーティーを開催し、そのすべてのパーティーで、「もんじゅ」の下請けを主な事業としている「高速炉技術サービス」と「TAS」の2社に、合計で222万円ものパーティー券を買ってもらっていた。さらには、この「TAS」の社長は、もともとは「もんじゅ」の所長代理をしていた人物であり、その後「高速炉技術サービス」の役員を歴任した上で「TAS」の社長になっていたことも判明した。「TAS」の社長は、河瀬市長のパーティー券を買い続けてきたことに関して「購入枚数分の人数がパーティーに出席しているわけではない。市長の市政運営全般をサポートしようと購入した」と、事実上の献金であったことを示唆する発言をし、危険を指摘されている「もんじゅ」の運転再開に支障をきたさないための政治的な根回しであったことを裏づけた。(2010年3月3日)

http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2010/03/post-e1bd.html


‥‥そんなワケで、話は、「原発に依存する地方自治体」から「原発を押し付けて利権をむさぼる電力会社」のほうに変わるけど、今回の福島第一原発の大事故から、わずか2週間後の3月28日、関西電力の社長、八木誠は、定例会見で、現在点検停止中の美浜原発1号機(福井県美浜町)、高浜原発1号機、大飯原発3号機(福井県おおい町)について「計画通りに運転再開する」と断言した上に、危険性が指摘されてる高浜原発4号機(福井県高浜町)での「プルサーマル」についても、「プルサーマル計画は粛々と推進していく」って言い放ったのだ。連日、もうもうと白煙を上げる福島第一原発の映像がニュースで流されてる最中に、よくもまあ、こんなセリフが言えたもんだ。

そして、福島第一原発の大事故を受けて、玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開の延期を決めた九州電力にしても、福島第一原発の事故を「大したことはない」とするインチキパンフレットを作って、周辺住民を洗脳しようとしてた。詳しくは、こちらの記事を読んでもらうとして、メンドクサイヤ人のためにザクッと書いとくと、九州電力が作って無料配布してたパンフレットには、福島第一原発の事故についての「Q&A」があるんだけど、その中に、こんなことが書いてあるのだ。


Q3「福島第一原子力発電所事故の放射線の影響は?」

A3「念のため周辺住民に避難・屋内退避指示が出ていますが、ただちに健康に害を与えるレベルではありません」


チェルノブイリを超えた汚染度の地域なのに、「念のための避難指示」であって「ただちに健康に害を与えるレベルではありません」とは、開いた口が塞がらない。長年暮らした町や村を追い出された人たちがこれを読んだら、いったいどんな気持ちになるだろうか。そして、このパンフレットは、あまりにも事実を無視した内容なので、批判が相次ぎ、九州電力では残りを回収したそうだ。

‥‥そんなワケで、今日は、最後に、あたしが3年前の5月8日に書いた「世田谷通信」の記事を紹介して終わりにしようと思う。3年前には、ほとんどの人が気にもしてくれなかった記事だけど、今になって読むと、少しは考えるキッカケになると思う今日この頃なのだ。


「震度5弱の地震で福島原発が放射能漏れ」(世田谷通信)

8日午前1時45分ごろ、茨城県沖を震源とする震度5弱の地震が起こったことに合わせて、東京電力は、福島第一原発2号機のタービン建屋地下1階に3カ所の水漏れが見つかり、うち1カ所はタンクにつないだ排水管から278ベクレルの放射能を含む水25リットルが漏れていたと発表した。福島原発は、日立製作所が28年間にわたって配管の耐震強度計算を間違えていたことが発覚し、地震の影響を過小評価していたことが分かった全国17カ所の原発のうちのひとつ。経済産業省原子力安全・保安院は、4月10日付で早急な再計算を指示したばかりだった。「わずか震度5弱の地震で事故が起こるようでは、大地震が起こった時にはどうなるのか」と地元の住民たちは不安の表情を見せている。耐震強度の偽装を11年間も隠ぺいしていた青森県六ヶ所村の核燃料再処理施設をはじめ、女川、福島、柏崎刈羽、浜岡、志賀、島根、敦賀、東海、もんじゅなど、次々と耐震強度の計算ミスが発覚した各地の原発に、地域住民の不安は募るばかりだ。(2008年5月8日)

http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2008/05/post_4c0d.html


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2011.05.20

政府が隠す首都圏の汚染レベル

5月15日(日)、夜10時からNHK教育テレビで放送された「ETV特集」の「ネットワークでつくる放射能汚染地図 ~福島原発事故から2か月~」は、これまでの政府や東電、保安院などの発表をくつがえす衝撃の内容で、反響もものすごかった。そのため、NHKでは、急きょ、5月20日(木)25時30分から(NHK総合)と、28日(土)15時からの再放送を決めた。あたしは、最初の放送もゆうべ深夜も放送も観たけど、観逃しちゃった人は、28日(土)15時からの再放送をぜひ観てほしい。

で、どんな内容なのか、ザクッと説明すると、放射線衛生学を専門とする研究者の木村真三さんが、事故後から研究者仲間と独自に福島県の調査をした様子を追ったドキュメンタリーだ。木村さんは、かつて「放射線医学総合研究所」に勤務してて、その時には東海村JCO臨界事故の調査を手がけ、その後、「厚生労働省の研究所」に移ってからは、自主的にチェルノブイリの調査を続けてきた人だ。もちろん、これらの調査は、狭い国土に数多くの原発が林立するニポンで、いつか大きな事故が起こった場合に、過去の調査結果をフィードバックして対応するためだ。

だけど、今回の事故の直後、木村さんが福島県の調査を始めようとしたところ、研究所の幹部から自発的な調査をしないようにと止められてしまった。木村さんにしてみれば、今こそ、これまでの調査結果、研究結果を生かす時だと思ったのに、これじゃあ何のために今まで研究してきたのか分からない。それで、木村さんは悩んだんだけど、3歳6ヶ月になる自分の娘を見て、「子供たちを救わなきゃならない」って思いから、厚生労働省の研究所に辞表を提出して、独自に調査を開始した今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、28日(土)15時からの再放送を観る人も多いと思うので、何から何までぜんぶ書くことは避けるけど、何よりも驚いたことは、現場のあまりにも高い汚染度と、それを知らずに暮らしてた人たちだ。たとえば、木村さんが最初に向かった、原発から35キロ西にある田村市立常葉中学校、ここは「30キロ圏外」だから避難地区には指定されてないけど、校長先生の許可をとって木村さんが敷地内の土壌を計測したところ、9種類もの高濃度の放射性核種が検出され、特に数値の高かったヨウ素131は、1平方メートルあたり515万ベクレルもの濃度だった。

そして、そこから原発のほうへ車で近づき、原発から22キロ地点の田村市都路町の土壌を計測すると、1平方メートルあたり24万ベクレルのセシウムが検出された。これは、チェルノブイリだと、国によって移住が補償されるゾーンの数値になるそうだ。だけど、本当に恐ろしいのは、こうした「原発の近くの汚染地域」じゃなくて、「原発から離れたホットスポット」だ。木村さんの調査車両が福島市の渡利(わたり)地区に差し掛かると、急に放射線の数値が高くなった。見ると、目の前に「福島市立渡利中学校」がある。そこで、木村さんが車を降りて、学校の前の汚染度を計測すると、現在のチェルノブイリの原発から3キロ地点とおんなじレベルだった。

チェルノブイリは、事故から25年経った現在も、30キロ圏内は立ち入り禁止になってるから、原発から3キロ地点なんて人間の住めるレベルじゃない。だけど、この中学校には、普通に子供たちが通ってたのだ。何でかって言うと、ここは、原発から60キロも離れた福島市内だったからだ。政府は、原発から30キロ圏内だけを避難区域に指定して、こうした「原発から離れたホットスポット」については何の対策も警告もしてこなかったから、先生も子供たちも、まさか自分の学校が高濃度に汚染されたホットスポットだとは知らずに、安心して通ってたワケだ‥‥ってことで、今回の政府の対応の酷さに関しては、放送を観ながらつぶやいた、あたしのツイートを2つ紹介する。


「きっこさんのつぶやき」

文部科学省は3月15日の時点で浪江町赤宇木の汚染度が通常の5500倍だったことを把握して官邸にも伝えていたのに、この報告を聞いた政府は枝野官房長官に「直ちに健康に害のあるレベルではない」と発表させ、住民たちを避難させなかった。(NHK「ネットワークでつくる放射能汚染地図」より)

政府は浪江町に計測データを報告していたが、地名がすべて伏せてあったため、浪江町の人たちは自分のいる場所の汚染度が分からず、自主避難することができなかった。文科省は地名を伏せた理由を「パニックを起こさないため」と説明。(NHK「ネットワークでつくる放射能汚染地図」より)


‥‥そんなワケで、あとは、5月28日(土)15時からの再放送を観てもらうとして、これらの政府の対応を見れば分かるように、政府は、国民の命を救うことなんか、それほど重要視してないことが分かったと思う。その何よりの例が、首都圏では空間線量だけを発表して、「安全だ」「問題ない」と繰り返してることだ。それも、地上から何十メートルも高い場所を測定して、「今日も問題ありません」て言葉を繰り返してる。たとえば、「ポストセブン」の以下の記事によると、専門化が都内の放射線量を測定してみたら、政府が発表した数値の2倍から5倍だったと伝えてる。


「専門家が再測定 東京・葛飾区の放射線量は政府発表の5倍」

(前略)
1時間あたりの全国各地の放射線量は連日、文科省が発表し、新聞にも毎日掲載されている。1時間あたり、2.283マイクロシーベルト以上となると、原発周辺の地域のみだが、0.114となると、つくばや日光も含まれてしまう(5月15日測定分)。また、東京都内では新宿の数値が発表され、0.0632となっている(同)。0.114以下なので安心かと思いきや、実は発表されている数値にはとんでもない“誤差”があった。近畿大学原子力研究所講師・若林源一郎氏が話す。

「文科省が発表しているのは、各地の測定所から送られてくる数値を集めたもの。測定する場所に決まりはないので、測定器が公共施設や研究施設の屋上にとりつけられているところもあります」

地上から10m以上だったり、場所によっては、20m近い位置での測定値ということもあるという。

「事故発生から2か月以上。大気中に放出された放射性物質はほとんどが地表に降下しているので、地表近くでの測定値は、建物の屋上で測定されたものより高い数値を示すことがあります」(若林氏)

若林氏は放射線や原子力教育の関係者を有志で募り、全国の放射線量モニタリングを行った。測定位置を地上から100cmに統一して計測したところ、ほとんどの地域で文科省のデータより高い測定値が出た。5月10日に文科省が測定した東京(新宿区)の値0.0662に対し、若林氏らのチームが測定した値は0.124と約2倍。さらに同じ東京都内でも葛飾区では0.359という5倍にも相当する値が出た。先に計算した年間1ミリシーベルト=1時間0.114マイクロシーベルトを基準と考えた場合、原発から200km以上離れた都内でも、葛飾区や新宿区、文京区、渋谷区では子供にとって警戒が必要な数値となってしまう。他にも関東地区では千葉県柏市や茨城県水戸市、ひたちなか市、つくば市などが0.114を超えている。

http://www.news-postseven.com/archives/20110520_20864.html


‥‥そんなワケで、空間線量も政府の発表は鵜呑みにできないけど、菅さんが隠蔽した事故直後の「SPEEDI」のデータによれば、東京を含んだ関東全域に大量の放射性物質が降下したんだから、本来なら「空間」じゃなくて「地表」を計測しなきゃならないのに、そっちはスルーしてる。それは、地表の汚染度を公表したら、これまでの政府の発表に対して、首都圏の人間が疑心暗鬼になるからだろう。インターネットにはリンクされてないので、目にした人は少ないと思うけど、5月15日(日)の「朝日新聞」の朝刊5面に、こんな記事が掲載された。


「東京、一部で高濃度 土壌の放射性セシウム、茨城超す」

東京都の土壌で放射性セシウムの濃度が1キロあたり3千ベクレルを超え、東京電力福島第一原発により近い茨城県より高い地点があることが、近畿大の山崎秀夫教授(環境解析学)の調査でわかった。濃度は高い場所でも福島市の9分の1ほどだが、茨城県や埼玉県の一部の2~6倍。放射能による土壌汚染は、原発からの距離が同じでもばらつきが大きいことが指摘されてきた。東北3県と関東6県は、農林水産省の指導で水田や畑のセシウム濃度を調べているが、都は事故後の土壌調査をしていない。山崎教授らは、4月10~20日に採取した東京都の4地点を含む首都圏の土壌試料を分析した。東京都江東区亀戸で1キロあたり3201ベクレル、千代田区の二重橋横で同1904ベクレルだった。原発から約55キロの福島市南部(同市光が丘)の土壌は3月19日時点で同2万7650ベクレル。都内より福島に近い茨城県神栖市は同455ベクレル、ほぼ同距離の埼玉県朝霞市は484ベクレルだった。放射性ヨウ素も同様の傾向だった。単位面積あたりに換算して農水省などの調査とそろえると、都内の土壌の放射性セシウム濃度は稲作禁止の制限値の20分の1以下だが、1960年代の大気圏内核実験で年間に降った量の3~10倍あった。山崎教授は「放射性物質を多く含んだ雲のようなもの(プルーム)が飛来した地点では、局地的に土壌の放射能が高濃度になる。首都圏でも細かい状況調査が必要だ」と話す。京都市である国際分析科学会議の緊急シンポジウムで24日発表する。


■首都圏の土壌の放射性セシウム濃度(数値はベクレル/キロ)
試料採取地            濃度   採取日
◆東京
千代田区二重橋横        1904 4月10日
千代田区皇居東御苑天守閣跡   1311 4月10日
中央区築地           1147 4月10日
江東区亀戸           3201 4月16日
◆埼玉
朝霞市荒川土手          484 4月10日
◆千葉
千葉市千葉モノレール天台駅前  1327 4月11日
千葉市JR千葉駅前        358 4月14日
館山市              127 4月20日
◆茨城
神栖市              455 4月20日
◆福島
福島市光が丘         27650 3月19日

(「朝日新聞」2011年5月15日朝刊より引用)


この計測値を見れば分かるように、東京23区内のほうが、場所によっては、茨城や埼玉や千葉よりも汚染されてるってワケだ。そして、この事実を裏付けるニュースが、もう1つある。それは、東京の下水の汚泥の焼却灰から高濃度のセシウムが検出されたってニュースだ。


「汚泥の焼却灰から高濃度の放射性物質 東京」(日テレ24)

東京都の下水処理施設から出た汚泥の焼却灰から、一キロあたり17万ベクレルという高濃度の放射性物質が検出されていたことが日本テレビの取材でわかった。東京都によると、江東区の下水処理施設「東部スラッジプラント」で3月25日に採取した汚泥の焼却灰から、一キロあたり17万ベクレルの放射性物質が検出されていた。同じ時期に採取した別の2つの施設の焼却灰からも、一キロあたり10万ベクレル以上検出されていたという。これらの焼却灰は、すでにセメントや建築資材などに再利用されている。国は、12日になって福島県に対しては一キロあたり10万ベクレルを超える汚泥は県内で焼却するなどした上で、焼却灰は容器に入れて保管すべきとの指針を出したが、福島県以外に対する基準は現在もない。(2011年5月13日)

http://news24.jp/articles/2011/05/13/07182670.html


これが何を意味するのかって言うと、東京はアスファルトやコンクリートで覆われた地面が多い大都市だってことだ。各地の調査で分かってるように、空から降下した放射性物質は、土や砂や植物などに溜まっていく。たとえば、畑などに降下した場合、すぐに土の表面を削り取らないと、雨によって地中へと染み込んでいき、取り返しのつかないことになる。だけど、アスファルトやコンクリートに降下した放射性物質は、風に飛ばされたり雨に流されたりして、その多くは下水へと流れ込む。

東京では、複数の下水処理施設で、1日に合計100トン前後の下水の汚泥を処理してるんだけど、全体量を減らすために焼却処理してるから、燃えない放射性物質は濃縮される。だから、汚泥の段階では1キロあたり数百から数千ベクレルだったセシウムも、焼却して灰になると1キロあたり17万ベクレルなんていう恐ろしい濃度になっちゃうのだ。

で、あたしが言いたいのは、東京の「アスファルトやコンクリートで舗装されてない場所」についてだ。さっきの「朝日新聞」の記事の、千代田区二重橋横の1904ベクレル、皇居東御苑天守閣跡の1311ベクレル、中央区築地の1147ベクレル、江東区亀戸の3201ベクレルってのは、すべて「土壌の土」を採取、計測したもので、アスファルトやコンクリートで舗装された場所じゃない。実際、舗装された場所を計測してみると、土のある場所よりも遥かに低い数値になる。舗装してある場所に降下した放射性物質は、その多くが下水へと流れたワケだから、そんなに神経質になることはない。問題なのは、この先、何十年も何千年も何万年も消えることのない、土壌に降下した放射性物質なのだ。

現在のチェルノブイリは、事故から25年も経ってるので、規制区域の外であれば、空間線量は人間に害のないレベルに落ち着いてる。だけど、それは、あくまでも空間線量だけの話であって、場所によっては、原発から何百キロも離れてるのに、ガイガーウンターを地面や雑草に近づけたトタンに「ピーピーピー」って鳴り出すエリアも存在する。これは、セシウム137の約30年7ストロンチウム90の約29年から、プルトニウム239の約2万4000年やウラン235の約7億年まで、原発事故によって飛散した放射性物質の半減期から考えれば当然のことだろう。

‥‥そんなワケで、東北はもちろんのこと、関東一円で生活してる人も、なるべくアスファルトで舗装された場所だけを歩くようにして、できるだけ土や砂や雑草のある場所には近づかないようにすることが重要だ。東京でも、公園や河川敷、校庭やスポーツグラウンドなど、地面が土や砂や芝生などの場所は、少なくとも1000ベクレル以上の汚染が予想されるので、特に子供は絶対に近づけないようにしてほしい。小さな子供にマスクもさせずに公園の砂場なんかで遊ばせたら、どれほど内部被曝するか分かったもんじゃない。23区の中心の千代田区でも、1000~1900ベクレルもセシウムに汚染されてて、これは土の表面を削らない限り、これから何十年も続くことなんだから、関東から避難ができないのなら、せめて、子供の内部被曝を最小限に抑えるようにしてほしいと思う今日この頃なのだ。


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2011.05.14

福島のお母さんへ

福島県では、今、多くの子供たちが危険な状態に置かれています。

福島県に雇われた御用学者は、

「放射能など恐くない」

「年間100ミリシーベルトまでは問題ない」

「マスクなどしていたら笑われる」

「子供は元気に外で遊びなさい」

などと繰り返して洗脳しています。


日本医師会は、文部科学省が決めた子供の被曝限度「年間20ミリシーベルト」に対して異議を申し立てました。

福島のお母さん方、どうか正しい知識を持ち、子供を守ってください。

このままではチェルノブイリの二の舞になってしまいます。


画像をクリックするとオリジナル画面に移動しますので、もう一度クリックすれば大きくなります。

福島県だけでなく、周辺の県のお母さんもお読みください。







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2011.05.09

チェルノブイリを超えた放射能汚染

昨日は全国的に「母の日」だったので、あたしは、母さんと温泉に行ってきた‥‥って言っても、軽トラに乗って、無料で入れる温泉に行ってきただけだけど、それでも、お弁当を作ってもらって、母さんと2人、水入らずでお湯に入ってきたので、とっても楽しかった。そして、帰ってきてから競馬の結果を見たら、京都の「都大路ステークス」でホワイトピルグリムの複勝が330円ついただけで、「NHKマイルカップ」は全滅だし、一攫千金を狙った「WIN5」も、200円買った片方が、京都10Rが○、東京10Rが○、新潟11Rが○、京都11Rが×、東京11Rが○‥‥っていう、ヒジョ~に惜し~けどダメダメな結果だった。

そんなこんなで、今日の日記は、母さんと行った温泉のことでも書こうと思ってたんだけど、いくら自分が西の果てに疎開してるからって、東ニポンが大変なことになってる原発問題をホッタラカシにはしておけない。ツイッターでは、チョコチョコと情報を流したり注意を呼びかけてるんだけど、文字数に制限がない日記じゃないと重要な情報は発信できない。だから、あたしの温泉の話は次の機会にして、今日は、あまりにも大変なことになっちゃった東ニポンのことを書こうと思う。

で、何が「あまりにも大変なこと」なのかって言うと、菅さんが鳴り物入りで発表した「浜岡原発を停止するように私の判断で要請しました」っていうグッドニュースの裏で、できるだけ国民に知られないようにコッソリと発表されたバッドニュース、「原発周辺の累積汚染度」のことだ。今までは、文部科学省だけが情報を独占して、何週間も経過してから都合のいいデータだけを公表してきたけど、今回は、ニポンの文部科学省だけじゃなくて、文部科学省とDOE(米国エネルギー省)による合同の航空機モニタリングだから、アメリカでもおんなじものが発表される。だから、ニポン政府も、データを改ざんすることができない今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、この「文部科学省と米国DOEによる航空機モニタリング」はPDF資料なので、見られる人は見てもらうのが早いんだけど、見られない人のためにザクッと説明しとく。これは、4月29日に、福島第一原発から半径80キロの範囲の放射能汚染度をヘリコプターと航空機から計測したもので、その結果が地図に示してある。で、地図を見た人はブッ飛んだと思うけど、「別紙2」の「セシウム134と137の地表面への蓄積量」がものすごいことになってるのだ。


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地図を見れば一目瞭然だけど、1平方メートル当たり300万~3000万ベクレルっていう殺人レベルの高濃度汚染が、原発から20キロ、30キロどころか、30キロ圏外の飯館村まで広がってる。チェルノブイリでさえも、最高で1平方メートル当たり380万ベクレルで、148万ベクレル以上は「強制避難」させられたんだから、この「300万~3000万ベクレル」って数値が、どれほどのものか分かるだろう。ちなみに、チェルノブイリでは、1平方メートルあたりの放射能汚染度が148万ベクレル以上は「強制避難」、55万5000~148万ベクレルは「強制移住」、18万5000~55万5000ベクレルは「希望者は移住を認める」、3万7000~18万5000ベクレルは「放射能管理が必要なエリア」とされてる。

この計測結果と、原発から40キロの飯館村でIAEAが計測した「1平方メートル当たり2000万ベクレル」っていう放射性ヨウ素の数値から推測すれば、どう考えてもチェルノブイリを遥かに超えた汚染が広がってることが分かるだろう。そして、その下のランクの100万~~300万ベクレルの汚染に至っては、原発から50キロ以上のエリアにまで及んでる。他にも、伊達市や福島市のように原発から60キロも離れてるのに、雨によって集中的に高濃度の放射性物質が降下した「ホットスポット」になってて、場所によっては60万ベクレルから300万ベクレルも汚染されてるエリアもある。これが、チェルノブイリで「強制移住」になったレベルだ。

それから、二本松市、本宮市、郡山市、須賀川市などは、原発から50キロも離れてるのに、場所によっては30万~60万ベクレルも汚染されてるし、それ以外のすべての地域も、一応は「30万ベクレル以下」ってことになってるけど、これが「0」じゃないことは誰にでも分かるだろう。それどころか、地図の下のほうを見ると、隣りの茨城県の北茨城市や高萩市まで汚染されてる。つまり、これは、あくまでも「80キロ圏内」だけを計測したものだってことで、実際の放射能汚染は、もっともっと広範囲にまで広がってるってことだ。これらは、チェルノブイリでの「強制移住」よりは汚染度が低いけど、それでも、何ヶ月も生活することはできないレベルだ。特に、子供や女性は、1日も早く遠くへ避難しないと大変なことになる。

現在94歳の医師、肥田舜太郎先生は、広島に原爆が落とされた時の数多くの患者を診てきた被曝の専門医だけど、この肥田先生が、先日、福島県を視察に行った。肥田先生の報告によると、すでに福島県の多くの人たちが、かつて自分が広島で診てきた二次被曝者たちとソックリの症状を発症してるそうだ。肥田先生は、原爆で直接被爆した人たちと、原爆の被害は免れたのに、あとから爆心地へ近づいたことによって内部被曝してしまった人たちを数多く診てきた。肥田先生が言うには、広島で内部被曝した人たちは、まず、原因不明の下痢を起こし、直接被爆した人よりも先に死んでしまう人もいれば、ガンや白血病を発病して、何年、何十年と苦しんだ果てに亡くなった人もいたそうだ。そして、今回の福島の視察では、広島の時とおんなじで、原因不明の下痢を起こしている人が何人もいたそうだ。

下痢の症状を起こしてる人たちは、ほとんどが避難所生活などのストレスが原因だと思い込んでるけど、これは内部被曝による最初の症状である可能性が極めて高いそうだ。だから、肥田先生は、「福島の人たちに、すでに広島と同じ症状が現われ始めている。この秋から来春にかけて、次々と広島と同じ症状が出てくるだろうと推測される。内部被曝の影響が大きい子供や妊婦は、早急に避難しないと危険だ」って警告している。

‥‥そんなワケで、セシウムの半減期は30年て言われてるけど、これは、「30年経ったら安全だ」とか「30年経ったらその場所に住めるようになる」って意味じゃない。チェルノブイリでは、事故から25年経った現在でも、未だに30キロ圏内は立ち入り禁止だし、原発から4キロの場所にあった作業員たちの町、プリピャチ市などは、人が住める放射線値まで下がるのは900年後だって言われてる。そんなチェルノブイリが、最大でも1平方メートル当たり380万ベクレルなのに、福島第一は推定2000万ベクレルなんだから、地図の赤いエリアに人が住めるようになるのは数千年から数万年も先、黄色のエリアでも数百年は人が住めないってことになる。

もちろん、その下の緑色のエリアや水色のエリアにしたって、30万~100万ベクレルの汚染度なんだから、人なんか住めるレベルじゃない。たとえば、すでに原発事故が収束してて、あとは今までに汚染された土壌の放射性物質にだけ注意すればいいとしたって、これほどの高濃度のエリアで生活することは極めて危険だ。だけど、実際は、未だに原発からは1日あたり150兆ベクレル以上、1時間に6兆ベクレルを超える放射性物質が放出され続けてるんだから、汚染は増加の一途をたどってるのだ。最近は、原発の映像をテレビで流さなくなってきたから、もう大丈夫なんじゃないかと思い込んでる人もいるだろうけど、これは、5月7日の午前1時すぎの原発の画像だ。複数の原子炉から大量の黒煙と白煙が立ち上ってることが分かると思う。

そして、この大量の放射性物質の放出は、東京電力が菅さんに言われて仕方なく作った、何の具体性も根拠もない「行程表」の通りに、何かの奇跡でも起こって収束したとしても、あと6ヶ月から9ヶ月は放出し続けるのだ。だから、今後の風向きによっては、現在は低濃度の地域でも、チェルノブイリを超える汚染レベルになることだって考えられる。その上、一番危険なプルサーマルをやってた3号機は、しばらく前から水温の上昇が続いてて、注水量を増やしたのに水温の上昇は止まらない「お手上げ状態」になってる。もしも、このまま上昇が抑えられずに原子炉が水素爆発でも起こしたら、最初の建屋の水素爆発とは比べ物にならないほどの大被害が起こる。

‥‥そんなワケで、これらの状況から分かるように、この「80キロ圏内」は当然として、あたしは、もっと広範囲の人たちが、1日も早く、できるだけ遠くへ避難すべきだと思ってる。だけど、政府がやってることは、まるで正反対だ。これらの地域の暫定規準値を大幅に引き上げた上に、こんなに危険な地域の校庭や公園で子供たちを遊ばせてるのだ。

先週、南相馬市を視察と激励に訪れた岡田克也幹事長は、まるで原発で作業してる人たちみたいに、全身を防護服で固めてた。お付きの人たちも防護服姿で、ゾロゾロとヘリコプターから降りてくる様子は、これから原発の中にでも入ってくようなモノモノシー感じに見えた。だけど、出迎えた市長さんたちは、みんな普通の作業着姿で、マスクもしてなかった。そして、分厚いゴム手袋をした岡田幹事長と、素手の市長が握手をした。岡田幹事長は、この完全防護服姿のまま、マスクもしてない現地の人たちを激励したんだけど、あたしは、何だかな~って思った。

ま、政府の人間は現場のホントの汚染レベルを知ってるから、当たり前っちゃ当たり前のことだけど、枝野官房長官にしても、岡田幹事長にしても、自分が福島県に行く時に原発作業員とおんなじ防護服を着てくのなら、「直ちには健康に影響がない」とか「規準値以下なので食べても問題ない」とか言わないでほしい。今回の原発事故が起こった、わずか5日後の3月17日、政府は、食品の放射性物質の規準値を大幅に引き上げた。たとえば、根菜、芋類を除いた野菜類は、ヨウ素を2000ベクレル、セシウムを500ベクレルに大幅に引き上げたけど、これは、あくまでも「緊急時の暫定規準値」だ。つまり、原発が事故を起こした時なんかに、それが収束するまでの一定の期間とか、安全な場所まで避難するまでの一定の期間てことで、こんな規準値の野菜を何ヶ月も食べ続けたら大変なことになる。

先週の金曜日には、いわき市、相馬市、伊達市など6市町村で採れたタケノコから、最大で1820ベクレルものセシウムが検出されて出荷停止になったけど、これだって、今までの他の野菜とおんなじで、セシウムが500ベクレル以下になったら出荷再開になり、買わない消費者は「風評被害」だと批難され、小学校の給食や外食チェーンなどを通して多くの国民が内部被曝させられることになる。今回の「文部科学省と米国DOEによる航空機モニタリング」の結果を見れば分かるように、福島県は全域が放射能汚染されてるんだし、周辺の県だって汚染されてることは間違いないんだから、ホントに農水産物の「風評被害」をなくしたいのなら、規準値を超えたから出荷停止、規準値以下になったから出荷‥‥ってことを数日おきに繰り返すんじゃなくて、規準値以上だろうが以下だろうが土壌汚染や海洋汚染が完全に安全なレベルに下がるまで、汚染エリアすべての農水産物の出荷を停止して、ぜんぶ東京電力に補償させるべきだろう。

今、政府がやってることは、危険な放射能汚染食品を国民に買わせて、国民のお金と健康を使って東京電力の尻拭いをさせてるようなもんだ。一度体内に入ったセシウムは、最低でも100日から200日は排出されないんだから、微量でも蓄積されていく。だから、「暫定規準値以下だから安全」て考えるんじゃなくて、「たとえ微量でもできるだけ食べないようにする」ってのが自分の身を守る方法だ。さらに言えば、政府はヨウ素とセシウムの数値しか発表してないけど、今回の事故では、他にも、プルトニウムやウランから、テルル、ルテニウム、ストロンチウムまで、分かってるだけでも10種類近い放射性物質が検出されてる。だから、たとえヨウ素やセシウムが暫定規準値以下だったとしても、他の放射性物質が規準値を超えてる可能性だって十分に考えられる。

‥‥そんなワケで、マスクもせずに生活してる現地の人たちが「普通」なのか、完全防護服姿で視察に行った政府の人間が「普通」なのかは、放射能汚染の実態を知らされてないか知ってるかの違いなんだから、どちらも「普通」と言える。だけど、何が「真実」なのかは、数年後にハッキリと分かるだろう。もちろん、その時には、菅直人は総理大臣じゃないし、枝野幸男は官房長官じゃないし、岡田克也は幹事長じゃないし、民主党が政権を担当してる可能性も極めて低い。この人たちが福島入りした時の完全防護服姿を見れば分かるように、この人たちは「今の自分のこと」しか考えてないんだから、あたしは、自分の身は自分で守るしかないと思ってる今日この頃なのだ。


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2011.05.07

アヤナミでプレイ

ここんとこ、大好きな稲垣早希ちゃんの「西日本横断ブログ旅」のことを書いてなかったんだけど、この週末になって、書かざるをえない状況になった。それで、3週間前の4月22日の放送から今週までの3回ぶんについて、マクラからザクッと触れようと思う。まず、3週間前の放送で、佐賀県の2つめの通過ポイント「清水(きよみず)の滝」へ行くために、早希ちゃんは最寄り駅の「小城(おぎ)駅」に降り立った。この時‥‥って言うか、この前の回で小城駅に行ったことは分かってたんだけど、あたしは、「えっ!おぎ駅?」って思った。何でかって言うと、この時、ちょうど読んでた角田光代さんの小説「くまちゃん」に「矢萩(やはぎ)さん」て人が出てきたとこだったからだ。

この小説は、とっても面白いオムニバスだ。最初のお話は、ある女性が主人公で、ある男性と知り合って恋人関係になり、そして別れるまでのことが書いてある。そして、次のお話は、最初のお話の男性のほうが主人公になり、他の女性と知り合って、別れるまでのことが書いてある。その次は、その別れた女性のほうが主人公になり、また別の男性との恋愛が書かれてて、こんなふうに男女の主人公が順番に入れ替わりながら進んでくんだけど、それぞれのストーリーの中に、その前のお話で分からなかったこととかがヒョッコリ顔を出したりしてて、ホントに面白い。

で、ぜんぶで7つあるお話の中の5つめに、「矢萩さん」て人が登場したとこで、あたしは読むのを中断してブログ旅を観始めたら「小城駅」が登場したもんだから、両方とも漢字は違うけど、あたしはすぐに「おぎやはぎ」を連想した。そして、「おぎやはぎ」と言えば「競馬」ってワケで、東京にいた時は、土曜の深夜に「おぎやはぎ」の競馬の番組を観て、それから「ロケみつ」の関東バージョンを観てたことを思い出した。だから、もしかしたら、このブログ旅の中に、2日後の「皐月賞」のヒントが隠されてるかと思って、何度かリプレイして観たんだけど、早希ちゃんは白装束で滝行をして、寒くてタクシーでお風呂へ行き、鯉料理屋さんで鯉のあらいや鯉こくをタンノーして、次の長崎県へと向かった‥‥って流れで、ヒントらしきものは発見できなかった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、次の4月29日の放送では、長崎県の1つめの通過ポイントが「軍艦島」だってことを知り、まずは長崎ちゃんぽんを食べに向かうんだけど、スタッフに案内された途中のゲームセンターで、ノドから手が出るほど欲しかった「フルカード」のUFOキャッチャーを発見。もちろん、スタッフの仕込みだけど、7万円以上も持ってる早希ちゃんは、1回1万円のUFOキャッチャーに5回チャレンジして、何とか「フルカード」を1枚ゲット。それから、特上の長崎ちゃんぽんとカニ玉を食べ、ビジネスホテルに泊まったとこまでは良かったんだけど、翌朝のサイコロタイムで「1」を出しちゃって、全財産を没収になっちゃった。

全財産がなくなっちゃったんだから、この放送の2日後、5月1日の「春の天皇賞」も、放送の内容はヒントにしないで、あたしは普通に予想することにした。だけど、結果は惨敗。あたしも早希ちゃんとおんなじで、資金がキレイサッパリとなくなっちゃった。で、コジツケ予想が不発だった「皐月賞」、初めてマトモに予想してみたのにダメだった「春の天皇賞」と来たから、明日の「NHKマイルカップ」こそは、何としても的中させたい‥‥ってワケで、そんなことを思いつつ、5月6日の「ロケみつ」を観始めた瞬間、あたしは、「来た!」って思った。それは、今回のゲストが、シルク姉さんと、あの「シャンプーハット」のてつじさんだったからだ。

てつじさんと言えば、ブログ旅のDVDの副音声も担当してるけど、何と言っても「夢の700万円馬券」を的中させた強運の持ち主だ。今回は、9回目のゲスト出演てことで、野球で言えば最終回だ。つまり、今回の放送こそが、「夢の700万円馬券」への道であり、どこかにキーワードが隠されてるってことになる。そこで、あたしは、競馬のことを念頭に置きつつ、今回のブログ旅を観てみた。

今回は、朝のサイコロタイムで所持金0円になっちゃったとこからのスタートなので、通過ポイントが「軍艦島」だって分かってるのに、お金がなくて向かうことができない。それで、早希ちゃんは、長崎駅の観光案内で「タダで楽しめる場所」を聞いて、眼鏡橋の下の石積みの壁の中にある「ハート型の石」を探したり、高台の上にある「龍馬のぶーつ」を観に行ったり、クオカードでお昼ごはんを買ったりして、午後3時のサイコロタイムまでの時間を有効に使った。

だけど、何とか宿代を作ろうと振ったサイコロは「3」、せっかくの5731件ものコメントが、×0.1円で573円。この瞬間、宿探しが決定しちゃった。「ロケみつ」の放送圏外のワリには、大阪で番組を観てたっていう女性に2連発で遭遇するんだけど、2人とも都合が悪くて宿泊はNG。でも、親切な女性が、自分の職場のあるモジュールの人たちに声を掛けてくれて、1人の女性が泊めてくれることになった。早希ちゃんの2コ上の29歳で、綾波レイみたいなヘアスタイルのきれいな人で、名前は高橋綾さん。ここから電車で1時間くらい掛かる大村駅ってとこに住んでるんだけど、仕事が終わる夜8時まで待っててくれるなら泊められるって言う。

それで、早希ちゃんは、高橋さんのハカライで、8時まで高橋さんの仕事先のお店で待たせてもらうことに。早希ちゃんは、何も注文しないと悪いと思って、ナケナシの所持金の中から、300円のコーラを注文した。そして、高橋さんは仕事が終わり、大村駅までの電車賃、720円も出してもらい、お家では、うどん屋さんをやってるお父さんが味噌鍋うどんを作ってくれて、至れり尽くせりのオモテナシを受ける‥‥って流れだった。

‥‥そんなワケで、あたしは、これまた何度もリプレイして観たんだけど、やっぱり、何よりも気になったのが、高橋さんだった。最初に早希ちゃんを見た時に、「あ~!あの、アスカの!」って言って、早希ちゃんのことを知ってるみたいだったし、そんな高橋さんのほうは綾波レイみたいな感じで、名前まで「綾」っていうんだから、これは絶対にキーワードだと思った。だって、今回の通過ポイントは「軍艦島」だからだ。正確には「端島(はしま)」って名前だけど、通称の「軍艦島」のほうが有名だ。そして、「軍艦」と言えば、綾波レイの「綾波」も、惣流・アスカ・ラングレーの「惣流(蒼龍)」や「ラングレー」も、みんな軍艦の名前が由来になってる。

それで、あたしは、「NHKマイルカップ」の出走馬を見てみたんだけど、綾波レイに関連した名前の馬は見当たらなかった。だけど、念のために他のレースも見てみると、ナナナナナント! 土曜日の京都のメインレース、「京都新聞杯」に、そのものズバリ! 「アヤナミ」っていう馬が出走することが分かったのだ! オマケに、アヤナミのお父さんはクロフネだから、完璧に「軍艦」の流れだし、その上、お母さんのほうは、あたしの大好きなベガとアドマイヤベガの血筋だった。こりゃあ買うっきゃない!ってワケで、とりあえず、土曜日の「京都新聞杯」の5枠8番のアヤナミの単勝と複勝を100円ずつ!

で、カンジンの日曜日の「NHKマイルカップ」の予想をする前に、すでに、あたしの予算は1800円になっちゃったワケだけど、この顔ぶれを見たら、ピンポイントでピンと来た。


5月8日 東京11R
「NHKマイルカップ」(G1)
3歳オープン 芝1600m

1枠1番  リアルインパクト/内田博幸
1枠2番  リキサンマックス/柴原央明
2枠3番  エイシンオスマン/後藤浩輝
2枠4番  エーシンジャッカル/岩田康誠
3枠5番  マイネルラクリマ/松岡正海
3枠6番  ダンスファンタジア/北村宏司
4枠7番  クリアンサス/武豊
4枠8番  プレイ/柴田大知
5枠9番  ヘニーハウンド/N.ピンナ
5枠10番 フォーエバーマーク/吉田豊
6枠11番 テイエムオオタカ/大庭和弥
6枠12番 キョウエイバサラ/小林慎一郎
7枠13番 グランプリボス/C.ウィリアムズ
7枠14番 アイヴィーリーグ/福永祐一
7枠15番 ロビンフット/吉田隼人
8枠16番 アドマイヤサガス/川田将雅
8枠17番 コティリオン/小牧太
8枠18番 オメガブレイン/横山典弘


たまたまの偶然なんだろうけど、1枠は2頭とも「リ」で始まる馬で、2枠は2頭とも「エ」で始まる馬だな~なんて思いつつ、3枠以降も見てったら、あの「プレイ」が5枠8番にいた。「皐月賞」で被災地への「祈り」を込めて選んだのに、ダメだった馬だ。だけど、今回は、土曜日の「京都新聞杯」のアヤナミとおんなじ5枠8番で、この2頭を合わせると「アヤナミプレイ」、限りなく「綾波レイ」に近くなる(笑)

そして、あたしが、ブログ旅を何度もリプレイして観たってことから、「リプレイ」を「リ+プレイ」って考えれば、1枠の「リ」で始まる馬と8番プレイとの馬単が浮上する。前日のアヤナミからの流れといい、この「リプレイ」のコジツケと言い、これはなかなかのシンクロ率だと思う。だけど、3連単で夢の700万円馬券を狙ってるあたしとしては、前回、「これからは3連単で行く!」って言ったセクシーな舌も乾かぬうちに、このテイタラクは情けない。

だから、ここはひとつ、今まで以上に一攫千金を狙うことにした。それは、早希ちゃんにすべてを委ねて、今回のブログ旅に登場した数字だけで、3連単を買っちゃうっていう他力本願な作戦だ。まず、早希ちゃんがサイコロを振って手にしたお金が573円だから、5-7-3、それから、お店でコーラを飲んだ残りのお金が273円だから、2-7-3、そして、お昼ごはんを買ったクオカードの残りが1156円だったから、1-15-6と11-5-6、最後に「ゴールまで約489km」って出たから、4-8-9、この5点を買う。まだオッズを見てないから分からないけど、ナニゲに、どれが来ても大穴っぽい感じがする。

‥‥そんなワケで、今回は、あまりにも投げやりっぽい感じになっちゃったけど、コジツケ予想をしても当たらないし、ちゃんと予想しても当たらなかったんだから、たまには、こんなふうな買い方をしてみるのも一興だと思った。もちろん、1-8と2-8の馬単も買うし、8番の単勝と複勝も買うつもりだけど、3連単に関しては、今回のブログ旅に出てきた数字の5パターンで勝負する。だって、18枚の紙切れに1から18までの数字を書いて、それを袋に入れて、目をつぶって3枚を取り出して、その順番通りの3連単を買ったって、当たる時は当たるからだ。そして、残りの予算は、復興支援レースとか「WIN5」とかに振り分けてみようと思ってる今日この頃なのだ。



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2011.05.04

究極の麦とろ飯

あたしは、東京生まれで東京育ちだし、母さんも父さんも東京だし、両方のおじいちゃんもおばあちゃんも東京だし、母さんのほうは三代東京、父さんのほうは五代東京なので、あたしが子供のころから食べてきた家庭料理は、完璧に「東京の味」だった。ま、おんなじ東京でも、味付けに関しては、それぞれの家庭の味付けがあるワケで、母さんよりも父さんのほうが濃い味が好きだったから、母さんの作ったお料理はちょうどいい味なのに、父さんはいつもお醤油をかけて食べたりしてた。

で、そうした味付けの好みのことじゃなくて、お料理自体の内容で言うと、東京には東京のスタイルがあるワケで、たとえば、前にもリトル書いたことがあるけど、東京の場合は、「肉じゃが」のお肉は豚肉を使う。もちろん、あたしの家だけじゃなくて、東京なら誰の家でも豚肉だし、学校の給食でも豚肉だし、街の定食屋さんや居酒屋さんでも豚肉を使った「肉じゃが」が出てくる。だから、関西の「肉じゃが」は牛肉を使うって初めて聞いた時は、とても信じられなかった。

そんなあたしが、今、驚いてるのが、疎開先のお味噌汁の内容だ。ピンポイントで地名を言えなくてキョーシュクだけど、東京から離れれば離れるほど、お味噌汁の内容はゴージャスになるみたいで、ここのお味噌汁は、最低でも具が5種類は入ってるのだ。東京のお味噌汁と言えば、ダイコンならダイコンだけ、ワカメならワカメだけって感じで、たいていは1種類の具だけだし、豪華な時でも、お豆腐とワカメとか、アブラゲとモヤシとかの2種類だ。

だけど、ここのお味噌汁は、サトイモ、ニンジン、ダイコン、ゴボウ、ネギ‥‥って、お野菜だけでも5種類は入ってる上に、この他にも、コンニャクやシイタケが入ってて、さらには、お魚の身や貝類なんかが入ってたり、イワシのツミレが入ってる時もあるし、鶏肉や豚肉が入ってる時もあるし、タマゴが落としてある時もある。あたしは、お肉を食べないから、鶏肉や豚肉の時は、お肉をよけて注いでもらってるけど、それでもゴージャスすぎるお味噌汁の連続で、毎日がお正月みたいな気分の今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、東京生まれで東京育ちのあたしの感覚だと、たとえ具の種類が多くても、それがお野菜だけなら、一応、お味噌汁だと認識できる。他の具だと、お豆腐やアブラゲとか、動物性タンパク質ならアサリやシジミとか、こういうのはお味噌汁だ。だけど、お野菜の他に、お魚の身や鶏肉なんかが入ったら、もう、お味噌汁じゃなくなる。お魚の身が入ったら、味噌仕立ての海鮮鍋みたいな感じだし、イワシのツミレが入れば味噌仕立てのツミレ汁だし、豚肉が入ればトン汁になっちゃう。百歩ゆずって、ダイコンとネギと豚肉だけなら、まだ少しはお味噌汁の雰囲気も残ってるけど、ここに、ニンジン、コンニャク、ゴボウまで入っちゃったら、どう考えたってトン汁だ。だけど、ここでは、これも「お味噌汁」と呼ぶ。

でも、ここまでは、まだいい。あたしが何よりもビックル一気飲みしちゃったのは、こんなに具だくさんなお味噌汁なのに、さらに、小麦粉で作ったお団子まで入れちゃう時があるのだ。これを主食とするならトモカクとして、これはあくまでもお味噌汁の位置づけで、ご飯、焼き魚、煮物、お漬物はちゃんとある。それなのに、お味噌汁の中にお団子が入ってる。だから、お味噌汁だけでも食べ応えがあって、ご飯はお茶碗に半分くらいしか食べられなくなる。

あたしは、この豪華絢爛なお味噌汁を体験して、お正月の「お雑煮」のことを思い出した。これも、前に書いたことがあるけど、あたしの家のお雑煮は、お餅の他にはホウレンソウしか入ってない。お鍋にお湯を沸かして、カツオブシでおダシを取って、そこにお醤油を入れて、茹でてテキトーに切っといたホウレンソウをドバッと入れて、これで終わり。あとは、焼いたお餅をお椀に入れて、そこに、このホウレンソウのお汁を注ぐだけだ。これは、あたしの家が貧乏だったからじゃなくて、お正月はおせち料理が豪華だから、お雑煮はシンプルにするっていう江戸っ子のスタイルだ。

だけど、ニポン各地のお雑煮を見ると、醤油仕立てにしても味噌仕立てにしても、それぞれに具はゴージャスで、やっぱり、最低でも5種類くらいは入ってるし、鶏肉とか魚介類とかの動物性タンパク質も入ってる。すごいのになると、イクラが入ってたり、カニが入ってたり、金箔が入ってるのまである。具がホウレンソウだけだなんて、ニポン中で東京の中の一部の地域だけだと思う。

‥‥そんなワケで、ここのお雑煮はどんなのか知らないけど、ふだんのお味噌汁でさえ、こんなにも豪華なんだから、年に一度のお雑煮の場合は、きっと、とんでもなく豪華なんだと思う。もしかしたら、1人に1匹ずつイセエビが入ってるかもしれないし、アワビやウニがマウンテンになってるかもしれない。でも、ふだんの食事の内容は、決して贅沢なものじゃない。お野菜のほとんどは自家製か他の農家からのいただきものだし、魚介類もほとんどはお野菜との物々交換で手に入れたもので、お金を払って買うのは、調味料くらいだからだ。

だけど、「贅沢じゃない」ってのは、「お金が掛かってない」って意味であって、さっき紹介したお味噌汁の様子からも分かるように、あたしにとっては毎日がお正月みたいなもんだ。たとえば、週に2~3回は出るんだけど、「琉球」っていう食べ物がある。これは、沖縄から伝わってきたから「琉球」って呼ばれてるみたいなんだけど、ようするに、お魚のお刺身の「ヅケ」のことだ。大きなタッパーに、お醤油、ショウガ、ミョウガ、白ゴマなんかを入れた漬け汁を作り、そこに、サバ、ハマチ、ブリ、タイなんかをお刺身にして漬けておく。これを炊き立てのご飯に乗せて食べたり、お茶を掛けてお茶漬けにするんだけど、たまんないほど美味しい。

で、この「琉球」も、それぞれの家庭の味があって、あたしが最初にお世話になってた、山の中腹の農家では、シャキシャキ感を出すために、ダイコンの千切りをタップリと刻んでおいて、「琉球」と一緒にご飯に乗せて食べてた。これも、ものすごく美味しいんだけど、今、お世話になってる山のふもとの農家では、漬け汁の中に、輪切りにしたタカノツメとゴマ油を入れる。だから、ちょっと中華っぽいピリ辛で、焼酎を飲む時のオツマミにもピッタリだ。あたしは、焼き海苔に大葉を乗せて、これにご飯と「琉球」を乗せて、巻いて食べるってワザを編み出した。

‥‥そんなワケで、この「琉球」は、そんなに贅沢なお料理じゃない。ここでは、物々交換やいただきもののお魚を使うから、お金はほとんど掛かってないけど、東京にいても簡単に作れる。そりゃあ、ブリやタイのお刺身は高いけど、スーパーでアジとかの安いお刺身用のお魚を探せば、1匹100円から150円くらいで買える‥‥ってことで、アジで思い出したけど、ここに来て、あたしが大感動したのが、アジのヒラキを使った「麦とろ飯」だ。これも、東京にいても簡単に作れるものなんだけど、あたしは、こんな食べ方があるなんて、ここに来るまで知らなかったし、考えたこともなかった。

普通、「麦とろ飯」ってのは、お米を2、押し麦を1の割合で炊いて、それに山芋を掛けるだけだ。山芋は、おダシで割ってから掛ける場合もあれば、わさび醤油を使う場合もあるけど、基本的には、ご飯に掛けるのは山芋だけだ。あとは、焼き海苔を散らしたり、タマゴの黄身を落としたりするくらいで、ワリとシンプルな食べ物だ。マグロの赤身のブツ切りを乗せることもあるけど、これは別のお料理になる。

だけど、ここの「麦とろ飯」は、ぜんぜん違う。お米を2、押し麦を1の割合で炊くとこまでは一緒なんだけど、炊き上がったら、ダイコンの葉っぱを干して細かく刻んである自家製の「葉っぱフリカケ」を炊飯ジャーの中にドバッと入れて、シャモジでよく混ぜたら、またフタをして、しばらく蒸しておく。ようするに、ダイコンの葉っぱを混ぜた麦ご飯を作っておくのだ。そして、漁師さんから分けてもらってきた大きなアジのヒラキを焼いて、山芋を摩り下ろしたら、準備OK!

お茶碗に、ダイコンの葉っぱを混ぜた麦ご飯をよそって、その上に、アジのヒラキの身を全体的に乗せて、その上に、山芋をタップリと掛ける。アジの身に塩味があるから、山芋はおダシで割るよりも、山芋だけをそのまま掛けて、味の足りないぶん、ちょっとだけお醤油を垂らす。これで、ご飯とアジの身と山芋を一緒に口に入れると、もう、生まれてから今までに食べたことがないほどの美味しさで、思わず天井を見上げちゃうほどの大感激!

そして、この奇跡の「麦とろ飯」の初体験から、あたしが思いついたのが、「ダイコンの葉っぱフリカケ」の代わりに、野沢菜のお漬物を細かく刻んでご飯に混ぜるってものだ。野沢菜のお漬物なら、それなりにしょっぱいから、お醤油を掛けなくても美味しいと思う。まだ、実際には作ってないけど、脳内で「麦ご飯、野沢菜、アジのヒラキ、山芋」ってシミュレーションすると、どう転んでも笑いが止まらなくなるほどの美味しさが簡単に想像できる。

‥‥そんなワケで、ここに来てから、東京にいてもそんなに贅沢じゃない食材で、いろいろと美味しい食べ方や組み合わせを初体験して嬉しい限りなんだけど、この「麦とろ飯」と並ぶ大発見が、その名も「タクアンのキンピラ」だ。あたしは、東京タクアンが大好物で、子供のころから、ずっと食べ続けてきたけど、98%は、縦半分に切って、それを7ミリくらいの厚さに切って、半月形にしたものをそのままコリコリと食べてきた。あとの2%は、細長く切って海苔巻きの具にするか、細かく刻んで和風チャーハンに入れたりするくらいで、他の食べ方をしたことがなかった。

だけど、ここに来て驚いたのは、「タクアンのキンピラ」っていうウルトラCの食べ物との出会いだった。まだ、ここに来て2~3日しか経ってない時のこと、夜も遅い時間に、ダンナさんと他の農家の人たちと5~6人で焼酎を飲んでたら、スッと台所へ行ったダンナさんが、冷蔵庫からタッパーを持って来た。そして、「ほら」って言ってフタを取ったタッパーを置くと、みんなが順番にお箸でつまみ始めた。それで、あたしも、その「何だか分からないもの」を食べてみると、コリコリとした食感のキンピラで、ものすごく美味しかった。

聞いてみると、「タクアンのキンピラ」だって言う。ここでは、ダイコンをたくさん作ってるので、干しダイコンも作るし、タクアンも漬ける。これは、売り物じゃなくて、自分の家で食べたり、近所に配ったりするために作ってるものだ。それで、タクアンが余って賞味期限が近づいてくると、ダメにしちゃうのはもったいないから、「タクアンのキンピラ」を作るそうだ。あまりにも美味しかったので、あたしは、次の日に奥さんに作り方を聞いたんだげど、ものすごく簡単だった。

タクアンを普通に食べる時よりも薄く、5ミリくらいの厚さに切り、タップリのお水を入れたお鍋で15分だけ煮る。そして、火を止めたら、そのまま放置して自然に冷ます。このあと、2回ほどお水を取り替えると、塩抜きが完了。ポイントは、最初に15分だけ煮ること。最初からお水だけで塩抜きすると、独特のコリコリした歯応えがなくなっちゃうそうだ。そして、塩抜きが終わったら、十分に絞って水気を切ってから、普通のキンピラゴボウとおんなじ要領で炒めるだけだ。

‥‥そんなワケで、あたしは、身近な食材で簡単に作れる美味しいものをいろいろとマスターしつつあるから、急激にレパートリーが増えてる最中だ。それも、さっきの「麦とろ飯」みたいに、お料理とは言えないレベルのものが多いから、いつでも簡単に作って食べることができる。わざわざ押し麦なんか買わなくても、普通のお米をちょっと固めに炊くだけでもいいし、あとは、野沢菜のお漬物、アジのヒラキ、山芋があれば食べられる。それから、タカノツメとゴマ油を加えた「琉球」をご飯に乗せて、その上から山芋を掛けるってのも美味しそうだし、もうしばらく、ここにいるので、いろんな食べ方を編み出してみようと思ってる今日この頃なのだ。


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2011.05.01

無茶な馬券と無理な馬券

あたしの競馬は、データを無視したコジツケ予想だし、穴狙い、一攫千金狙いだから、最初から「絶対に的中するぞ!」っていう自信よりも、「もしも的中したら嬉しいな」っていう気持ちで買ってる。だから、当たったら激しく嬉しいけど、ハズレてもそんなにガッカリしない。でも、今日の「春の天皇賞」は、初めてキチンと予想したから、いつもの何倍も自信があった。そして、1番人気のトゥザグローリーと2番人気のローズキングダムをスパッと切り捨てたことも、最後に外からエイシンフラッシュが突っ込んでくるって予想したことも的中したのに、結果的にハズレだったからビミョ~に悔しい。

たとえば、1番人気のトゥザグローリーか2番人気のローズキングダムが勝ったのなら、あたしの予想は惜しくもなんともないから、簡単にアキラメもつくし、一瞬で来週の「NHKマイルカップ」へと頭を切り替えることができる。だけど、あたしの予想した展開が半分くらい当たってたから、ちょっとガッカリ度が高い。それに、昨日の日記では、「二宮金次郎の「二」が付く2人、藤田伸二騎手と和田竜二騎手の組み合わせとか」なんてことまで書いちゃってるから、この2人が1着と3着になったことも、「そっちの二宮金次郎だったのかよ!」って感じがしてる。こんなことなら、キチンと予想しないで、いつものコジツケ予想のほうが良かったのかも?(笑)

今回、あたしが買ってたのは、3連単のみ。1着を8番マイネルキッツ、2着を15番エイシンフラッシュにして、3着を1番ビートブラック、2番ヒルノダムール、3番ナムラクレセント、5番ジェントゥー、6番ペルーサ、11番ゲシュタルト、13番ジャミール、16番オウケンブルースリ、18番コスモメドウにした9通りと、1着と2着を入れ替えた9通りの合計18通り、1800円だった。いつもなら、弱気の3連複にしちゃうとこだけど、今回は自信があったのと、こういう買い方をしなかったら、いつまで経っても「夢の700万馬券」には近づけないと思った今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、初めて「3連単だけ18通り」って買い方をしてみたんだけど、こんな買い方をしたら、「即 PAT」の画面を閉じたあとに、ものすごい葛藤があった。それは、こんなに決め打ちをして、1着と2着がマイネルキッツとエイシンフラッシュで当たったのに、3着が「選ばなかった馬」だったら、どんなに後悔するだろう‥‥ってことだ。さらに言えば、あたしが選んだ3頭が入ったのに、着順が違って「3連複にしとけばよかった!」って後悔するパターンも頭をよぎった。

でも、あたしは、土曜日の「青葉賞」で、東北の復興に願いを込めてホッコーガンバの複勝を100円買ってたから、今日の予算は1900円で、あたしの使えるお金は、あと100円しかなかった。200円あれば、3着をあと1頭増やせるんだけど、そんなことしても気休めくらいにしかならないし、第一、アレもコレもじゃ節操がない。競馬が「予想を楽しむ遊び」である以上、できる限り絞って買うのが本来の楽しみ方だと思う‥‥なんて偉そうなことを言ってるクセに、テレビで返し馬やパドックの様子を観てたら、18通りの3連単だけで勝負する自分があまりにもチャレンジャー&ギャンブラーに思えてきて、不安が高まってきた。

それで、あたしは、保険の意味で、最後の100円でマイネルキッツとエイシンフラッシュの馬連かワイドを買っとこうと思って、大慌てで「即 PAT」にアクセスした。だけど、もう発走時間ギリギリで、慌ててたらパスワードを間違えたりして、やっとログインできた時には、もう「締め切り」になってた。ま、そのオカゲで、さらに100円のマイナスを上乗せしなくて済んだんだけど、こういうとこが、あたしのダメなとこなんだって再確認できた。つまり、一攫千金を狙ってるクセに、ついつい弱気になっちゃうとこだ。

土曜日の「青葉賞」のホッコーガンバとか、こないだのネコパンチみたいに、複勝を100円だけ買うのは、「応援」だから問題ない。単勝じゃなくて複勝を買ってるのは、弱気だからじゃなくて、3着までに入ってくれれば嬉しいってことだから、まったく気にしてない。でも、コジツケ予想にしろデータ予想にしろ、自分が予想して3連単を何パターンが決めたのに、そこで弱気になって馬連やワイドで保険をかけるなんて、弱気になるのも保土ヶ谷バイパスだ。

‥‥そんなワケで、今回、あたしが学んだことは、競馬は守りに入っちゃダメだってことだ。弱気になって馬連やワイドで保険をかけるってことは、マイナスになるとしても最小限のマイナスに抑えたいっていう気持ちの表われだ。コレって、勝負をする前から気持ちの面で負けてるようなもんで、これじゃあ勝てる競馬も勝てなくなっちゃう。ギャンブルの魅力は、やっぱり一攫千金なワケで、そこには常にリスクがともなう。リスクが恐いなら、最初からギャンブルなんかしないほうがいい。だって、ギャンブルで唯一の「絶対に負けない作戦」は、「ギャンブルをしないこと」だからだ。

今回の場合、あたしが最後の100円を突っ込むのであれば、保険の意味合いの馬連やワイドじゃなくて、絶対に来ないと思う3頭の3連単とか、人気のない3頭の3連複とか、そういうとこにこそ賭けるべきだった。これなら、それこそ「負けて悔いなし」だし、奇跡が起こって当たれば夢の配当だ。「攻撃は最大の防御なり」って言葉があるように、弱気になって守りに入ろうと思った時こそ、攻撃に転じなきゃダメだってことだ。

だけど、ここで間違えちゃいけないのが、いくら「攻撃は最大の防御なり」って言っても、絶対に無茶はダメだってことだ。自分がトップで麻雀のオーラスを迎えた時に、2位の人がリーチをかけたとする。2位とは1万点以上の差があるから、満貫くらいならツモられても逆転されないけど、振り込んじゃったら逆転される。こんな時に、いくら自分がテンパイしたからって、振り込む危険度の高い牌を横向きにして卓に叩きつけて「リーチ!」って言うのは、「攻撃」じゃなくて「無茶」ってことだ。一時的にテンパイを崩しても、安全牌を切って手を回して、何とかダマテンに持ってくのが定石だろう。

で、この「無茶」ってのは、もちろん「無茶苦茶」の「無茶」だけど、これには「メチャクチャ」って言い方もある。「メチャクチャ」の場合は、漢字で「目茶苦茶」って書いたり「滅茶苦茶」って書いたりするけど、「無茶苦茶」とおんなじですべて当て字だ。そして、「ムチャクチャ」も「メチャクチャ」も元々はおんなじ意味だったのに、今はビミョ~に違う。簡単に言えば、「ムチャクチャ」は本来の使い方の通りに「悪いこと」に多く使われてるのに対して、「メチャクチャ」は「メチャクチャ可愛い」とか「メチャクチャ美味しい」みたいに、「良いこと」に使われるケースが多くなった。特に、関西弁で「めっちゃ」って言う時には、多くの場合で「良いこと」に対して使われてる。

「ムチャクチャ」の場合は、最初にあたしが使ったみたいに、前半だけを取って「無茶をするな」っていう使い方もするけど、「目茶をするな」とは言わない。もしかすると、どこかの地方では「目茶をするな」って使い方をするとこがあるかもしれないけど、東京では聞いたことがない。そして、「メチャクチャ」の場合は「メチャメチャ」とも言うけど、「ムチャクチャ」の場合は「ムチャムチャ」とは言わない。

‥‥そんなワケで、4月30日にサクラバクシンオーが逝ってしまったので、今度の「NHKマイルカップ」は、サクラバクシンオーの子供のグランプリボスから買いたいと思ってる。だけど、グランプリボスは、サクラバクシンオーの子供だけあって、マイル未満の距離は2戦2勝なのに、マイル以上は4戦1勝なんだよね。1400だったら文句なしに軸にするんだけど、1600だからマイルなあ(笑)‥‥ってなワケで、グランプリボスは強い馬だから、この馬から買うのは「無茶」じゃないけど、ちょっと「無理」な気がする。それでも、競馬の場合は、どんな組み合わせだって確率はゼロじゃないから、来週もあたしは、無茶にならない程度に一角千金を狙わせてもらって、いつかは目茶苦茶な高配当をGET MY LOVE!したいと思ってる今日この頃なのだ♪


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