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2012.02.26

8年目のナナコ

おととい、何とか引っ越しが完了した‥‥って言っても、最後に残ってた大物の家電や家具はそんなに多くなかったので、乗用車サイズのライトエースのトラックで2回で運ぶことができた。朝9時から始めたんだけど、お昼前にはぜんぶ運び終わり、手伝ってくれたお兄さんにお礼を渡して、引っ越しそばの代わりに五島列島のうどんを茹でて食べてから、用意しといた「招き猫の手ぬぐい」を持って母さんと一緒に隣り近所に挨拶まわりして、午後にはぜんぶ完了した。あとは、隣りの部屋に山積みになってるダンボールの整理があるんだけど、とりあえず寝る場所と食事する場所だけは作ったから、残りのことは少しずつやってこうと思う。

今回、東京でもそうとう荷物を減らしたし、しばらくお世話になってた農家にいる時も荷物を減らしたし、おとといまで半年間いた家でも荷物を減らしたので、最終的にはダンボールの数は40個くらいになった。このうち、夏物の洋服とか本など、すぐには必用ないものが20個くらいで、これは前もって軽トラで運んでおいた。今回の20個は、現在使用中の身のまわりのものをどんどん箱詰めしたものだから、この20個だけは数日のうちに整理するけど、あとの20個はのんびりと片づけるつもりだ。

特に、本に関しては、もともとあんまり溜め込まないようにしてたワリには、なんだかんだで結構ある。東京でもずいぶん処分して、「これだけは絶対に手放したくない!」っていう大切な大切な本だけを厳選したのに、それでもダンボール4箱になった。母さんも同じくらいなので、つまりは、すぐに必用ない20個くらいのダンボールのうち、半分近くは本てことになる。だから、すぐに必要ないクセに、すぐに必要な日用品の入った段ボールよりも遥かに重たいワケで、どうも納得が行かない。それに、これをぜんぶ本棚に並べたとこで、何ヶ月後か何年後か分からないけど、次にどこかに引っ越す時に、またおんなじようにダンボールに仕舞う時まで、きっと一度も読まない本も何冊かあるワケで、これって、ものすごく無駄な労力みたいな気がする今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、「お金がない」ってことと「本を溜め込みたくない」っていう2点の理由から、メッタに本を買わない。本は大好きだけど、ほとんど買うことはない。東京にいた時は、読みたい本は図書館で借りてきて読んでたし、図書館にない本はリクエストして入荷してもらい、それを借りて読んでた。だけど、どんなに気をつけてても、本はどうしても増えてく。何でかって言うと、図書館で借りてきて読んだ本でも、ものすごく気に入って何度も読みたくなったり、その本のことが好きになりすぎて、どうしても手元に置いておきたくなっちゃった時とかに、結局は買っちゃうからだ。

だけど、あたしは、そんな場合でも、「お金がない」ってことと「本を溜め込みたくない」っていう2点の理由から、アマゾンでユーズド品の文庫本を探すか、BOOK OFFの105円コーナーで文庫本を買う。文庫本になってない本や、105円になってない本は、200円とか300円とかのなるたけ安いハードカバーを探す。でも、刊行されたばかりで、安いユーズド品が出るまで待てないほど、文庫本になるまで待てないほど欲しい本に関しては、キヨミズの舞台からバンジージャンプしたつもりで、新品のハードカバーを買っちゃうこともある。盆と正月くらいだけど。

だから、あたしは、こんなにも本が好きって言ってるのに、作家さんにしてみたら「迷惑な人」なワケで、その作家さんたちの印税にはほとんど貢献してない。あたしの大好きな川上弘美さんや角田光代さんの作品にしても、ほぼすべてを読んでるのに、新刊が出た時に新品のハードカバーを買ったことは一度くらいしかない。たいていは、新刊が出るって情報が入ったら、真っ先に図書館に電話して、貸出の予約を入れとく。既刊であれば在庫を調べてもらい、無ければリクエストして入荷してもらう。作家さんたちには、ホントに申し訳ないと思ってるんだけど、貧乏だから仕方がない。

そして、図書館で借りてきて読んで、あまりにも感動して、「この本は絶対に何度も読み返したくなるだろうな」って感じた作品は、文庫本になるまで待って、それがユーズド品になるまで待って、安く手に入れてる。だから、あたしのダンボールの中の本は、半分くらいは文庫本だ。文庫本の何よりの利点は、やっぱりコンパクトなとこで、どこに行くにもバッグの中にポンと入れて行ける。それに、小さくて軽いから、仰向けに寝ながら読んでも、お風呂の中で読んでも、それほど腕が疲れたりしない。でも、ハードカバーの魅力である装丁や紙質やレイアウトや印刷された文字の感触はすべて省略されちゃってるから、そこんとこだけはリトル寂しい。


‥‥そんなワケで、あたしは、川上弘美さんや角田光代さんの作品が大好きなんだけど、角田光代さんなら、一番好きなのが『対岸の彼女』で、二番目が『空中庭園』だ。他にも好きな作品はいっぱいあるけど、この二作はあたしの琴線に触れまくりで、特に『対岸の彼女』に関しては、7~8年前に図書館で借りてきて読んだ時から、言葉では表現できないほどシビレまくってる。何度も何度も図書館で借りてきて、何度も何度も読んでるうちに、BOOK OFFの105円コーナーに文庫本が並ぶようになったから、2冊並んでたうちのキレイなほうを買った。

8年も前に出た本だし、直木賞も受賞したすごく有名な作品だから、ネタバレとかってあんまり気にする必要もないのかもしれないけど、万が一、これから読む人もいるかもしれないので、ここではストーリーについては触れないようにするけど、これは、楢橋葵っていう女性の物語だ。30代になった現在の葵のことと、高校時代の葵のこととが、1章ずつ交互に書かれてあるんだけど、高校時代の一時期をともに過ごした野口魚子(ナナコ)って子が、葵の対岸にいる彼女なのだ。

葵の肩くらいまでしかない背丈、ショートカットで小学生の男の子のような顔立ち、初対面なのに馴れ馴れしく話しかけてくるナナコ。そんなナナコと、複雑な心の傷を持った葵とのひと夏のストーリー。もしもこの本に、高校生の時に出会っていたら、あたしはどんなに救われただろうか。でも、この本は、あたしが30歳を過ぎてから刊行された作品だから、そんなことは物理的に無理な話だ。だから、今、中学生や高校生の女の子たちが羨ましい。こんなに素晴らしい作品を葵やナナコとおんなじ年齢で味わうことができるのだから。それでも、あたしは、ナナコのことが愛おしくて、切なくて、可愛くて、いじらしくて、読むたびに何度も号泣してしまう‥‥ってワケで、あたしは、この『対岸の彼女』が大好きなんだけど、こないだの日曜日、久しぶりの贅沢で母さんと回転寿司を食べに行った帰り、BOOK OFFに寄ったら、『対岸の彼女』のハードカバーが105円コーナーにあった。

文庫本は持ってるから買うつもりはなかったんだけど、図書館で借りるたびに「いいなあ」って思って眺めてた水色の装丁が懐かしくて、手に取ってしばらく表紙や裏表紙を眺めてた。水色と白を基調にしたラフなグラデーションぽい絵で、よく見ると手前と遠くにほんのりと薄い緑色も混じってて、川岸の感じになってる。遠くに見えるちっちゃな2人は、もちろん、葵とナナコだ。ここは、ナナコのとっておきの秘密の隠れ家、渡良瀬川の河原だ。

表紙の絵を眺めてたあたしは、ふと思い出して、裏表紙をめくってみた。このめくったとこにも、ちっちゃい葵とナナコが描かれてることを思い出したからだ。この絵を見てるだけで、活字でしか知らないはずのナナコのことが生き生きと浮かんできて、あたしの頭の中で作られたナナコ像が動き出した。愛おしくて、切なくて、可愛くて、いじらしくて、抱きしめてあげたいナナコ。そう思ったら、文庫本は持ってるのに、この本を手元に置いておきたい衝動に駆られた。それで、あたしは、すでに選んでた2冊の文庫本と一緒に、この本も買うことにした。だから、こないだの日記に、「母さんが5冊、あたしが3冊、文庫本を買った」って書いたけど、あれはわざわざ説明するのがメンドクサイヤ人だったからで、ホントは「文庫本を2冊とハードカバーを1冊」だったのだ。


‥‥そんなワケで、引っ越しも無事に終わり、今度の家のお風呂は前の家よりも湯舟が広いから、あたしは、久しぶりにお風呂で本を読もうと思ったんだけど、そのためにダンボールを開けて本を探すのも大変だ。それで、日曜日に買ってきた文庫本でも読もうかと思ったのもトコノマ、一緒に重ねてあった『対岸の彼女』の水色の装丁が目に入ったら、どうしてもまた読みたくなっちゃった‥‥って言うか、ナナコに会いたくなっちゃった。それで、『対岸の彼女』をお風呂で読もうと思い、大切な表紙の絵を濡らさないようにペロリと外した。

そしたら、ナナナナナナコ!‥‥じゃなくて、ナナナナナント! 初めて見る絵が現われた! 普通、こうしたハードカバーの本て、表紙に絵が描いてあれば、ペロリとめくった本そのものの表紙にもおんなじ絵が描いてあるか、おんなじ絵が白黒で描いてあるか、もしくは、シンプルにタイトルと作者名だけが書いてあるか、このうちのどれかだと思うんだけど、この『対岸の彼女』には、まったく別の絵が描いてあったのだ!

カバーの水色の絵の下描きみたいな感じの、ものすごくラフな線画で、渡良瀬川と思われる風景が描かれてて、真ん中に2人の女性の後ろ姿がある。もちろん、これは葵とナナコなんだろうけど、カバーの水色の絵や、裏表紙をめくったとこに描かれてるのみたいに、ちっちゃな豆粒みたいな絵じゃなくて、ちゃんとした後ろ姿だ。2人とも、ブラジャーとパンティーだけの下着姿みたいで、もしかするとビキニ姿なのかもしれないけど、よく見ると、地面にはブラウスやスカートが脱ぎ捨てられてる。

それで、あたしは、「これは2人が夏休みに海辺のペンションでアルバイトをした時の姿と、地元の渡良瀬川とをアレンジしたイメージの絵なんじゃないのかな?」って思ったのもイタノマ、さらによく見ると、背の低いナナコと思われる子のほうが、髪をポニーテールにしてた。ナナコはショートカットだから、ポニーテールにはできないはずだ。それで、さらによく見ると、ガリガリのはずのナナコもそれなりに胸があるし、葵も大人びた体のラインをしてた。だから、これは、高校時代じゃなくて、現在の2人なのかもしれないって思った。現在の葵とナナコ、これが何を意味するのかは、読んだ人なら分かるだろう。そう、あまりにも切なくて、何とも言えなくなる、これこそが葵の心象風景なのだ。

8年前、初めて図書館でこの本を借りた時も、そのあと何度も借りた時も、図書館の本はどれもカバーが表紙に透明のシールみたいなので接着してあるから、ペロリとめくってみることができなかった。そして、自分で買ったのは文庫本だったから、あたしは、カバーの下にこんな素敵な絵が隠されてたことに、今の今まで気づかなかった。8年前にこの作品と出会って、あまりにも大好きになって、何度も何度も読み返して、とうとう文庫本を持ってるのにハードカバーまで買ってみたら、こんなに感激する宝物を発見することができたってワケだ。まさに、想定外の驚きだ、装丁だけに(笑)

『対岸の彼女』の装丁の絵を描いたのは、装丁画家の根本有華さん、装丁を担当したのはデザイナーの池田進吾(67)さん。これは67歳って意味じゃなくて、これで「池田進吾ロクナナ」っていうペンネームだ。それで、どんな人なのかググってみたら、こんなインタビュー記事がヒットした。で、この記事を読み進めてくと、「池田さんのデザインの秘密、そして素顔に迫る、5つのキーワードを並べてみよう。」ってとこに、こんな記述があった。


(引用ここから)
「カバーと表紙」

白くてシンプルなカバー。外すと……

ベルベットの表紙が!

--カバーが良くても、外してみたら意外と普通の表紙だったということがよくあります。その点、池田さんの装丁は、カバーを外す時の楽しみがあるので好きです。例えば『カラフル』の単行本はシンプルな黄色いカバーですが、外すと可愛らしいタッチの教室のイラストが表紙になっています。『ショート・トリップ』の単行本は、白いカバーを外すと、なんとベルベットの生地に金色のロケットが飛んでいる! これには驚きました。

池田: カバーと表紙のデザインが同じだったりすると、ちょっとさびしくなったりしますね。僕は、カバーで表現しきれないことを、表紙や別丁扉を使って伝えられれば良いと思っています。でも、書店で本を開いてみる人はいても、カバーを外して表紙を見ている人はそんなにいないかも知れないですね。

--表紙の仕掛けは、買った後、あるいは読んだ後の楽しみですよね。得した気分になります。

池田: そういう驚きがあると、買って良かったと思います。その気持ちを大事にしたいですね。
(引用ここまで)
「突撃インタビュー いまどきクリエイターズ 第3回より引用」
http://renzaburo.jp/nasshy/003/index.html


‥‥そんなワケで、角田光代さんの『対岸の彼女』という作品に大感動したあたしは、根本有華さんの装丁画でさらに感動し、もうこれ以上の感動はないと思ってたのもチョイノマ、8年も経った今日、池田進吾(67)さんの仕掛けによって、また新たな感動を味わうことができた。これこそが、電子書籍にはない「紙の本」の魅力のひとつなのだ‥‥なんて偉そうなことを言ってみつつも、アマゾンやBOOK OFFで安いユーズド品を買ってばかりいる自分の不甲斐なさが申し訳なく思えてくる今日この頃なのだ(笑)


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2012.02.20

一攫千金への道

今、住んでるお家は、「今は誰も使ってなくて、3月に建て直す」っていう空き家を「それまでなら」ってことで貸していただいたものなので、2月いっぱいまでしか住むことができない。それで、しばらく前から引っ越し先を探してたんだけど、地元の人の紹介で、ここから2キロほど先に、おんなじくらいのお家を借りることができた。歩いても行ける距離だし、原チャリなら5分なので、今と変わらない生活が続けられる。先週は1日だけ軽トラを借りてきて、まだダンボールに入ったままの洋服や靴や本やCDを始め、「すぐには使わないもの」をマトメて運んできた。

あとは、冷蔵庫、洗濯機、タンス、食器棚、テーブル、イス、パソコンデスク、石油ストーブ、コタツ、布団などの「大物」と、電子レンジ、パソコン、キッチン用品、食器、お風呂グッズなど「身のまわりの日用品」を運べば、その日から新しいお家で生活できる。こうして文字にすると大変そうだけど、今回、あたしと母さんは自分の持ち物を半分以上は整理した。冷蔵庫はあたしのほうが大きくて新しかったから母さんのを捨ててきたし、洗濯機は逆にあたしのを捨ててきた。他にも、電子レンジや掃除機など、母さんとあたしがそれぞれ持ってたものは、みんな片方を捨てたり売ったりしてきた。

あたしの大型テレビも捨てたし、長年愛用してたマッサージチェアはお友達にあげた。他にも、大量の洋服は半分以上整理した。売れそうなものは「ブランディア」に買ってもらい、「ブランディア」でも値段の付かなかったものはお友達に処分を任せた。自転車はマンションの人にあげたし、原チャリも売ったし、東京のチューニングショップに預けてきた車も、去年の暮れに買い手が見つかったので売った。「断捨離」とまでは行かないけど、できるだけ持ち物を減らして、身軽に動けるようにした今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、今回の引っ越しでさらに荷物を捨てて、できる限り「必要最低限」のものだけにしようと思ってるんだけど、ここに来てからあまりの寒さで、石油ストーブをいただいたりコタツをいただいたりしてて、ナニゲに荷物が増え始めてる。でも、あたし1人ならガマンするけど、母さんと一緒だから暖房器具は必要なワケで、これらは「必要最低限」の中に入るものだから仕方ない。逆に、不必要なテレビは捨てたし、何よりも大量な洋服をそうとう処分したから、全体の量で言えばずいぶん身軽になった。

で、ようやく引っ越し先も決まったし、今度は「いつまでに出てかなきゃいけない」っていう期限もないから、心の底からホッとすることができた。それで、昨日の日曜日は、ホントに久しぶりに贅沢しようと思って、母さんと回転寿司を食べに行った。年末年始に借りてたワゴンRを夜まで半日だけ借りることができたので、母さんと大きな街まで行って、久しぶりに外食することにした。最初は「長崎ちゃんぽん」でも食べようかと思ってたんだけど、今年はお正月にも贅沢をしてなかったので、思い切って回転寿司に行くことにしたってワケだ。

日曜日のお昼どきだったから、お店はすごく混んでて、壁際のイスに座って順番待ちをしてる人が10人以上もいた。でも、20分ほどで座ることができて、母さんとあたしは久しぶりのお寿司を楽しむことができた。地元で獲れた新鮮なイワシやアカイカ、鳥取の境港のアジ、九州のどこだか忘れちゃったけどサバ、長崎のブリ、あとは、これも地元で獲れたノドグロやコチも美味しかった。ただ、絵皿の種類が複雑で、イマイチよく分からなかった。お皿自体の色と蛸唐草(たこからくさ)みたいな模様の色の組み合わせで、150円、200円、300円、400円‥‥てなってるんだけど、消費税がついて「315円」て書いてあったり、「176円」みたいな中途半端な値段のものがあったりで、自分がいくら食べてるのか計算できない。あたしたちが食べた中では、ノドグロの400円が一番高かったみたいだけど、ひとくちでパクッと食べられちゃうお寿司が2貫で400円て、よくよく考えたらスーパーセレブな贅沢品だよね。だって、400円あれば牛丼の大盛りが食べられるからだ。

でも、久しぶりの贅沢なんだから、あんまり値段を気にせずに食べ続けた。そして、母さんもあたしもお腹いっぱいになり、「たぶん5000円くらいは食べたかも?」って思ってビビりながらお会計をしたら、3800円だった。「たぶん2000円くらいかも?」って思ってて3800円だと「高い!」ってなっちゃうけど、「たぶん5000円くらいかも?」って思ってて3800円だと「安い!」ってなっちゃうから不思議なもんだ。それで、思ってたよりも安かったから、帰りにBOOK OFFに寄って、母さんが5冊、あたしが3冊、100円コーナーで文庫本を買った。

‥‥そんなワケで、ここまでは普通の母子の普通の日曜日の風景だけど、ここから先は「きっこ風味」に車線変更しちゃう。そう、日曜日と言えば競馬ってワケで、それも昨日は今年初めてのGⅠ、「フェブラリーステークス」の日だったから、どうしてもメインレースだけは「ラジオNIKKEI」の中継を聴きたかったのだ。最初は、「お昼を食べるだけだから、どんなに遅くても3時くらいまでには帰ってこられるだろう」って思ってて、ノートPCをコタツの上に置いたまま出かけてきた。でも、BOOK OFFに寄って、のんびりと本を選んでたら、知らず知らずのうちに時間が経ってて、ギリギリになっちゃったのだ。

結局、お家に着いたのは3時半、「フェブラリーステークス」の発走の10分前だった。今回、あたしは、前日の土曜日の競馬で、東京10R「ヒヤシンスステークス」のマシュマロちゃんを200円と、東京11R「ダイヤモンドステークス」のネコパンチ君を300円買ってて、両方とも負けちゃったから、すでに2000円の予算が1500円になってた。だから、アレもコレもと手を広げることができなくて、東京と京都の10Rと11R、4レースだけ、それとWIN5しか買えなかった。

だから、あたしが帰ってきた時間には、京都10R、東京10R、京都11Rが終わってた上に、WIN5がどうなったかも9割がた分かってたワケで、あたしとしては一刻も早く結果を知りたい!だけど、そうこうしてるうちに、もう「フェブラリーステークス」のファンファーレが鳴り始めちゃったので、とにかく終わったレースの結果チェックは後回しにして、まずは「フェブラリーステークス」に専念することにした。そしたら、驚くべき結果が待ってたのだ!


「きっこさんのつぶやき」

久しぶりの贅沢、母さんと回転寿司を食べに行ってきた!フェブラリーSにギリギリ間に合った!
2012.02.19 15:27

「根岸S」のデジャヴーが起こる予感がして03-14-16を買ってたのに、カスったー!
2012.02.19 15:46

あっ!京都メインが的中してた!
2012.02.19 15:46

ああっ!東京10Rも的中してた!
2012.02.19 15:47

東京10R「アメジストスS」、2点で3連複的中!配当は3740円! http://twitpic.com/8lvf2j
2012.02.19 16:11

京都11R「洛陽S」、2点で3連複的中!配当は6020円! http://twitpic.com/8lvfda
2012.02.19 16:12

東京と京都の10Rと11Rを買って、4レースのうち2レースが的中!回転寿司、もっと絵皿を食べればよかった(笑)
2012.02.19 16:16

でもWIN5は最初の東京9Rで武豊が勝った瞬間に飛んだ!(笑)
2012.02.19 16:18

京都10R「河原町S」は芦毛が4頭も出たから、そのうちの3頭の3連複を2点買ったんだけどダメだった。「フェブラリーS」はこないだの「根岸S」のデジャヴーが起こる予感がしてシルクフォーチュン、トウショウカズン、テスタマッタの3連複を買ってたので惜しかった。
2012.02.19 16:31

馬券は当たらなかったけど「トランセンドとエスポワールシチーは来ない予感がするから、この2頭を外して買う」という狙い方は当たってた。この動物的な勘で買い続けて行けば、いつかは夢の一攫千金だ!ヒヒ~ン! 2012.02.19 16:42

京都3Rにハマの番長の持ち馬リーゼントブルースが出たけど8着だったのね。芦毛だから応援してるんだけどな。
2012.02.19 16:46

東京6Rは10番人気のジャイアンが勝って単勝4110円もついてた!ドラえも~ん!
2012.02.19 16:50

今日のWIN5は、6番人気、1番人気、2番人気、1番人気、7番人気、配当345万8390円、的中218票。何千万円とかは夢の夢だけど、このくらいなら毎週買ってればそのうち当たりそうな気がする。5レースのうち3レースを「1~3番人気」、残り2レースを「5~10番人気」にする作戦。
2012.02.19 18:29

今日はお昼に母さんと回転寿司に行って3800円くらい食べて、そのあとBOOK OFFに寄って100円コーナーで母さんが5冊、あたしが3冊、文庫本を買った。節約生活の中の久しぶりの散財。でも競馬で8000円くらい勝ったからノープラモデル。終わり良ければすべて良し。
2012.02.19 21:39


‥‥そんなワケで、今回、あたしがどんな買い方をしたのかって言うと、まずは何よりも大事な「一攫千金」のためのWIN5を最優先して、800円買った。いつもは200円とか400円とかなんだけど、今回はどうしても絞れなくて、さんざん悩んだ結果、1レースで2頭選んだのが3レースになっちゃって、結局、8通りも買うことになっちゃったのだ。つまり、残りは700円しかないワケで、普通なら、これを東京と京都のメインレースに振り分けるとこだろう。

でも、あたしは、しばらく前から「広く浅く」の作戦を試してて、前回の土日もこの作戦で何レースか的中して1万円くらい勝ったから、今回も「広く浅く」で行くことにした。そこで、東京と京都のメインの他に、その前の10Rも買うことにした。まず、京都10R「河原町ステークス」の出走表を見てみたら、ナナナナナント!久しぶりの芦毛祭りだった。1番ハクバドウジ、7番メトロノース、11番サイオン、14番スノードラゴン、あたしの大好きな芦毛が4頭も出る。それで、あたしは、この中で最近サッパリなハクバドウジを切って、残りの3頭の3連複を買った。このレースは、この1点で勝負だ!

続いての東京10R「アメジストステークス」は、1番人気の2番ノーステアと6番人気の3番サトノパンサーが来ると思ったから、この2頭に2番人気の8番トランスワープと、そろそろ勝ちそうな予感の12番アロマカフェ、この2点の3連複で勝負した。ここまでで300円だから、東西のメインレースに200円ずつ使える。

京都メインの「洛陽ステークス」は、サスガに1番人気の10番トーセンレーヴと2番人気の11番トウショウフリークは間違いないと思ったので、この2頭に小倉で見てカッコ良かった8番ガンダーラと大外の小牧騎手に期待して16番のエーシンジャッカル、この2点の3連複で勝負した。

そして、東京メインの「フェブラリーステークス」は、ダントツの1番人気だったトランセンド、2番人気のワンダーアキュート、3番人気のエスポワールシチーは外すことにした。たった200円で勝負するんだから、「的中しなくて当たり前、的中したら一攫千金」のほうが楽しめるからだ。だけど、どの馬も強そうでなかなか決められない。それで、ナニゲに次のレース、京都12Rの出走表を見てみたら、ブルーデジャブって馬がいた。この馬の名前を見た瞬間、あたしは、こないだの「根岸ステークス」のことがデジャブったのだ。

今回の「フェブラリーステークス」には、こないだの「根岸ステークス」で1着になったシルクフォーチュン、2着になったトウショウカズン、3着になったテスタマッタが出る。この3頭がおんなじように入賞すればデジャブーの完成だ‥‥ってなワケで、あたしは、「根岸ステークス」の着順とおんなじ3→14→16の3連単と、念のために3連複も買った。これぞギャンブル!(笑)

だから、ラジオの中継を聴いてて、テスタマッタが1着になった上に、2着がシルクフォーチュンみたいだって言ってるのを聞いた時には、大コーフンしちゃった!だけど、残念ながら、3着はトウショウカズンじゃなくてワンダーアキュートだったから、あたしの一攫千金の夢は、また遠ざかっちゃった。でも、ニポン中にトランセンドから買ってた人はものすごくたくさんいたワケで、エスポワールシチーから買ってた人もいっぱいいたワケで、その人たちよりも、デタラメに買ったあたしのほうがイイ線いってたワケだから、これからもこの方式で突っ走ろうと思う。


‥‥そんなワケで、今回は、4つのレースを買ったワケだけど、芦毛3頭とかデジャブーとかで買った2レースはハズレて、それなりに考えて買った2レースが的中したワケだ。だからって、すべてのレースをそれなりに考えて買ってたら、的中したとこで一攫千金には結びつかない。1日のレース結果をぜんぶ見てみると、必ず何レースかは何十万円、何百万円なんていう配当の大番狂わせがあるんだから、どっちかって言ったら、すべてのレースをコジツケやデタラメで買ってたほうが一攫千金に近づくことになる。でも、それだと、いつか的中するまでに、資金が減り続けちゃう。だから、あたしは、今回みたいに、「それなりに考えて買うレース」と「コジツケやデタラメで買うレース」とを半々に散りばめつつ、これからも競馬を楽しんでいこうと思ってる今日この頃なのだ♪


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2012.02.13

福島第一原発、現場からの声

福島第一原発2号機の温度が上がり始めて、とうとう80度を超えちゃったんだけど、野田ちゃんが去年12月に宣言した「冷温停止」の定義は「80度以下」なので、この時点で野田ちゃんの宣言は撤回しなきゃならなくなった。そしたら、東電は「温度計が壊れている可能性が高い」だなんて言い出す始末。意地でも「冷温停止」を固持したいんだね。

何しろ、停止中の他の原発を再稼働させるための約束が「福島第一原発の年内のステップ2の達成」、つまり「冷温停止」だったワケだから、ここで「冷温停止してませんでした」なんてことを認めちゃったら、4月に強行しようとしてる大飯原発の再稼働にも待ったを掛けなきゃいけなくなってくる。だから、政府としても、電力会社としても、4月までは意地でも「冷温停止」を演出し続けなきゃならないってワケだ。

だけど、温度計が壊れてるなら、その温度計で計った数値を根拠に「冷温停止」を宣言したこと自体が怪しくなってくるワケだし、すでに「再臨界」を示すキセノンまでもが検出されてるんだから、他の原発の再稼働のための演出なんかよりも、とにかく2号機を何とかしてもらわないと、完全に取り返しのつかないことになりそうな気がする今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、今回は、テレビや新聞の報道でしか福島第一原発の状況を知らされていない人たちのために、実際に現場の最前線で作業してる人のツイートを紹介させていただこうと思う。もうすでに有名な人だけど、ハッピーさん(@Happy20790)の昨夜のツイートだ。


「ハッピーさんのつぶやき」
https://twitter.com/#!/Happy20790

バンヮ(^O^)いわきに戻ってきたでし。2号機の温度は80℃越えたんだ(*_*)原子炉内の状況もわからないのに「冷温停止収束」宣言して保安規定も新しく出してしまったから、こんな騒ぎになっちゃったんだね。現場は安定も収束もしてないって言ってるのに…。
2012.02.12 22:03
https://twitter.com/#!/Happy20790/status/168681621652897792

続き1:例え温度計が壊れてたとしても温度計は修理出来ないし残り二つの温度計も壊れてしまったらどうするんだろ?オイラは壊れてないと思うんだけど。デブリ状況も温度計との位置関係も水の流れもわからないけど現象として一カ所だけ上がるのは不思議じゃないと思うんだ。
2012.02.12 22:03
https://twitter.com/#!/Happy20790/status/168681701357273088

続き2:それに壊れてたとしても、どういう壊れ方かはわかんないけど熱電対温度計は断線や端子の問題だとしたら針は+か-に振り切れるはずだし…。ノイズの話も納得いかないし…。また東電はホースと同じように実証試験して再現確認するのかなぁ…。
2012.02.12 22:04
https://twitter.com/#!/Happy20790/status/168681771792216064

続き3:しばらくはガス管理システムや塩分除去装置の戻りライン温度やその他のサンプリングで判断するしかないね。あとは原子炉建屋地下に新たな水中温度計を沈めるとか二回目のファーストエントリーを実施して温度を計測するとか…。色々やってみたい事は考えられると思うんだけどね。
2012.02.12 22:04
https://twitter.com/#!/Happy20790/status/168681843879714817

続き4:冷温停止宣言さえしてなければ一つの事象として捉えて色々対処分析できるんだけど、宣言の手前なんとしてでも温度を越えないようにって云う政府と東電の必死な態度が見えて、意地で無理して冷却水の量を増やしたりホウ酸入れてるとしか思えないんだ。
2012.02.12 22:04
https://twitter.com/#!/Happy20790/status/168681965862649856

続き5:きっと現場東電内にも冷却水増やしたら汚染水処理システムに問題が出るんじゃないかなって思う人はいるはずなんだ。でも冷温停止宣言の力には勝てないんだろうなぁ。なんで現場第一主義にならないんだろ…?やらなきゃいけない目標は一つなのに…。
2012.02.12 22:07
https://twitter.com/#!/Happy20790/status/168682565568438272

続き6:炉内を把握しない限りこれから先も色々あると思うけど、そのたびに宣言に縛られて他に弊害が出るんじゃないかなって心配でし。これじゃ2号機の第二回目のファーストエントリーも遅れそうだしなぁ…。
2012.02.12 22:07
https://twitter.com/#!/Happy20790/status/168682749362835456

続き7:今は宣言に縛られず現場は色々試してみたいはずなんだ、無駄でも色々試して消去法で分析判断するしかないと思うんだけど…。明日からまた頑張るでし。でわでわおやすみぃでし(-.-)zzZ
2012.02.12 22:09
https://twitter.com/#!/Happy20790/status/168683063633657857


‥‥そんなワケで、このハッピーさんのツイートを読めば分かるように、現場では「1日も早く収束させる」っていう目標に向かって、多くの人たちが被曝の危険性と隣り合わせでがんばってくれてるワケだけど、その最大の障害になってるのが、「放射能」じゃなくて、野田ちゃんの「冷温停止宣言」だったってワケだ。事故を収束させることよりも、現場の人たちの安全よりも、放射能汚染水による環境破壊よりも、何よりも現場で優先されてるのが、野田ちゃんの「冷温停止宣言」だったってワケだ。

そして、どうしてこれほどまでに政府と東電が「冷温停止宣言」にこだわってるのかって言えば、もちろん、停止中の他の原発を再稼働させたいからだ。いくらなんでも、大事故を起こした福島第一原発が収束のメドも立ってない状態では、サスガに他の原発を再稼働させることは難しい。世論の反発が必至だからだ。そのために、溶け落ちた核燃料がどこにあるのかも分からないのに、どんな状態になってるのかも分からないのに、炉内の温度だけを見て「冷温停止」を宣言したってワケだ。

だけど、その炉内の温度がジョジョに奇妙に上がり始め、とうとう「冷温停止」の定義から外れる「80度以上」になったトタン、今度は「温度計が壊れている可能性が高い」ときたもんだ。そして、現場には、後先のことなど考えずに、とにかく注水量を増やしてホウ酸もぶち込んで温度を下げることだけに尽力するようにとの指示。いったいぜんたい、政府はどこまで原発事故を甘く見てるのか?


‥‥そんなワケで、これほど多くの国民が大被害を受けていて、未だに自宅に帰れない人たちが大勢いるばかりか、故郷を汚染されて永久に帰ることのできなくなった人たちもたくさんいるってのに、野田ちゃんが考えてるのは「1日も早い原発の再稼働」ってワケだ。去年の9月に総理大臣に就任して以来、まだ一度も沖縄を訪問してないのに、自分の同窓会には1月も2月も連続で出席した野田ちゃん。この事実ひとつを見ても、この人が沖縄の基地問題を原発問題と同じように軽くしか考えてないことは明白だろう。こんな無責任極まりない人に任せておいたら、福島第一原発の収束など100年経っても訪れないし、それどころか、軽い気持ちでホイホイと再稼働させた原発が第二、第三の大事故を起こすことは火を見るよりも明らかな今日このこの頃なのだ。


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2012.02.08

原発の再稼動は絶対に許さない!

1月13日の深夜、四国電力の管内で唯一稼動してた伊方原発の2号機が定期検査のために停止して、四国で稼動してる原発はゼロになった。四国電力は「四国の電力の4割は原発によるもの。原発がなくなると大幅に電力が不足する」って言い続けてきたけど、すべての原発が止まっても電力は不足しないってことが証明された。

そして、1月27日の深夜、今度は中国電力の管内で唯一稼動してた島根原発の2号機が定期検査のために停止して、中国地方で稼動してる原発もゼロになった。中国電力も四国電力と同様に「原発がなくなると大幅に電力が不足する」って言って、山口県に上関原発を造ろうとしてるけど、これまたすべての原発が止まっても電力は不足しないってことが証明された。つまり、新しい原発なんて造る必要がなくなったってワケだ。

これで、今、稼動してるのは、北海道電力の泊原発3号機、東京電力の柏崎刈羽原発6号機、関西電力の高浜原発3号機、この3基だけになった。全国に54基ある原子炉のうち51基が止まってるのに、日本中どこも電力は不足してない。それどころか、原発を止めても電力が余ってる地域も多い。東京電力なんて、国内第2位の発電量を誇ってた福島第一原発が事故で発電量ゼロになり、稼動してるのは柏崎刈羽原発の6号機1つだけなのに、電力が余ってるから東北電力に電力融通までしてる。去年、大騒ぎして、死者まで出して計画停電したのは何だったのか?

そんなこんなで、現在稼動してる3基の原子炉も、3月いっぱいまでには順次定期検査に入るため、4月には全国の54基すべての原子炉が停止するって言われてる。たとえ、定期検査のための一時的な停止だとしても、日本中の原発がすべて止まった状態になり、且つ、それでも電力が不足してないってことが証明されれば、今後の「脱原発」に向けての大きな指標になると思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、「計画停電」なんていう茶番劇まで披露して「原発がないと電力不足になる」っていう洗脳を続けてるニポンの電力会社だけど、冒頭に書いたように、ずっと「電力の4割は原発によるもの」って言い続けてきた四国では、現在、すべての原発が停止してるのに、電力不足は起こってない。これはいったいどういうことなのか?‥‥ってなワケで、まずは四国の電力事情について、フランク・ザッパに解説しとこうと思う。

四国電力が供給できる電力の総量は857万9000キロワットで、このうちの約8割を自前の発電施設で発電してる。自前の発電施設の内わけは、火力発電57%、原子力発電23%、水力発電17%、自然エネルギー1.5%だ。そして、残りの約2割の電力は、発電施設を持つ自治体や企業などから買い取ってる。高知県の県営の水力発電所、徳島県の電源開発(Jパワー)、愛媛県の住友共同電力、四国以外では長崎県の電源開発(Jパワー)などから買い取ってる。なんでかって言えば、自前で発電するよりもコストが安くすむからだ。そして、これらをぜんぶ足したのが、857万9000キロワットっていう供給可能な電力の総量だ。

一方、需要のほうはと言えば、四国全体で、現在の冬のピーク時で最大490万キロワット、夏のピーク時で最大570万キロワットって言われてる。四国の伊方原発の発電量は、1~3号機までの合計が202万2000キロワットだから、原発をぜんぶ止めても残りは655万7000キロワットもあるワケで、夏のピーク時だって楽勝だ。じゃあ、どうして電力が不足するなんて言うんだろう?それは、四国電力が民間企業で、金儲けを目的に運営してるからだ。

四国電力では、他の電力会社と同じく、原発の稼働率を上げるために火力発電を止めてる。火力はコストが掛かるから、なるべく原発の稼働率を上げたほうが儲かるし、火力を止めれば原発による発電の割合が増えるから原発の必要性もアピールできる。その結果が、冒頭に書いた「電力の4割は原発によるもの」っていう宣伝文句だ。本来は全体の2割ほどなのに、他の発電を止めて原発の占める割合を4割にまで引き上げて、あたかも原発がないと電力が大幅に不足するってふうに演出してるワケだ。

だから、その原発がすべて停止したとこで、今まで止めてた火力発電を稼動させればいいだけの話だし、それ以前に、四国電力には電力が有り余ってる。何しろ、東電と同じく他の電力会社に「電力融通」してるんだから。その上、これにしたって、「融通」なんて言葉を使って、いかにも「助け合い」をしてるみたいに装ってるけど、所詮は金儲けのための「売電」でしかない。一年でもっとも電力を使う夏のピーク時でも、最大570万キロワットしか必要のない地域なのに、どうして857万9000キロワットもの供給量があるのか?それは、必要以上に発電して、余った電力で金儲けするためなのだ。


‥‥そんなワケで、あたしが今いる中国地方も、唯一稼動してた島根原発の2号機が1月27日に停止して、稼動してる原発はゼロになった。だけど、四国と同様に、特に何も問題は起こらない。だって、中国地方の電力需要は、夏のピーク時で最大1070万キロワットなんだけど、供給のほうは島根原発の2号機が稼動してた時で1220万キロワット、島根原発の2号機は82万キロワットだから、止まったって痛くも痒くもない。ようするに、すべての原発が停止しても、夏のピーク時だってノープラモデルってワケだ。

じゃあ、中国電力は何のために山口県のかけがえのない美しい海を埋め立てて上関原発を造ろうとしてるのかって言えば、これには2つの理由がある。1つは、四国電力と同じく、必要以上の発電をして、関西電力や九州電力に売るためだ。百歩ゆずって、自分たちの住んでる中国地方の電力が不足してて、そのために原発を新設するってことなら、反対運動を続けてる祝島の人たちだって1マイクロシーベルトくらいは理解してくれるかもしれない。だけど、自分のとこの電力は十分に足りてるのに、ヨソに電力を売って金儲けするために原発を新設するなんて、こんなこと絶対に許せるハズがない。

そして、もう1つの理由ってのは、これこそが活断層だらけの地震大国に原発を林立させてきた元凶なんだけど、皆さんご存知の「総括原価方式」ってワケだ。この電気事業法が定めた料金制度によって、ニポンの各電力会社は、地域独占してるのにも関わらず、言い値で電力を売ることができる。東電の西沢俊夫社長は「値上げはわれわれ事業者としての義務というか権利ですので」ってノタマッたけど、このセリフにいくらムカついても、利用者は一方的な値上げに従うしかない。これほどの大事故を起こしておきながら、こんなセリフを平然と言えちゃうのも、天下御免の「総括原価方式」、問答無用の「総括原価方式」、厚顔無恥の「総括原価方式」があるからだ。

この「総括原価方式」ってのは、電力を作るための必要経費に一定の報酬率(現在は3%)をカケて電気料金を設定するってシステムなので、一見、普通の商売とおんなじで何も問題のないように見える。電力を作るための必要経費が100円で、そこに利益の3円をプラスして103円を請求されても、利用者は何も文句なんてないだろう。だけど、問題なのは、この必要経費の部分なのだ。「電力を作るために必要なのは何?」って聞かれれば、普通は発電所や燃料など、それこそ「発電に必要なものだけ」を思い浮かべるだろう。

だけど、たとえば東電の場合には、社員のための保養施設の運営費から社員の慰安旅行、果てはゴルフやテニスのプレー代まで「電力を作るための必要経費」として計上してある。それも、東電の保養施設ならともかく、「東電広告株式会社」なんていう電力とは無関係の子会社の保養施設のぶんまで計上されてる始末。こうした保養施設の中には、ゴルフ場まで併設してる豪華なホテルもある。そして、これだけでもシャレにならないのに、さらにシャレにならないのが、社員の財形貯蓄の金利だ。東電の社内の財形貯蓄には、今どき考えられない年8.5%もの高金利がついてるんだけど、この金利のぶんまでが「電力を作るための必要経費」に上乗せされてるのだ。

こんなふうにして、電力とは無関係のものを次から次へと上乗せして計算した「電力を作るための必要経費」に、さらに利益ぶんとして3%をカケたものが、世界一高いと言われてるニポンの電気料金てワケだ。普通に考えたら、利益ぶんの3%の中から保養施設の運営費だの慰安旅行の代金だのを捻出するもんだと思うし、社内の財形貯蓄の金利は預かってるお金を運用して生み出すもんだと思う。だけど、この「総括原価方式」っていう「何をしても絶対に損をしないシステム」によって、なんでもかんでも必要経費、つまり「原価」にできちゃうから、8.5%なんていう考えられない金利まで支払えちゃうってワケだ。

で、話をクルリンパと戻すけど、電力が足りてるのに電力会社が原発を造ろうとするのは、発電所の数が増えれば、この「総括原価方式」によって「原価」も増え、結果、「利益」も増えるからだ。その上、原発を造れば国から1兆円もの補助金が出るんだから、造れば造っただけ儲かる仕組みになってる。さらには、余分に発電してヨソに売ることもできるんだから、こんなにおいしい話はないだろう。そして、原発を誘致した地域の首長たちにしたって、マトモに働いてたら一生手にできないほどの大金が降ってくるんだから、こりゃあ笑いが止まらないってもんだ。


‥‥そんなワケで、日本一の「原発銀座」と呼ばれてる福井県には、敦賀原発を抱える敦賀市の市長で「全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)」の会長でもある河瀬一治を始め、原発マネーに首までドップリと浸かった原発推進派の猛者たちが勢ぞろいしてる。河瀬一治は、今年1月4日の新年の会見で、定期検査のために停止してる敦賀原発2号機の再稼動を認めるって宣言した上に、2月1日の会見では、政府が原発の運転期間を原則40年までに制限するという法案を示してることについて、「たとえ40年が過ぎていたとしても再稼働は行うべきだ」ってノタマッた。なんでかって言えば、自分のとこの敦賀原発1号機が、今年で運転42年目を迎えるからだ。そして、3号機と4号機を増設する計画まで口にして、この2機が完成するまでは、40年が過ぎてても「完成までのつなぎとして敦賀1号機を運転させる必要がある」ってノタマッた。

一方、ご近所の高浜原発がある福井県高浜町では、福島第一原発の大事故から半年しか経ってない去年の9月に、高浜町議会が「(原発事故が起こったからと言って)エネルギー政策が脱原発に大きく振れてしまうことなく、安全確保を前提に今後も原子力を堅持すること」を国に求める意見書を可決した。で、この意見書を提案したのが高浜町議会の副議長、粟野明雄なんだけど、この人が経営してる金属加工会社「粟野鉄工所」は、去年までの3年間に、分かってるだけでも65件、合計で3億6000万円もの工事を関西電力や関西電力の関係会社から受注してたことが発覚した。去年の流行語大賞の「絆」が、こんなとこにもシッカリと結ばれてたみたいだね。

ま、これは福井県に限ったことじゃなくて、全国の原発がある市町村は、もれなくおんなじ癒着システムで電力会社と地元の有力者とが甘い汁を吸い合ってるワケだけど、これほどの大事故が起こり、未だ収束のメドも立ってない状況でも、コイツラの頭の中には「金儲け」のことしかない。だから、とにかく「原発の火を消すな!」ってワケで、「再稼動」という既成事実を積み上げていき、ホトボリがさめたころに次の原発を新設しようって魂胆なのだ。


‥‥そんなワケで、マクラには「現在稼動してる3基の原子炉も、3月いっぱいまでには順次定期検査に入るため、4月には全国の54基すべての原子炉が停止するって言われてる」って書いたけど、この「全国の54基すべての原子炉が停止する」って状況を待ち望んでるのが「お金よりも命が大切」だと思ってる脱原発派の人たちなら、何としてでもこれを阻止しようとしてるのが「命よりもお金が大切」だと思ってる原発推進派の金の亡者たちだ。そして、その先鋒を切ってくるのが、福井県の「原発銀座」の最大の原発、大飯原発だ。

たまに「おおいい原発」って言う人がいるから、念のために書いとくけど、これは「おおい原発」って読む。原発の「多い」原発銀座にあるから「おおい原発」って覚えとくといい。ニポンで最大なのは、東電の柏崎刈羽原発で、2番目が東電の福島第一原発で、3番目がこの関西電力の大飯原発だったんだけど、福島第一原発の廃炉が決まった今、この大飯原発はニポンで2番目の規模という、もはや誰にも自慢できない恥ずかしい勲章を手に入れたのだ。

で、この大飯原発は、現在、1号機から4号機までのすべての原子炉が停止してるんだけど、国民の命よりも金儲けを優先する野田政権は、大飯原発の3号機と4号機を4月に再稼動させようと目論んでる。そして、この再稼動が実現すれば、「4月には全国の54基すべての原子炉が停止する」っていう脱原発派の人たち、全国民の8割以上にも及ぶ人たちの希望を打ち砕くことができるってワケだ。

停止中の原発について野田ちゃんは、去年9月の所信表明演説で「再稼働を進めていく」って平然と公言してるし、こないだの「ザ・闘論」に出演した野田ちゃんの側近の近藤洋介議員なんて、「原発を再稼動しなければ電力不足になる」って大嘘をついた上に、「必要なら原発の新設も進める」って発言したもんだから、Ustreamのチャットには「近藤死ね!」のコメントが殺到したほどだ。

だけど、こんな顔ぶれが現在の政権を牛耳ってるワケだから、国民の願いとはウラハラに、「再稼動ありき」のインチキな公聴会が行なわれ、「再稼動ありき」のインチキなストレステストが行なわれ、「再稼動ありき」のインチキなIAEAの招聘が行なわれ、「再稼動ありき」のインチキな地元説明会が行なわれ、これまでずっと甘い汁を吸い続けてきた地元の首長や権力者たちによって、まるで福島第一原発の事故など起こらなかったかのように、大飯原発の3号機と4号機が再稼動するっていうシナリオだ。


‥‥そんなワケで、大飯原発の再稼動に反対してる福井県や近隣の府県の人たちは、2月4日と5日に大きな集会やデモを行ない、関西電力滋賀支店を取り囲んで「再稼動反対」を訴えた。再稼働反対の署名も、すでに5万人近く集まってて、これは関西電力の管轄内の2府5県の知事に提出される。だけど、それでも、大飯原発の3号機と4号機は再稼動されるだろう。何故かと言えば、去年の11月1日の悪夢があるからだ。

去年の11月1日の深夜、トラブルで停止してた九州電力の玄海原発2号機は、あれほど多くの人たちが連日デモをして、座り込みをして、反対の署名を集めて提出して、陳情して、ファクスやメールを送って、できる限りの意思表示をしたのにも関わらず、それを無視して再稼動させたからだ。それも、11月に強引に再稼動させたところで、翌月の12月には定期検査のために停止しなきゃならないことが分かってるのに、その上、電力は十分に足りてて、無理に原発を再稼動させなきゃならない理由なんてなかったのに、たった1ヶ月だけ再稼動させたのだ。

九州電力と言えば、ヤラセの説明会やヤラセのメールが発覚したばかりだったし、県知事や町長との癒着も発覚したばかりだった。ワイロ代わりに有力議員たちのパーティー券を買ってたことも発覚したし、普通の企業なら検察の捜査が入ってもおかしくないレベルの不祥事が連発した。それなのに、市民の声を無視して、原発を再稼動させたのだ。それも、深夜にコッソリと。1ヶ月後には検査のためにまた停止しなきゃならないのに、電力は十分に足りてるのに、どうしてここまで強引に再稼動させたのかって言えば、それは、今後も原発を推進してくための「既成事実作り」ってワケだ。

不祥事に次ぐ不祥事を連発して、世間に対して肩身が狭いハズの九州電力でさえ、こうして平然と原発を再稼動させたんだから、いくらデモをしようが、いくら署名を集めようが、4月になったら関西電力が大飯原発の3号機と4号機を深夜にコッソリと再稼動させることは目に見えてる。何しろ、政府がお墨付きを与えたからだ。だけど、こんなのは、まだマシなほうだ。だって、一応は事前に発表してからの再稼動だからだ。原発マネーに目がくらんで常軌を逸してる守銭奴たちには、もはや一般常識なんて通用しない。それは、自民党の中でも貴重な脱原発派の河野太郎議員の、1月26日付の次のツイートを見てもらえれば分かる。



@konotarogomame
河野太郎
実に不思議だが、在京のEU加盟国の大使館関係者から、深夜、同じ問い合わせがぽつぽつと入る。保安院が、311が過ぎたら、新規制庁ができてルールが変わる前に10基程の原発を再稼動させるとブリーフィングしているらしい。現職の官僚からの説明だそうだ。経産大臣はご存じか?
https://twitter.com/#!/konotarogomame/status/162191929805770753


どこかの知らない人のツイートや伝聞のツイートなら真偽を疑うとこだけど、仮にも著名な国会議員本人が「自分が実際に複数の関係者から聞いたこと」としてツイートしてるんだから、疑う余地はないだろう。ちなみに「ブリーフィング」ってのは「報告」とか「説明」って意味だ。つまり、4月に原子力規制庁が発足したら、いろいろと規則が変わって今までのように簡単には原発を再稼動させられなくなるかもしれない。しかし、大震災から一年にあたる3月11日よりも前に再稼動させたら、さすがに世論の反発が大きいと予想される。そのため、3月11日を過ぎてから4月に原子力規制庁が発足するまでの間に、マトメて10基くらい再稼動させてしまえ‥‥ってことだ。


‥‥そんなワケで、原発を再稼動させなくても電力は十分に足りてるのに、とにかく再稼動させて今後の新設につなげたい、これからも原発利権で甘い汁を吸い続けたい‥‥っていう金の亡者どもが、これほど大きな事故が起こったのにも関わらず、目先の金儲けのために取り返しのつかないことをしようとしてる。野田ちゃんにしても枝野ちゃんにしても細野ちゃんにしても「最終的には地元の合意が得られなければ再稼動できない」だなんて、一見、市民の側に立ったようなセリフを連呼してるけど、その地元の首長や権力者たちこそが、誰よりも原発利権で甘い汁を吸い続けてきた守銭奴なんだから、原発を誘致した時のように、またも大金をバラ撒いて「地元の合意」をデッチ上げるに決まってる。そして、たった1ヶ所でも再稼動を許してしまえば、これが免罪符となり、あとは雪崩を打ったように全国各地の原発が次々と再稼動していき、コロアイを見計らって上関や大間の新設計画も本格的に再開するだろう。だから、この国を安心して暮らせる国にするためには、次世代を担う子どもたちに安心して手渡せる国にするためには、まずは3月11日を過ぎてから4月に原子力規制庁が発足するまでの原発マフィアどもの動向を全国民が注視すること、そして次に大飯原発の4月の再稼動を絶対に許さないこと、この2点が未来への重要な鍵になると思う今日この頃なのだ。


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2012.02.05

天下りのために消費税を増税する野田!

経済産業省の言いなりになって原発を推進しまくり、防衛省の言いなりになって普天間基地の県内移設案を強行しまくり、財務省の言いなりになって消費税増税に尽力しまくり、完全に「脱国民」路線をまっしぐらに突き進んでる野田ちゃんだけど、2月4日の立春の日、そんな野田ちゃんは東京の三田にある慶応大学のシンポジウムに参加して、学生らを相手に「いかに消費税の増税が必要か」っていう厚顔無恥な講演を繰り広げた。民主党内にも増税に反対する議員がいっぱいいるってのに、自分の党内の意見もマトメられない野田ちゃんが何を言ったとこで説得力なんてゼロなのに‥‥。

だけど、こんな時こそ「仕込み」ってワケで、あらかじめ根回ししといたみたいな学生の1人が絶妙の質問をしてくれる。野田ちゃんの「消費税を10%に引き上げる」って発言に対して、1人の学生が原稿を手に「本当に10%で足りるのですか?」っていう台本通りの質問をしてくれる。これで野田ちゃんの舌は水を得た魚のように滑り出し、「まずは2015年までに消費税率を10%に引き上げるという目標をクリアすることが大切だ」って強調した上で、さらなる増税の可能性にまで言及することができたってスンポーだ。なんてワンダホーな連携プレイなんだろう。

国民に説明してないのにサミットで公言とか、党内で議論してないのにシンポジウムで公言とかってのは、野田ちゃんを始め野田内閣の閣僚たちの十八番の「既成事実作り」ってワケだ。何よりも分かりやすい例が、去年12月の「冷温停止宣言」だろう。誰がどこから見たって福島第一原発はまったく収束してないのに、野田ちゃんてば全世界に向かって「福島第一原発は冷温停止状態になったことが確認されました」ってノタマッただけじゃなく、「事故そのものは収束しました」って大嘘をついちゃった。これはもちろん、各地の停止中の原発を再稼動させてくために、「年内の冷温停止」っていう「再稼動のための最低限の大前提」を達成したように見せかけるための「既成事実作り」ってワケだ。

そして、野田ちゃんの「収束宣言」の翌日、あちこちの配管からプルトニウムを含んだ高濃度の放射能汚染水が漏れ出し、地下には新たな汚染水が何百トンもあることが分かった。その上、翌月の1月には、1号機から3号機までの原子炉から放出され続けてる「毎時6000万ベクレル」の放射性物質が「毎時7200万ベクレル」へと跳ね上がった。東電によると「放出量を下げる具体的な対策がないため、とうぶんはこのレベルの放出が続く」とのことで、もちろん、現在も1時間あたり7200万ベクレルもの放射性物質が放出され続けてる。いったいぜんたい、これのどこが「収束」なのか?‥‥つーか、野田ちゃんが「収束宣言」をしたトタンに、あちこちの配管から汚染水が漏れ出し、放射性物質の放出量まで跳ね上がっちゃうなんて、「お前はドリフのコントか!」ってツッコミたくなる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、チョー久しぶりに政治の話題を書いてるから、まだ脳みそが温まってないアイドリング状態なので、まずは今回の消費税増税の発端にさかのぼってみようと思う。題して「消費税増税はじめて物語」ってワケで、美人のきっこお姉さんとモグタンと一緒に、クルクルバビンチョパペッピポ!ヒヤヒヤドキンチョのモ~グタン!‥‥てなワケで、2008年6月のニポンに到着した。今から4年前なんだから、もちろん、まだ自民党が政権与党で、当時の総理大臣は福田ちゃんだ。福田ちゃん自身も国民も、まさかこの3ヶ月後に、福田ちゃんが逆ギレして新聞記者に「あなたとは違うんです!」って怒鳴りつけて政権を丸投げしちゃうなんて思ってない、そこそこ平和な時期だった。で、そんな平和に時期に、「ミスター増税」こと与謝野ちゃんが会長をつとめてた「自民党財政改革研究会」で、与謝野ちゃんと現在の自民党総裁の谷垣ちゃんの2人が中心になって提言したのが「消費税増税論」だった。

安倍ちゃんに続いて福田ちゃんまでもがたった1年で政権を丸投げした上に、続いての総理大臣は中学生レベルの漢字も読めない麻生ちゃんてワケで、自民党政権に対する国民の不信感が急上昇したことを受けて、野党第1党の民主党は一気に政権獲りに動き出す。2009年の夏の総選挙では、当時の代表である鳩山由紀夫ちゃんが「消費税増税論は4年間封印する」って公約を掲げて大勝し、ついに念願の政権交代を果たしたのだった。

で、よく確認してほしいんだけど、鳩山ちゃんが選挙戦の時に「4年間封印する」って連呼してたのは、「消費税増税」じゃなくて「消費税増税論」てワケだ。つまり、民主党が政権を獲ったアカツキには、消費税を増税するどころか、最低でも4年間は「消費税増税のための議論すらも行なわない」って断言してたのだ。これは「民主党の公約」なんだから、選挙後に民主党の代表が誰に代わろうとも、この「国民との約束」には効力がある。政権交代から4年経たないうちに「消費税増税のための議論」を始めたら「公約違反」てことになる。これは小学生でも分かる理屈だろう。


‥‥そんなワケで、あたしは前から言ってるように、消費税の増税に対して頭ごなしに反対してるワケじゃない。まずは税金の無駄遣いに徹底的にメスを入れて、節約できることはすべて節約して、それでもこれだけ足りないので増税させてくださいって頭を下げるならヤブサカじゃない。たとえば、全国には約4700もの天下りのための公益法人があって、これらに約2万8000人もの公務員が天下りしてて、こいつらのために年間12兆6000億円もの税金が使われてる。もちろん、これらの公益法人の大半は「天下りの受け皿」ってのが役割であって、国民の利益にはなってない無用の長物ばかりだ。そして、多くの天下りたちは、これらの公益法人や外郭団体を数年ごとに横すべりして、その都度、何千万円ていう退職金をフトコロに入れてるってワケだ。

野田ちゃんは、まずは現行の5%の消費税を10%に引き上げるって言ってるけど、消費税を5%引き上げるとどのくらい税収が増えるのかって言えば、一般的には「約13兆円」て言われてる。つまり、ザックリと言っちゃえば、国の寄生虫である天下りどもを退治すれば、毎年「12兆6000億円」も予算が浮くワケで、消費税を増税する必要なんてなくなる野田!なくなる野田!なくなる野田!‥‥ってなワケで、3年前の総選挙の時に、自民党の掲げた「消費税増税論」に対して野田ちゃんがどんなことを言ってたのか、またまた時間を過去にクルクルバビンチョしてモグタンと一緒に見てみよう。



映像が見られない人のために、野田ちゃんの素晴らしい演説の内容を以下、書いておく。


「野田佳彦議員の3年前の街頭演説」

マニフェスト、イギリスで始まりました。ルールがあるんです。書いてあることは命懸けで実行する。書いてないことはやらないんです。それがルールです。

書いてないことを平気でやる。これっておかしいと思いませんか?書いてあったことは4年間何にもやらないで、書いてないことは平気でやる。それはマニフェストを語る資格がないというふうに、ぜひ皆さん思っていただきたいと思います。

その一丁目一番地、税金の無駄遣いは許さないということです。天下りを許さない、渡りは許さない。それを徹底していきたいと思います。

消費税1%ぶんは2兆5000億円です。12兆6000億円ということは消費税5%ということです。消費税5%ぶんの皆さんの税金に、天下り法人がぶら下がっている。シロアリがたかってるんです。それなのに、シロアリ退治しないで、今度は消費税引き上げるんですか?

消費税の税収が20兆円になるなら、またシロアリがたかるかもしれません。鳩山さんが4年間消費税を引き上げないといったのは、そこなんです。シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです。徹底して税金の無駄遣いをなくしていく。それが民主党の考え方です。


‥‥そんなワケで、現在の野田ちゃんに対してあたしが言いたいことは、3年前の野田ちゃんがぜんぶ言ってくれた。この「3年前の野田ちゃん」が言ってる通り、全国の天下りに年間12兆6000億円もバラ撒き続けながら「予算が13兆円足りないから消費税を5%引き上げたい」なんて言うのはトンデモナイ話で、まずは「シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです。」ってワケだ。

だけど、3年前に「徹底して税金の無駄遣いをなくしていく。それが民主党の考え方です。」って言ってた野田ちゃんは、自分が総理大臣になったトタンに、この「民主党の考え方」をキレイサッパリと忘れちゃった。そして、自分が3年前に批判してた自民党とおんなじことを始めちゃった。そう、「シロアリを退治せず、天下り法人をなくさず、天下りをなくさず、それなのに消費税だけは増税する。」、つまり、自分自身がシロアリの仲間になって、シロアリを守るための政治を始めちゃったのだ。

で、民主党の代表のクセに「民主党の考え方」と正反対のことを始めちゃった野田ちゃんに対して、当然のことながら、党内からはブーイングの嵐が巻き起こった。少なくとも100人近い議員が「増税そのものに反対」と「増税は容認だが野田ちゃんの増税案には反対」の立場で、このまま強引に進めれば党内は真っ二つ、選挙どころじゃなくなるだろう。このまま野田ちゃんが3月の国会に消費税増税の関連法案を提出した場合には、小沢さんも「採決で反対する」って党の執行部に伝えてるし、鳩山ちゃんも「消費税増税には反対する」って言ってる。小沢グループは100人前後、鳩山グループは40人前後、これだけの議員が反対に回ったら、結果は火を見るよりも明らかだろう。


‥‥そんなワケで、「脱原発」ならぬ「脱国民」を地で行く野田ちゃんは、やることなすこと官僚の言いなりで、3年前の公約なんてぜんぶ忘れちゃったご様子。トドのツマリが自民党の悪政の焼き直し、自公政権の劣化版に成り果てちゃった。3月の国会で消費税増税の法案が可決されなかったら、自分の首と引き換えに解散総選挙に打って出る覚悟みたいだけど、あんな分厚いツラの皮に覆われた醜い首なんか差し出されても国民はいい迷惑だ。民主党も自民党も「官僚主導」で、民主党も自民党も「消費税増税」で、民主党も自民党も「原発推進」で、民主党も自民党も「国民なんて二の次」なのに、これほど不毛な選挙なんてバカバカしくてやってられない。だから、あたしは、今日の日記の中で、唯一「さん付け」で書いた小沢さんの動向に注目しようと思ってる今日この頃なのだ。


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2012.02.01

お知らせです。

2月1日(水)、今夜21時から22時30分までの1時間半、日経CNBCの『ザ・闘論』がUstreamで生配信されます。

今回は、第1部が「どうする電力改革」、第2部が「エネルギーの選択」というテーマで、原発問題や代替エネルギー問題について熱い討論が繰り広げられます。

『ザ・闘論』では、皆さんから寄せられたご意見も重要で、放送で取り上げられる場合もあります。

そこで、以下3つの設問に対して、ご意見のある方はリンク先の「コメント欄」に書き込んでほしいのです。
3つの設問すべてでも、ご意見のある設問だけでも構いません。

今回は、東京都副知事の猪瀬直樹氏、自民党の河野太郎氏、民主党の近藤洋介氏なども参加していますので、あなたの意見が都政や国政の場に届くかもしれません。


【設問1】 電力改革の焦点として、地域独占の廃止と発送電の分離が問われています。この2点について、どんなお考えですか。

■コメントはこちらから■


【設問2】 短期的なエネルギー対策として、原発の再稼働を認めますか、認めませんか。「縮原発」ですか、「反原発」ですか。

■コメントはこちらから■


【設問3】 中長期的な日本のエネルギー政策は、自然エネルギーの活用が柱となりますが、どんな政策が必要ですか。

■コメントはこちらから■


それぞれの設問のリンク先のコメント欄には、あたしの書き込んだコメントもありますので、よかったら読んでみてください。
また、コメントはリンク先の「楽天 SOCIAL NEWS」に登録しないと書き込めませんが、すべて無料なので安心して登録してください。

今夜の『ザ・闘論』の詳細は、以下のリンクからご覧ください。

http://www.nikkei-cnbc.co.jp/tohron/

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