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2011.09.23

それゆけ、それいゆ!

「毎日新聞」のサイトで、あたしがいつも楽しみに読ませていただいてるのが、「読めば読むほど」っていう連載だ。毎日新聞社の校閲グループの人たちが順番に担当してる「読み書きに関するウンチク」のコーナーで、とっても面白いしタメになる。ちなみに、「校閲」ってのは、「校正」よりも踏み込んで原稿をチェキすることで、漢字の変換ミスや助詞の使い方などの「表記の間違い」を見つけて直すのが「校正」なのに対して、記述内容の正誤まで調べて手直しするのが「校閲」だ。

で、9月19日付で更新された「読めば読むほど」は、7月から続いてる「地名のお話」の第6回目で、前回まではニポン国内の地名についてだったけど、今回は世界の国々の地名について書かれてた。「ギアナとギニア」って言うタイトルの通り、南米北部のフランス領の「ギアナ」と西アフリカの「ギニア」、そして「ギニア」の南にある「赤道ギニア」などの混同について書かれてる。そして、この記事の中に、こんな一節があった。


「中南米やアフリカは、混同しやすい要注意の国名・地名が少なくありません。中南米ならば、どちらもカリブ海にある「ドミニカ共和国」と「ドミニカ」、アフリカでは「コンゴ共和国」と隣の「コンゴ民主共和国(旧ザイール)」が要注意です。」


ええっ!マジですかー!「ドミニカ共和国」と「ドミニカ」って2つあったの?あたしはずっと「ドミニカ」って言うのは「ドミニカ共和国」のことだと思ってたよ!「アメリカ合衆国」のことを「アメリカ」って言うみたいに、「ドミニカ共和国」のことを「ドミニカ」って言ってるだけだと思ってたよ!「ザイール」が「コンゴ民主共和国」なって、「コンゴ共和国」と間違いやすくなったのは、中村とうようさんのアフリカ音楽の本を読んで知ってたけど、「ドミニカ」も2つあっただなんて、38年と10ヶ月生きて来て、初めて知ったよ!‥‥ってなワケで、あたしは、すぐにツイッターでつぶやいた。


「あたしは今日まで「ドミニカ」と言えば「ドミニカ共和国」のことだと思ってた。まさか「ドミニカ」と「ドミニカ共和国」と言う2つの国があったとは!」


そしたら、「ええっ!そうだったんですか?」っていうリプライが何通も届いたので、知ってた人は「知ってて当たり前」のことだろうけど、あたしみたく、大人になるまでずっと知らずに生きて来た人も意外と多い感じの今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、ニポンに生まれたニポン人の場合、たいていは、小学校に上がる前にひらがなを覚えて、小学校に上がった時には、自分の名前くらいはひらがなで書けるようになってる。タマに、「し」とか「ち」とかが鏡に映したみたいに左右逆だったり、「あ」にも「お」みたいな点が付いてたりもするけど、こういうのはご愛嬌で、ひらがなの簡単な単語や文章なら、ほとんどの小学1年生が読み書きできる。

そして、算数はと言えば、「1+1=2」や「3-2=1」みたいな簡単な足し算、引き算から始まり、低学年のうちに「九九」を暗記させられる。今の小学校のことは分からないけど、あたしの時は、たしか2年生の時に暗記させられた。これは義務教育のカリキュラムだから、全国の小学校で同じように教えられるもので、結果、ほとんどのニポン人は、1ケタの掛け算ならソラで答えが言えるってワケだ。

ニポンでは、小学校と中学校が義務教育だから、小学3年生の国語で習う漢字も、小学6年生の算数で習う公式も、中学2年生の日本史で習う内容も、ほとんどの子供がおんなじ年齢の時におんなじことを習う。もちろん、ちゃんと授業を聞いててちゃんと覚える子と、最初から覚える気のない子がいるだろうけど、一番多いのは、学生時代にはテストのためにシッカリと暗記してた数々のコトガラなのに、社会人になったトタンにキレイサッパリと忘れちゃったって人だろう。

ま、あたしもそのうちの1人なんだけど、最初から覚えてなくても、一度は覚えたものを忘れちゃったとしても、おんなじ年齢の時におんなじ授業を受けることができたっていう「覚えるチャンス」だけは、小学校と中学校に通ってた全員に、分け隔てなく平等に与えられてたハズだ。だから、大人になってから、義務教育で習った漢字の読み書きができない人とか、義務教育で習った英単語の意味が分からない人とかってのは、完全に「自己責任」てことになる。

でも、小学校と中学校で教えてくれないコトガラについては、すべては偶然のタマモノとして、1人1人がバラバラに出会うことになる。たとえば、全国に数え切れないほどある「月極駐車場」、これを読める小学1年生はなかなかいないと思うけど、中学生や高校生なら少なくとも半数くらいの子が読めると思うし、車の免許がとれる18歳を過ぎれば、ほとんどの人が読めると思う。だけど、所ジョージさんみたいに、大人になるまで「げっきょく駐車場」だと思ってて、全国のどこへ行っても看板を見かけるから、全国展開してる大手の駐車場チェーンだと思ってた‥‥って人もいる。

大工道具の名前の場合、「とんかち(かなづち)」や「のこぎり」なら、ほとんどの小学1年生が知ってるだろうけど、「かんな(鉋)」や「のみ(鑿)」まで知ってる子は少ないと思う。だけど、お父さんが大工さんだったりすると、その子は小学1年生なのに、「かんな」や「のみ」どころか、「けびき(毛引)」「はたがね(端金)」「すみつぼ(墨壺)」まで知ってたりする。

「けびき」「はたがね」「すみつぼ」なんて、大人でも知らない人がいるのに、この子は幼稚園のころから知ってたワケで、これが、この子がたまたま大工さんの子供に生まれたっていう偶然のタマモノなのだ。これと同じように、八百屋さんや魚屋さんの家に生まれれば、普通のサラリーマンの家に生まれた子よりも、幼いうちから野菜や魚の名前に詳しくなるだろうし、中学校で天文部に入れば、他の同年代の子よりも星の名前に詳しくなる。こんなふうに、義務教育のカリキュラムに含まれてない知識に関しては、すべてが人それぞれ、知る時期、覚える時期がバラバラなのだ。


‥‥そんなワケで、あたしが子供のころ住んでた町の商店街に、「美容室それいゆ」ってのがあって、小学校1年生か2年生のあたしは「それいゆって何だろう?」って思ってた。そして、「それゆけ」に似てるってことだけで、勝手に「ニポン語の言葉」って思い込んでた。

ちょうど、そのころ読んだ童話に「あすなろ」のことが書いてあった。立派なヒノキに憧れた細くて頼りない木が、毎日、「明日(あす)はヒノキになろう!」「明日はヒノキになろう!」って思ってるんだけど、結局は立派なヒノキにはなれになった。それで「明日はヒノキになろう!」から「あすなろ」って名前になった‥‥って内容で、ちっちゃかったあたしは、この「あすなろ」っていう独特の響きを持った名前に、何とも言えない不思議な感覚を覚えた。

あたしは、「美容室それいゆ」の「それいゆ」にも、「あすなろ」とおんなじ感覚を覚えた。ちっちゃかった時のことだから、うまく説明できないんだけど、これは、小学校の高学年になってから「風の又三郎」を読んだ時にも感じた不思議な感覚で、初めて目にした言葉なのに、いつかどこかで見たことがあるような、もしかしたら、生まれる前の別の世界で出会ってたみたいな、そんな感覚だった。

それなのに、「美容室それいゆ」の前を通るたびに気になってたのに、あたしは、「それいゆ」って言葉の意味を母さんやおばあちゃん、学校の先生とかの「大人」に聞くことができなかった。その上、自分で調べることにもタメライを感じてた。なんか、答えを知った瞬間に、「それいゆ」って文字が粉々に砕けて消えちゃうような、取り返しのつかないことになっちゃうような、そんな感覚を漠然と感じてたからだ。

だけど、週に1~2回、商店街にお使いに行くたびに、「それいゆ」が何なのかを知らないまま「美容室それいゆ」の前を通るから、やっぱり気になって仕方がない。そこで、あたしは勝手に、お花の名前ってことに決めた。「あすなろ」が木の名前だったから、「それいゆ」もきっと植物の名前なんだろうって思ってたんだけど、美容室の名前につけるくらいだから、木よりもお花だろうって思ったのだ。


‥‥そんなワケで、「それいゆ」の意味を知らないまま中学生になったあたしは、行動半径が広くなり、時にはお友達と電車に乗って出かけるようになった。そしたら、お友達とお買い物に行った数駅先の町で、「喫茶それいゆ」ってお店を見つけちゃった。それで、あたしは、しばらく忘れてた「それいゆ」のことを思い出し、地元の「美容室それいゆ」も、この「喫茶それいゆ」も、両方ともカタカナじゃなくてひらがなで書かれてたことから、「それいゆ」がニポン語なんだっていう、ちっちゃなころからの自分の推測に自信を持った。

で、あたしは、「それいゆ」って、どんなお花なんだろう? きっと、白くて大きくてエレガントな感じのお花なんだろうな‥‥なんて思いながら乙女な日々を過ごしてたんだけど、地元の「美容室それいゆ」だけじゃなくて、よくお買い物に行く町にも「喫茶それいゆ」を見つけちゃったセイで、それまでの2倍(当社比)も気になり出しちゃった。それで、結局、ガマンできなくなり、図書室に行って調べてみた。

そしたら、ナナナナナント!「それいゆ」ってニポン語じゃなくて、フランス語だったのだ!辞書には「ソレイユ」ってカタカナで書いてあって、そのあとに「soleil」(仏語)、そして、「1.太陽 2.ひまわり」って書いてあった。あたしは、小学1年生の時からずっと、7年間も気になり続けてきた「それいゆ」の意味よりも、ニポン語じゃなかったってことのほうに驚いた。だって、美容室1軒だけならともかく、別の町にある、たぶん別のオーナーのお店であろう喫茶店までもが、「それいゆ」ってひらがなで表記してたから、あたしは、ほぼ100%、ニポン語だって確信してたからだ。

だけど、ようやく意味を知ることができた上に、「それいゆ」の2つの意味のうちの1つは「ひまわり」、あたしが想像してた「白くて大きくてエレガントな感じのお花」とはイメージが違うけど、「お花の名前」だって点は的中してたから、あたしは、意外と素直に受け入れることができた。そして、ここから先の人生では、たとえば「シルク・ドゥ・ソレイユ」なんて言葉を目にしても、すぐに「太陽のサーカス」ってふうに意味が分かるようになった。


‥‥そんなワケで、サスガに38年も生きてると、知らない言葉も少なくなってくる‥‥って思ったのもトコノマ、今年になってからは東電のセイで、「燃料棒」だの「建屋」だの「セシウム」だの「ベクレル」だの「シーベルト」だのって、本来なら死ぬまで知る必要もなかったような言葉を次から次に覚えさせられるハメになり、さらには、「リア充」だの「クラスタ」だの「危険厨」だのって、意味不明なネット用語も氾濫してるしで、あたしのキャパの少ない脳みそは休まるヒマもない。だから、競馬で大穴を当てたアカツキには、「ドミニカ共和国」にでも旅行してのんびりとバカンスを楽しみたいとこなんだけど、1週間ほど滞在してから「どうも雰囲気が違うな~」って思ったら、間違えて「ドミニカ」のほうに来てたりして!‥‥って感じの今日この頃なのだ(笑)


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2011.09.08

お客の主張、お店の主張

「まずいものを食べると幸せを感じる」なんていう特殊な感覚を持ってる人じゃない限り、一般的には、誰でも美味しいものを食べたいだろうし、できれば安いほうがいいと思ってるハズだ。味はもちろんのこと、サービスだっていいほうがいいし、お店だって広くてキレイなほうがいい。だけど、初めての土地へ行く場合、どのお店に入ったらいいのか分からない。特に、何かの名物を食べに行く場合、おんなじ料理を出すお店が何軒も並んでるから、それこそ、どのお店に入ったらいいか迷っちゃう。

ひと昔前なら、ガイドブックを利用するとこだけど、今はインターネットがある。一番有名なのは「食べログ」だと思うけど、現在、全国のお店が65万軒以上も取り上げられてて、277万件以上ものクチコミが書き込まれてる。だから、どこかに旅行して、その土地の名物を食べたいと思ったら、前もって「どのお店の評判がいいか」ってことを簡単に調べることができる。

もちろん、こうした下調べを何もせず、ぶらりと出かけてって、気の向いたお店に入り、そこで味も値段もサービスも雰囲気も大満足できたら言うことなしなんだろうけど、そうそうラッキーなことって起こらない。下調べを何もせずに出かけてみたら、その土地で一番美味しいって評判のお店が定休日だったり、サービス期間が昨日で終わってたりって、ちょっとダッフンしちゃうことのほうが多いのが世の常だ。ま、これは、あたしだけのことかも知れないけど、あたしの場合、展覧会とかにせっかく行ってみたら休館日だった‥‥なんてことがよくあったから、今は、必ず下調べをするようになった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、7月に四国の松山に行った時も、8月に九州の小倉に行った時も、母さんと一緒だったから、節約しつつも美味しいものを母さんに食べさせたくて、この「食べログ」のお世話になった。前もって、母さんと一緒に「食べログ」を見て、どこに行こうか相談するのって、遠足の準備みたいで楽しかった。だけど、こうしたクチコミサイトを見て楽しんでいられるのは、あたしみたいな「お客さん」の側の話であって、お店をやってる側にしてみたら、常に戦々恐々としてるだろう。だって、「高くてまずかった」だの「サービスが悪かった」だの「二度と行きたくない」だのって書き込まれちゃったら、それだけで新しいお客さんを逃がしちゃうからだ。

で、今から1ヶ月ほど前の8月5日のこと、この「食べログ」に、次のクチコミが書き込まれた。すでに140件以上も書き込みをしてる50代の男性によるもので、東京は神田錦町の担々麺の専門店、「辣椒漢(らしょうはん)」についての感想だ。


「担々麺専門店とのことで、汁なしの正宗担々麺と汁ありの日式担々麺2種が基本」(点数:2.0)

 この店のある本郷通りの美土代町交差点辺りは、元々の「神田」(古神田)に当たる地域である。かんだ山(駿河台)と神田橋の間であることからして、その証明になる。(江戸の大火で集団移転したのが今の神田駅周辺) 今では、すっかりビル街になってしまって、面影は残っていないが。
 閑話休題。担々麺の専門店とのこととて、正宗担々麺(汁なし)と日式担々麺(汁あり)の2種類が基本。汁なしの方を食す。100円プラスして、酒粕漬けの味付玉子も。会計950円。食べる前に、よく混ぜるとのことだが、なんとしても辛い。唐辛子ではなく、中国山椒のしびれるような辛さ。おそらくピーナッツも大量に入っているようなのだが、いかんせん、辛さが先にたって、その風味を味わうところには至らなかった。汁ありだと、また別の評価になったのかもしれないので、暫定評価として欲しい。
 店内は、カウンター席のみ。オレンジ色の壁は、なんだかカレー屋っぽい印象を受ける。(気のせい?) トイレは、ビル地下1階に店専用のがあるが、一度、ビルの外に出てから入りなおすことになるので、いささか不便かな。

http://r.tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13045967/dtlrvwlst/3078905/


ちゃんと読めば、 これが冷やかしや嫌がらせじゃなくて、極めてマジメな感想だってことが分かると思う。この男性の他店の感想もいくつか読ませていただいたけど、どれもキチンと書かれてて、読む人が参考になるように、いろいろと配慮して書かれてた。だけど、これを読んでブチ切れちゃったのが、このお店の店主だった。このお店の店主は、8月31日付の自分のブログで、このクチコミを書いた男性に対して、まるで「サイボーグ・クロちゃん」のガトリング砲のような一斉掃射を炸裂させた。


「品悪くてすみません!」

常連のお客様、こんにちは!
たまにはバトルしますね!
品悪くてすみません!
今回は言わして頂きます!

食べログで8月5日にアップした人、敵意むき出しだね!
なんで内が星2つなんだよ!普段何食ってんの?あなたそんなにご立派な人なの?何を根拠に言ってんの?ちゃんと四川省まで食いに行った?内に来るお客様の中には、半年で担々麺の有名店30件食べてから来て内が一番とおっしゃっている人もいるというのに根拠を書け根拠を、薄っぺら過ぎるんだよ!こっちも本気でやってんだ、半端な情報流すな!
辛さが全面に出てるような事が書いてあったねー、内のは普通の辛さだっつーの!今度来たら他の店のように砂糖一杯入れてやるよ!まあ来なくてもいいけどね!ちなみに砂糖を入れるのは日本流、覚えておけ!

店内がカレーみたいだって、お前本当にセンスがないね!やっぱり薄い!もっと遊べ!内の色は寒山寺のような中国のお寺やベトナムの恵安をモチーフにしてんの!何がカレーだよ、担々麺も似たような色だろうが!普通のお客様はいい色だと誉めているのに珍しいねあなた!
大体文句ありゃ、直接言えよ!この度胸のねえ小人が!

本当、今の世の中腐ってるよ!日本人の美徳は一体どこに行ったんだよ!進歩発展もいいけど、もっと大事なことがあるだろうに!もっと時間を大切にしろよ!

常連の皆様、御気分を大変害してしまいました、本当に申し訳ございません!

今度も常連のお客様を大事に致すよう努力します!もちろん御新規のお客様もね!

http://lashowhan.exblog.jp/14462803/


あたしには、この店主が、何でこんなに怒ってるんだか分からない。たとえば、ライバル店の評判を落とすために、お客に成りすましたヤカラが、あることないこと書き込んだってんなら、このくらいブチ切れても理解できる。だけど、この感想は、そういう嫌がらせなんかとは違う。それどころか、ある意味、お店にとっての重要なヒントを与えてくれてる。それは、中国の山椒の辛さが苦手なお客のための新メニューの開発だ。

もちろん、山椒の辛さはお店の「売り」のひとつなんだろうけど、山椒の辛さを抑えたマイルドなメニューを開発すれば、今までは辛さが苦手で食べに来られなかった人たちも、それこそ「食べログ」のクチコミを見て、きっと足を運ぶようになると思う。味には定評のある人気店なんだから、マイルドでも十分に魅力のある新メニューを作れると思う。それなのに、ここまでケチョンケチョンに言っちゃあ、ミもフタもない。そして、この店主の怒りを知った男性は、「食べログ」の自分の自己紹介欄に、こんなことを書いた。


「自己紹介」
 最近、以前に書いた某店のレビューについて、アクセス数や支持票が異様に増え、どうしたものかと不思議に思っていましたが、店主のブログでとりあげられ、「敵意むき出しの文章」と批判された様子。
 私としては、そんなつもりはなく、単に感想を述べたつもりなので、正直、戸惑っています。なにぶん、チキン・ハートなもので。
 ですから、「暫定評価」と書きましたが、再訪は諦めました。(追い出されそうなので) 今さら訂正、削除するのも潔くないので、そのままにしておきます。
 それにしても、そんなに★2つが気に入らなかったのかなあ? 私の基準点は、★2つなんですけど。

http://u.tabelog.com/000465967/


‥‥そんなワケで、この一連の流れを見て、どう思うか、どう感じるかは人それぞれだろうけど、あたしは、とっても切ない気持ちになった。「3.11」以来、多くの人たちがピリピリしてるみたいで、何だか、すごく危険な空気を感じる。ツイッターでも「いかに相手を不愉快にさせるか」ってことを競ってるみたいな人たちも増殖してきて、広い範囲にギスギスした空気が漂ってるように感じた。まあ、あたしの場合は、西日本に疎開してるから精神的にはずいぶん救われてるけど、もしも東京で、この「食べログ」のやりとりを見てたら、今の何倍も落ち込んだ気分になってたと思う。結局、東電が起こした史上最悪の人災は、空や海や大地だけじゃなく、人の心まで汚染し始めてるんじゃないかと思った今日この頃なのだ‥‥。


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2011.09.06

理想のお家がメジロ押し?

8月11日のブログ、「お家を建てて100万円もらおう!」で紹介した城南建設とnanoblockのコラボ企画の「お家ゲー」だけど、連日、続々と作品が投稿され続けてて、このブログを書いてる9月5日の時点で、すでに総数400作品を超えちゃってる。やっぱり、グランプリに100万円、準グランプリ2名に10万円ていう太っ腹な賞金が魅力なのはもちろんのこと、ゲーム自体が楽しいから、たくさんの応募があるんだと思う。

シメキリは9月20日だから、このまま行くと500作品は超えちゃいそうなイキオイだけど、それでも、確率的なことだけで言えば、500分の1の確率で100万円ゲットできるんだから、宝クジやロト6と比べても、遥かに効率がいい。その上、誰でも無料で参加できるんだから、言ってみれば「ノーリスク・ハイリターン」だ。さらには、ココだけの話、1人で複数の作品を応募することもできるから、「500分の1」の確率を「500分の2」にしたり「500分の3」にしたりすることも可能だ。

もちろん、審査員がすべての応募作品を厳正に審査して、グランプリや準グランプリを決めるんだから、テキトーな作品をいくつも応募するよりも、練りに練って凝りに凝った作品を1つだけ応募したほうが、選ばれる確率は高くなると思う。でも、とにかく、楽しみながら自分の理想のお家を作り、気に入ったものが完成したら応募するってだけなので、まだ応募してない人は、ぜひチャレンジしてみてほしい。そして、もしもグランプリに選ばれて100万円ゲットしたら、あたしに1万円クレクレタコラ(笑)‥‥ってのは冗談だけど、前回も書いたように、参加者全員にもれなくプレゼントがある。

応募者全員に、もれなく「nanoblockのミニコレクションシリーズ」の引換券がプレゼントされて、住宅情報館に行くと交換してくれるのだ。ちなみに、このプレゼントは、9月1日からスタートしてるので、あたしのとこにも引換券のお知らせメールが届いてる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、お金のことばっか言うのもアレだけど、昔から「きっこのブログ」を読んでるマニアな皆さんは、あたしが今までいろんなキャンペーンや懸賞を紹介してきた中で、たくさんの当選者が出てるっことを知ってると思う。小額の賞金やプレゼントは数え切れないけど、MISIAのプレミアムチケットや高価なシルバーアクセサリー、果ては、たった1人にしか当たらない100万円相当の純金の盾まで、「きっこのブログ」の読者が当選してる。この女性は、100万円相当の純金の盾の他に、5000円のクオカードも同居人と1枚ずつ当たってって、大喜びでメールをくれたから、今でもよく覚えてる。

そんなこんなで、カンジンのあたしにはなかなか当たらないのに、この「きっこのブログ」を読んでキャンペーンや懸賞に応募した人は、これまでに、ずいぶんたくさんの人がスーパーラッキーな結果を手にしてる。だから、あたしは、今回の「お家ゲー」も、前回のあたしのブログを読んで応募してみた人たちの中から、もしくは、今日のブログを読んでシメキリの9月20日までに応募した人たちの中から、グランプリの100万円が飛び出すかもしれないと思ってる。

前回のブログに書いてるけど、あたしが作った「レインボーなお家」は、だいたい小1時間くらいで完成した。だけど、あたしのは、外壁だけの「手抜き工事」なので、ちゃんと室内も作るとしたら、たぶん2倍の2時間くらいは掛かっちゃうだろう。もちろん、こういうゲームに慣れてる人や、頭が良くて器用な人なら、1時間くらいで室内も外壁も完成すると思うけど、何よりのポイントは、全体のデザインだ。あたしのみたく真四角なお家と、複雑で凝りに凝った形のお家とじゃ、手間も時間も雲泥の差だと思う。


‥‥そんなワケで、今回は、現在までの400を超える作品の中で、あたしが「おおっ!」って思ったものをいくつか紹介したいと思う。でも、前もって言っとくけど、あたしに選ばれても、賞金も賞品も何もない。ただ、「きっこに選ばれた」という不名誉な記録だけが後世へと語り継がれてゆくのであった(笑)‥‥ってなワケで、今日までの応募作品を順番に見てったら、大きく2つのジャンルに分けられることがわかった。それは、実際に建てることが可能な「現実的な作品」と、実際に建てることは不可能だったり、建てることはできても人が住むには適さない「非現実的な作品」だ。そして、製作の過程での違いとしては、あたしみたく外観だけしか作らなかった人と、ちゃんと室内まで作った人とに分けられる。

だから、たくさんある作品をダダーッと駆け足で見てくと、普通の四角いお家よりも、奇をてらった外観のもののほうが目を引くことになる。だけど、1軒1軒ちゃんとクリックして、製作過程も見てくと、室内の様子も分かるから、外観はシンプルでも室内が凝ってる「住んでみたくなるお家」に出会うことができる‥‥ってなワケで、あたしが最初に「おおっ!」って思ったのは、このお家だ。


Og24

「ハートのお家」 marinさん

これは、まだ応募作品が少なかった8月の初旬に見たので、とっても目立ってた。ガラスで囲まれたお家の中に、白とピンクを基調にしたハート型のお部屋があって、あまりにもプリティーすぎる。完全に「住む人を選ぶ家」で、フリフリフリルのドレスを着たゆうこりんとかなら住むことを許されるだろうけど、あたしには許されない。「寝てる時まで外から丸見えじゃん!」っていうツッコミがありそうだけど、ちゃんと「海の上のお家です」っていう布石が打ってある。とにかく、四角いブロックを四角く積むことしかできなかったあたしとしては、四角いブロックでハート型を作ってあるだけでも目からウロコだった‥‥ってなワケで、他にもあたしが「おおっ!」って思った作品を続けて紹介してく。


Og25

「観覧車のある家」 みっくんさん

このお家の製作過程を見てたら、最初は庭に立派な3段の「滝」があったんだけど、試行錯誤しながら進んでくうちに、「滝」をやめにして「観覧車」に変更したことが分かった。だから、施主のみっくんさんは、最初は「滝のある家」として製作を開始したものの、ジョジョに奇妙に「観覧車のある家」になっちゃったってワケで、このフレキシブルな「行き当たりばったり感」が素晴らしい。このお家の魅力は、観覧車だけでなく、3階建てのそれぞれのフロアの床にまで凝ってる点で、楽しみながら作ってる様子が伝わってきた。


Og22

「空中庭園」 ハヤブサさん

果たして、これを「お家」と呼べるかどうか、という問題はあるけど、見た瞬間に「この場所へ行ったら気持ちいいだろうな~」って思えた。「天空の城ラピュタ」を思わせる下部のデザインもいいし、全体のバランスもいい。透明なブロックを利用して、空中にお家を作った人は何人かいて、どの作品も個性的だったけど、「開放感」という点と、あたしの大好きな作家、角田光代さんの作品の中でも特に好きな作品とおんなじタイトルだったことから、ハヤブサさんのお家を選ばせていただいた。


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「The second house and the atelier」 jyunkoさん

黒い外壁と細長くて赤い扉の組み合わせを見た瞬間、大好きなクリスチャン・ルブタンのピンヒールを連想した。とっても凝った作りなのに、タイトルを見ると、このお家は「セカンドハウス兼アトリエ」ってワケで、ちゃんとした自宅は他にあるんだからゴージャスな話だ。壁面の一部をガラスにしてギャラリーも兼ねてるし、お風呂や寝室にもコダワリがある。お名前も「junko」じゃなくて「jyunko」というコダワリようなので、都会的でハイセンスな施主を想像した。


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「お城」 madadaさん

こういうゲームや、「レゴ」みたいなブロックでお家を作る時、必ず何人かは「お城」を思い浮かべると思う。だけど、思い浮かべただけで、実際には作らないことのほうが多い。だって、想像しただけで「大変そう」だからだ。だけど、madadaさんは、その「大変そう」なことにチャレンジして、ミゴトに作り上げた。一見、手抜きみたいに見えるとこもあるけど、このコマ数で「お城」を作るとなると、これが限界だと思う。「お城」をテーマにした作品は、もう1つあったんだけど、「いかにも」な雰囲気を醸し出してるこちらの作品を選ばせていただいた。いろいろと工夫して一国一城の主になったmadadaさんに拍手を送りたい。


Og28

「赤い屋根の家」 千葉世如さん

それこそ「レゴ」でお家を作るように、楽しんだり苦労したりしながらコツコツと作って行った様子がうかがえた。1階のリビングには、大画面の液晶テレビや観葉植物まであり、庭には犬小屋とワンちゃん、花壇もある。2階のベランダも手が込んでて、とっても楽しい雰囲気が伝わってくる。窓の小さい2階は、裏側の壁を作らずに室内が見えるようにしてあり、まるでドールハウスを眺めてるような気分になってくる。最初は「犬小屋もお揃いの赤い屋根にすれば良かったのに」って思ったんだけど、全体的に見てみると、犬小屋の屋根のブルーがアクセントになってて、多用してる色を引き締める役割を果たしてる。眺めてるだけでウキウキしてくる作品だ。


Og29

「楳図かずおハウス」 nonofraiseさん

これには笑わせてもらった。見た瞬間に「まるで楳図かずおの家みたいだな」って思ったら、そのまんま、タイトルが「楳図かずおハウス」だった。この作品は、室内は作ってないので、「外観だけで勝負」と言うか、「グランプリよりもウケ狙い」と言うか、とにかく、製作意図が明確なとこがいい。室内を作ってないぶん、外観には凝った点が多く、回転させて四方から見てみると、ちゃんと「今どきのデザイン」の中に「古い洋館」のフレーバーをミックスさせてて、実際の「楳図かずおハウス」のイメージに近く作られてる秀作だ。


Og30

「夏の憧れ」 けいこさん

動物や楽器、乗り物や人の顔など、何かの形を模した作品はたくさん応募されてるので、「外観だけで勝負」ということになると、この作品よりも「おおっ!」と思った作品もあった。だけど、あたしの心の琴線に触れたのが、「わたしはスイカが食べられない。けれど食べてる光景に憧れる。」という、けいこさんのコメントだ。単に味が苦手なのか、それともアレルギーなのか、理由は分からないけど、「憧れ」だけで、けいこさんがコツコツとブロックを積み上げてった過程を想像すると、子供のころ、前日に熱を出して遠足に行けなかった時の気持ちがオーバーラップした。夏休みの絵日記のような、楽しさの奥に切なさのある作品だ。


Og21

「小さな家」 アッテンボローさん

こんな言い方をしたら失礼だけど、外観はパッとしてない。だから、そんなに期待しないで画面をクリックしたんだけど、製作過程がスタートしたら、狭いながらも、ちゃんと畳の和室を作り、ちゃぶ台を置き、縁側を作り、昔ながらの日本家屋が完成した。実際に施工することが可能っぽい現実的な作品の多くは、2階建てや3階建てで、広いリビングや吹き抜けなど、それこそ金曜日の早朝に渡辺篤史が訪ねてきちゃいそうな立派なお家ばかりで、どれも素敵だった。だけど、「ホントに自分が住むとしたら」って考えると、あたしは、小さな平屋の日本家屋がいい。年をとっておばあさんになったら、膝に猫を乗せて縁側でウトウトしたい。だから、「屋根が低すぎる」っていうマイナス点もあったけど、このお家が気に入った。


Og33

「弘樹の別邸」 わびおさん

タイトルが「弘樹の別邸」なのに、施主の名前は「わびおさん」だから、最初は意味が分からなかった。だけど、お家の下に停めてある立派なクルーザーを見て、ようやく「松方弘樹の別邸ってことなのね!」って気づいた。狭い敷地にファミレスを作る時って、高床式にして1階を駐車スペースにすることが多いけど、それの「船バージョン」てワケで、とっても楽しい発想だ。その上、お家の床に四角い穴が開いてて、室内から魚釣りができるなんて、想像しただけでもワクワクしてくる。室内の様子が分かるように、後ろ側の壁は作らずにオープンにしてあるけど、このままでも気持ち良さそうだ。1泊1万円くらいなら、泊まりに行ってみたいと思った。


‥‥そんなワケで、今日は、あたしが「おおっ!」って思った作品を10個だけ紹介したけど、他にも、目が点になった作品、目が飛び出た作品、目からウロコが落ちた作品、目が釘付けになった作品、目がシバシバしてきてブルーベリーを食べたくなった作品(笑)などなど、個性的な力作がメジロ押しだ。だから、皆さんも、応募作品の一覧を見て、気に入った作品があったら、ポチッと投票してみてほしい。一見、コレと言った特徴のない真四角のお家でも、画面をクリックして製作過程を動画で見てみると、凝りに凝った室内も見られるし、試行錯誤のあともうかがえるので、とっても楽しめる。そして、シメキリの9月20日までは、まだ余裕があるので、これからチャレンジする人は、100万円を目指してがんばってほしいと思う今日この頃なのだ♪


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