« 2011年12月 | トップページ | 2012年2月 »

2012.01.26

アメニティな日々

ホテルや旅館のアメニティグッズの歯ブラシって、20年くらい前までは、歯ブラシ自体に歯ミガキが染み込んでて、お水を付けて使うタイプのほうが主流だったけど、最近は歯ブラシと歯ミガキのミニチューブがセットになってるタイプのほうが主流になってきた、と思う。「と思う」ってのは、どっちのタイプの歯ブラシのほうが多く使われてるか正確に判断できるほど、あたしはいろんなホテルに泊まってないから、あくまでも、あたしが泊まった中での話だからだ。

たとえば、20年以上前だって、あたしが泊まれるわけない一泊何万円もするような豪華なホテルなら、歯ブラシと歯ミガキが別個になった中でも一番高価なやつを置いてただろうし、最近だって、地方都市の駅の周りにある安さを売り物にしたビジネスホテルとかなら、少しでも経費を安く抑えるために、歯ミガキが染み込んでるタイプってだけじゃなく、袋にホテルの名前も入ってないチープなのを使ってるだろう。

で、あたしの場合は、昔から、ホテルに泊まるとすれば、そのエリアで一番安いホテルを選んでたし、これは今でも変わらない。一番安いホテルが満室なら下から2番目の値段のホテル、下から2番目の値段のホテルも満室なら下から3番目の値段のホテル‥‥ってふうに選んでるから、必然的に歯ミガキが染み込んでるタイプの歯ブラシを置いてるホテルが多かったのかもしれない。だけど、このホテルの選び方は今でもおんなじで、おんなじように値段の安さで選んでても、ここ20年で、歯ブラシと歯ミガキのミニチューブがセットになってるのを置いてるホテルのほうが多くなってきた感じがしてる。

ハッキリ言って、どっちのタイプの歯ブラシだろうと、あたしは自分の持ってった歯ブラシを使うから関係ない。でも、ホテルのアメニティグッズって、基本的に「お持ち帰り自由」だから、あたしの場合、歯ミガキが染み込んでるタイプの歯ブラシなら使わずに置いてくるし、歯ブラシと歯ミガキのミニチューブがセットになってるタイプなら持って帰ってくる。で、誰かが家に泊まりにきた時の「使い捨て用」にキープしてるってスンポーな今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、ホテルや旅館の部屋に常備されてる歯ブラシだの石鹸だの男性用の髭剃りだの、その他モロモロの「使い捨て」のモノをみんな何の疑いもなく「アメニティグッズ」って呼んでるけど、「アメニティ(Amenity)」って何?‥‥ってなワケで、「アメニティ」ってのは直訳すると「快適さ、心地よさが整っている環境」って意味だ。そして、それに「グッズ(Goods)」が付くんだから、お客様に「快適さ、心地よさを提供するための道具」って意味になる。つまり、使い捨ての歯ブラシや石鹸や髭剃りにとどまらず、お持ち帰りができないバスタオルやドライヤー、テレビやイス、旅館の和室なら床の間に飾られた掛け軸や活け花だって「アメニティグッズ」ってことになる。

さらには、「グッズ」を取って「アメニティ」って言葉だけにすれば、ホテルのロビーや駐車場の広さや使いやすさ、お客を待たせないエレベーター、中庭の美しさや露天風呂からの景観、そして従業員のサービスなんかも、すべてが「アメニティ」の対象になる。だから、もちろん掃除だって「アメニティ」のひとつなワケで、自分が通された部屋の灰皿に吸殻が残ってたり、湯呑やコップに口紅が付いてたり、バスタブに髪の毛が張り付いてたり、ゴミ箱に丸めたティッシュが山になってたりしたら、誰だってフロントに電話して文句を言うよね。これは、最低限の「アメニティ」すらも整備されてないってワケで、お客様が怒るのは当然だ。だって、こんな部屋で快適に心地よく過ごせるワケがないからだ。

だけど、チリひとつないほどピカピカに掃除されてて、灰皿もコップもピカピカで、床も壁も窓も天井もピカピカで、ユニットバスもベッドもピカピカで、この部屋に通されたあたしに、前日に見ず知らずの人が泊まってたなんてことを1ミリシーベルトも想像させないくらいにキレイになってれば、これは「アメニティ」が行き届いてる部屋ってことになる。で、こんなにも「アメニティ」が行き届いてる部屋に泊まっても、あたしの場合、「アメニティグッズ」はほとんど使わない。歯ブラシも歯ミガキもシャンプーもリンスもヘアブラシも、自分で持ってった愛用のものを使う。だって、こっちのほうが快適で心地よいからだ。ただし、手を洗う時の石鹸だけは「アメニティグッズ」を使うけど。


‥‥そんなワケで、ホテルや旅館の「アメニティグッズ」だけど、20年前と最近とで主流が変わったのって、歯ブラシだけじゃない。20年くらい前までは、シャンプーとリンスはミニボトルのセットを置いてるとこが多かったけど、最近はほとんどが大きなプッシュ式のボトルを置いてて、中身が減ったら継ぎ足すようになった。さらには、ユニットバスのシャワーの横あたりの壁に「ボディシャンプー」「シャンプー」「コンディショナー」のボタンがあって、それを押すとピューって出てくるとこもある。あと、洗面台のほうにある石鹸も、半数以上はプッシュ式のボトルが主流になった。これは、少しでも経費を安く抑えるための変化なんだと思う。

一方、歯ブラシは、むかしは歯ミガキが染み込んでるタイプと別々になってるタイプとの仕入れ単価の差が大きかったけど、今はそれほどでもなくなり、未だに歯ミガキが染み込んでるタイプを使ってるってことでホテルの格を安っぽくしちゃうよりも、多少は経費が掛かっても高級感を演出したほうがリピーターが増えると判断して、別々のタイプのほうが主流になってきたんじゃないか?‥‥ってのがあたしの推理だ。

で、あたしの場合、割り箸を使うのも気が引けちゃって、ふだんは「マイ箸」を持ち歩いてるほどだから、ホテルの使い捨ての歯ブラシや石鹸をずっと「もったいない」って思ってた。どっちのタイプの歯ブラシにしても、袋に入ったちっちゃな石鹸にしても、宿泊客が一度でも使ったらホテルの人が捨てるに決まってるからだ。どっちもまだまだ使えるのに、たった一度か二度使っただけで捨てちゃうなんて、割り箸の何倍も「もったいない」と思ってた。

それで、あたしは、今から20年近く前のことだけど、仕事で泊まったビジネスホテルの歯ブラシと石鹸を初めて持って帰ってきた。この時は、もともとは泊まる予定じゃなくて、仕事の予定が変更になって急きょ泊まることになったから、何の用意もしてなかった。それで、この時は、自分の歯ブラシも持ってなかったから、「アメニティグッズ」の歯ブラシと石鹸を使ったんだけど、一度使っただけで捨てられちゃうのがしのびなくて、ティッシュに包んで持って帰ってきた。

当時は、持ち帰っていいのかどうか分からなかったし、黙って持ち帰って、あとからホテルの人が部屋を掃除する時に歯ブラシや石鹸がなくなってることに気づいて「貧乏くさい客だ」と思われるのも恥ずかしかったけど、わざわざ「持ち帰ってもいいですか?」って聞くのもおんなじくらい恥ずかしかったから、結局、黙って持って帰ってきた。だけど、これは、あくまでも「あたしが使った歯ブラシと石鹸」だから「そのまま置いてきても捨てられる」っていう前提があったから持って帰ってきただけだ。その後、仕事でホテルに泊まることがあっても、自分の歯ブラシや石鹸を使って、「アメニティグッズ」を使わなかった時には、次の人が使うと思って持って帰ってこなかった。次の人が使うのなら、もったいなくはないからだ。


‥‥そんなワケで、こんな感じで何年かが過ぎたある日のこと、たまたま観てた夜のウンチク系のクイズ番組で、「ホテルのアメニティグッズは持ち帰ってもいいのか?」ってテーマが取り上げられた。なんて番組だったか、司会が誰だったのかも忘れちゃったけど、最初に回答者のタレントさんたちが順番に「持ち帰っていいと思う」とか「使用したものは持ち帰っていいけど未使用なら置いておくのがマナーだと思う」とかって、それぞれに自分の意見を述べた。それから「では正解を見てみましょう」ってことになり、スタジオ内の大きな画面に切り替わった。

画面に有名なホテルの支配人が映り、「アメニティグッズの料金は宿泊料金に含まれておりますので、すべてお持ち帰りいただいて結構です。ご自宅でお使いいただいても結構ですし、中には当ホテルに宿泊された記念としてお持ち帰りになるお客様もいらっしゃいますし、いろいろなホテルのアメニティグッズをコレクションしているお客様もいらっしゃいます」って感じのことを言った。ぜんぶで3~4軒の有名なホテルの支配人が登場して、全員が「アメニティグッズはすべてお持ち帰りいただいて結構です」って答えてた。

これで、あたしは、長年、聞くに聞けなかった答えを知った。ホテルや旅館の部屋に置いてある「アメニティグッズ」は、使用、未使用に関係なく、宿泊したお客が自由に持ち帰っていいものだったのだ。どこのどんなグレードのホテルに泊まろうとも、その部屋に置いてある歯ブラシ、石鹸、コームなどの使い捨ての「アメニティグッズ」は、どれでも好きに持ち帰っていい。そして、持ち帰っても「貧乏くさい客だ」とは思われないのだ。なんたって有名なホテルの支配人たちが口をそろえて「アメニティグッズはすべてお持ち帰りいただいて結構です」って太鼓判を押してくれたからだ。

それどころか、こうした「アメニティグッズ」の料金は、あたしが支払った宿泊料金に含まれてるんだから、泊まった時点で「あたしのもの」なのだ。あたしが持ってったあたしの歯ブラシはあたしのもの。ホテルに置いてある使い捨ての歯ブラシもあたしのもの。なんかジャイアンになったみたいな気分だけど、あたしのものをあたしが持って帰るんだから何も問題はない‥‥って言いつつも、いくらホテル側が「どうぞお持ち帰りください」って言ったからって、言われた通りに持って帰ってたら本末転倒になっちゃう。それは、あたしが一番気にしてる「もったいない」って観点からの問題だ。


‥‥そんなワケで、あたしが使った歯ブラシや石鹸なら、置いてきても捨てられちゃうんだから、持って帰ってきて使いきってあげたほうが「アメニティグッズ」的にも生涯をまっとうできると思う。歯ブラシなら、腰がなくなるまで使ったり、バスルームのタイルの目地を掃除するのに利用したり、乾燥して割れたファンデーションに水分を与えて自家製リフィルを作る時の「表面をならす」用にも使える。石鹸の場合は、洗面所に置いてそのまま使い切るだけだ。

だけど、ホテルで使わなかった歯ブラシや石鹸の場合はどうだろう?あたしが持ち帰って自宅で使えば、それはそれで無駄にはならないんだから、「もったいない」には該当しない。でも、あたしが持ち帰ったことで、ホテルでは次の宿泊客のために、新しい歯ブラシと石鹸を用意しなくちゃなんない。もしも、あたしが置いてくれば、それが次の宿泊客のぶんになるだろうから、ホテルとしては1回ぶんの歯ブラシと石鹸が浮く。歯ブラシと石鹸だけなら大した金額にはならないだろうけど、歯ブラシと石鹸だけじゃなく、小型のコームも男性用の髭剃りも室内用の使い捨てスリッパも何もかも持ち帰ってくるか置いてくるかじゃ、「たかが1回ぶん、されど1回ぶん」てワケで、それなりの金額の違いになると思う。

もちろん、あたしが言ってるのは、金額の話じゃない。あたしは、そのホテルに義理なんてないから、ホテルの儲けを少しでも増やすために「アメニティグッズ」を置いてくるべきかどうかを考えてるワケじゃない。あたしは、本来は一度使っただけで捨てられちゃう「アメニティグッズ」っていう悲しい運命の道具たちに対して、少しでも多く「道具として生まれてきた意味」を持たせてあげたいと思ってるだけだ。

だから、あたしが使わなかった「アメニティグッズ」の歯ブラシをホテルに置いてきても、次の宿泊客が一度か二度使っただけで捨てられちゃうのなら、あたしが持ち帰っていろんなことに利用したほうが「道具として生まれてきた意味」を持たせられるし、「もったいない」の精神にも貢献できる。それに、もしも歯ブラシに感情があれば、このほうが「歯ブラシ冥利に尽きる」と思う。市販の歯ブラシなら、何度も使うことを想定して作られてるから、ブラシの腰がなくなるまで歯を磨き続けられれば「歯ブラシ冥利に尽きる」と思うし、歯ブラシとしての役目が終わってからも、バスルームのタイルの目地の掃除や、ガスコンロ周りの掃除、革靴のお手入れなんかに再利用されれば、道具としての人生をまっとうできると思う。

でも、「アメニティグッズ」の歯ブラシの場合は、もともとが「使い捨て」として作られてるから、市販の歯ブラシとは比べ物にならないほど耐久性がない。ブラシの腰がすぐになくなっちゃうだけじゃなくて、柄のほうも弱い。特に、歯ミガキが染み込んでるタイプなんて、柄が薄くて弱いから、普通に歯を磨いてるだけでもパキッて折れちゃうこともある。だから、たとえ持ち帰ってきても、歯ブラシ本来の役割である「歯を磨く」ってことだけに使用してると、歯ブラシ本人が「歯ブラシ冥利に尽きる」って実感できるほどは使ってあげられない。どちらかって言うと、アクセサリー類を磨いたり、パソコンのキーボードを掃除したりするのに使ったほうが活躍してくれる。


‥‥そんなワケで、まだ「これだ!」っていう確固たる答えが見つかったワケじゃないあたしは、東京にいた時は、「必要な時だけ持ち帰る」っていう中途半端なスタイルを続けてきた。東京でのあたしのお部屋は、多くても2人までしか泊めることができなかったから、イザという時の予備の歯ブラシは2本あればいい。だから、どこかのホテルに泊まった時に、柄のシッカリした歯ブラシがあれば、それを使わずに持って帰ってきて、2本溜まった時点で、もう持って帰ってこない。そして、誰かが家に泊まって1本を使ったり、あたしが何かのために1本を使ったりした時だけ、次にホテルに泊まった時に持って帰ってくる。こんなふうにしてた。

だけど、東京にいた時は、あたしがホテルに泊まるのなんて1年に1回あるかないかって感じだったから、ハッキリ言えば、泊まるたびに歯ブラシを持ち帰ってきてたようなもんだった。それなのに、東京のお部屋を出て、もう「自分の家に誰かを泊める」なんてシチュエーションが皆無になり、それどころか、あたし自身が誰かのとこに泊めてもらう生活が始まったトタンに、ホテルに泊まる回数が爆発的に増えた。「爆発的」って言っても、去年の3月以降で合計10回くらいだけど、あたしにしてみたら10年ぶんだ。

で、このうちの半分は、母さんと泊まった愛媛の松山や福岡の小倉のビジネスホテルだから、ツインのお部屋には「アメニティグッズ」の歯ブラシが2本ずつ用意されてた。母さんもあたしも自分の歯ブラシを使ったから、1日目に使わなかった歯ブラシは2日目もそのままだったけど、帰る時に母さんが「これ、もらってってもいいのかしら?」って聞くから、あたしは、以前に見たテレビのことを話したら、母さんは嬉しそうに2本ともバッグに仕舞ってた。


‥‥そんなワケで、しばらく前に母さんが、コタツの上にバッグの中身をぜんぶあけて整理をしてたんだけど、ふと見たら、「アメニティグッズ」の歯ブラシが4本、カラーゴムでまとめてあった。あたしが「そんなにどうしたの?」って聞くと、母さんは「小倉のホテルでももらってきたから」って答えて、ゴムを外した歯ブラシを左右の手に2本ずつ持ち、「こっちが松山、こっちが小倉」って言ってニヤニヤしてた。あたしが「そんなにあっても使わないでしょ?」って言うと、「2人で旅行してホテルに泊まったのなんて久しぶりだから、記念よ記念!」「だけど2本もいらないでしょ?」「だって2人で泊まった記念だから」って、まだニヤニヤしてた。あたしは「道具は使ってこそ生きる」って考え方だから、いつも「もったいない」かどうかってことばかり気にしてきたけど、こんなふうに、記念や思い出として使わずに持ってることも、ある意味、「歯ブラシ冥利に尽きる」ことなのかな?って思えてきた。そして、テレビで見た有名なホテルの支配人が言ってた「中には当ホテルに宿泊された記念としてお持ち帰りになるお客様もいらっしゃいます」って言葉を思い出した今日この頃なのだ。


★ 今日も最後まで読んでくれてありがとう!
★ よかったら応援のクリックをポチッとお願いしま~す♪
  ↓


|

2012.01.14

「脱原発世界会議」Ustream配信のお知らせ。

今日から2日間開催される「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」ですが、会場に行かれない人たちのために、Ustreamでのインターネット中継が行われます。


以下のリンクからご覧ください。
  ↓
■脱原発世界会議 TV■


「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」
http://npfree.jp/

|

2012.01.11

脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA

いよいよ今週末は「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」です!



あたしも賛同のコメントを出しています。
たくさんの著名人の熱いメッセージをお読みください。

■賛同者の声■
http://npfree.jp/message.html

■「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」プログラム■
http://npfree.jp/program.html

■チケットの購入方法■
http://npfree.jp/ticket.html

|

スカッと爽やか水戸黄門!

今までに何度か書いたことがあるけど、あたしは時代劇が好きだ。「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」や「遠山の金さん」に代表されるように、ほとんどの時代劇は勧善懲悪のベタなストーリーだし、悪者をやっつける時のセリフまで決まってるから、いつでも安心して観てられる。どの時代劇もラスト5分になれば、印籠を見せられた悪代官の一味が黄門様の前にひれ伏し、上様と分かった上で斬りかかってきた悪徳家臣たちを峰打ちで倒し、北町奉行所のお白砂では金さんが桜吹雪で悪者を黙らせる。

これらに共通してるのは、どのヒーローも普段は身分を隠してて、ナントカ問屋のご隠居だったり、貧乏旗本の三男坊だったり、気のいい町人だったりに扮してるってことだ。そして、最後の最後にホントの身分を明かして悪者をやっつけちゃうから、毎度おんなじストーリーでおんなじセリフでも、飽きるどころか、そのシーンを観てスカッとしたいがために、それまでの悪者たちのやりたい放題をガマンして観てるってワケだ。

いや、「ガマンして観てる」ってよりも、黄門様のことをよもや「先の副将軍、水戸光圀公」だとはミジンも思ってない悪者どもが、天下の黄門様に向かって「この田舎ジジイ!」とかって罵ったりするたびに、「あとで吠え面かくなよ!」なんて思ってワクワクして観てるのが本音だ。だから、ラスト5分で印籠パワーが炸裂して、「こちらにおわすお方をどなたと心得る!畏れ多くも先の副将軍、水戸光圀公にあらせられるぞ!」「一同の者、頭が高い!控えおろう!」ってとこで、全国のお茶の間のおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に、あたしの気分もスカッとしちゃう今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、去年の3月11日以来、来る日も来る日も腹の立つことばかりが目白押しで、特に国民をナイガシロにし続ける政府のデタラメぶりにはガマンの限界だ。これほどの大震災が起こったのに消費税を増税。これほどの原発事故が起きたのに原発を止めないどころか他国へ輸出。挙句の果てには国民の最後の財産である郵貯と簡保の350兆円をアメリカ様へ上納してやるためのTPP参加。これじゃあ自民党政権と何も変わらない。

結局のところ、「政権交代しても何も変わらない」ってことを教えてくれたのが、鳩山さんと菅さんと野田さんだったワケだ。たとえば、福島第一原発の事故の問題ひとつを見ても、自民党政権下で自民党の総裁が総理大臣をやってようが、民主党政権になって民主党の代表が総理大臣になろうが、総理大臣という「バカ殿」と、東京電力という「越後屋」と、経産省の官僚という「悪代官」が結託して、原発利権に寄生してるほんの一部の権力者たちを潤すために、国民を無視した悪政三昧で国民を苦しめ続けるっていう構図は何ひとつ変わらない。まんま、時代劇の世界と一緒だ。

だけど、時代劇の世界と唯一違うのが、現代社会には黄門様も暴れん坊将軍も遠山の金さんも存在しないってことだ。時代劇なら、ラスト5分前に黄門様が印籠を出して、バカ殿と越後屋と悪代官を一網打尽にしてくれるとこだけど、現代社会には黄門様がいないんだから、悪党どもはやりたい放題ってワケだ。だから、あたしたち国民にできることは、腐りきった政府なんかには何も期待せずに、自分の命は自分で守るしかないってことだ。それで、あたしは、母さんと自分の命を守るために、こんな全国指名手配の犯人みたいな生活を続けてるワケだけど、被災者のことも疎開者のことも無視してやりたい放題の野田政権にはムカつきっぱなしだから、どっかでストレスを発散しないと精神衛生上よろしくない。

で、こんな時こそ、テレビで「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」や「遠山の金さん」でも観ればスカッとするんだけど、あいにく、あたしはテレビを持ってない。いや、テレビは31インチの立派なのを持ってるんだけど、去年の7月に地デジに強制移行されて何も映らなくなった。一応、ケータイがワンセグだからテレビは観られるんだけど、ケータイのちっちゃな画面で時代劇を観たってスカッとしないから、ここ数ヶ月、あたしは、ほとんどテレビは観てない。ふだんはノートPCのradikoでラジオを聴いてるし、観たいアニメや「ロケみつ」はネットで観てるけど。

あたしのノートPCは、内蔵スピーカーがヘボくて音が酷かったんだけど、去年のお誕生日に「自分へのベホイミ」として、バッファローの小型スピーカーを買った。定価3000円くらいのが6割引きで1200円くらいになってたやつで、大きさは1個がタバコの箱の半分くらいなんだけど、信じられないほど音がいい。だから、それ以来、ラジオやアニメだけじゃなくて、YOU TUBEで音楽を聴くことも多くなった。


‥‥そんなワケで、テレビのない我が家では、今はこのノートPCがテレビ代わりみたいな感じになってる。いつもコタツの上に置いてあって、母さんと食事をする時はラジオを流してるし、たまには一緒にアニメを観ることもあるし、GyaOで映画を観ることもある。GyaOは、毎年、年末年始になるとたくさんの映画が更新されるし、アニメも一度に全話を配信してくれるので、テレビが映ってた時もよく利用してたけど、テレビが映らなくなった今はGyaOサマサマだ。今年のお正月は、母さんと一緒に「夏目友人帳」と「続 夏目友人帳」をぜんぶ観た。

で、日曜日の深夜、母さんが寝たあとに、あたしは1人でコタツで焼酎のお湯割りを飲んでたんだけど、ラジオがほとんど「休止」になっちゃったから、何か面白そうな映画でもやってないかとGyaOにアクセスしてみたら、懐かしい映画や音楽やスポーツやアニメなんかを配信してる「昭和TV」ってとこで「水戸黄門」を発見しちゃった。これは、テレビのシリーズじゃなくて、1960年の映画だった。1時間30分ほどなので、お酒を飲みながら観るのにちょうどいい。それで、あたしは、久しぶりにスカッとした気分になりたくて、この「水戸黄門」を観ることにした。

黄門様は月形龍之介、他には、片岡千恵蔵、市川右太右衛門、中村錦之助、大友柳太朗、大川橋蔵、東千代之介‥‥って、役者の名前がすでに江戸時代フレーバー全開だから、これは本格的だ。あたしは、晩ごはんのおかずの残り、薩摩揚げと大根とインゲンの煮物を温めなおして、焼酎のお湯割りに新しい梅干を入れて、深夜の映画鑑賞タイムをスタートさせた。やっぱり、本格的な時代劇は味わい深くて、ついついお酒が進んじゃう。

流れとしてはテレビの「水戸黄門」とおんなじで、黄門様は身分を隠してるから、町人や浪人たちは、まさか「天下の副将軍様」だとは知らずに、なれなれしくしちゃう。威勢のいい火消しの親分に至っては、黄門様のことをひっぱだいちゃう始末。で、1時間くらいが過ぎたあたりから、あたしは「そろそろかな?」って思ってワクワクしてきた。そう、「この印籠が目に入らぬかあ!」「はは~!」っていう、一番のミドコロだ。

だけど、1時間10分を過ぎても、1時間20分を過ぎても印籠が出てこないどころか、印籠 を出す前に、すでに悪者たちには「水戸光圀公」だってことがバレちゃってる。それで、あたしは、不安を感じつつも観続けてたら、結局、一度も印籠を出さずに、「こちらにおわすお方をどなたと心得る!畏れ多くも先の副将軍、水戸光圀公にあらせられるぞ!」も「一同の者、頭が高い!控えおろう!」もなく、居酒屋で町人たちと楽しそうに歌を歌いながらのハッピーエンドって、おいおいおいおいおーーーーい!!


‥‥そんなワケで、映画としてはそれなりに楽しめたけど、あたしとしては、ずっと黄門様だとは知らずに無礼の数々を繰り広げてた悪者どもが、印籠を見た瞬間にフリーズして、「はは~!」ってひれ伏すシーンこそが観たかったのに‥‥。つーか、あのシーンがない「水戸黄門」なんて、「昭和TV」的に言えば「クリープを入れないコーヒー」みたいな、「気の抜けた三ツ矢サイダー」みたいな、今どきの言い方をすれば「せっかく政権交代をしたのに自民党と何ひとつ変わらない民主党」みたいな‥‥。

さらに言えば、ぜんぜん暴れない「暴れん坊将軍」って言うか、最後まで桜吹雪を見せない「遠山の金さん」って言うか、とにかく、あたしは、「一度も印籠を出さない水戸黄門」ていう、ある意味、新鮮な感覚の時代劇を観ちゃったワケで、スカッとするどころか、逆にモヤモヤとして眠れなくなっちゃったよ、まったく!だって、テレビの「水戸黄門」が好きな人が100人いたとしたら、たぶん、95人は印籠を出すシーンを一番の楽しみにしてると思うからだ。ちなみに、残りの5人は由美かおるの入浴シーンを一番の楽しみにしてると思う。

でも、この、煮え切らないようなイライラする不思議な「水戸黄門」の感覚、どっかで体験したような気がしたので、お布団に入ってから記憶の糸を辿ってみたら、やっと思い出すことができた。それは、パチンコの「水戸黄門」だった。パチンコの「水戸黄門」には、黄門様たちデフォルメした「黄門ちゃま」っていう機種と、絵は漫画だけどいろいろと凝った演出が満載で、東野英治郎扮する初代の黄門様が実写で登場する「水戸黄門」があるんだけど、あたしが言ってるのは後者のほうだ。

テレビの「水戸黄門」なら、どんな場所でどんな悪者が出てきてどんな展開になろうとも、必ず最後には印籠を出して、悪者たちが「はは~!」ってひれ伏して、黄門様が「カッカッカッカッカッ!」って笑って、助けられた人たちが黄門様御一行に深々とお辞儀をして、オナジミのナレーションとともに旅立ってくっていう予定調和の様式美がある。だから、たとえ黄門様が悪者たちに捕まって縛り上げられても、無実の罪で牢屋に入れられても、全国のおじいちゃんもおばあちゃんもあたしも、安心して観てられるのだ。

だけど、これがパチンコの「水戸黄門」になると、激アツの予告から画面上部の「水戸黄門」の文字がフラッシュして、印籠をかたどった数字が揃いそうで揃わないっていう疑似連が4回も連続して、画面の右側の三色団子を持ったうっかり八兵衛の役物が光って動き出し、画面では食事処に飛び込んだ八兵衛の前に山盛りのお団子が出て、八兵衛がそれをたいらげると画面上部の印籠が振動しながらフラッシュして、画面では豪華な絵柄のフスマが開いて女性が泣いてて、それを助けるために黄門様たちが悪代官の屋敷へ向かい、助さんと格さんが手下どもをやっつけて、ここで東野英治郎扮する実写の黄門様の顔がカットインして、悪代官の上に「ひかえおろう!」の文字が出るんだけど、ここで悪代官が反撃してきて、黄門様たちのほうがやられそうになって、もうダメかと思った瞬間、今度は伊吹吾郎扮する実写の格さんが印籠を持って「こちらにおわすお方をどなたと心得る!」って言って、画面上部の「水戸黄門」の文字と印籠が激しく振動しながら連続フラッシュして、ここから手元のプッシュボタンを連打する長いせめぎ合いがあって、何割かの確率で勝つことができれば、画面の下に出てきた悪者たちの役物が「はは~!」ってひれ伏して、画面の真ん中に東野英治郎扮する黄門様、向かって右手に伊吹吾郎扮する格さん、左手にあおい輝彦扮する助さんが並んだ実写に切り替わり、黄門様が「カッカッカッカッカッ!」って笑ったあとに、シャキーン!って数字が揃って大当たりになるんだけど、もちろん、ハズレることのほうが多い。

つまり、パチンコの「水戸黄門」を打ってると、10回も20回も悪者が出てきても、ほとんどはやられちゃうワケで、そのうちの大半は、印籠を出す前にやられちゃうのだ。そして、20回に1回くらい、リーチが最後のほうまで発展するんだけど、最後まで発展して何とか印籠を出すとこまで行ったとしても、ここでやられちゃうことも多い。つまり、印籠を出したのに通用しないってワケで、これは実際のテレビの「水戸黄門」じゃアリエナイザーだろう。

「水戸黄門」なのに、印籠を出す前にやられちゃう。「水戸黄門」なのに、印籠を出してもやられちゃう。これが、あたしがGyaOの「昭和TV」で、最後まで印籠を出さない「水戸黄門」を観て、モヤモヤした気分になりつつも、どっかで体験したことがあるような気がした原因だったってワケだ。


‥‥そんなワケで、さっきのパチンコのクダリを読んで、「えっ?」って思った人は、本物の「水戸黄門」のファンだろう。あたしは「画面の真ん中に東野英治郎扮する黄門様、向かって右手に伊吹吾郎扮する格さん、左手にあおい輝彦扮する助さんが並んだ実写に切り替わり」って書いたけど、これこそが、このパチンコに隠されたマニアックなポイントなのだ。

東野英治郎は初代の黄門様で、この時の助さんは、最初は杉良太郎で途中から里見浩太朗に代わる。格さんのほうは、最初は横内正で途中から大和田伸也に代わる。つまり、東野英治郎が黄門様をやってるシリーズでは、助さんと格さんはこの4人しかいないのだ。そして、二代目の西村晃の黄門様になると、助さんと格さんは里見浩太朗と伊吹吾郎のコンビになり、三代目の佐野浅夫の黄門様になって、ようやく助さんと格さんがあおい輝彦と伊吹吾郎のコンビになる。

つまり、このパチンコの三人組は、初代の黄門様と三代目の助さんと格さんとを映像処理して合体ロボさせた架空のものなのだ。著作権とか肖像権とかの問題で、里見浩太朗サイドの許可が下りなかったとか、たぶん、そんなことなんだと思うけど、「水戸黄門」シリーズのディープなファンなら、テレビじゃ絶対に観られない組み合わせの三人組が観られるんだから、パチンコも捨てたもんじゃないと思う。

パチンコの「エヴァンゲリオン」にしても、テレビアニメや劇場版には出てこない、パチンコのために描き下ろされたアニメや未公開映像が満載だから、ファンにはたまらないと思う。1月10日にホールに導入されたばかりの7作目「ヱヴァンゲリヲン7」なんて、まだ劇場版にも登場してないエヴァの「Mark.06」にカヲル君が乗って、これまた見たことのない「第10使徒」と戦うリーチが話題になってるから、興味のある人はこちらをどうぞ♪


‥‥そんなワケで、映画の「水戸黄門」はスカッとしなかったけど、もともとが国民を無視して官僚の言いなりにしか動かない野田政権のテイタラクぶりが元凶なんだから、一番スカッとするのは、次の選挙で野田内閣の閣僚を1人残らず落選させてやることだと思う。だからって、自民党なんかが台頭したら元のモクアミになっちゃうから、ここはひとつ、ハッキリと「脱原発」を掲げてる社民党と共産党に投票を集中させて、国民を苦しめ続けるバカ殿と越後屋と悪代官には退場してもらおうと思ってる今日この頃なのだ。


★ 今日も最後まで読んでくれてありがとう!
★ よかったら応援のクリックをポチッとお願いしま~す♪
  ↓


|

2012.01.04

一年の計は金杯にあり?

おとといの日記に、明日5日の「中山金杯」はネコパンチ‥‥って書いたけど、ネコパンチは「中山金杯」には出走できず、代わりに京都10R「万葉ステークス」に出走することになった。さらには、あたしが楽しみにしてたレーヴディソールも、後脚の不安で「京都金杯」を回避した。つまり、「中山金杯」も「京都金杯」も、あたしがメインにしようと思ってた馬が出走しなくなったってワケだ。

でも、これは、壮大なドラマの幕開けチックなフレーバーが漂ってきた。だって、もしも「京都金杯」にレーヴディソールで出てたとしたら、サダムパテックとの2強ってワケで、あたしの買う馬券の配当は大したことないからだ。だけど、レーヴディソールが「京都金杯」を回避した上に、「中山金杯」に登録してたネコパンチが「京都金杯」の前の10R「万葉ステークス」に出ることになった。

ここには、重要なポイントがある。それは、ネコパンチが出る「万葉ステークス」の前の9Rが、ナナナナナント!「初夢ステークス」っていうレースなのだ!

つまり、「初夢で猫パンチを食らったきっこ」って言う流れが、「初夢ステークス」→「ネコパンチが出る万葉ステークス」→「京都金杯」に対応してるってワケだ。「京都」の「き」も「金杯」の「き」も「きっこ」の「き」ってワケで、レーヴディソールが回避したことによって、テキトーな語呂合わせで買った馬券が大穴的中!‥‥っていうタナボタ作戦な今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、「京都金杯」に出る馬の中で、あたしが一番好きなのは、15番のシルポート、次が16番のアスカトップレディと5番のアスカクリチャンだ。だから、この3連複も100円買うけど、語呂合わせを重視すると、アスカトップレディとアスカクリチャン、この2頭の「アスカ」と3番のマヤノライジンの「マヤ」を合わせた「エヴァンゲリオン3連複」も狙い目になってくる。そして、2番のヤマカツハクリュウと9番のショウリュウムーンの「辰年馬単」も狙い目だ。さらには、今年は「マヤ暦最後の年」だから、マヤノライジンから他の馬へのコジツケも考えられる。

一方、「中山金杯」のほうは、ネコパンチが出られなくなったんだから、こっちもコジツケまくるしかない。辰年からのコジツケは、最初は10番のイケドラゴンしか見つからなかったけど、よく見たら隣りの11番がダイワファルコンだった。ファルコンと言えば映画「ネバーエンディングストーリー」に登場する犬みたいな顔をした白い竜だ。だから、この2頭が「辰年馬単」になる。

あとは、ネコパンチが出られなくなった代わりに、4番のネオヴァンドーム、7番のネヴァブション、15番のネオサクセス、この3頭の「ネ」で始まる名前の馬と、「コ」で始まる6番のコスモファントムを組み合わせた「ネコ馬単」もある。他にも、1着が8番のエーシンジーラインか13番のエクスペディション、2着が6番のコスモファントム、3着が1番のダンスインザモアっていう「江古田3連単」もあるし、いろんな語呂合わせが楽しめる。


‥‥そんなワケで、どっちの「金杯」もハンデ戦なので、強い馬が勝つとは限らないし、逆に、弱い馬にも勝つチャンスはある。だから、ちゃんと考えて買っても、テキトーな語呂合わせで買っても、当たる時は当たるってワケで、テキトーな語呂合わせで買っとけば、ものすごい配当になる可能性が高い。ま、1年の最初の「金杯」なんだから、今年のギャンブル運を占ってみるつもりで、あたしはテキトーな語呂合わせで買ってみようと思ってる今日この頃なのだ♪


★ 今日も最後まで読んでくれてありがとう!
★ よかったら応援のクリックをポチッとお願いしま~す♪
  ↓


|

2012.01.02

初夢からの~マンボNO.5!

「初夢」ってのは、大晦日から元日にかけて見る夢のことじゃなくて、元日の夜から2日の朝にかけて見る夢のことだ。だから、昔の人は、元日の夜、枕の下に「七福神が乗った宝船」の絵を入れて寝たりして、ちょっとでも「いい夢」を見られるように工夫してた。で、どんな夢がいいのかと言えば、これまた昔から「一富士、二鷹、三茄子」って言われてるけど、富士山はともかくとして、鷹や茄子の夢なんて、そうそうは見られない。だいたいからして、鷹なんて、鷹匠をやってる人とか、鷹のことが好きで好きで仕方ないマニアの人とかなら見分けもつくだろうけど、あたしみたいな一般人は、鷹と鷲(わし)と鳶(とんび)の区別がつかない。

フランク・ザッパに言っちゃえば、一番大きいのが鷲で、一番小さいのが鳶で、その中間の大きさなのが鷹なんだけど、これだって三種類の鳥が並んでなきゃ比較できない。それっぽい鳥が一羽だけ飛んでたら、それを鷹だって断言できるだけの自信がない。あたしの薄い知識でイメージすれば、いかにも「ワシが鷲だ!」って感じで大きな翼を広げて悠々と飛んでるのが鷲で、時代劇で隠密とか忍者とかが指笛を吹く飛んでくるのが鷹で、空の高いとこをグルグルと回ってるのが鳶なんだけど、このうちのどれか一羽だけを鳥かごに入れて見せられたら、やっぱ、鷲なんだか鷹なんだか鳶なんだか自信がない。

何しろ、鳥類的に言えば、鷲も鷹も鳶も「タカ目タカ科」の鳥なのだ。ザックリと言えば、「タカ目タカ科」の鳥の中で、大型のものを「ワシ」、小型のものを「トビ(トンビ)」、それ以外のものを「タカ」って呼んでる。だから、広い意味で言えば、鷲も鷹も鳶も「タカ」ってことになる。主に大きさによる区別だから、一番立派なのが鷲ってワケで、現役時代の具志堅用高さんのニックネームだった「カンムリワシ」なんて、冠をかぶってる、つまり、王様ってワケで、トノサマガエルや女王蜂にも匹敵する立派なネーミングだ。一方、鷹の中で有名な「ハゲタカ」は、名前もかっこ悪いしイメージも悪い。よく分かんないけど、M&Aとかでヨソの企業を乗っ取り続ける守銭奴企業なんかを「ハゲタカ」って呼ぶこともある。

だから、富士山の上をハゲタカが茄子をくわえて飛んでる夢を見るよりは、名前に「タカ」は付かなくなっちゃうけど、阿蘇山の上をカンムリワシがキュウリをくわえて飛んでる夢を見たほうがイメージはいいかもしんない。だけど、国民を騙して増税路線まっしぐら、TPP路線まっしぐらの野田政権としては、富士山の上を鴨がネギ背負ってアメリカ方面に向かって飛んでるようなもんで、このまま野田ちゃんの初夢通りにさせといたら、ニポンの郵貯と簡保の300兆円は完全にアメリカのハゲタカどもに食い尽くされちゃうと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、富士山の夢も、鷹の夢も、茄子の夢も見なかったワケだけど、代わりに、ナニゲにお正月らしい雰囲気の初夢を見た‥‥とは言っても、元日の夜にちゃんとお布団で寝た時に見たワケじゃなくて、元日の夕方に酔ってコタツで寝ちゃった時に短い夢を見て、母さんに「コタツで寝ると風邪ひくわよ」って起こされた。で、それから起きて、晩ごはんを食べたり、お風呂に入ったり、母さんとパソコンで「ちはやふる」を観たり、母さんが寝てからはツイッターをしたりして、それからお布団で寝て、別の夢も見た。

だから、ちゃんと寝てから見たほうの夢が初夢なのかな?‥‥とも思ったんだけど、やっぱ、「初」って文字が付いてるんだから、コタツで寝ちゃった時に見た短い夢のほうを初夢とすべきなんじゃないかって結論に達した。これは、「先に見たから」ってことだけじゃなくて、コタツで見た短い夢が、初めて見るバージョンでちょっとお正月っぽかったのに対して、お布団で見た夢は、今までに何度も見たことのあるオナジミの夢だったからだ。

で、コタツで見た「暫定的初夢」がどんな内容だったのかって言うと、子どもが乗る足漕ぎ式のちっちゃい自動車にあたしが乗ってるんだけど、いつものように子どものころの自分には戻ってなくて、大人のままのあたしが、子どもの自動車に乗ってた。大人だから、たぶん座席に座ることもできないと思うんだけど、そこは夢の中だから、大人のあたしが子ども用の赤い自動車に乗って、キコキコキコキコと足で漕いで、見覚えのある住宅街の道を人の歩く速さよりも遅く進んでる。

しばらく進んでいくと、道の右手にずっと続いてたブロック塀が途切れて門になってて、向かって右側の門柱の上に猫がいた。猫は、白地に薄茶色のブチのある三毛猫風味の柄で、見るからに招き猫っぽく座り、右手であたしのことを招いてた。あたしは子ども用の自動車から降りて、「どうしたの?」って言いながら近づいてった。普通なら、ブロック塀はあたしの背丈よりも高いし、門柱はその塀よりも高いんだから、門柱の上に猫がいたら、あたしは猫を見上げるような形になる。だけど、この家のブロック塀は、あたしの胸くらいの高さしかなくて、苔むした庭や古くて立派な日本家屋が丸見えだった。そして、門柱の高さもあたしの肩くらいだったから、猫はちょうどあたしの顔の高さだった。

あたしは、招き続ける猫に魔法をかけられたみたいな気持ちになって、ゆっくりと猫のほうへ近づいていき、もう一度、今度は小さな声で「どうしたの?」って言いながら顔を近づけた瞬間、それまであたしを招いてた猫の手が、あたしの顔に猫パンチ!あたしのことを招いておいて、あたしの顔が射程距離に入ったとたんに猫パンチ!今どきの言い方をすれば、招き猫、からの~猫パンチ!


‥‥そんなワケで、猫パンチは痛くない。子猫の場合は爪が細く尖ってて皮膚に引っかかる場合もあるから要注意だけど、大人の猫の場合は爪が引っかかることもマレなので痛くない。あたしは、左目の上に猫パンチを食らったけど、驚いただけで痛くはなかった。それよりも、「人のことを招いておいての猫パンチ」っていう、あまりにもあたしのことを小バカにしたみたいな猫の行動がおかしくて、可愛くて、夢の中なのにププッと噴き出しちゃった。

そしたら、「猫が招いて、あたしの顔が近づいて、猫パンチが炸裂して、あたしがビックリして後ろに飛びのく」っていう一連の流れの映像が、「マンボNO.5」に乗って、巻き戻されたり再生されたり巻き戻されたり再生されたり‥‥ってのが始まった。そう、昔の「元祖どっきりカメラ」のブーブークッションのアレだ。サスガに、ヘルメットをかぶってプラカードを持った野呂圭介さんは登場しなかったけど、あたしは、自分のことなのに爆笑しちゃった。

で、夢の中でゲラゲラと笑ってたら、母さんに「コタツで寝ると風邪ひくわよ」って起こされたワケだけど、寝ボケた頭で思ったのは「新年早々、招き猫の夢なんて縁起がいいかも?」ってことだった。そして、頭がハッキリしてから気づいたのが、1月5日の競馬、「金杯」のことだった。「金杯」は、東の「中山金杯」と西の「京都金杯」が開催されるんだけど、あたしは、大好きなレーヴディソールが登録してる「京都金杯」のほうに注目してた。「中山金杯」のほうは、「今年は辰年だからイケドラゴンかな?」なんて軽く考えてた。

だけど、せっかくヘンテコな初夢を見たんだから、今のうちからシッカリとチェキしとこうと思って、コタツの上でノートPCを起動させて、「中山金杯」と「京都金杯」の登録馬をきちんと見てみた。そしたら、ナナナナナント!「中山金杯」に、この馬の名前があったのだ!


「ネコパンチ」


‥‥そんなワケで、この日記を書いてる2日の時点では、まだ出走馬も枠順も決まってないけど、もしも、ネコパンチが出走することになったら、今度こそ、初夢パワーで勝ってくれそうな気がする。あたしの夢に出てきた猫は、右手で猫パンチを繰り出したけど、「右」ってのは地図で見れば「東」ってことになる。東の「中山金杯」にネコパンチが出走すれば、これこそが、久しぶりの「夢のお告げ」なんじゃないだろうか?「金杯」は、東西ともにハンデ戦だから、強い馬には重たいハンデが課せられる。つまり、すべての馬の勝機が平等ってワケで、配当も極端には偏らないから、3連単まで狙わなくても、ネコパンチからの馬単でも美味しいお年玉のチャンスがある‥‥ってなワケで、3日後が楽しみな今日この頃なのだ♪


★ 今日も最後まで読んでくれてありがとう!
★ よかったら応援のクリックをポチッとお願いしま~す♪
  ↓


|

2012.01.01

明けましておめでとうございます。

皆さん、明けましておめでとうございます。

今年は「おめでとう」という言葉を使わないほうが良いのでは?‥‥と朝まで悩んだのですが、新年の挨拶は挨拶なので、いつものように「♪」を使ったり「ございまっくす」とふざけたりすることだけをやめて、厳かな気持ちで挨拶させていただくことにしました。

恒例の「歳旦三つ物」です。


  「歳旦三つ物」

 太箸や金太郎はた平太郎

 屠蘇は獺祭はた山頭火

 母子草そろひの下駄をひつかけて

 きっこ


俳句は、本来は説明しないものなのですが、今回の「歳旦三つ物」は特定の地域の人にしか分からない言葉が多いので、言葉の意味だけ説明させていただきます。

「金太郎」 アマダイを小さくしたような「ヒメジ」というお魚の地方名。
「平太郎」 銀色で平たい「ヒイラギ」というお魚の地方名。
「獺祭(だっさい)」「山頭火」 両方とも地酒の名前。


それでは皆さん、今年も「きっこのブログ」をよろしくお願いいたします。

|

« 2011年12月 | トップページ | 2012年2月 »