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2012.03.06

美女とクロマグロ

あたしと母さんの住所は、まだ東京のままなので、郵便物はすべて転送してもらってるんだけど、今年の2月中に引っ越しすることになってたので、1月から2月にかけての郵便物は転送せずに取っておいてもらい、引っ越し先が決まった時点で、新しい住所のほうにマトメて転送してもらうことにしてた。で、2月の下旬に引っ越しが完了したので、あたしと母さんの郵便物の中継をしてくれてる人に新しい住所を連絡したら、数日後に1ヶ月ぶんの郵便物を詰めたゆうパックが届いた。

パチンコ屋さんのDMから区役所の重要な書類まで、まさにピンからキリまでの手紙の束と一緒に、いくつかの荷物も入ってた。ほとんどは化粧品メーカーからのサンプルや新製品だったけど、プライベートのものも混じってた。毎年バレンタインデーに美味しいチョコレートと素敵なメッセージを贈ってくださる女性から、今年もチョコレートとメッセージが届いてたし、あとは、去年の暮れにあたしが買った児島玲子ちゃんのDVDと本も届いてた。

玲子ちゃんのDVD、『挑む!児島玲子 ~クロマグロキャスティングゲーム~』は、去年の3月のちょうど大震災のあたりに出たものだった。それで、ハラホロヒレハレしてたあたしはDVDを買うに買えない状況が続いてたワケだけど、去年の11月に玲子ちゃんの書き下ろしの本、『釣り浪漫~釣りが私に教えてくれたこと』(幻冬舎)が出たころには、あたしの生活も何とか落ち着いてたので、去年の暮れに買うことにした。最初は、玲子ちゃんの本だけでもどこかの本屋さんで買おうと思ったんだけど、ここで思い出したのが、玲子ちゃんのオフィシャルサイトで買えば「直筆サイン入り」にしてくれるっていうファンにはタマラナイザーなサービスだった。

それで、あたしは、まだ住所が定まってなかったので、郵便の中継を頼んでる友人にお願いして、あたしの代わりに玲子ちゃんのDVDと本を注文してもらい、その友人の口座に郵便物の転送料金を振り込む時に、DVDと本の料金も一緒に振り込むっていう作戦にしてもらった。それが、今回のゆうパックに入ってたって流れの今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、玲子ちゃんの『宮古島ガーラトリップ』は、今でもマイ・フェイバリットなDVDで、去年の7月にテレビが観られなくなってからは、このノートPCで何度も観て、何度も号泣してた。このDVDに関しては、2006年2月4日のブログ、「心の美しさ」を始め、これまでに何度も書いてきたけど、「きっこのブログ」が「きっこの日記」だった時代から読んでくれてた人なら、このDVDをキッカケにした奇跡のようなストーリーをご存じだろう。

知らない人のためにフランク・ザッパに説明しとくと、あたしが玲子ちゃんの出演してる「釣りロマンを求めて」やDVD『宮古島ガーラトリップ』の感想をチョコチョコとブログに書いてたら、ある日のこと、玲子ちゃん本人からメールが届いたのだ! その時のことは、2006年4月7日のブログ、「感動!感動!大感動」に詳しく書いてあるけど、これがご縁で、あたしの3冊目の本、『きっこの日記 R』に、玲子ちゃんとの対談を掲載してもらえることになった。こんなこと、普通じゃアリエナイザーだろう。

で、今回、ナンダカンダで発売から1年も経っちゃったけど、あたしの手元に新しいDVD『挑む!児島玲子 ~クロマグロキャスティングゲーム~』が届いたってワケで、すでに観る前から大興奮!大感動!大号泣!の三段引きが分かってるあたしは、軽い気持ちで観始めることができなかった。ちなみに「三段引き」ってのは、沖釣りでマダイがヒットした時の引き方のことで、ナニゲに釣り用語もコマセしながら進めてくけど、ようやくDVDが手に入ったので、あたしは美味しいお酒と肴を用意した最高の条件で鑑賞するために、すぐには観なかった。その代わりと言っちゃナンだけど、まずは玲子ちゃんの書き下ろし、『釣り浪漫~釣りが私に教えてくれたこと』を先に読むことにした。

巻頭は8ページのカラーグラビアで、玲子ちゃんが世界各地で釣り上げた大物との写真やプライベートの可愛らしい写真などが満載だ。内容に関しては、これから読む人たちのために、あまり具体的には触れないけど、ザックリと言えば、前半はこの本のサブタイトル通り、玲子ちゃんが釣りから学んできたことを、これから釣りを始めたいと思ってる人たちに対して、分かりやすく解説してくれてる。でも、それは、よくある釣りの入門書に書いてあるようなノウハウとかじゃなくて、もっとメンタルなことだったり、釣りを楽しむための基本的な心構えみたいなことなので、これから釣りを始めようと思ってる人たちに限らず、長年釣りをやってる人でも一読の価値はあると思う。

「キャッチ」と「リリース」に関する玲子ちゃんの考え方、「記録」と「記憶」に関する玲子ちゃんの考え方、そして「自然」や「フィールド」に対する玲子ちゃんの考え方、あたしは、1人でも多くの釣り人に読んでほしいと思った‥‥ってなワケで、前半は、ちょっとマジメな感じで始まるんだけど、ほとんど女性の釣り人がいなかった時代に釣り番組に出始めた玲子ちゃんのことだから、「女性ならでは」の目線からの提言も多い。男性との体力差の問題もあるけど、何よりなのは、やっぱり釣り場でのトイレの問題だ。

で、これまでに世界各地の「トイレのない釣り場」を渡り歩いてきた玲子ちゃんの失敗談の数々が始まり、クスッと笑ったり自分のことのように赤面したりしてるうちに、ジョジョに奇妙に世界の釣りの話へと進んでいく。ここからは、まさに開高健さんの世界で、知らず知らずのうちにどんどん引き込まれていく。そして、プロアングラー児島玲子の代名詞とも言える、GTとクロマグロに関する体験談で一気に昇華する。ここでは、DVD『宮古島ガーラトリップ』を観た人でも分からない「映像に映っていない玲子ちゃんの努力」が記されてるから、この本を読んでからDVDを観直すと、さらに感動が大きくなることウケアイだ。

このあとは、玲子ちゃんの「これまで」について詳しく書かれてるんだけど、思わず泣いてしまったのは、大好きだったお兄さんとの別れのシーンだ。玲子ちゃんのお兄さんが病気で若くして亡くなったことは、玲子ちゃん本人から聞いて知ってたけど、この本では、とても詳しく書かれてて、この時のお兄さんの気持ち、ご両親の気持ち、そして、病室で自分の出る「釣りロマンを求めて」をお兄さんが観てくれてると思いながら笑顔で釣りをしてた玲子ちゃんの気持ちを思うと、あたしは、もう涙が止まらなくなった。


‥‥そんなワケで、他にも、美味しいお魚の食べ方とか、最初の一匹と出会った時の感動とか、東日本大震災の被災地に釣り仲間たちと励ましに行ったこととか、玲子ちゃんの思いと魅力がいっぱい詰まった『釣り浪漫~釣りが私に教えてくれたこと』は、玲子ちゃんのファンや釣り人だけでなく、どんな人にでも何かしらの発見や気づきや感動を与えてくれる一冊だ。ぜひ、多くの人に読んでほしいと思う‥‥ってなワケで、ようやくお酒と肴の用意ができたあたしは、いよいよ待ちに待ったDVD『挑む!児島玲子 ~クロマグロキャスティングゲーム~』を鑑賞することにした。ちなみに、お酒は泡盛の「宮の華」、肴はカツオの酒盗だ。ホントなら「トーフヨー」をチビチビと舐めながら泡盛を飲みたいとこだけど、あいにく「トーフヨー」は手に入らなかったから、味が似てるカツオの酒盗を代替エネルギーにするって作戦だ。

で、カツオの酒盗をチビチビと舐めつつ、泡盛をロックでクイクイと飲みつつ、DVDを一気に最後まで鑑賞したワケだけど、これまたネタバレを避けるために具体的な内容には触れずにヒトコトで言うと、感動もしたけど、それ以上にホレボレした! 『宮古島ガーラトリップ』の時は、ルアーをポイントまでキャストすることもできなかった初心者の玲子ちゃんが、それから腕を磨き続け、とうとう6年後に夢だった「宮古島の大物GT」を釣り上げる‥‥っていうドキュメンタリーだから、あたしは大感動して大号泣した。だけど、今回の『挑む!児島玲子 ~クロマグロキャスティングゲーム~』は、最初から玲子ちゃんはベテランなのだ。つまり、釣りのベテランが、ベテランでも難しい最難関の釣りに挑むってことなので、とにこにも「初心者で泣きそうになる玲子ちゃん」は登場しない。

だから、釣りとしてはGTよりも難しい「キャスティング&スタンディングによるクロマグロ」なんだけど、観ててハラハラする場面がなかった。もちろん、ナブラを前にヒットしない焦りだとか、ヒットしてからのラインブレイクを心配するようなハラハラ感はあったけど、「玲子ちゃんが初心者だから技術的に心配」っていうハラハラ感はなくて、それよりも、「玲子ちゃんなら絶対に釣り上げてくれる」っていう信頼感みたいな感覚が勝ってた。

もちろん、青森の竜飛岬では佐藤偉知郎さん、福岡の玄界灘では福井健三郎さんていう大ベテランのサポートがあってのことだけど、それでも、未知の怪物に挑む玲子ちゃんの横顔がカッコ良くてホレボレした。だから、念願のファーストキャッチやサイズアップのたびに感動でウルウルしたことは事実だけど、それよりも、玲子ちゃんの表情、ナブラを発見してからのスピーディーな動き、巨大なルアーを遠いナブラへと正確にキャストする技術、ナブラにコーフンしつつもルアーの選択を考える冷静さ、ヒットしてからのやりとり、ヒットしたマグロが船の下に潜った時の船長への指示など、玲子ちゃんのすべての動きをホレボレしながら観てた。

年を重ねるごとに美しくなってく玲子ちゃん。釣りの腕前が上達するごとに美しくなってく玲子ちゃん。これは、「自信」による効果なんだと思う。デッキの船首でクロマグロのナブラを追う玲子ちゃんの横顔は、ホントに美しかった。もしも玲子ちゃんが「釣り」と「芸能界」の選択で「芸能界」を選んでいたら、ここまで美しくは成長してなかったと思う。

そして、大感動のラストシーンで、あたしの涙腺のダムは決壊して、いつものように涙が止まらなくなったけど、これは、DVDを観る前に『釣り浪漫~釣りが私に教えてくれたこと』を読んでたことが相乗効果になったんだと思う。今回のラストシーンでの大感動は、『宮古島ガーラトリップ』の最初ではポイントまでルアーをキャストすることもできなかった女の子が、とうとうこんなにも凄いことをやらかしちゃうほどのアングラーに成長したんだ!っていう大感動だったワケで、ここでのキーワードは「成長」だ。

『釣り浪漫~釣りが私に教えてくれたこと』には、玲子ちゃんが子どもだったころのお兄さんとのザリガニ釣りの思い出なんかも書いてあったから、あたしの脳内シアターでは、お兄さんに着いてまわってたちっちゃかったころの玲子ちゃんと、釣り番組に出始めたころにお兄さんとの別れを経験した玲子ちゃんと、そして、ミゴトにクロマグロを釣り上げた現在の玲子ちゃんとが、一直線に並んだのだ。これは、玲子ちゃんのことが大好きなあたしにとって、号泣以外には対処できないほどの大感動だ。


‥‥そんなワケで、世の中のほとんどの釣り人が「自分の楽しみ」のために釣りをしてるワケだし、玲子ちゃんだって仕事とは言いつつも釣りが大好きで楽しんでるワケだけど、一般の釣り人と違って玲子ちゃんが「プロ」と呼ばれてるのは、釣り番組や釣りイベントなどのギャラで生活してるからってことだけじゃない。玲子ちゃんが「プロ」と呼ばれてるのは、こうして、自分の釣りで第三者を感動させることができるからだ。これは、プロのアスリートとおんなじことだ。だから、あたしは、どんなドラマよりも、どんな映画よりも、すべて現実だけで紡いである玲子ちゃんのDVDに感動する。『宮古島ガーラトリップ』しかり、『挑む!児島玲子 ~クロマグロキャスティングゲーム~』しかり、台本のない世界では、常に「努力」と「情熱」だけが結果に結びつくから、そこに結果があれば、映像に描かれていなくても「努力」と「情熱」が感動を与えてくれる今日この頃なのだ!


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玲子ちゃんの本やDVDはアマゾンでも上記のリンクから買えますが、以下の直販サイトで申し込めば在庫分に限り「直筆サイン入り」のものを定価で買うことができます。
※なお『宮古島ガーラトリップ』は生産分すべて売り切れているのでアマゾンでユーズド品を探すしかありません。

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DVD『挑む!児島玲子 ~クロマグロキャスティングゲーム~』予告

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